キミガマリア   作:れいんいる

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本日3話目

おや、おかしいな。オリ主の瞳に


005キミトカラオケ

 「考えたら遊びに行くような場所だと、カラオケくらいだよな。内緒話ができそうな場所」

 「まあ、中学生だしねー」

 

 次の日。集まるとそのままカラオケに繰り出した。

 遊園地とか動物園とかも考えたが混んでるだろうし、そもそもそれデートじゃんってなるし。

 

 とりあえず話をする前に一曲ずつ歌を歌う。

 星野の歌は割とうまかった。

 

 「で、何から話そっか」

 

 星野に尋ねる。言ってから聞かれたほうも困る言葉だよなと思う。

 

 「次はアイドルになってからのことだと思うけど、さぁきにー君のことが知りたいなぁ。私のほうばっかり知られてるのはずるいでしょ」

 「怖いわ」

 

 ルビーが処女受胎がどうこう言ってたのがフラッシュバックしたわ。

 同じイントネーションだったぞ。

 

 失敗したかなと思った。

 一晩明けて少し冷静になったのだろう。

 聞かれればこたえようとは思っていたがこの場で聞かれるとは思っていなかった。

 

 「ダメな感じ?」

 

 少し不安そうな声が漏れる。

 これ嘘つけてなくないか?

 

 「いや、大丈夫。全部話すって言ったしな」

 

 ただ、そう。

 どう話すかな、と考える。

 

 

 「例えばオレたちが今ここで死んでしまうとする」

 「何それ。また変なこと言ってる」

 

 話をそらされたかと思ったのか物言いが入る。

 

 「まあ聞け。ちゃんと繋がるから。でだ、オレたちがここで死んだとき星野は記憶を持ったまま生まれ変わって幸せに生きたいと思うか?」

 

 星野を見ながら問いかける。

 星野は立ち上がると椅子に座っているオレに覆いかぶさるおように両手を広げ壁につき、じっとオレの瞳を見つめた。

 

 「それ、嘘は無しでってことだよね?」

 「ああ、今までで一番まじめな問いかけだな」

 

 吸い込まれるような瞳。

 中学一年生とは思えないほどの魅力がそこにあった。

 星野は一息つくと答えた。

 

 「絶対に嫌」

 

 星野から黒いオーラが侵食してくるように感じる。瞳の星は燦燦と黒く輝いてることだろう。

 

 「そうだな。オレも絶対に嫌だ。生まれ変わって幸せに生きたいなんてのは生まれ変わればうまくやっていく自信がある奴だけだ。それが根拠のない自信だったとしてもな。ああ、この場合のうまくやっていくというのは賢く生きるって意味じゃない、新しい自分に折り合いをつけて楽しくやっていけるかって意味だな」

 

 原作のアクアくんももう一度転生したいかって言われたら絶対拒否することだろう。

 

 「一度経験したことは体が変わって、ないことになったとしてもなかったことにはならない。世界が地獄だって知っているだろう。たとえこの先幸せになれたとしてもそれはそれ。次を望むことはない。まだ死ねないから生き返らせろとは思うかもしれないが」

 

 少し目を見開いてこちらを見ている。

 

 「で、それがオレだ。もう昔の名前を知る奴だっていないし、かといってオレが経験したことがなくなったわけでもない。お前と同じように人を覚えるのは苦手だし、人と一緒にいるのが苦手だ。誰かに自分のことを知ってほしいと思う反面そもそも他人に興味が持てない。人に親切にするのも代償行為だろう。自分がこうしてもらいたかったっていう」

 

 星野から特に反応がないので締めに入る。

 

 「まあ、こんな感じだ。割と暗い話になる。まだ知りたいなら前の話でもこっちで生まれてからの話でもするが、どうする?」

 「……うん。今はいいや。あ、気にならないわけじゃないからね。また少しずつ聞かせて。それで、生まれ変わってここにいるってことだよね? それじゃ君の元々の名前って何だったの?」

 

 理解はしてる。でもひいてないな。

 暗くなる話はともかく、転生とか眉唾物だと思うんだが。

 

 「ホシノ、星野テルだ。苗字はお前と一緒。名前は輝くと書いてテルだな」

 

 どこか、そう。どこかがピタッとはまった気がした。

 

 「へー、偶然? 今が月野ヒカルだから、意味は近いよね。テルくん」

 「テルくんって、星野お前」

 

 急に名前で呼ばれた。前世の名前だ。今世ならともかく前世の名前を呼ばれた記憶なんてもはや星のかなただ。

 

 「あ、私のこともアイで良いよ。友達だしねー」

 「名前、名前ってお前」

 「えー恥ずかしい、恥ずかしいの? んー生まれ変わったんだったら年上じゃない? あ、前世ではいくつだったの? あ、それよりも名前。ほら名前で呼んで」

 

 アイドルになってからの星野とは違う、教室で話をするときとも違う、少しシニカルな口調で喋っているのにやけに多弁だ。

 

 「テンション、テンションが高い。お前、そういうキャラじゃないだろ。なんだそのテンション」

 「ほーら、早く呼びなよー。あーい。はいリピートアフタミーあーい」

 「あー、い」

 「いぇー、よくできましたー。フー」

 「なんなんだいったい」

 

 距離。距離の詰め方がえぐい。

 有馬のかなさんとは血縁なかっただろうが。

 なんだよこいつ無敵か? 無敵だったわ。最強無敵のアイドル様だったわ。

 

 「で、歳はー? 歳はいくつだったの?」

 「……34」

 「おじさんじゃーん。え、大人じゃん。足したら46でしょ? アラフィフだー!」

 「いや、お前、大人に幻想抱くなよ。基本的に自我が確立してある程度経験積んだらそれ以降人格に変化なんて起きねーからな。お前の場合、もう固まってるだろうから30とか50になってもお前もそのまんまだぞ」

 「うっそだー。え、ホント? うわぁなんだか大人の人見る目変わりそう」

 「大人が大人に見えるのはその立場と行動、あとは見かけからだ。それ以外はオレたちと変わらん。早い奴はもう固まってるし、おそくとも18くらいまでには固まってるだろ。学生時代が一番挫折とか、人間関係複雑骨折する時期だからな」

 

 話が変な方向に進んでしまったので一曲歌って場を沈めた。

 




オレが、オレたちがダブル主人公だばりにRTA合戦するのやめてくれませんか。
これが一番早いです。じゃないんだよ。
存在しないはずの選択肢を選択された気分。
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