六等星は一等星に   作:不動さん

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妄想小説でございます。
原作とは違ってる部分もあるとは思いますが、よろしくお願いします。


アタシ、星野レン!双子の姉です

俺・・・・。いや、今はアタシは転生者だ。

 

何、可笑しなこと言ってるんだって思うでしょ?

自分でも家族や友達にこんなこと言われたら頭の事を心配するか、関わらないように遠ざかるはずだ。

 

でも、それが自分の身に起きた事実であるとしたら混乱しながらでも新しく手に入れた延長戦ともいえる第二の人生を生きていくしかない。

 

 

前世の俺はどこにでもフツーのサラリーマンだった。

毎日靴底すり減らして働く日々で、会社に戻れば報告書や企画書の作成で1日の終わり近くまで会社にいることの方が多かった。

 

趣味と言えば、入社して初めてのボーナスで買ったパソコンを使って作るボカロ曲。

某動画サイトに何回か投稿しては見たが、そこそこの再生数ではあったが書き込まれたコメントでまた嬉しくなり次への曲への励みになった。

 

そんな趣味と仕事に当てていた日々も年齢が上がるにつれ会社のポジションとしても責任ある仕事や後輩の面倒など増え、更には加齢によって帰宅後にパソコンを起動させる気力すらも湧かなくなり、好きだったアニメも休日にスマホでベットに寝ころびながらダラダラとなんの感情もなく、ゲームの買ったはいいものの少し遊んではクリアする前に積みゲーと化していった。

 

その後も多忙に多忙を重ねついに俺は会社で倒れた。

視界に入ったのは会社のオフィスの床で、それが前世の最後の記憶だった。

 

多分、過労がたたったんだと思う。

 

 

そこから次に意識が戻った時には、アタシは赤ん坊で、傍には同じくらいの赤ん坊が隣で寝ていた。

アタシは母親らしき人に抱きかかえられたことで生まれ変わりをしたんだとその時に理解した。

 

数年後、聴力や視力も発達しある程度ではあるが人とも会話が行えるようになった。

ある日、用を足すことになったときオマルに座り用を足す時に分かったことではあるが、今世では前世ではあったものがない者として、女性として生まれ来たことを悟った。

ショックがあったかと言えばあったと答えるが、生まれ変わるなら同じ男より女として生きるのも悪くはないことだと前世では考えたことではある。

まぁ、女性として生きるには色々と大変ではありそうだが・・・・・・。

 

だけど、嬉しいこともあった。

意識が戻った時に隣にいた赤ん坊はアタシの双子の妹。それも、一卵性双生児でそっくり!!

前世では、兄がいたが年が離れすぎててアタシが小学生低学年で盛りの頃には兄はもう部活や高校受験で構ってはもらえなかった為、兄弟で一緒に遊ぶという経験が皆無と言ってもよかっただろう。

 

「アイの瞳はキレーだねぇ!まるでお星さまを見てるみたい」

 

妹は可愛くて瞳に星があるかの様にキラキラと輝いていた。

星野アイ。それが私の妹の名前。

 

「レンだってキレイだよぉ!私とおんなじぃ」

 

アイはアタシ、星野レンの瞳を食い入るように見つめてくる。

確かに、アタシもアイと同じ様な瞳の色と形をしているが、輝く瞳を星で例えるならアイは一等星でアタシは六等星といったところだだろう。

鏡で見て自分でも納得してしまうが、大切な妹に一緒だねと言われることが何よりたまらなく嬉しかった。

 

その幸せを感じながらアタシはこう思ったの

こんな毎日がずっと続いたらいいなって。

 

 

そんな、想いを踏みにじるかのようにアタシとアイが5歳の頃から母の態度が変わり始めた。

はじめの頃はそっけない態度をアタシたちにとるだけではあったが、小学生に上がる頃には暴力を振るようになった。

入学式には嫌々ながらも出席はしてくれたものの、それ以降のイベントである運動会や授業参観はもちろんのこと保護者面談にも顔を出すことはなかった。

それからは、家にアタシたちを置いて次の日の朝に帰ってくることもあったり、帰ってくるやいなや機嫌が悪いと暴力を受けた。

母親からの暴力は基本的にアタシに向けられた。いや、矛先がアタシに向くように仕向けていた。

唯一の妹が心身ともに痛い思いをして悲しむ姿を見たくなかった。

だから、母親が家にいるときはアタシが機嫌を見ながらではあるが、悪いとアイを母親の視界に入らない別室に逃がしていた。

それでも、時々母親は姿が見えないアイに対して怒り暴力を振るっていた。

 

ある日、いつもの様に暴力を受けていたアタシを扉越しに見ていたアイは

「お母さん!お姉ちゃんをもうイジメないで!!」と飛び出してきてアタシを庇ったのだ。

そこで一瞬母親が振り上げた腕が止まりしばらくするとダランと下し、そのまま鞄を手に取ると家から出て行った。

 

「アイ・・・どうして?」

「私、もうお母さんがお姉ちゃんをイジメてるの見たくないよぉ・・・・いつもお姉ちゃんばかり、双子なのに・・・・・どうしてお姉ちゃんばかり辛い目に合うのぉ」

涙ながらにアタシにしがみ付いて話すアイ。

アタシはすぐには何も言えなかったけど、ゆっくりと優しく腕を回してアイの頭を撫でる。

「ありがとう・・・・アイ。アタシたち流石双子だねぇ・・・多分アイと一緒のこと考えてる」

それから何も会話は無かったけど、確かにアタシとアイはお互いのことを想っていたことだけは言える。

 

その日は結局母親は家に戻ってくることもなく、数日後学校で授業を受けているときのこと。

教室の扉から、教頭先生が担任へと声をかけると廊下で一言二言話をすると教室に戻ってきた担任は

「星野さんは今から大事な用事がある様なので、教頭先生と一緒に校長室に行ってください」

と言われ、その通りに廊下へ出ると待っていた教頭先生の後に続く様に校長室に向かった。

 

普段の学校生活では学生は入るかどうかも分からない校長室に入るとそこには、校長先生の机の間に置いてある来賓への応接用と思えるそれなりの椅子にアイが座って待っていた。

「あっ、お姉ちゃん・・・・。」

アイは小さく声にだして言った。

 

アイの対面にはピシッとしたスーツを着込んだガタイの良い男性が2人椅子に座っており、更に追加で用意された校長室には不釣り合いの椅子に女性の警察官が座っていた。

 

アタシは案内された通り椅子に座ると、女性警察官から説明を受けた。

アイとアタシの目の前にいる男性二人は生活安全課の刑事であり、今日はアタシたちにとって大事な話があるらしく来校した。

 

内容としては、アタシたちの母親が窃盗で逮捕されたことを告げられた。

よって、母親は裁判を受けることになる訳で、否認している状態なら今もまだ拘留中だろう。

更に送検されて検察による取り調べもある。

万が一裁判で執行猶予となったとしても、一緒に暮らすには無理があるだろう。

 

警察が捜査を続けていく中で、裁判所から家宅捜索令状を取って家にも来たのだろう

そこで、アタシたちがどういった環境下で育ってきたのかも知った筈だ。

ましてや、小学生2人母親以外に身寄りもない子供が生きていける訳もないと常識を持った大人はそう思う。

 

その後、刑事から切り出されたのは、しばらくの間別のところで他の子どもたちと暮らすというものだった。

要するに施設に入るということ、女性警官はアタシたちに「お母さん時間はかかるだろうけど、きっと迎えに来るよ!そしたらまた一緒におうちで暮らせるから」と声をかけてくれた。

「本当?また一緒にお母さんとお姉ちゃんと一緒に暮らせるの?」と聞き返すアイに女性警官は何度か頷いた。

 

アタシはその女性警官の言葉がアタシたちを傷つけまいと言った励ましの言葉だったことを察した。

前世を経験した人間だからこそ、こういったことにはどうしても気が付いてしまうんだ。母親のアタシたちに対する暴力や窃盗から二度とアタシたちの前には姿を見せないだろうって・・・・。

 

分かってしまったんだ。だけど、幼いアイにその現実を教えるにはあまりにも残酷なことだった。

それが、今後アイが知ってしまったとしても今よりはマシだと思えてしまった。

 

 

 

数日後、少しの着替えと荷物を持ってアタシたち星野姉妹は施設に入った。

案内を受け、多目的の大部屋の扉の前で施設の人から紹介があるまで待機している時、隣を見るとアイは震えていた。きっとこれから先の不安がそうさせていたのだろう。

スカートの端をギュッと握りしめていたアイの手を上から握る。

 

「大丈夫、アイ・・・。アタシがいるから」

「・・・・・お姉ちゃん?」

アイからの呼びかけにアタシは首を振る。

「おねぇ「レン」」

「そう呼んで?確かにお姉ちゃんだけど、アイとは名前で呼び合いたいから・・・・・・。だから怖くなったりしたらアタシの名前を呼んで、そうすればあなたは一人じゃないから」

 

その言葉を聞いたアイは綺麗な星の様な瞳を輝かせスカートを握りしめていた手を放し、アタシと固く手を繋いだのだった。




書いてみると中々文章の繋ぎ方というものが難しいですね。
今までラノベを読まないでマンガかアニメばっかりのオタ生活だったので執筆活動に悪戦苦闘状態ですが、話の内容を考えるのは昔から大好きなんですよ。

ほぼ、オリ主は幸せになれないですけどね。


執筆中に表現等調べてると、今回の場合『婦警さん』ってもう使われない様ですね。
たしかに、今の刑事ドラマだと聞かないと思って調べれば『女性警察官』が正しいらしいです時代は進みますね

それでは、また次回。
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