恋姫†無双 孫呉に現れし黄金の獣   作:月神サチ

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序章 黄金の獣、孫家の一員になる
プロローグ 偽りの黄金の獣


――目を開く。

 

そこには自分と十二人の魔人とも言える者たちが鎮座する円卓が在った。

 

――彼らは私の一部である。

 

そう直感的に自覚した瞬間、

 

「……そうか、私はかの男の追憶……牢獄(ゲットー)から抜け出せたというわけか」

 

自然と言葉がこぼれる。

 

「故に、貴方は目を覚まし、かの女神を騙る者と対面することになるでしょう。我々を引き連れ、何処に転生するのかはわかりませぬが――貴方のような怪物が生まれ落ちる地が穏やかな場所にならないのは、想像に容易い」

 

隣の席にて、何処か演劇じみた語り口で告げる我が友、カール・クラフト。

 

「父上の行くところならば、何処までもお供いたします」

 

対面に位置する席、『私』の血を引くイザークが冷静に告げる。

 

そして他の者たちも頷く。

 

「卿らの忠節、感謝する。では征こうか、新たな世界に!」

 

私の言葉に視界が白く染まっていった――。

 

 

 

 

目を開くと私はいつも座っていた黒円卓の第一席と同じものに座っており、眼の前には白銀の腰まであろう白銀の髪を遊ばせている白磁の如き肌の美女がこちらを見ていた。

 

「……えっと、転生特典取得できましたかね?」

 

腰の低い態度に懐かしささえ感じつつ、私は静かに頷く。

 

「10桁を超えたあたりから数えるのを忘れたが、黄金の獣の力は我が物とした。……英雄王の力や宝具の取得にかかった時間に比べると桁の違う差があったことについて、思うところがない訳では無いが」

 

「英雄王の方はクラスカードという概念が前例にあって、それを元に生成したものを貴方用に設定、紐づけし、宝物庫の中身補充だけなので妥当かなと」

 

女神の言葉を聞いて、忘却の彼方にあった記憶が蘇り、そういうものかと思考を打ち切る。

 

「して、あと2つの転生特典はどうなった?」

 

「『グルメ界のある異界』については影の国の第3層から行けるようにしたものがあるので、それを使ってください。『生前育てたポケモン』については、生前のデータの子たちの方ならいいですよ。ただ、全部は時間かかるので、最初はリストのうちの六匹だけになりますが」

 

そういってリストを女神は渡してきた。

 

「……ならこの6体を頼む」

 

すぐに選んだあと、忘れていたことを女神に問いかけた。

 

「そういえば私は何処に転生するのかね?」

 

「あれ?忘れました? 恋姫無双の世界ですよ?」

 

転生先をそこにした覚えがない。

 

……単に忘れただけかもしれんが。

 

「…………そこに彼の御遣いはいるのかね?」

 

「いません。 代わりに聖杯戦争が発生するフラグ立ってたりしますが。あ、恋姫たち食い散らかしていいですからね?」

 

「もう少し言い方なんとかならんかったのか?」

 

「……とりあえず、準備できたので送りますね。なにかあったら呼んでください。夢経由で参上しますんで」

 

私の言葉をガン無視し、一方的に告げると私の意識は滑り落ちる様に闇の中に落ちて行った……。

 

「あ、サプライズ用意したけど、言い忘れた。……ま、そのうち気がつくかな」

 

 

 

 

 

 

――side ???

 

満天の星空の元、ある丘にて。

 

「……」

 

日に焼けた小麦色の肌、夜空を見上げる蒼い瞳と、腰まであるピンク色の髪をした女性が、夜空を睨んでいた。

 

「炎蓮様、どうなされたのです? 急に『遠乗り行くからついてこい』なんて私と祭に告げて城を飛び出したりして……」

 

後ろにいた水色の髪の女性がそう問いかけると、炎蓮と呼ばれた女は振り向いて問いかけた女性に口を開く。

 

「――勘だ」

 

「えっ、勘でこんなことを?」

 

キョトンとする水色の髪の女性。

 

「粋怜、勘で動く大殿の奇行は割りといつものことではないか。……最近は雪蓮様がやってるから、目立たなくなっているだけで」

 

水色の髪の女性の隣でため息交じりに突っ込む薄紫色の女性。

 

「んだと祭。それで悪い方に転がったことねぇ……!」

 

炎蓮は言ってる途中でなにかに気がついたか、先程まで見ていた方角に目を向ける。

 

そこには――

 

「あっ」

 

「金色の……流れ星?」

 

金色に光る流れ星が、丘の少し下ったところに落ちる光景が在り――

 

「――行くぞ、テメェら!」

 

落ちた場所に炎蓮は駆け出した。

 

「あ、ちょっと!」

 

「判断が早い!」

 

粋怜と祭はそのあとを慌てて追いかけるのであった……。

 

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