恋姫†無双 孫呉に現れし黄金の獣   作:月神サチ

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高評価……お願いします。


第十二話 廬江凱旋と現在の大陸情勢

――side ラインハルト

 

汝南にて捕獲した捕虜三千ほどと共に出立し、途中で粋怜が後詰に輸送してた部隊と合流。

 

そのまま廬江へと凱旋することに。

 

なお、捕虜については、微妙に反抗的なところがあったので、凱旋パレードをイチ抜けし、寿春での捕虜と一緒に英雄王譲りのカリスマと黄金の獣のカリスマを叩きつけて跳ねっ返りをしっかりへし折っておいた。

 

……やりすぎ? たまにはそういうこともある。

 

素直になった連中は予め雪蓮たちに聞いておいた通り、各地の廃棄された邑や人手がほしい所に振り分け、必要なら物資をしっかり持たせて出立させた。

 

 

 

 

 

 

パレードが終わったら兵士を解散させ、留守組も含めた主だったメンバーで報告会となった。

 

「――つーわけで、捕虜が約1万。うち四千が鍛えれば使えそうだから近いうちに編入予定。また袁術のトコから引き抜いた紀霊と丁奉がラインハルトの二人目と三人目になった。喧嘩すんなよ。遠征組の連絡事項は以上だ」

 

炎蓮の言葉に緩い返事をする留守番組。

 

……む? 蓮華の後ろにいるのは……。

 

「留守組の報告は2つ。 1つは交州の士燮がこちらと接触してきたから、とりあえず友好的にもてなしをしておいたわ」

 

「あの妖怪ジジイがねぇ……」

 

「どういう風の吹き回しかしら……っと、続けて?」

 

蓮華の言葉に怪訝そうな顔をする炎蓮に雪蓮。

 

「2つ目は……錦帆賊……いえ、錦帆組ね。彼らが私達の旗下に入ってくれたわ。 思春、挨拶して」

 

「はっ」

 

蓮華の言葉に反応して2歩ほど前に踏み出して拱手する。

 

「名は甘寧、字は興覇。錦帆組のまとめ役をしていました。蓮華様のためなら犬馬の労も惜しみません」

 

「……」

 

「……? お母様どうしたの?」

 

複雑そうな顔をする炎蓮とそれに困惑する雪蓮。

 

「錦帆の甘寧っていやぁ、黄祖のヤツがめちゃくちゃ執着してたなーって。……アイツがこっちにちょっかいかけてくる口実が増えるなぁと」

 

「そして実際にあったら殴り返せるからツイてるなぁって思ってるのか……」

 

私が続きを告げると彼女はうなずく。

 

「そうそう。――蓮華、今後長江沿いで活動を広げる。――ソイツら使って他の連中吸収しておけ。――黄巾賊討伐終わった頃には水軍を万単位の兵で本格始動させる。あ、それなら捕虜として連れてきたやつで使えそうなの1000くらい見繕うから甘寧の下に配置してソレも鍛えてくれ」

 

「はっ!」

 

「報告はこんなとこか……大陸全体の情勢どうなってる?」

 

その言葉にレナルルが前に出る。

 

「現在黄巾賊について第一報が中央に届いたようです。また、徐州の陶謙、幽州の公孫賛、冀州の袁紹が州境を越えようとしてる黄巾賊と戦闘が散発、州内でも黄巾賊が複数回目撃されているようです。また、并州、兗州に寿春、廬江以外の揚州に荊州、司隸でも黄巾賊の活動が見られ本格化するのは時間の問題かと」

 

「あれ、豫州は?」

 

雪蓮の問いかけに、レナルルは資料をめくって答える。

 

「汝南郡は討伐されましたし、許昌は董卓とその幕下が目を光らせてるからか黄巾賊は徹底的に討伐されてます……ラインハルト殿、どうなされました?」

 

前半は既知の情報だったが、後半は私の知らない情報で思考がフリーズした。

 

「……ああいや、なんでも無い」

 

「……?」

 

炎蓮に怪訝そうな顔をされたが……まあなんとかなっただろう。

 

「他に確認事項は……無いな? ならちょうどいい。今一度揚州とその周辺の状況を確認する、お勉強の時間としようか」

 

そういって手を叩く炎蓮。

 

それとともに私が前渡した畳二畳サイズにした大陸南東部の地図と、ソレを乗せるためのテーブル、ついでに幾つかのコマを兵士たちが持ってきて、テーブルにセッティングして撤収していく。

 

……そのためにスタンバイしてたのか……。

 

「とりあえず廬江は太守がオレだから廬江とその周辺の廬江郡に属する都市、村や港は実質的にオレがまとめてる。――順調に行けば中央で話がまとまってる頃だからもう少ししたらこの基盤をまるごと雪蓮が引き継ぐことになる」

 

「責任が……重い……誰か隣で負担してくれないかしら―ちらっ」

 

「……話が脱線してるぞ」

 

私の言葉につまらなそうにしつつ炎蓮が続ける。

 

「んで、北にある寿春とここから見ると北西にあるのが汝南。袁術が兼任してやがる」

 

「前から疑問だったのですが確か州を跨いだ官職の兼任って基本できないのでは?」

 

亞莎の言葉にうなずく炎蓮。

 

「基本は、って枕言葉がつくときは、例外が大体あるもんだ。――アイツ、寿春の太守と豫州の州刺史を兼任してて、んでもって、汝南の太守は『何故か』空席だから『やむなく』刺史が兼任してるって建前でまかり通ってる」

 

「……」

 

薄汚れた世界を見て複雑そうな顔してる亞莎に合掌しつつ、話の続きを聞く。

 

「とりあえず次な、廬江の西側、江夏は黄祖の管轄だ。上司に相当する荊州刺史が劉表だが、あの爺はオレと黄祖が険悪なのが好都合らしく黙認……場合によっては長江経由で偶に贈り物してくるな」

 

「どっちかというと、自分の手に負えない狂犬が自分の手を噛まないように私達を囮にしてる感があるけどねぇ」

 

雪蓮がため息混じりにそうこぼす。

 

「んで、南の柴桑はしばらく前に山越に対して偉そうなこと抜かしてぶっ殺されてたから空白、建業はたしか痴情のもつれで無理心中に巻き込まれて死んでるからこれも空白……会稽と建安は厳白虎とかいうヤツとその弟が収めてて、呉の太守が揚州刺史兼任してる劉繇。――会稽と長江の間に山越っていう複数の部族がいる割りと広範囲の地域があるがあそこは基本不可侵……つーか手を出すとめんどうだから不干渉だ」

 

「山越を帰順できれば楽なんだけどねぇ。……一枚岩じゃないから、割れて揉めるとかもあるし、主だった派閥を形成してる部族と仲良くしておくのが精一杯ってところね」

 

雪蓮の補足に皆がうなずく。

 

「とりあえず周辺と揚州関係についてはこんなとこだ。――黄祖の動きを監視しつつ、山越と友好関係作って、今後に備えるって感じだ。――とりあえず遠征組は今日は休み。明日から雪蓮が仕事割り振るからキリキリ働けよ―」

 

「そうだった……とりあえず解散~」

 

雪蓮の言葉で解散する一同。

 

……董卓陣営が許昌にいるのは自分の想定外。

 

他に相違点がないか今のうちに調べておく必要がありそうだ……。

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