恋姫†無双 孫呉に現れし黄金の獣   作:月神サチ

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第二十六話 下邳潜入?調査

――side ラインハルト

 

気がついたら意識が落ちていたのか、女神の居る空間に招かれていた。

 

「あ、溺死とか死んでるわけではないです。少しばかり贈り物があるんで、プレゼントしようかなーって」

 

「神が一人に肩入れしていいのか」

 

「そりゃまあ貴方は私のオモチャ(主人公)なわけですし?少しくらいね?あとあの世界は私がいじりたおしてるので貴方にだけ肩入れしてるかといわれると語弊あります。なのでそこだけ訂正しておきますね」

 

……覇道神として暴れれば多分倒せるだろう。だが――

 

「私を倒したら後が面倒なのでやめといたほうがいいですよ、ほら、貴方の親友から聞かされてません?」

 

「……」

 

私はやる気失くしたので椅子を出してそこに座る。

 

「で、贈り物とは何かね?」

 

「具体的には2つですね。はいこれ、『分身の種*1』と、『アバター SA:Oのエンドコンテンツクリアキリト君』です」

 

その言葉とともに、女神の左右から異なるものが姿を見せた。

 

片方は仙豆よろしく壺に入ったローストされたアーモンドのような種。

 

もう片方はSF作品の培養液の入った筒の中に佇む黒の双剣使いのキリトその人が入っていた。

 

「キリト君アバターは今の身体ほど耐久性ないですが代わりに無意識に縛ってる言葉遣いとかの制約が緩かったり、その場のビルド次第ですけどほぼノータイムで味方の回復行動出来るなどのメリットがありますね。あと受け取ると彼に縁ある人たちが現れるようになるかと」

 

「……」

 

「あ、貴方の望むように『バランス調整』はしますから。劉備の方は益州占領前後、曹操の方は涼州侵攻前後になりますけどね」

 

もちろん貴方自身が先陣切らない前提ですけどと付け加える。

 

「……アバターの使い方は?」

 

「簡単です。宝物庫と同じ感じで使えます。ただ、記憶を同期しっぱなしは貴方でもちょっと負担あると思うので、30分くらい毎にしておきますね」

 

「……実戦投入する前に此処で動かしてみたい」

 

「ほいほい、では早速やってみましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――side 雪蓮

 

「下邳の情報が集まらない?」

 

「申し訳ありません。街の中心部、特に城を調べに行ったものが帰ってきておりません」

 

細作衆の長が膝をついて頭を深々と下げている。

 

「……仮にも細作の手練れ連れてきたはず……何かあるわね」

 

こんな時(冥琳居ないし)ラインハルトに意見聞いてみたいと思ったが、何故か割当の天幕でうんともすんとも言わないので(3回ほど絞ってから)放置し、近くの天幕で暇を持て余してたらしいドナドナ(たまにラインハルトがぼやいてる言葉)した亞莎に意見を求める。

 

「おそらく、細作の手練れが防衛網を城の周辺に敷いているのかと。……あるいはラインハルト様と同じ呪いの類を使える相手が私達の太刀打ちできない方法で罠などを配置してるかもしれません」

 

「……前者ならともかく後者なら納得しかないわね。……とりあえず残ってる細作の再編して陣の防衛に切り替えて」

 

「はっ!」

 

短く返事して去っていく細作の長。

 

明命つれてくるべきだったかしら。

 

「すまない、少し意識不明になっていた」

 

そう言いながら現れたラインハルト。

 

「下邳の中心部調べに行った細作が帰ってこないんだけど、魔術や魔法の類で絡め取られてる場合があるわ。……無策で突っ込むのは嫌な予感するから何とかしたいのだけど……」

 

「ちょうどいい。――先程手に入れた力で調べるとするか」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

――side キリト

 

なんというかその、元旦に新品のパンツに変えたような、そんな新鮮さを感じる。

 

それはどうでもいいか。

 

早速認識阻害をした状態で下邳の壁を駆け上り、そのまま街の中、建物の上に着地する。

 

「あちこちで飲んだくれと捕虜への暴行……聞いてた通りだな」

 

眼下に広がる光景に顔をしかめる。

 

「……そして……」

 

城を見る。

 

「黄巾賊が入らないように人よけをしたうえで内部には探知に認識変質に生命吸収か……。サーヴァントならあのキャスターより暗黒面に踏み入れてるし管理者ならやりかねない。……それ以外ならこの術者殺すか改心(物理)させないとやばいな」

 

感想を述べた後、いくつか傀儡を結界に侵入させる。

 

「……うわ、バーサーカーがいる」

 

青地に白の縁取りされた軍服に眼帯を付けた、軍刀二刀流してる若い頃っぽい姿の男に切断されたのを最後に通信が途絶える傀儡の映像見つつ。

 

「どうしたもんかなっと!?」

 

反射的にバク転して距離を取ると座っていた場所に何かが落ちて建物に穴が開く。

 

「こりゃただの細作じゃ、どうしようもないよなっ!」

 

さらに跳躍しながら先程いた場所にナイフを数本投擲。

 

飛び出てきた薄茶色の髪の道士に当たる位置だったが空中で弾いたり回避しやがった。

 

そしてオレを包囲するように道士服の傀儡が現れる。

 

「この……!」

 

近くの1体を踏み台にしてその勢いでソードスキルのスキルチェイン――からのスキルキャンセルで硬直踏み倒しつつ強行突破。

 

そして下から悪寒がしたので下に剣を投擲する。

 

「――!」

 

バーサーカーが剣を弾き、その反動で落下する。

 

「2体1はちときついぞ、早く来いよオリジナル(ラインハルト)!!!」

 

宝物庫が開いて面で剣の雨を降らせバーサーカーを襲撃する。

 

「こちらのほうが丈夫そうだな――!?」

 

剣を弾き、地面に落ちたものを拾い使い心地を試すバーサーカー。

 

その瞬間持ってる剣含め周辺の剣が壊れる幻想(ブロークン・ファンタズム)による爆発をする。

 

黄巾賊も吹っ飛んだ気がしたがソレどころじゃねえ!

 

周囲を取り囲むように札による多面結界が発動して取り囲まれた!

 

「消滅しろ!」

 

結界師の滅かよこれ!

 

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)で無理やり突破して宝物庫から足場出して上空に逃げる。

 

「……バーサーカーもほぼほぼ無傷、ちとキツいな」

 

「――ならバーサーカーは私が、」

 

「私が左慈を請負おう。卿は于吉を探しつつ城の結界を破壊してくれ」

 

マイとラインハルトが現れて宝物庫から出した足場に着地する。

 

「サシならまだなんとかなるかなっ!」

 

躊躇いなく跳躍して城の真上狙ってダイブ。

 

それより速く2人が着地してそれぞれの相手をし始める。

 

やっぱり上には上がいるもんだな……。

 

ルールブレイカーで結界に傷をつけて発動状態を破壊する。

 

「やっぱり本体を潰さないとダメだなこりゃ」

 

城の中に感じる結界の本体と結界形成用の触媒の存在を感じつつ城の中へ突入した。

 

 

 

 

 

 

――side ラインハルト

 

まだ身体のズレがある上スキル熟練度以外の能力がゲームの初期値に限りなく近いことがキリトが悲鳴あげた時点で発覚したので急遽予定変更して駆けつけた。

 

装備とカンで持ちこたえたのだからある意味私より強いかもしれない。

 

「お前は……管理者か……!?」

 

「違うな。あるもの曰く神の玩具(しゅじんこう)だそうだ」

 

この身は悠久を生きし者。

 

ゆえに誰もが我を置き去り先に行く

 

追い縋りたいが追いつけない。

 

才は届かず、生の瞬間が異なる差を埋めたいと願う

 

ゆえに足を引くのだ――水底の魔性

 

波立て遊べよ――

 

Csejte Ungarn Nachtzehrer(拷問城の食人影)

 

太陽の元、最も影が強く色濃く現れて、足引きの呪いとなり、左慈へと襲い掛かる!

 

「これは……! まあいい!ここはもはや用済みだからな!」

 

そういうや否や影も形も消えてなくなる。

 

「マスター!逃げられた!」

 

そう言いながらマイが現れる。

 

「……おそらく北海かあるいは……少なくともここは本命ではないのだろう。念の為キリトの後を追うぞ」

 

「了解!」

 

人払いの結界を構築してから後を追いかけた……。

 

 

 

 

 

 

 

「…………ここか」

 

クリアリングしながら進んできたが地下牢以外人の気配がしない。

 

一箇所触媒潰しそこねたが今潰されたのでラインハルトたちが後詰めにきているのだろう。

 

オレは扉を蹴り飛ばして突入するがそこには――

 

通路の中央で怪しく光る機械。

 

そしてその機械にエネルギーを注いでるらしい管が左右に並ぶ牢屋へと伸びている。

 

「……!」

 

左右に目を向けると、牢には見たことある(記憶違いでなければ斥候で未帰還の者だ)者たちが衣服剥かれ、目が虚ろな状態で腕を後ろで固定されて吊るされていた。

 

腹に機械の管が接続させて、腕には点滴のようなものがされている。

 

「……機械壊すのが先だな!」

 

管そのものに吸い上げ機能などがないのを確認したら、ためらわずに抜剣して本体へ攻撃を叩き込みながら機械の足元の管を切断する。

 

直ぐに変な音立てて機能を停止した。

 

機械の傍の牢屋に目を向けて、そこに居た人物に目を見開く。

 

「……!? アスナ!? スグ! ストレア! ユイ!?」

 

オレの声に彼女たちが目を向けた。

 

「となりに……たぶん、他の……みんな、が……」

 

「喋らなくていいから……!」

 

オレは宝物庫から分身の種をダースで口に放り込む。

 

視界や思考が一瞬大混線したが直ぐに救出作業にとりかかった。

 

 

 

 

――side ラインハルト

 

「ホロウ・リアリゼーション組のアスナ、ユイ、リーファにシノン。リズベット、シリカ、フィリアにキズメル。アルゴ、アリス、ユウキ、セブンにレイン、クラインにエギル、ユージオとは……大所帯だな」

 

私が遠い目をしてると、衣服などを渡していたマイが袖を引っ張って首を横にふる。

 

「あと斥候の人と、1人キリトたちと違う口から来たっぽい娘もいるから」

 

「……ひとまず城に収容して、撤退後に扱い考えるか。――キリト、済まないが頼んだ」

 

私は城の入口を展開し、雪蓮に情報まとめてメッセージを飛ばしておく。

 

「了解。 皆さん! ここから通路を使っての脱出は黄巾賊など居る関係で困難です! そのため、この穴から別の場所に一時避難し、あの人が再度別の場所に入口開くのでそれまでオレと待機してください! オレが先導しますし、殿にそこのマイさんが居るので安心してください!」

 

キリトの先導に仲間たちはついていくし、細作組は私とマイのことを知ってるためそこまで問題なかったが……。

 

「嫌よ! また変なことされたくない!」

 

金髪碧眼なのに日本人風な割りとスタイルのいい娘*2が拒否をする。

 

マイが宥めてるがイヤイヤ期の子供みたいで手に負えない。

 

「……やむを得まい」

 

私は魔導書をとりだす。

 

「夜露に濡れない砂粒の主人、休息の守護者よ…。かの者に一時の夢と安らぎを」

 

すると娘は眠気で倒れ込むが、マイが受け止めてそのまま連れて行く。

 

端末を見ると

 

『状況把握したわ。下邳の軍団長とかの情報ないのは残念だけど細作保護したのは上出来ね。とりあえず引き上げて頂戴。あとイオン、その星奈ちゃん?のこと知ってるらしいから、一目見させてって』

 

という雪蓮からの連絡が入ってた。

 

どういう繋がりなんだ……?

 

首を傾げながら私は城の上に登り、こけおどし手なげ弾*3を東に放り投げてその音と爆発に野次馬根性で人が集まるのを見てから撤退する。

 

*1
巨乳ファンダジーという作品に(少なくとも無印版には)出ていたアイテム。食べた対象が一定時間分身する

*2
間違って無ければ「僕は友達が少ない」通称「はがない」のメインキャラの1人、柏崎星奈だ。……なんとなく原作開始前のぼっち時代の彼女な気もする。

*3
ドラえもんのひみつ道具。爆発などは本物だが殺傷力0の爆弾。




バーサーカー
真名:キング・ブラッドレイ/ホムンクルス:ラース

ステータス 筋:C+ 耐:C 敏:B++ 魔:E 運:B(自己申告) 宝:B

スキル 狂化:D 憤怒のホムンクルス:A+ 勇猛:A 戦闘続行:B カリスマ:C+ 仕切り直し:C

宝具:最強の眼 ランク:B 対人(自身)宝具
行動予測、桁違いの動体視力を付与し、一定以下の速度且つ『移動可能範囲に攻撃対象範囲外がある場合』自動的に回避する。

武器 アメストリス軍仕様の軍刀。
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