恋姫†無双 孫呉に現れし黄金の獣   作:月神サチ

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「しばらくお別れね」
「(結局真名……預けられませんでしたわ)」
「ほら何してるの、さっさと行くわよ」
「へ? 華琳さん何を?」
「いいから。――そこの3人もついてきなさい」
「え?」
「へ」
「とばっちり!?」


第三十一話 後始末を終えたあとに

――side ラインハルト

 

北海の戦いの後。

 

私達はささやかな戦勝会を行った。

 

そして各々の領地(劉備軍は燈*1に連絡入れて復興協力を条件に下邳駐在)へ帰還した。

 

北海にて袁紹……麗羽の軍と別れ、下邳にて劉備軍に見送られた。

 

小沛を過ぎたあたりで張角の首(ニセ)を持った曹操軍と道が別れた。

 

寿春にて董卓軍と袁術軍を見送り、予め連絡しておいたゆりねたちの引っ越しと共に廬江へと帰ってきた。

 

 

 

 

 

 

「やーっとついたわ!」

 

「思ったより温暖だね」

 

城の門前にて。

 

馬車から降りて伸びをする雪蓮。

 

そして故郷との気温差に少し驚いている喜雨。

 

「んじゃ、オレはアスナたちやゆりねさんたち連れてくから」

 

別の馬車で御者をするキリトの言葉に頷く。

 

雪蓮もよろしく〜と手を振って見送る。

 

「お姉様」

 

声の方を向くと、蓮華が甘寧(そろそろ真名で呼びたい by獣)を連れて佇んでいた。

 

「おかえりなさい、お姉様。みんな……」

 

「ただいま、蓮華」

 

蓮華の言葉に雪蓮が代表して答えた。

 

その言葉に涙が溢れそうになる蓮華。

 

そのまま雪蓮に抱きついた。

 

「……無事で良かった……」

 

「……大丈夫。簡単には居なくならないから」

 

背中を優しく叩く雪蓮。

 

「大丈夫そうね。……久しぶりに顔合わせたいから、大広間行きながらみんなを招集しましょうか」

 

「分かったわ」

 

雪蓮の言葉に頷き、蓮華が先導する。

 

代替わりしてさほど間もない割には、蓮華も当主としての威厳を纏えるようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

大広間にて。

 

人数がかなり増えてきたなと改めて思う今日このごろ。

 

「――ということで、群雄とツテ作ったり、ラインハルトが女の子増やしたりしたけど、とりあえず黄巾賊討伐は完了。結局中央から軍監*2とか来なかったのよね」

 

「ラインハルトがおらねば完全にタダ働きじゃったろ、アレ」

 

祭が遠い目をする。

 

「「「「「わかる」」」」」

 

遠征組が口を揃えてそう頷いた。

 

そして留守組より……炎蓮の相討ちショックが地味に尾を引いていること、炎蓮死亡による領内で怪しい動きした連中が行方不明になったという報告、廬江以外の領地の不正を見つけて対処が終わった事が伝えられた。

 

「……それじゃ、新しく入ってきた面々含めて改めて紹介しときましょうか」

 

SAO組や聖杯戦争関係のゆりね嬢たちの紹介、厳姉妹の紹介、そして……。

 

「私達の叔母の孫静と黄祖の生き別れの妹の黄射よ」

 

フードで顔を隠していた炎蓮と清藍(セイラン)*3が顔を見せた。

 

「へ?」

 

「うそ……」

 

「炎蓮様と黄祖めの生き写しではないか! というかもし言葉通りなら前者は初耳で後者に至っては何故受け入れた!?」

 

雪蓮の言葉に虚を突かれたのか変な声上げたり困惑隠せない面々がいる中、雷火が怒鳴るように問いかけた。

 

「本格的に語ると数日かかるから端折るけど、アタシが同衾したある夜の夢でお母様に言われたのよ。『生き別れた真名が同じ妹がいるって知ったから教えに来た。代わりになるか知らんが居ないよりマシだろ』って感じで。それで会いに行ったらその2人がいて、夢のこと話したらこれもなにかの縁ってことで仲間入りしたってわけ」

 

約2名きっちり押し殺しているが笑っている。

 

だれとはいわんが。

 

「ってことで孫静こと炎蓮だ。親として姉の代わりにはならんだろうが居ないよりマシだろ。よろしくな」

 

「黄射、真名は清藍。……見知らぬ姉がご迷惑かけたようで……」

 

躾(意味深)ついでに演技叩き込んだだけあり、炎蓮は自然体に、清藍は黄祖のときの雰囲気を残しつつ、何処か違うと思える所作で挨拶をしてみせた。

 

「……思春に手を出したり、変なことしたら首叩き斬るわよ」

 

「顔もまともに見たことがない(嘘はいってない模様)姉が何をやらかしたのか存じ上げませんが、姉のように強者に関心はありますが、手を出すつもりはありません。変なことの基準がわからないので気をつけるつもりではあります」

 

蓮華と清藍のやり取り確認した雪蓮は会話に介入する。

 

「安心して。ラインハルトがしっかりと面倒みるから。なんならイオンも正妻として必要なら折檻する用意もしてるから」

 

「それどうい……あっ(察し)」

 

蓮華は察してしまったようだ。

 

私が神話生物ならSAN値チェック入っただろうな。

 

「ということだからよろしく」

 

「……思うところあるでしょうけど、頑張ってみんな飲み込んで頂戴」

 

蓮華が頭痛そうにしてるがそれはさておき。

 

「遠征組の報告とかは以上? ……なら今度は留守組からよ。――まず、母の葬儀は終わって、一応私が喪に服してるけど……家督とか官職交代次第入れ替わりかしら」

 

「そうね。できればってとこだけど」

 

「次に――長江以南の主要都市で不正が多数摘発されてるからソレに対してこれから本腰入れて詮議*4してくわ。――ラインハルトや文官組は言うまでもないけど、武官組も護衛としてついてもらうことになるからよろしく」

 

蓮華の言葉にえーとか不満の声出たが

 

「……それとも武官組が、雷火の満足する完成度のものを代わりに取り調べて作ってくれるのかしら?」

 

蓮華の言葉で武官の不満言っていた組は黙り込む。

 

「――ってことだからよろしくね。――大丈夫交代制だから武官の人たちは比較的緩いわ」

 

アメとムチしっかりしてるな……って思いつつ、他の連絡がないことを確認して解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ようやく取り替えに耐えられる肺ができたね」

 

束の言葉に私は頷く。

 

『……手術するのね』

 

通信繋げておいた端末から雪蓮が問いかけてきた。

 

「あとは冥琳次第だ」

 

『もちろん、受けるとも……ケホッ、ケホッ』

 

冥琳が答える。

 

症状が出始めたが、余裕はある。

 

「それじゃ、早速やるとしようか――」

 

 

*1
陳珪

*2
いわゆるお目付け役兼見届人

*3
黄祖の真名 独自設定

*4
いわゆる取り調べ




この後しばらく拠点回の予定。拠点回の中で中央から使者が来たりするかもしれませんがしばらく拠点回です(強弁)
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