恋姫†無双 孫呉に現れし黄金の獣   作:月神サチ

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第四話 黄金の獣、阿蒙を拾う

――side ラインハルト

 

今日は特にやることなかったので暇を持て余し、練兵場で兵士の鍛錬(五十人程度?)を見ていた所、5人隊長の中にモノクルを付けた人物が見えた。

 

「ふむ……」

 

動きも含め、ちょっと気になったので声をかけるタイミングを伺っていると

 

「全体、四半刻の休憩とする!……む? どうした、ラインハルト」

 

兵士たちを調練していた冥琳が丁度休憩を言い渡していた。

 

「なに、少し気になるのを見つけたのでね。休憩中なら話をしても大丈夫かね?」

 

私の問いかけに少し考える素振り見せる冥琳。

 

「引き抜きなら、私に一声かけてくれ、今いる連中は一応私が受け持ってる兵士たちだからな」

 

「わかった。おそらく1人抜擢できる気がする」

 

私はそういって兵士たちの方に向かう。

 

ほとんどの兵士たちは私に気がつくが、かしこまる必要は無いと手で伝えると、また思い思いの体勢で休んだりし始める。

 

「そこの娘」

 

「……? 私……ですか?」

 

「いや、俺らの中で女は嬢ちゃんしかいねえから」

 

「御遣い様に見初められたか?」

 

「いや、なんか違う感じだべ」

 

娘の反応に周りの連中が苦笑し、私と彼女の邪魔にならぬよう移動する。

 

……連携の良さが先の訓練以上だったが、見なかったことにするか……。

 

私は座り込んでる娘の前で膝をつく。

 

「……えっと……?」

 

状況が飲み込めず困惑してる娘。

 

「卿の名前はなんという?」

 

「名は呂蒙、字がし……子明です!」

 

「ふむ……卿は槍や戟の類は苦手と見る。……扱えぬ訳では無いが、長時間使い続けるのは得手ではないな?」

 

「それは……」

 

私の言葉で呂蒙の言葉が詰まる。

 

「何、得手不得手は誰にでもある。恥じることはあるまい」

 

「そういうもんかな」「御遣い様が言うんだしそうじゃないか?」「呂蒙ちゃん苦手なこと頑張ってたのか、すげえな」

 

外野がうるさいがそれは無視。

 

「――それに磨けば光るものを感じた。気の扱いを覚え、手に馴染む武器を使えばそこらの兵をものともせぬ実力を発揮すると見た。 ――私のところで鍛えてみたいなら」

 

私は手を差し出す。

 

「この手を取るといい。なに、悪いようにはせんよ」

 

私の顔と手を交互に観たあと、彼女はおずおずと手を取る。

 

「――ということだ、冥琳。彼女をもらっていくぞ」

 

「なるほど? そういう娘が好みと……」

 

「好みかどうかはさておき、愛が足りんよ」

 

「否定はしないのだな」

 

「ノーコメント」

 

私はそういうと、呂蒙を横抱きにし、いくつか気になるところを確認するために東屋に向かうことにした。

 

 

 

 

 

東屋についたため、適当な席に座らせる

 

「すまぬがいくつか確認させてもらうぞ?」 

 

「ふぇ?」

 

驚く彼女を放置し、彼女の目を軽く確認する。

 

「……右目モノクルの矯正込みで0.3、無しで0.1未満、左目0.2前後、両方微弱に乱視が入っているというところか……」

 

「あ、あうあう……」

 

「む、すまない」

 

私は少し離れて彼女が落ち着くまで待ちつつ、宝物庫からいくつかものを取り出す。

 

「……視力検査用のセットも出すか」

 

必要なものを一通り出したあと、彼女にモノクルを渡す。

 

「?これは……?」

 

「特別なモノクルだ。つけてみるといい」

 

いつも使ってるものを外し私から受け取ったものをつけてこちらを観た瞬間、呂蒙の顔が真っ赤に染まった。

 

「!!???」

 

「……確認したいことがあるゆえ、その位置のまま、この輪っかを見てほしい」

 

このあといくつか用意したモノクル(付けたものの両目の視力矯正をかける英雄王の宝物庫産概念礼装)から、一番合っているものを視力検査などの確認で選んだがそこそこ時間喰ったので割愛。

 

 

 

「……えっと……着替えました……」

 

視力検査しながら用意した呂蒙の服をバビロンの補助で近くの倉庫にて着替えさせたがやはり彼女にはこれがしっくり来るな。

 

……アリスの姿は甘寧居ないのでまだ用意していない。

 

「ふむ、似合っているぞ」

 

「……あわわ」

 

呆れながら消えるバビロンは無視しつつ、暗器の類を用意していると、彼女が五体投地*1をし始めた。

 

「より目が見える様にしていただいた上、こんな仕立ての良い服まで対価が要らないと言われてしまっては立つ瀬がございません! 貧相な身体ですが捧げますのでどうかご自由にお使いください!!」

 

「――その必要はない」

 

「で、でも……」

 

「ふむ……そういえば卿の名と字は聞いたが、卿は呂蒙と呼べば良いかね?」

 

その言葉にハッとする呂蒙。

 

やはり地頭いいけど純粋に勉強できる環境とか色々あったんだなと思っていると、彼女は起き上がって服の砂埃などを落としてから、拱手する。

 

「私は呂蒙、字は子明! 真名は亞莎! 一廉の人物になると信じ、様々なものを与えてくださったラインハルト様に我が真名をお預けいたします!」

 

「ああ、これからよろしく頼むよ、亞莎」

 

 

 

 

 

――side 明命

 

「って経緯なんです」

 

ものすごーく腰低い亞莎ちゃんの話を聞きながら、ラインハルトさんの慧眼に私は割りと驚いていました。

 

なぜなら私も多少暗器も使いますし、気の扱いもそれなりにできると自負していましたが、亞莎ちゃんは私以上にどちらも使える素質があると鍛錬してる間に感じたからです。

 

お猫様の好物という練り物を条件にラインハルトさんに代わって暗器と気の扱いを教えてますがそのうち教えること無くなりそうなんですよね……。

 

お猫様にたくさん触れられる練り物……亞莎ちゃんに教え終わったあとにももらえる交換材料を今のうちに探さないといけないかも……。

 

「っと、キリがいいですし、定時連絡があるので今日はここまでということで」

 

「はい!ありがとうございました!」

 

……ラインハルトさんの見る目があるって炎蓮様に改めて報告しないと……。

 

 

*1
土下座の上位互換




現在の亞莎の立ち位置や周囲の評価
ラインハルトの部下、まだまだ伸びしろあり。
武勇方面を伸ばし中。知力方面は未着手
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