【推しの子】アイの死なないラブコメ:MEMちょルート 作:×××銀髪美少女エルフちゃん×××
雨宮五郎。今世では僕、
「いやー社長飲んでたねー!明日になったら私もあれを飲める様になるんだよ!」
来週のドーム公演か、はたまた成人になるのが楽しみなのか。いつも高いテンションをさらに上げウキウキで帰るアイ。
こういうところを見ると、二十歳とはいえまだ子供だな。と和む。
「それも良いけどさ、ママ、来週は遂にドーム公演じゃん!すごいよ!流石ママだよ!」
うんうん。いつもは少々鼻につく言動をするルビーだが。こういうときはやっぱり意見が重なる。
「そだね〜遂にだよ。社長の夢でもあるし、絶対成功させないとね!」
いつも名前を間違えるが、やはり社長のことはきちんと気にかけている。名前間違えるが。
「でもやっぱりこういう時間も必要だよねー。私忙しいから普通と比べるとどうしても少なくなっちゃうこういう時間を、大切にしていきたいねー」
そういってアイはこちらを向きルビーと僕を抱いた。うん。三年息子やって来たけど推しからのハグは慣れない。
「二人もこれから学校とか言って、芸能界に入ったりするかも知れない。ルビーのお遊戯会の踊りは良かったよね。私さ、ルビーももしかしたらこの先、アイドルになるのかもって思ってて、いつかなんか上手く行ったらさ、親子共演みたいなさ。楽しそうだよね。アクアは役者さん?二人はどんな大人になるのかな。あーランドセル。小学校の入学式も見たいし、授業参観とかさー?。ルビーのママ若すぎない〜とか言われたい。二人が大人になってくの、側で見てるからね。二人も、見せてね。どんな大人になるのか。」
そんなことを言ったアイの瞳は、儚くも未来に期待と希望を確かに込めた。美しく、否応無しに見惚れてしまう。そんな魅力を孕んでいた。
⬛︎⬛︎⬛︎
『危機一髪』そんな言葉が頭に浮かんだ。視界に入ったのは、自分の腹に刺さった赤く染まるナイフ。
つい数十秒前、鳴ったインターホンで玄関へと向かった僕とアイ。
しかし玄関を開けてみるとそこにいたのはミヤコさんでも社長でもなく、黒いパーカーを着た明らかに不審な男だった。
アイはその男と面識があり、どうやらファンの一人らしい。
そして持っていた花束からナイフを出しこちらに襲いかかってきた。一度はアイも避け、自らの愛が嘘である事、それを本当にしようと願っている事、男の名前を覚えている事を話した。
しかし、その時にはもう遅かった。もう少し早く言っていれば、躊躇い、こんな事やめていたかも知れない。
だが、もうすでにその腕は振り下ろされていた。こうなるともう遅い。この男も、しっかり言葉を聞いてからにすれば思いとどまった筈だ。だがもう言葉では止められない。止められるのは行動。そう、命を賭した行動でのみ。
その瞬間、僕はアイの前に出ていた。
男はアイの言葉の意味がわかり、逃げた様だ。
まずい。痛みと出血で意識が朦朧とする。刺された場所は?まずい、視界もぐらつく。
アイとルビーが叫んでいるのが聞こえる。
大丈夫だよルビー。推しを守って死ぬなんて本望だろ?
大丈夫だよアイ。きっと治るから。死なないから。
『二人も、見せてね。どんな大人になるのか。』
......あーでも、ここで死んだら、また推しとの約束を破るのか。
推しとの約束を破るって。やっぱりファン失格だなぁ。
死にたく.....ないな。
⬛︎⬛︎⬛︎
私、星野アイは、今日本来B小町でのドーム公演の予定だった。
しかし今、新居近くの病院の手術が終わるのを待っている。
そう。ドーム公演は中止になった。でも、きっと。いや、絶対この判断は間違っていない。
あんな状況で、ライブなんてできる訳が無い。
だってアクアが...アクアが...
「うぅぅ...」
わかってる。自分が悪いんだってことぐらい分かってる。
あの時私が確認のメールを送っておけば、チェーンを掛けていれば、アクアをリビングに置いて行けば、避けていれば......
私が、刺されていれば。
「いやぁ...死なないでよ...やっと...やっと愛してるって分かったのに...」
我ながら何を言っているんだと、自己嫌悪で苦しくなる。
アクアは自分のせいで刺された。その事実は変わらない。
いつもなら気持ちよさそうに寝ているルビーも、今日は目を赤く腫らしうなされている。
ミヤコさんと社長はさっきまで来てたけど、公演中止の連絡をしに行った。
そんな中、手術室のランプが消え、中から人が出てくる。
「アクアは、どうなったんですか!?」
⬛︎⬛︎⬛︎
意識が戻り始め、白い天井が見える
「アクア!アクア!大丈夫!?」
ルビーの叫び声が聞こえる。死ななかった様だ。
「ルビーか。大丈夫だよ。アイは?」
「そこで寝てるよ」
ルビーの目線の先を見ると、ベットに突っ伏して寝ているアイがいた。
「寝ちゃったんだな。」
「そうだよ。私のせいだって凄い思い詰めてたから、慰めて上げてね。」
「あぁ。分かった」
取り敢えずはアイとルビーが無事と分かって良かった。
きっと、最悪の事態だけは防げた筈だ。
オチが無いんです。ごめんなさい許してください