アサリリ世界のモブに転生したので遠目にイノチ感じてようと思ったらチートオリ主(野郎)が乱入してきた件 作:氷華陸佐
感想欄にありました『百合は原作で充分だから二次創作では男女の絡みが見たい』という言葉に目から鱗が落ちましたので、戒めとして執筆しました。
正直拙作のタイトルと内容で今回の話に需要があるのかわかりませんし、そもそも文字数が少な過ぎますが投下します。
文字数が少ない理由としては、元々難産だったのもありますが、そちらよりも仕事が繁忙期に入りやがったせいで妄想も執筆もしとる暇がないのが大きいです。
それと今回の話は普段にも増してリリィ達のキャラ崩壊注意です。読むのは自己責任でお願いします。
ふと、目が覚める。
カーテンから透ける朝日と、隣から漂ってくる微かな甘い香り。視界端に揺れていた桃色の髪の方へと目を向けると、可愛らしい寝息を立てて眠る梨璃の姿があった。
……そうか、今日は梨璃の日か。
いつからだったかは忘れたが、目が覚めるとこうして毎日隣で誰かが寝ている。一度それとなく皆に訊ねてみたが、曖昧な笑みしか返して貰えなかった。
斯波さんにも相談したが、普通にドン引きされた。あそこまで素っ気のない『あっそう』は前世から加算したとしても初めて聞いたかもしれない。
ともあれ起きなければと身をよじれば、梨璃もまた起き上がって、くしくしと目を擦る。
「おはようございます、お兄様」
「ああ、おはよう、梨璃」
部屋にある簡易キッチンで二人分の朝食を作り、その間に身だしなみを整えた梨璃と共に食べる。揃って片付けをした後、せがまれたので鏡の前で髪を整えてやってから寮を出立した。
次々にかけられるごきげんようにおはようを返しつつ教室へと入り、自分の席に荷物を置きつつ座った途端、見計らったように教室中のリリィ達が集まってくる。
色々と誘ってくれるのは本当にありがたいのだが、残念ながら俺の体は一つしかない。
「すまん皆、今日はそうさく倶楽部との約束と閑さんのところで戦術議論をする予定があるんだ」
皆が落胆の声を出す中で、得意げな表情をしてみせる当人達。しかしそれも束の間、じゃあ次の予定はどこが空いているか等、絶え間なくお誘いされる。
それらを捌いていると始業のチャイムが聞こえ、学級委員長である壱さん、そして楓さんと斯波さんがテキパキと皆を解散させてくれた。
壱さんと楓さんの目の間に火花が散っているのは気のせいだろう。
そしてお昼時、カフェテリアで今日のメニューを受け取った俺は一目散にとある席へと足を運んでいた。
最初は空いてる所にランダムで座っていたのだが、その度に皆が期待の目を向けてくるのでそのプレッシャーに耐えられず、早めに来ては決まった席へと座っていた。
それがいつしか固定席となり殆どいつ来ても空いており、なおかつその周辺に座る人も日ごとで決まっているっぽかった。
「ごきげんよう」
早速隣に腰掛けてきたのは天葉さん、続けてその横に樟美さん、反対側に依奈さんが座りってこのソファー三人掛けだろう狭いないつもの事だが。
天葉さんの時点で察してはいたが、今日はアールヴヘイムの面々らしい。
しかしいつ見ても壮観だな、いやレギオンではなく天葉さんの食事量の話。そもそもその細い躯の何処に入っていくんだろうというのもあるが、それだけ食べてそのプロポーションを維持できるというのが凄い。
「えっと、どうしたの? そんなに見つめられると、さすがに恥ずかしいんだけど」
「あっ、すいません」
謝罪も兼ねて先程思った通りのことを伝えると、天葉さんは顔を赤くして俯いてしまった。もしや怒らせてしまったのだろうか。
「すいません天葉さん。食事の量をどうこういうつもりではなくてですね、沢山食べる天葉さんも素敵だなという話で」
「〜っ。分かってる、分かってるからもうほっといて。……バカ」
どうしようかと周囲に助けを求めるも、他のアールヴヘイムの人達は呆れ顔をするだけだし樟美さんに至ってはなにか黒いオーラを放っていらっしゃる。
わからない、もしかするとこれが女心と秋の空というものなのだろうか。
午後の授業を終え、約束通りまずはそうさく倶楽部の方に。最初に誘われた時は男の俺がアクセサリーとかを作るのもなと思っていたが、やってみるとなかなかどうして面白い。
「それは……梨璃さんの髪飾り、ですか?」
「あ、おつかれ汐里さん。そうなんだ、いつしか結梨が欲しいって言ってたから、どうせならって」
「そうなのですね。あら? ではそちらのヘアピンは……」
「こっちは夢結さんに。夢結さんが髪結んでるところは見たことないから、こっちの方がいいかなと」
梨璃と結梨だけがお揃いだと、内心でヤキモチするのは想像にかたくない。かといって完全に同じだとあの四葉の髪留めは目立ちすぎるし、いくらお揃いとはいえ夢結さんの趣味には合わないだろう。ならば小さめのをあしらったこれならば、普段使いしてもそうは目立つまい。
「──ましいなぁ……」
「ん? 何か言ったか? 汐里さん」
「いっ、いえっ、なんでもありませんよ〜」
頬を朱に染めて体の前で小さく両手を振る汐里さんに、俺はただ首をかしげてから仕上げの作業に戻るのだった。
夕食時、幸いな事に集まってきたのはラーズグリーズの面々だった。と、いうわけで早速まずは結梨へと髪飾りを渡す。
「ほい結梨、これ」
「あ! これわたしが欲しいって言ってたやつ! ……これ、手作り?」
「なるほど! 最近そうさく倶楽部へ向かう予定が多かったのはこの為だったのですね!」
お、おう。合ってるには合ってるがなぜそうも、まるでわざと周囲にそう伝えるかのように声を張り上げるのです? 二水さん。
ありがとうの言葉の後早速付けて見せ合いをしている二人を見る夢結さんに、続いて俺はそっと声をかけた。
「夢結さんにも、これ」
「あら、私にも? ……そう、相変わらず気が利くのね、貴方」
静かに微笑む夢結さんだったが、その手は素早く自身の前髪へと伸びていた。っと、よかった。元々大人っぽい印象の夢結さんだけどその良さとは喧嘩していない。やはり四葉自体をメタリックにしつつ、更にワンポイント風味を出す為に小さめに作ったのが幸をなしたようだ。
──で、現在。全員の時間が終わった為人気の無くなった脱衣所にて、湯着の亜羅椰さんに何故か壁際へと追いやられていた。
「……えっと、亜羅椰さん? もう全員の入浴時間は過ぎてるはずでは?」
「ええ、それが少し急な予定が入ってしまって、入りそびれてしまったの」
「そ、そうか。なら俺は外で待ってるからゆっくりと──」
「あら、その必要はありませんわ。時間も勿体ありませんし、貴方と私の仲ですもの、一緒に入ってしまえばよろしくて?」
こちらの言葉を遮った亜羅椰さんに、人差し指で首から顎の下までをそっとなぞられる。そして更に近付かれた事で、その後ろに立っていた二人の人物が見えた。
「……亜羅椰さん、後ろ……」
「あら、その手には引っかかりません事よ?」
「あーらーやー?」
直後、重い音と共に頭の上に大きなコブを作った亜羅椰さんは、壱さんと天葉さんに引きずられていったのだった。ご苦労様です。
その後シュバルツグレイルの方達との戦術談議を終え、就寝時間。いつも周囲に女の子がいる、というのにも慣れてはきたが、やはり自室に戻ると唯一のプライベートな時間にホッとする。
今日も色んなことがあった。できることなら、こんな平和な時間がいつまでも続けばいいのにと思う。
その為には俺が、頑張らないとな。いつか彼女達のような普通の女の子が、戦いなんて無く当たり前に笑って暮らせる世界を。作る事が出来たらと思う。
……ところで、明日は隣で誰が寝ているのだろうか。
活動報告に目安箱を設置しましたので、そちらも良ければご利用ください。そしてオリ主君の名前ですが、もうここまで来たら最終回まで出さない縛りでいきます。
誤字脱字報告、誠に感謝しております。よりにもよって固有名詞やキャラ名を間違えるとか貴様ほんとにファンか? とお思いになるでしょうが信じてください、私自身忸怩たる思いをしておりますし努力も致します。
引き続き、感想評価お気に入りもお待ちしております。