アサリリ世界のモブに転生したので遠目にイノチ感じてようと思ったらチートオリ主(野郎)が乱入してきた件   作:氷華陸佐

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メインストーリー予告と新キャラ発表見てインスピレーションが回復したので投稿します。特に新キャラ二人がその、色々と凄く凄かったです。
夢結様のご友人らしいですが、アニメに一切出なかった理由が少しでもいいので語られると個人的にパーフェクトベネかと思います。
今回は三章の後日談的なのです。なので後の外伝やイベストによっては多大な矛盾が生じる可能性がありますが、題名で予防線も張ってございますのでご了承ください。



閑話 有り得たかもしれない後日談

 

 

「──ほらよ、チェックだ」

 

ある日の休日、オレはレギオンの控え室で一葉と共にチェスに興じていた。片手で頬杖をつきつつ、指先でつまんだルークでビショップを軽く倒してやる。一葉がそれを盤外へと出してから、入れ替えるようにそこへと置いた。

 

「む、むむ……では」

 

「おっと、そうすると二手後にメイトになっちまうな。しっかりしてくれレジスタさん」

 

しばらく唸っていた一葉が掴んだ駒を動かす直前に助言してやれば、彼女は気付いたようで今度は顎に手を添えつつ黙考し始める。

あと二分待ってから追加で助言かなと裏返していた本を手に取ると、そこにヘルヴォル残りの面子が入ってきた。

 

「お、二人いるじゃん。やっほー、これからちょっと出かけない? ヘルヴォル全員でさ」

 

「そいつはまた突然だな。とすると続きは一葉が帰ってきてからか」

 

「おん? あたし言ったよね? ヘルヴォル全員でって」

 

……チッ、誤魔化せなかったか。

ページ数を覚えてからため息と共に本を閉じたオレは、自室に出かける準備をしに行くのだった。

いつヒュージが現れるかも分からない為行き先はいつもの近場である六本木、まず入ったのは有名かつそこそこ高級なブランドが揃うブティック。

 

「おっ、新作でてんじゃん。お、コレとか一葉に似合いそう」

 

「恋花様、何故毎回私を着せ替え人形にするのですか。それとこれも毎度の如くですが、私にそのような可愛い服は似合わな」

 

「ハイハイ聞きませーん。とりまコレとコレ試着ね」

 

「恋花様……っ!」

 

恋花が一葉へと服を数着渡しつつ試着室に押し込むのを見届けると、別の方向で千香瑠と瑤が藍の服を選んでいた。

 

「千香瑠、コレとかどうかな?」

 

「まぁ。確かに可愛らしいけれど、藍ちゃんには少し動きにくいかもしれないわ」

 

当の本人は既に飽きて俺の肩の上に乗ってるがな。藍のお腹空いたコールを適当に飴を渡して宥めつつ女子特有の長い買い物を待っていると、新たに同じく紅白の目立つ制服を着たリリィが入店してきた。

 

「あらヘルヴォル。奇遇ね」

 

「あっ優珂さん! 助けて下さい恋花様が」

 

「おっ、優珂丁度いい所に。一葉の服選ぶの手伝ってよ」

 

「なぜ私がそのような事を……と言いたいところですが、良いでしょう。エレンスゲを代表する第一位に、恥ずかしい格好をさせる訳にはいきませんから」

 

「なにおう!? あたしのコーディネートが恥ずかしいと申すか!」

 

「あ、あのー、恋花様? 優珂さん?」

 

事態が悪化している一葉を心の中で一笑に付していると、いつの間にか目の前に無表情の結爾が突っ立っていた。

 

「……交代」

 

「……ほらよ」

 

藍とついでに飴を渡すと、殆ど身長の変わらない少女を乗せた結爾は、先程までの仏頂面が嘘のように上機嫌な表情で去っていく。

それを見送ったオレは隙を見て外へと出ると自販機で買った缶コーヒーを飲みつつ、改めて店外からエレンスゲのリリィ達を見た。

しがらみが無くなってしまえば、ここまで仲良くできるのか。こうして見てみると、本当に普通の少女達にしか見えない。

 

『クエレブレは敵じゃない』

 

『何があっても藍ちゃんの傍に居てあげて』

 

百合ケ丘のとあるリリィから聞いた、今思えば短くも的確なアドバイス。アレが無ければオレまでもが、クエレブレを排除する方向に動いていただろう。

言動から察するにどうにもオレ達の事が嫌いらしいが、そのくせ報酬としてこうした日常の話をオレからメールで聞きたがるのだからよく分からん。

 

「おっと、こんなところで何しているんですかー?」

 

「何しに来た、蒔菜」

 

「別にー? ただ夜のお誘いに来ただけ」

 

「明日平日だろ? 日付が変わるまでな」

 

内容は勿論テレビゲームの話である。

こいつの話し方にいちいち反応してたらキリがないしめんどくさい為、無視してそのまま話を進める。

 

「ほらよ」

 

「お、やった! ゴチになりまーす」

 

自分だけ飲んでるのもあれなんで金を渡し、戻ってきたところで今回も未だ姿が見えないクレエブレ最後の一人、苅谷緋紅について訊ねる。

 

「あいつはまだ帰ってこねぇのか?」

 

「うん、もうそろそろ別任務から帰ってくるはずだけど」

 

「そうか。あいつは確かバイクが好きだったよな。今度一葉とツーリング行くんだが、見かけたら誘っといてくれ。バイク持ってなきゃ後ろに乗せるとも」

 

「それは緋紅様が喜びそう。わかった、帰って来たら伝えておくよ」

 

なんて話していたせいか席を外していたのがバレ、恋花や優珂等の主に着せ替える側のヤツらに強制的に店内へと連れ戻される。

これから恒例のどの服を買うかの最終決断を任されると思うと、足取りは重くなるばかりだ。

そのままヘルヴォルとクエレブレは一緒に街を回ることになり、今度は美岳が用があるらしい本屋へと寄る。

しかしこちらはオレにとって好都合、丁度欲しい本があったので購入した。どうやら美岳とは趣味が合うらしく、今度色々と語る約束をした。

そしてそろそろ日も暮れてきたので帰ろうという話になり、帰路へとついたその途中。目ざとくたい焼き屋を見つけた藍が、オレの肩の上で騒ぎ出した。

 

「あ! たいやき! 一葉、きょうのたいやき、まだだよね?」

 

「おっと、そうでしたね。それでは折角ですし、皆で頂きましょうか!」

 

この人数で一人一人買っていたら本当に日が沈むのでオレが纏めて出しつつ、邪魔にならないよう近くの公園に入る。

たい焼きを訝しげな目で見つめるクエレブレの面々に事情を説明してやると、全員が苦笑いを浮かべた。

 

「……馬鹿みたい」

 

「だがヘルヴォルらしい、だろ?」

 

その後に一葉の合図で行われる頂きますの斉唱には、クエレブレの声も混じっていたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

萩窪のケイブ討滅の翌日。

僕は地震で壊れてしまったかつてのグラン・エプレの作品である庭園を、早速本格的に修復していた。

 

「あ、紅巴さん。その苗は姫歌さんに渡しておいてくれる? 灯莉さんそれは骨組み? ならあっちにお願い」

 

戦火の爪痕残る神庭では、未だ今先輩と宮川先輩、生徒会の皆さんが戦後処理に走り回っている。だからこそこの数日が勝負であり、サプライズに賛成してくれた三人とこうして頑張っていた。

そしてなんとも嬉しい事に、どこからが噂を聞きつけてきた他のリリィ達の協力もあり、二日後には元通りどころかより豪華になって完成したのだった。

 

「──ねぇ、私達、どこに向かっているのかしら?」

 

「ふっふーん、もうちょっとだから楽しみにしててよ。かなほせんぱいに、たかにゃんせんぱい」

 

招待状の通りに、いつか姫歌さんが作成した衣装を纏って待っていてくれた今先輩と宮川先輩。

事前に話を通してある本間先輩と石塚先輩がその二人に目隠しをし、新生グラン・エプレの一年生でエスコートする。

 

「あら、これはお花の香り? それに、美味しそうな匂いもするわ」

 

「そうね、叶星。……もう、目隠しを取ってもいいのかしら?」

 

「あ、待って待ってー。それもぼく達がやるからー。いくよー? せーのっ」

 

急に明るくなる視界に先輩二人は目を細め、しかし直後に大きく見開かれた。まず目に入るのはテーブルに乗った数々の茶菓子と湯気の立つ紅茶、そして周囲を見渡せばそこに広がる色とりどりの草花達。そして所々に飾られる、額縁を花で装飾された絵画。

西洋造りの花壇は途中から和風になっているが、しかしそこに違和感は無い。

 

『新生グラン・エプレの誕生! そして萩窪ネスト討滅おめでとう!』

 

萩窪ネストを討滅できたのも、今日までグラン・エプレが在ったのも、元を辿れば今先輩と宮川先輩がいて、そして頑張ってくれたおかげだ。

今回僕が企画したのは、その二人を労る祝勝会、と言ったところか。

 

「あ、あれ……? おかしいわ高嶺ちゃん、こんなに嬉しいはずなのに、何故か涙が止まらないの」

 

「奇遇ね、私もよ」

 

「わっ、どうしよ定盛。せんぱいたち泣いちゃったよ?」

 

「ちょ、あたしに聞かないでよ!? こうなったらアイドルリリィ部、歌うわよ! 歌は全ての人を笑顔にするの!」

 

「ええっ!? 今このタイミングでですか!?」

 

「さんせーい☆ ほらほらすずめっちも」

 

「やっぱりわたしもですよね……あぅ……でも、うぅ……頑張りますっ!」

 

なんだかてんやわんやな雰囲気で始まってしまったが、これもまた神庭らしいと感じてしまう。

やがて先輩達が落ち着いてきた頃、話題に上がったのはこの祝勝会を神庭全体でやろうという話だった。

まぁこのプチ祝勝会はサプライズが成功した時点で終わりと言ってもいいので、早々に仕事の話になり出したのも個人的な苦笑いですませる。

 

「そういう事ならはいはい! アイドルリリィ部でステージをやりたいわ!」

 

「「ええっ!? 今度は人前でですか!?」」

 

「そういう事ならば、姫歌さん達には開会式を務めて貰おうかしら」

 

「ならいっその事、ここを観客席にしてしまうのどう!? せっかくこんなに広いんだもん!ね、高嶺姉様!」

 

「ええそうね。こんな素敵な庭園、私達だけで堪能するというのも勿体ないもの」

 

「ただ全校生徒が入るかと言うと、難しいところね〜。ある程度の拡張工事は必要そう」

 

そんなこんなで話はある程度纏まり、となるとここからは主に生徒会の仕事になる。一応以前から手伝ってはいるので、僕はいつも通り本間先輩と残業に勤しんでいた。

 

「本間先輩、これ予算案なので目を通して良ければ判子下さい」

 

「わかった。次は生徒主催の出店の配置を頼む。骨子は藤乃が作ってくれているから、仕上げておいてほしい」

 

「了解です」

 

そこで一旦会話が途切れ、本間先輩が紙をめくる音と僕のタイピング音だけが部屋に響く。普段の騒がしい雰囲気も好きだが、僕はどちらかというとこの、二人で居残りしている時の無言の時間の方が好きだったりする。

 

「さて、今日のところはそろそろ終わりにしようか」

 

「そうですね。お茶入れます」

 

「今日くらいは私が入れるわ。今日の祝勝会のお礼よ」

 

「では、お言葉に甘えます」

 

「素直なのはいい事ね」

生徒会室に置いてある道具で紅茶を入れている間にパソコンをシャットダウンし、本間先輩からカップを受け取る。

一口飲んだ本間先輩は机の上にカップをことりと置くと、こちらに向けて微笑んだ。

 

「改めて、ネスト討滅おめでとう。それと個人的にお礼も言わせて欲しいの。あなたと鈴夢には、助けられてばかりね」

 

「いえそんな。元々僕がこのガーデンに在籍していられるのも、本間先輩のおかげですから。って、鈴夢さんも言うと思います」

 

「……そうね、きっと。あとは百合ケ丘の彼にも、今回は大分助けられたわね」

 

「そうですね」

 

表向きは彼の功績になっているが、当の本人曰くあくまで助言を受けただけだそう。

というのも、萩窪の地下にネストが見つかった時に防衛会議の打診をしたのだが、その回答がなんと翌日に神庭での開催だったのだ。

これに一番驚いていたのが本間先輩で、本来三日は覚悟していたのだとか。

後から聞いた話、メイルストロムが房総半島に現れた際をきっかけに、より会議自体を早く開催できるような体制を作るよう具申があったらしい。

そして今回、ネストの本格始動には間に合わなかったものの準備は済ませていたのが幸をなし、百合ケ丘やエレンスゲは別件で来る事ができなかったものの、東京の名だたるガーデンが何校も援軍として参陣。

被害が広まる前にグンタイアリを抑える事に成功し、僕達新生グラン・エプレはなんの憂いもなくネストの討滅に集中する事ができた。

姫歌さんの演説に呼応する形で御台場の方々が現れた時は心底からの安心と感謝と共に、なぜか芸術作品を見た時のような感動を覚えたものだ。

そして遂に、祝勝会当日。

登場の挨拶も早々に早速歌い始めたアイドルリリィ部だったが、上がる合いの手や手拍子を聞くにどうやら掴みは上々なようで。

 

「──ありがとうございましたっ! それでは改めまして! 萩窪ネスト討滅を祝して、神庭展示会の復刻を! ここに宣言するわ!」

 

上がる歓声や拍手に被せるようにして響き渡る、ヒュージ襲来のアラーム。その瞬間水を打ったように静まり返った場はしかし、直後にリリィ達がcharmを担ぐ音で満たされた。

 

「……その前に、空気を読まないヒュージを懲らしめに行かないといけないようね。行くわよ神庭のリリィ達! 新生グラン・エプレに続きなさいっ!」

 

先程とは違う雰囲気の揃った鬨の声に、今日もまた神庭らしく騒がしい一日になりそうだと思いながら、僕もまた本部の席を立ち上がるのだった。

 





最後の投稿から数日後にお気に入りが数件一気に増えて狂喜乱舞しておりましたが、リクエストでオリ主君達の掘り下げを依頼された時は正直宇宙猫状態でした。オリ主メインでしたら他の方々が沢山書いていらっしゃるでしょうに。とはいえこの作品、リクエストが無いと既にネタ切れ起こしてますのでありがたいことこの上ないのです。誠にありがとうございます。
それでは三章百合ケ丘編終了時か、リクエストが来た時はまたよろしくお願いします。
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