ハリー・ポッターがバグった件   作:怠惰の徒

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禁じられた森

Sideロン

 

「何で私たちだけなの!ハリーも普通にいたのに!」

 

「ドリム、それはハリー達の機動力の賜物としか……」

 

ハグリットが普通に騙されて、ドラゴンと交換にあの3つ首の犬、フラッフィーの攻略方法を教えてしまった後始末で、ロン、ハリー、ハーマイオニー、ドリムはドラゴンを真夜中に運搬した。

そのことをピーブスにバラされ、フィルチに追われているとなぜかマルフォイとアーリアさんが来た。

再戦にきたぞハリー!立会人として談話室にいたアーリアを連れてきた。

何で俺が巻き込まれて……

巻き込まれたアーリアさんはかわいそうだったが、なんやかんやマルフォイとハリーが剣を抜いて戦おうとし始めたタイミングで、フィルチが来た。

もうカオスな状況だったが、フィルチが来た瞬間にハリーとマルフォイは窓から外に跳躍。4階から普通に校庭へ落ちていった。

 

「俺巻き込まれただけなのに、何でこんなことに……禁じられた森とか1年生で入る場所じゃ無いだろ……」

 

涙目のアーリアさん可愛そう可愛い。

いやそうじゃない。結果、廊下に残されたのは僕とハーマイオニー、ドリム、アーリアだった。ついでに合言葉を忘れて寮に入れなくなったネビルも生贄になった。

 

ちなみに、ハリーとマルフォイはアーリアさんがマリにことの経緯を伝えたみたいで、ホグワーツの外周マラソンを今させられている。リインさんがスネイプに許可を取ったらしい。アーリアさん曰く一撃だったらしい。だんだんあの人好きになってきたかもしれない。

 

遠くの方で閃光と爆音がかすかに聞こえるから多分その辺にいるんだろう。

 

「速度落とすとどっかの骨折れるからねー」

 

「「うわあああああぁぁあああぁあぁぁぁああああ!!!」」

 

湖畔の芝生の上に座りながら、杖からちょいちょい魔法を打っているマリが見えた。多分打った先にいるのはハリーとマルフォイだろう。遠いから分からないが叫び声が聞こえる。

 

「湖畔でキャンプするのなかなか楽しーね!」

 

「マリ、リインを手伝って来てあげて?」

 

「えー、スネイク教授いるから大丈夫かなって、ちょっと近寄り難いんだよねー」

 

「……あれに近づけるのは無自覚のリインか突っ込みするときのアーリアだけだからしょうがないか」

 

アイさんはマリに膝枕されながら綺麗に整備された芝生の上をゴロゴロしている。

 

「……あの、スネイプ教授、何でそんなに侵入者避け呪文とか金縛り呪文のトラップを大量に仕掛けてるんですか……?」

 

「推しに何かあったら我輩は腹を斬らねばならない……いや、そういう意味だと我輩も男だから縛られていた方がいいか?いやでも、何かあった時にすぐに守れるように……」

 

リインさんは食事の準備をしており、スネイプ教授は不審者になっていた。

 

「……終わったら俺も向こうに合流するか。父さん、ちょっとそれはどうなんだ……」

 

……え?アーリアってスネイプ教授の娘だったの!?挨拶しないといけないの!?

意外な事実を知ってロンは混乱していた。

 

「禁じられた森に入るなんてありえないわ……いやでもマリさんが言ってたように、危険生物を直接見るのは魔法生物学の予習としてありかしら?……ありだわ!」

 

ハーマイオニーはもう罰則を罰則と思わないことにしたらしい。

 

そう考えていると、ハグリットがこっちに向かってきた。

 

「じゃあ、さっさと分かれて森を探索するぞ。……近頃ユニコーンが死んどる。それがないか確認するのが、あー、今回の罰則になっちょる」

 

ロン・ネビル・ハグリットのチームとドリム・ハーマイオニー・アーリア・ファングのチームで森の探索を行うことになった。

 

 

 

 

 

 

Side マリ

 

キャンプでのんびりしながらたまにハリーとドラコに魔法を打ち込んでいると、良くないものが禁じられた森の方から感じられた。

 

「……ああなるほど、今日だったか」

 

膝枕しているアイの頭をクッションに乗せて立ち上がる。

 

「……マリ?」

 

クッションに変えたからだろうか、うとうとしていたアイが起きてしまった。

 

「ごめん。ちょっと危なそうだから行ってくるね」

 

そうアイに伝えて禁じられた森に向かった。

 

 

 

「んー。そういう意味じゃないのになー……」

 

ポツリと漏らしたその言葉はマリには届かず、1輪の花だけが聞いていた。

 

 

 

 

 

 

Sideアーリア

 

いやこれまずいよね?

 

ロンとネビルと別行動をしているアーリアは、状況がまずいことに気が付いてしまった。

 

ハリーがいない以上、多分森でユニコーンの死体を見つけるのはこの何も考えてなさそうに森を進んでいるドリムになるのだろう。いや、実際ほとんど考えていないのだが。

 

「うーん。木が生い茂っているせいで地面に雑草すら生えていない感じじゃない。よくこれで生態系が成立しているわね……」

 

ハーマイオニーはもう探索にしか興味がないみたいだから、俺だけでユニコーンを探さないといけないらしい。

 

やっぱこれまずいわ……

探索が俺とファングだけで、ユニコーンを見つける時間がおそらく原作とずれている。原作と違ってハリーがマリにシバかれてる。

つまり愛の魔法やらケンタウルスやらの介入が期待できない。……いや、ドリムも額に傷があるから愛の魔法の効果は期待できるか?

いやでも、そもそも原作はドラコが逃げてハリー一人だったから何とかなったけど、ハーマイオニーか俺がやられるのでは?守られているドリムより余裕で拉致しやすいよ?

 

「ねえ見て!銀色でキラキラしてるよ!」

 

「おい待て走るな触るな!それユニコーンの血だから!呪われてるから!」

 

水銀のような銀色のドロドロした液体。確実にユニコーンの血だ。近くにはユニコーンが倒れている。

 

「ハーマイオニー、ハグリットに合図を!」

 

見つけたときは杖で赤色の閃光をあげるようにする段取りだったはずだ。それだけハーマイオニーに言うとドリムを抑えに行く。

 

「分かったわ!えっと、狼煙を作るには……」

 

「お前魔女だろ!?今ドリム止めてるから早く杖使え!」

 

この人1年目ちょこちょこテンパってマグル式のことで対応しようとするんだよなぁ……

 

「ねえ、なんかいるけど……フードを被った不審者?」

 

(いやあああああああぁぁぁぁぁああぁぁああああ!)

 

心の中で絶叫してしまった。何にも救いがない状況で来ちゃったよ分霊箱状態の名前を言ってはいけないあの人。

フードでよく姿が見えない者は倒れているユニコーンに近づき、その地を飲み始めた。

 

「ユニコーンの血を……啜っているわ……!なんておぞましいことを……」

 

ハーマイオニーが絶句している。ユニコーンの血の呪いは有名だ。だがその内容を理解している人間はいない。生きながらの死と例えられたりするが……

 

「……ちょっと経過観察したいわね。どういう呪いかしら?」

 

ハーマイオニー、君マッドサイエンティストか何かだったりする?

 

「ハーマイオニー!早く合図!」

 

「……は!」

 

ようやくハーマイオニーが合図を空に打ち上げてくれた。これでハグリットとロン、ネビルが来てくれるだろう。……3人が来たところで勝てるか不安なのは置いておいて、ここから生き残るにはどうすればいいですかね?

 

「こっち向かってきてるよ!」

 

おい待てドリム。何で俺の後ろに隠れる。お前の額の傷にワンチャン賭ける以外有効打無いだろどう考えても。いやいやいやいや、俺前にしてどうするの?体乗っ取られたら次殺されるのドリムだよ?せめて下がらない?

 

「ちょ、ドリム、離せ!押し出すな!お前グリフィンドールだろ!勇敢に前行けよ!」

 

「怖いものは怖いのよ!」

 

「じゃあ後ろに退かせろよ!というかこのままだと俺死んだあとにお前死ぬけど!?」

 

「……え?マジ?」

 

口ではものすごくパニックになっているのに、嫌に頭は冷静だった。蹄の音も何も聞こえない。助けは来ない感じですかね。

一回死んだことがあるからだろうか。思ったより冷静だった。

 

(近い近い近い!)

 

分霊箱状態の名前を言ってはいけないあの人、つまりはクィレル教授なのだが、クィレル教授はもう目の前にいた、もうダメだと思ったところで、目の前が真っ白に光り、右頬が熱く感じ、右耳からジュっと音が聞こえた。

 

「あっつううううう!」

 

「髪が!髪がちょっと焦げた!」

 

「ふう。間に合ったみたいだね。無事でよかった」

 

神様仏様マリ様!FGOのEXアタックの奴だ!ビームだ!でもめちゃくちゃほっぺたが熱いし痛いです。

分霊箱状態の名前を言ってはいけないあの人もヤバいと感じたのか引いてくれた。

 

「ちょっと!髪焦げたんだけど!」

 

「ギリギリだったんだ。それくらいは許してほしいな」

 

あのドリムの相手も卒なくこなすのか。今日殺されかけたから俺はこいつ苦手に

なったけど。

 

「あ、ハグリットが来たみたいね」

 

ハーマイオニーが伝えてくれる。

 

「おっと。それじゃあ私はここまでということで。部外者がいたらあまり良くないからね」

 

マリがすっと消えていく。というかホグワーツ内って姿くらましできないんじゃなかったっけ?でも消え方が違うから姿くらましじゃないのだろうか。

 

ハグリットとロン、ネビルと合流し、何が起きたかを話す。今日の罰則はこれで終わりらしい。ハグリットが死んだユニコーンを確認してホグワーツに戻ることになった。

 

 

「あーあ。邪魔だったから殺しておきたかったんだけどなぁ。まあ、まだ次があるかー」

 

 

 

 

 

 

Side マリ

 

「お待たせ、アイ」

 

ヴォルデモートを追い払った後、湖畔のキャンプ地に戻る。ハグリットも戻ってくるだろうし、そろそろ全力マラソンも終わりでいいだろう。追加で魔法は打たなくていいだろう。

 

「あ、よかった。ちゃんと戻ってきたね」

 

そういうと腰に抱きついて来た。なんだか今日は甘えん坊だな。

 

「ごめんね、アイ」

 

サラサラの髪を撫でながら謝る。

 

「えっと、マリお兄さんとアイお姉ちゃん、ご飯できました」

 

そうこうしていると、リインが料理を完成させたらしい。匂いからするとクリームシチューだろうか。

 

「今行くねー」

 

アイが返事をして机や椅子を並べている場所に向かう瞬間、警報が聞こえた。

 

「「リイン!」」

 

私とアイは急いで警報のなった場所へ向かう。

そこにいたのは金縛り呪文でガッチガチに固まったドラコとアーリアだった。

 

「わー。アーリアカッチカチだー」

 

アイがアーリアをツンツンする。可愛そうだからやめてあげて……

 

「ふぅ。まあ、大事じゃなくてよかった。えっと、何でこうなったか分かる?」

 

アーリアとドラコの金縛りを解除してリインに聞く。

 

「えっと、スネイプ教授が安全のためにトラップ仕掛けすぎて、それに引っかかって……そういうことみたいです」

 

「父さん……」

 

 

 

 

 

 

Side ハリー

 

「あーしんどかった……あちこち筋肉痛だよ」

 

「よくもまああんなに走れたわね」

 

マリ師匠の全力マラソン訓練から翌日。ロン、ハーマイオニーとニコラス・フラメルの賢者の石に関して引き続き調べていた。

 

「あ、ロン、ハーマイオニー。そういえば、ハロウィンの次の日くらいだったかな?スネイプがクィレル教授を脅してた。どっちに忠誠を誓うのかとか言ってたし、きっとダンブルドアに付くのか、ヴォルデモートに付くのか脅してたんじゃないかな?賢者の石がホグワーツにありそうって状況を考えると、フラッフィーの下の場所が怪しいと思うんだけど」

 

ドラゴンの卵と引き換えに、ハグリットがフラッフィーの攻略方法を教えてしまったから、おそらくそこにあることはほぼ間違いないだろう。

賢者の石も命の水を作れるとか言っているから、ヴォルデモートを復活させようとか、そんな考えがあるのではないだろうか。死喰い人であればそう考える。

 

「名前を言うのはやめてくれハリー。……でもさ、最近スネイプ見てて思ったんだけど、それ君の妹さんを推せって話じゃなくて?」

 

「……あり得るわね」

 

「いやでも、元死喰い人って聞いたよ?」

 

「でもそうならドリムも虐められないとおかしいだろ?あれじゃないかな。推しに兄とはいえ近しい男がいるのが許せないタイプってことじゃない?」

 

確かに、魔法薬学の授業を見ていると、僕をやたら指定するだけで、同じ生き残った子であるドリムはあまり指定されない。そうすると確かに推しに近しい男って意味では僕がやたら点を引かれるのはありうるかもしれない。

 

実際はジェームズに似ているから憎らしいだけである。リリーと同じ瞳が無ければもっと酷かったと思われる。

 

「あーロンとハーマイオニーにも話してなかったっけ。あんまりいい話じゃないんだけど、聞く?」

 

スネイプの推しに近しい、という意味では僕は当てはまらない。

 

「そういわれると気になるわね」

 

「まあ、何か僕に協力できることがあればいいけど」

 

二人とも聞きたいらしい。本当にいい話じゃないんだけどなぁ……

 

「今リインは僕と一緒に暮らしてないよ」

 

「「……え?」」

 

「じゃ、じゃあ、リインは今どこで暮らしているのよ?」

 

「ちょっと事情から話すんだけど、リインって、僕のお母さんに似ているらしくて、それが叔母さんとしては気に食わなかったみたいで、ダーズリー家で僕より虐待受けてたんだ。それで、9歳の誕生日の時だったかな。家から投げ捨てられて、そこから帰ってきてない」

 

想像以上に重たかったのか、絶句している。

 

「まあ、そのあとは叔母さんの方に連絡が来たみたいだけどね。どっかで保護されてる、って話だけは聞いた。それっきり、僕の方も連絡手段ないしで、ホグワーツに来るまで会うこともなかった」

 

ホグワーツで見かけたリインは嬉しそうにマリ師匠とアイさんと笑ってて、ちょっと安心したっけ。

 

「でもまあ、元気に過ごせているようでよかったよ。僕もあの家だとリインのことを助けられない状況だったし、こんな兄に会ってもいい思い出はなさそうだから……あんまり近くに行かないようにしようとは思ってたんだ。ただ、アイさんに会いたくて最初の方はちょっと暴走してたけどね」

 

「えっと、マリに弟子入りするときとか、リインがいないタイミングでお願いしてたし、昨日の罰則のあともキャンプに近寄らずに帰ってたし。君、結構気を使ってたんだね」

 

「まあ、何もできなかったけど、兄だからね」

 

本当に、何もできなかった。グリフィンドールに組み分けされたけど、何が勇敢な人が多い寮だ。僕は苦しんでいるリインを助ける勇気もなかった臆病な人間じゃないか。

この後悔は僕の中で墓まで持っていく。

 

ただ、もし、リインが過去を乗り越えられたら、少しだけでも関われるといいな。とそう思った。

 

 




少しだけシリアス。
次回は賢者の石取りに行くところか幕間かな?
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