ハリー・ポッターがバグった件   作:怠惰の徒

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2年目のハロウィン

Sideアイ

 

「今年もやってきたぜハロウィンパーティ!今日は限界まで食べるぞー!」

 

大広間でリインとアーリアと話していると、だんだんとアーリアのテンションが上がってきた。

 

「テンション高いね~アーリア。なんかいいことでもあったの?」

 

「マリ特製の料理がいっぱい出るからな!楽しみにしてたんだ!」

 

「気合入れてましたからね。私も楽しみです」

 

珍しくマリがいないのは料理を作っているかららしい。パンジーとダフネあたりは稀に寮でおすそ分けをもらったりしているが、こういうパーティの日でもないと普通のスリザリン生はマリの料理は食べられない。

マリの料理はカロリーが少ないのにも関わらず、普通に出される料理よりもなぜかおいしい。食材に合わせて調理をしているらしく、アーリアが言うには料理漫画の調理法らしい。「トリコとか食戟のソーマかよ」と言っていた。

 

こういうパーティの日だけはスリザリンは羨望の目で見られる。マリの手料理羨ましいとかおすそ分けしてくれてもいいのに、という嫉妬の目線でもある。唯一、マリの元弟子のハリーはこういうパーティの日におすそ分けをもらえるのだが、おこぼれをもらおうと群がるためハリーとしては嬉しさと辛さが入り混じって複雑らしい。

 

「おまたせー」

 

マリが空中に大量の料理を浮かせながら空中に現れた。ホグワーツって姿現しできないはずだと思うんだけどなぁ……

 

「「「きたー!」」」

 

スリザリン生大喝采。

 

「じゃあ適当に配るね」

 

当然、私とリインのところには多めに配置される。もともとは私たち用に作られたものだからそこは譲れないよね。

 

「今日はハロウィンだからね。かぼちゃで統一して作ってみた。スープは鍋に入っているから自由にとってね」

 

かぼちゃのポタージュ、パンプキンパイ、かぼちゃの煮物、かぼちゃの天ぷら、パンプキンコロッケ……

うん。全部おいしそう。

 

「じゃあいただきまーす」

 

ワイワイと料理をつまみながらバタービールで乾杯する。

 

「うまっ!やばっ!」

 

アーリアは全力で食べている。マリの料理おいしいからしょうがないよね!

 

「大体配り終えたかな。……あれ?アイ、ハリーがどこ行ったか知らない?」

 

「そう言えば見てないかも」

 

大広間に入ってきてからハリー達4人組を見た記憶はない。

 

「そっか。じゃあどうしようかなこれ」

 

マリが見るのは宙に浮いている料理。そして話を聞いていたのか、見つめる人多数。

 

「まあ、城の中にはいるだろうし、配達してあげようか」

 

「変身術で料理を何かに変身させて、見つけたら料理に戻るようにすればいいんじゃない?」

 

「アイの案を採用しよう。よいしょっと」

 

宙に浮いた料理はフクロウとなり、大広間から出て行った。あぁ……という残念そうな声がどこからか聞こえた。

 

 

 

しばらくパーティを楽しんでいると、何やら入口のあたりが騒がしくなっていた。

 

「あーそういや今日だったか」

 

アーリアがぼそっと呟いた。

 

「何の話?」

 

「ああ。今日秘密の部屋の怪物バジリスクミセス・ノリスさせるんだよ」

 

「?」

 

「あーすまん。原作知識だから言えないらしい。マリ。千里眼で見てやってくれ」

 

アーリアがマリに言うが、マリは千里眼を今年のホグワーツでは使えない。

 

「ダメだよアーリア。マリは今年は千里眼使っちゃいけないから」

 

「……そうなのか?バジリスクの邪視ってマリに効くのか?幻想種だから普通に余裕だけどって言いそうな気もするけど

 

アーリアが何か小声で考えている。

 

「気になるし、行ってみようか。アイとリインはどうする?」

 

「私はもう少しご飯食べます。その、みんなみたいに大きくなりたいので」

 

私の妹可愛すぎでは?リインは残るようだ。んーじゃあ私は……

 

「私は気になるからマリについていくよー」

 

「分かった。じゃあリイン。アーリアをよろしくね」

 

人ごみを分けてマリが進む。何の魔法を使っているのかは分からないが通り道の群衆が割れていく。魔法の体系じゃなさそうだし……人避けの呪符?とかそのあたりだろうか?

 

「お前達が殺したんだ!」

 

現場にたどり着くとフィルチが叫んでおり、フィルチが抱えている猫はピクリとも動かない。

 

「おー、なんか修羅場みたいだね。猫が石化しているみたいだよ」

 

「うーん。見た感じだと呪いみたいだね。猫の体制から一瞬で石化されているみたいだし、魔法薬とかではなさそうだ」

 

マリが猫の状況を見て考察するが、多分それはどうでもよくって、この状況が問題だと思う。

壁に何かの血のようなもので書かれた「秘密の部屋は開かれた。継承者の敵よ気をつけろ」の文字。ハリーたちがやったと勘違いして激怒するフィルチ。弁解しているドリム、ロン、ハーマイオニー。知らないとばかりに届けられたマリの料理を食いながら聞いているハリー。

 

「落ち着くのじゃ。猫はまだ死んでおらんよ。強力な魔法で石化しているだけじゃ」

 

「呪いとも見抜けないのか、ダメ校長め」

 

「前から思ってたけど、マリってダンブルドア校長の事嫌いだよね」

 

「あー……ちょっと同族嫌悪的な感じかも。僕もまだ英雄作成の記憶しかないしから同じ穴の狢なんだけどね。あとはリインにも手を出されそうだったから」

 

夏休みにマリが話していた英雄作成のスキルを話しているときもダンブルドア校長を少し貶していた。ポッター家を英雄にしようとしていたらしいし、その一環でリインにも手を入れようとしてマリの癪に障ったらしい。同じようなことをしているので、本人としては指摘されるとブーメランが刺さってダメージを受けているようだが。

 

「校長!私たちはほとんど首なしニックの絶命日パーティーに参加していて……ドリムとハリーが声が聞こえたって言ってて、それを追いかけてたら……」

 

「分かっておるよ。これはお主らには、ホグワーツの2年生ではできない高度な魔法じゃ」

 

「というか、スリザリンの継承者ってことならグリフィンドール生じゃ無いと思うし、そもそもスリザリンの血筋いるでしょ!」

 

「そうだよ!書かれていることが事実ならスリザリンの直系が一番怪しいじゃん!」

 

ハーマイオニーが今までの行動を弁解し、ドリムとロンがマリが怪しいと言い始める。

 

「確かに」「いや、でも料理してたし……」「でも今のホグワーツでスリザリンの血筋なのはマリさんしかいないし」「おお!僕が犯人扱いされるのか」「ハリーの食ってるやつちょっともらえないかな?」「でも状況証拠からするとマリさん……え?」

 

全員マリの方を向いた。居ないと思っていたのだろうか。

 

「一応弁解させてもらうけど、今日はハリーが食べているハロウィンの料理作ってたし、そもそも僕ならこんなメンドクサイ呪いなんてかけないで首落としてるよ?警告するなら猫を殺した方がいいでしょ」

 

「マリが警告出すならもっと穏便な形でやって、それだけじゃダメそうならエグ目の警告出すよ?リインの時もそうだったし」

 

(((やりそう……そして闇が深そうで突っ込めないけどリインのって何?)))

 

去年、普通にトロールの首を切り落としているやつらである。「僕だったら首を落とすよ?」は説得力がある。

 

「え、師匠呪いって言った?魔法じゃなくて?」

 

ここで飯を食うのに集中していたハリーから質問される。マリが答えようとしたときに、ロックハートが乱入してきた。

 

「そうだよハリー。ミセ「そこのスリザリンのレディはよく分かっている!そう!これは呪いによる、高度で深刻な事件です!であれば、この私、ギルデロイ・ロックハートが華麗に解決して見せましょう!」

 

「いや、レディって、僕はおと「さあ校長。この場は私に任せてください!」

 

わー。全くマリの話を聞いてない。

 

「……アイ、帰ろうか」

 

「そだねー」

 

ここまで収集つかなくなったらもう事態は進まないだろう。見たいものは見れたし、帰ってリインとアーリアに何があったのか教えよう。

ロックハートが熱弁しているのを横に大広間に戻る。

 

「あ、マリお兄さんアイお姉ちゃん。どうでした?」

 

大広間の席に戻るとリインが食事をしながら待っていた。結局あまり食べれてなさそう。

 

「えっとね。ハリーがご飯食いながらフィルチが激怒してハーマイオニー達が弁解して、ロックハートがかき乱してたかな」

 

「アイ。それだと混沌としてたことしか分からないよ。フィルチの猫のミセス・ノリスが石化してた。あと、脅迫めいたメッセージで、継承者の敵よ、気をつけろ、なんて血で書いてあった。それで事件だって騒いでた感じだね。後はアイが言ってたように、混沌としてたよ」

 

本当に混沌としていた。事態の中心にいる人たちはかわいそうだった。ロックハートは生き生きとしていたから除くが。

 

「それで、何か分かったのか?」

 

食べていたアーリアが食べるのをやめてマリに話しかける。アーリアは見かけによらずよく食べる。

 

「さすがに千里眼も今は使えないし、全部は分からなかったよ。いろいろな場所を見ないと。はあ、兄さんと同じく平衡世界を含めた現在の全てを見通せる眼だったらもっと楽なのになぁ……僕のは精々千里眼B+くらいだから」

 

「十分じゃねーか」

 

「もっと兄さんに近づけるように頑張るよ」

 

正直頑張ってほしくないけど。またマリが居なくなったら悲しい。マリは今のマリのままでいてくれればいいのになー。

そんなありえないことを考えながら、同時に石化した事件について考える。

 

「でもどうやって石化させたんだろうね?どう見ても一瞬で石化したって感じで固まってたし」

 

ミセス・ノリスは歩いている最中に突然石になったような、そんな感じで固まっていた。苦しんだり、何かを食べたり、何かに襲われたような形跡はなかった。

 

「うーん。一瞬で石化で考えられるのは、コカトリスとか神話の生物だから無いと思うけどゴルゴーンとかが当てはまるかな」

 

「秘密の部屋、つまりスリザリンの継承者の事ですよね。そうすると蛇に関わると考えるのが一番近い気がします。ゴルゴーンが一番近そうですが……そんなのがホグワーツ城に居たらもっと阿鼻叫喚ですよね」

 

神話の怪物が生き残ってたらもっと前からホグワーツが神域化して霊障やら神隠しやらが頻発するから多分違うだろう。

 

「蛇、秘密の部屋の怪物、呪い、一瞬で石化。……ああ、なるほどバジリスクだ。だから姉さん千里眼使うなって言ったのか。というか、ミセス・ノリスはよく死なずに……いや、殺す気が無かったのかな?」

 

「ええ……正解にたどり着くの早くない?」

 

アーリアがドン引きしている。

 

「あれ?バジリスクって、目を合わせたら死ぬと思うけど、ミセス・ノリスは死んでないよね?何でマリはそう考えたの?」

 

「アイお姉ちゃんが言う通り、バジリスクに石化させる要素は無いはずです……まだ尻尾が蛇になっているコカトリスの方が正しい気がしますけど……」

 

リインが言っているように、バジリスクだとすると死んでいないのはおかしい。あの殺意しかない怪物で、どうやって猫を石化させたのだろうか。

 

「昔、バジリスクに睨まれた人は石化してしまう。と記載されている本を読んだことがあった。僕もそれだけなら未だに生態の全貌が判明していない魔法生物だから間違えているのだと思ったさ。だけど、石化したのは本の作者だった」

 

「作者自身が石化したと語ってたってことは、睨まれても生きていたってことだよね。……どうやって生き残ったんだろ?」

 

実例があるなら石化させることもできるということ。

 

「いやー。それが全く分からなくてね。魔法省分類の動物XXXXXのカテゴリーなだけあって全く研究されてないからさ。バジリスク側で強弱つけれるのか、幼体なら眼光からの呪いが弱いのか、間接的に見るのであれば弱まるのか、もしくは僕みたいな純粋な人以外には効きにくいのか」

 

XXXXXは魔法使い殺しの生物の分類だ。飼いならすことができない危険な生物につけられる。研究があまり進んでいない分野の生物だ。

 

「あれ?マリお兄さん。スリザリンの継承者はバジリスクを使って今回の事件を起こしたって事ですよね?魔法使い殺しをどうやって操っているのでしょう?」

 

「これも推測になっちゃうけど、今のところありえるのは蛇語かな?サラザール・スリザリンが飼いならした蛇とか。……だとしたら1000年生きたバジリスクか……素材欲しいな」

 

「「危ない事はだめだよ!?(やめろよ!?)」」

 

フットワークが軽めなマリならやりかねない。

 

「ああそうだ。はいこれ」

 

マリがアーリアに何かを渡す。

 

「これはメガネか?何で俺に?」

 

「あ、それ魔眼殺しだよ。一番死にそうだから渡しておこうと思って」

 

あー。アーリアはもう2回ほど死にかけてるし、確かに一番危ない気がする。

と思っていると周りが少しざわついていた。どうしたんだろう?夫婦?とか聞こえる。

 

「……まあ、確かにホグワーツ入ってから2回程死にかけているしなぁ」

 

「まあ、僕が近くにいないときは使ってよ」

 

「ありがたく使わせてもらうよ」

 

うーん。ちょっと気になるなぁ。聞いてこよう。

 




次回は決闘クラブの予定
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