ハリー・ポッターがバグった件   作:怠惰の徒

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あの日の憧景を

Sideハリー

 

「よし!開いたわね!」

 

「無茶苦茶だろ……」

 

「指示したのはドリムだから、請求はそっちに……」

 

「嫌よ。引率のロックハート先生、責任とってね!」

 

「まあいいでしょう。秘密の部屋を見つけられたら印税で余裕ですし」

 

「生臭教師……!いいからさっさと進むわよ!」

 

なんかドリムが怒っているがいいか。先に進もう。

 

「……ロックハート先生。一番槍の栄誉を渡します」

 

「いや、それは良くないぞ!いやフリじゃないからね!かなり深いよ?死んじゃうよ?」

 

覗いて石を落としてみる。

………………カーン

めっちゃ時間かかったな。かなり深いぞこれ。

 

「はいゴー!」

 

「ドリム!?」

 

妹がロックハートを突き落とした。ああ、身内から犯罪者が……

 

わあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………という叫びと共に落ちていくロックハート先生。

 

「スライダーになっているから意外と行けたぞ」

 

穴の中から小さく声が聞こえた。

 

「じゃあ行こう!」

 

 

 

なんやかんや、ロックハートが裏切った……というか、手柄を独り占めしようとしたのでハリーが剣でロックハートを絞めた結果、ロックハートの記憶っがなくなったりとか、ロンの杖が逆噴射して天井が崩落したりと色々あったが、ロンとロックハートをおいて扉の前まで来ていた。

ちなみにロックハートの記憶がなくなったのは忘却呪文(オブリビエイト)が逆噴射したことにした。人のせいにする気だった。

 

 

 

「いいハリー。ここを抜けたらバジリスクとご対面よ」

 

「ドリム。何でそんなに余裕そうなの?」

 

蛇を象った扉の前でハリーとドリム。ドリムが余裕そうなのは原作知識からだったがハリーは知る由もない。

 

「ここも蛇語ね!シュー(開け)」

 

自信たっぷりな顔で扉に蛇語で命令する。

 

……全く開かない。

 

「……ドリム?」

 

「……何でよ!?ハリーもやってみなさいよ!」

 

「ええ……じゃあ命令口調なのがいけないのかな?シューシャ―(開けてください)」

 

……反応なし。

 

「しょうがない。斬りなさい」

 

結局脳筋だった。

 

「また?これ歴史的な建造物だったりしない?」

 

「だとしても壊れてるんでしょ。なら大丈夫よ。ピラミッドと同じで致し方ない犠牲よ」

 

なお、ピラミッドは盗賊が穴を掘って開通させているので、同じだというのであればハリー達も盗賊になってしまうのだが。

 

「まあロンの妹の命もかかってるしいいか。……じゃあ行くよ」

 

剣を上段に振り上げて切り落とす。さっきよりも金属製で斬りにくそうなので威力をあげて……っ!

 

ギイィィィイイン

 

「全然斬れる気がしないんだけど!?なにこれ?」

 

全く傷もつかなかった。

 

ドアに剣がたどりついていないような、ドアの前の空間を斬っているような感覚だった。ホグワーツ創始者の魔法だろうか?

 

「壊れているのかしら……?そんな話あったかしら?原作乖離ってやつ?

 

「どうしようか?」

 

「ここまで分かれ道もなかったし、どうにかするしかないわね。あたりを探してみましょう」

 

 

 

 

 

 

 

Sideリイン

 

「っ!護符が……」

 

視線を一度合わせただけ、それだけで護符が1枚破壊されてしまった。

仕方なく、顔を視界から外して大きく後ろに下がる。

 

「ははは!君もバジリスク相手だとさすがに戦えないよね!」

 

どうにかして日記を破壊しなければならないのに、この状況はまずい。

残りの護符は5枚。私にはマリお兄さんみたいな短距離の転移は使えないですし、アイお姉ちゃんみたいなスピードも出せない。こうなると低身長なのを恨みますね。

 

「……さすがに全部吹っ飛ばすのは駄目ですね」

 

そうすると残りは大規模な広範囲の攻撃でバジリスクの眼をつぶすしかない。けどその規模の攻撃をしたらさすがに人質になっている赤毛の少女が死んでしまうだろう。

 

「君、やっぱちょっとずれてるよ」

 

でもそうしないとどうにかする方法がない。

 

「さあ、どうする?このままだと君の大事な人は死んでしまうかもしれないよ?そもそも僕を殺しても、吸いだした魔力はもどるのかな?」

大丈夫だから。それ石化に使われている魔力だから

マリお兄さんから魔力を吸いだしている。吸いだした魔力を戻せないとすると、後数刻でこの人を殺す必要がある。でも、バジリスクを呼ばれた以上、このまま突っ立って居ても私が死ぬだけ。身代わりの護符と邪視対策はしてある。であれば後はタイミングを見て、バジリスクがこちらに仕掛けると同時に小規模に範囲攻撃をするしかない。少々部の悪い賭けだが、人質を生かして勝つにはこの方法しかない。

 

君に選択肢をあげよう。眼を開けて。大丈夫、今ここにいるのは私と君だけだ

 

秘密の部屋へ導いた声が聞こえた。マリお兄さんに似ている、けれどもどこか冷たい声が。

 

「……ここはいったい?」

 

眼を開けると、そこは白い大きな塔と綺麗な花畑が一面に広がる場所だった。

 

「久しぶりだね」

 

振り向くと、マリお兄さんに似た、マリお兄さんよりも少し年上に見える女性がいた。

 

「何の用でしょうか?」

 

「そう冷たくあしらわないでくれよ。あの時だって、ちゃんとマリを帰したでしょう?」

 

マリお兄さんを殺しかけた人に好感を持つわけないでしょう。

 

「……用件はなんですか?早く戻りたいのですが」

 

「そう邪険に扱わないでくれ。私だって人並みに嫌われたくないと思う気持ちはあるんだよ。さて、あまり長いと怒らせてしまうだろうから、本題といこう」

 

そういうと、マリお兄さんに似た女性は二つのものを取り出す。

それまだ未完成なんだけど!?姉さん!?

「これはマリがリインのために作っていた災厄の枝、そしてもう一つが、アーサー王が使っていた星の聖剣」

まだ龍の因子取り込むリスクを取り除けてないよ!?

少し歪な形をした杖と、輝く剣が宙に浮いていた。

 

「どちらを選んでも、君は少し人から逸脱してしまう」

 

「選ばない、という選択もできますか?」

 

「ああ、できるとも。でも、どちらかを選べば確実にバジリスクに勝てるようになる。選ばなければ、勝てるかどうかは分からないよ」

 

「貴方が嘘を言っている可能性もありますが」

 

「そんなことをしたら弟君に……マリに嫌われてしまうだろう?あの子は君を大事に思っているんだから」

 

弟君?マリに姉がいるという話は聞いたことがありませんでしたが。

少し人を逸脱するだけで確実に勝てる。剣と杖、どちらを取るべきだろうか。剣には憧れがあった。アイお姉ちゃんみたいに綺麗な剣を振ってみたいと思っていた。ただ、それは多分、私ではできないんだろうなと悟っていた。教わって分かった。私にはその才能は一切ないことが。

 

私は……

 

「マリお兄さんが作った方をください」

 

歪な形をした杖を選ぶ。剣が使えないからこそ、マリお兄さんは私に杖を用意してくれたのだろう。私はマリお兄さんを信じる。

 

杖を手に取る。私の身長くらいある大きな杖だ。少し弓なりにしなっており、ちょうど私の腰くらいの位置に持つようにか布が巻かれている。先端は少しだけ大きくなっている。良くわからないが何かの宝珠のような物がついており、黒いリボンが長くたなびいている。

 

「これがマリお兄さんが作った杖、ですか」

 

装飾が無ければただの枝のようにも見える、そんな無骨な杖。

手に取ってみると、意外と軽い。

 

「これは……」

 

手に取って分かった。確かに、これならバジリスクにも勝てるだろう。

 

「そうだね……本当はマリが名付けた方がいいのだろうけど、憧憬・災厄の枝(レーヴァテイン・メモリア)、とでも名付けようか」

それ前から僕が考えてた名前じゃん!

ヴィゾフニルを殺すための枝の名前を冠した杖。マリお兄さんが私のためだけに作った杖。

 

「さて、眼を閉じて。うん。いい子だ。時間はほとんど経過していないからね。それじゃあ、眼を開けたら元の場所に戻るよ。これは夢であって夢じゃない。今持っている君の杖も、現実なのだから」

 

 

 

 

眼を開けると、バジリスクがこちらに向かってくるところだと、地面の影から分かった。そして私の左手には大きな杖が握られていた。

 

「なんだその杖は?いつの間に……」

 

杖の力はただ1つ

 

憧憬・災厄の枝(レーヴァテイン・メモリア)

 

炎が部屋を覆いつくす。覆いつくした炎は収束していき、(あか)白い十字を模していく。

 

「これは……!君は何をした!何を持った!」

 

十字がされに収束され、炎の(つるぎ)となり、

 

「思い浮かべるのは、ただ魅せられた一振り」

 

想起しろ。追想しろ。あの時見た剣閃を思い出せ。あの憧れを、あの渇望を、あの後悔を、全てこめて。

 

再現(リコリス)!」

 

思い描く剣技を再現するだけ。

 

ハリーも見惚れたマリの剣閃が炎の剣によって再現される。

 

 

 

 

 

 

1つの朱が混じった銀閃はバジリスクの頭を斬り

 

 

 

1000年生きた怪物の生を終わらせ

 

 

 

1つの歴史を終わらせた

 

 

 

 

 

 

「そんな……バジリスクが……」

 

「はぁ……はぁ……っ!詰みです」

 

宣言したものの、リインにあまり余力は無かった。

 

この杖、滅茶苦茶魔力使いますね。

 

俗に言う燃費が悪い杖だった。確かに威力も効果もいうことはないのだが、とても疲れる。

 

「くそっ!……まだ手は……」

 

「マリお兄さんの魔力は扱えない。操っているその子の魔力も切れている。スリザリンの怪物も死んだ。もう取れる手はないでしょう」

 

そう言いながら日記に近づく。

 

「やめろ……それは……それをしたら僕は……」

 

日記とマリお兄さんの魔力の繋がりを災厄の枝で切り離し、日記を手に取る。

 

「これは……分霊箱……でしょうか?」

 

何で日記なんかを分霊箱にしたのだろうか。いえ、そもそもホグワーツ5年生でどうして分霊箱なんかを作ったのでしょうか。人を殺さないと分霊箱は作れないはず。分霊箱を作るためだけに、自分が満足するためだけに意味もなく適当に人を殺して、何がしたかったのだろうか。

分霊箱を破壊するのはそこそこ骨が折れる。が、マリお兄さんからもらった杖でどうにかなるだろう。であれば

 

開心術(レジリメンス)

 

霊体のトムに向けて放つ。もう魔力も何も残っていないトムには抵抗のすべがないだろう。

 

さあ、貴方は何を思って人を殺して、分霊箱を作ったの?

 





次は明日

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