Sideハリー
「あれは何なんですか?」
入学式が終わり、ハリーはルーピンの部屋へ訪れていた。聞きたいのは列車に出てきたあの怪物。
「あれが近づいた時、緑色の閃光と、知らない人の顔。それと、叫び声が頭の中に浮かぶんです。……最初は分からなかったけど、あれは多分、僕の両親の声だ」
全く身に覚えのない記憶だった。でもよく思い出せば分かった。
「知らない顔だったけど、似ている人は知っていました。……僕の、妹達です」
リインは母親似、ドリムは父親似だと聞いた。そこから分かるのは、あれは、緑の閃光を喰らって叫び声をあげているのは、僕たちの両親なのだろう。
「そうか。……辛いのによく思い出したね。ハリー」
「いや、なんというか、師匠との特訓の方が死にかけた分恐怖でしたし、これくらいは大丈夫です」
「……ダンブルドア校長とそんな激しい特訓をしたのかい?」
「いや、スリザリンの同級生のマリとですけど……1年生の間だけですが」
くじけないメンタルはそこで手に入れた。ドラコとの友情もはぐくんだ。共に魔法で爆撃されながらマラソンしたり、剣持ったまま湖に沈められたりした。死ぬ気になれば泳げるようになるんだと知った。
が、ルーピン先生は訳が分からないと行った顔をする。
「グリフィンドールなのにスリザリンと仲がいいのかい?」
「あ、そうですね。僕たちは別にいがみ合ってはいないです。仲が悪い人たちもいますけど」
そう。マリのせいでグリフィンドールとスリザリンはただのクィディッチのライバルになっているのだ。原作程仲が悪い、とはなっていなかった。そのせいでダンブルドア校長の筋書も絶賛崩壊中だった。もはやオリチャーである。ダンブルドア校長は頭を抱えていた。
「なんというか、そういう未来もあったんだね」
ルーピンの頭の中では仲良くなったセブルス・スネイプとジェームズ・ポッターが湖を走る思い出が浮かんで捏造されていた。いや、そんな事実は存在していないし、お互いその話を聞いたらブチ切れるだろうけど。
「それで先生。あのバケモノは……」
「ああ、あれは魔法界でも最も悍ましく忌まわしい生き物、
「吸魂鬼……」
「やつらは凋落と絶望の中に栄え、平和や希望、幸福を周りの空気から吸い取ってしまう。吸魂鬼に近づくと、楽しい気分も幸福な思い出も吸い取られ、最悪の記憶を思い出してしまう。やろうと思えば、吸魂鬼は魂すら吸いだしてしまう」
つまり、僕があの叫び声を思い出したのは。
「幸せな気持ちを失って、思い出す限りで最悪の気持ちが残ったと」
「ああ。そういう事だろう。死の恐怖、という意味ではく、憎悪や悪意を感じたゆえの恐怖の記憶を思い出させられたんだと思うよ」
「そうですか」
僕は師匠に精神的にも鍛えられたけど、同じ記憶をドリムが思い出していたとしたら、気絶もするだろう。
「先生。あいつらを、吸魂鬼を追い払った時の魔法を教えてくれませんか?」
あの銀色の靄みたいなもの。あれを吸魂鬼は嫌っていた。あれがあれば、僕でも追い払えるはずだ。
「守護霊の呪文のことか。……とても難しい魔法だよ。完全に成功させる魔法使いはほとんどいない。私も不完全にしか使えていない」
「あれでも不完全……」
「本来であれば守護霊の形を取るんだ。噴出されるだけの靄ではなく、何か動物や人、物、そういった実態を作る」
じゃああの白い髪の幼女をつついていたカナリアは完全な守護霊の呪文なのだろうか。というかあの白い少女は誰なのだろうか?一年生にしては小さかったけど、リインの例もあるし、一概にホグワーツ生じゃ無いとは言えないけど。
……噂の師匠とアーリアの子か?師匠ならありえなくはなさそうだ。
「ハリー。君が望むのなら、闇の魔術に対する防衛術の受業があった放課後に、子の呪文を教えようと思う。もちろん、君の妹も。君たちは、人よりも酷い経験をしてしまっている。吸魂鬼からすると上質な餌に見えてしまう」
「ぜひ、やらせてください」
Sideアーリア
そんな恐怖の象徴だが、スリザリンの談話室に拉致されていた。
「あの……何でわたしここにいるんでしょうか?」
ディーは談話室の台の上に座らされていた。襤褸切れを纏った白髪の幼女。ホグワーツについて一応ホグワーツの警備について、依頼されているシリウス・ブラックを探していると、マリに拉致されてスリザリン寮まで連れてこられた。
「君にスリザリンの入口を守ってもらおうと思ってね」
単純に防犯の為だった。
「いやでも、魔法省に怒られません?」
「大丈夫だよ。黙らせてある」
「何も大丈夫じゃなさそうなんですけど!?」
魔法薬で成果をあげた結果である。成果は連名で出したため、スネイプ教授も同じことができてしまう。
「あと、そこのアイさんをどうにかして欲しいんですけど!マリに抱っこされるたびにカナリア飛んでくるんですけど!」
「何か文句ある?」
威圧感を感じる。え、怖っ。
「すいませんでした。何でもないです。文句もないです」
土下座するディー。なぜか合わせて正座してしまった俺。しょうがないじゃん。なんかもう、こう、圧がすごいんだよ。去年ディーと聖母云々があったせいで頭が上がらないのだ。
「アーリア……いや、でもアーリアにかかわることだから別に間違ってはいないか」
「マリ。聞き捨てならない事が聞こえたんだけど?何でディーを連れてきたことと俺が関係してるんだ?」
正座のまま聞く。なんとなくだが、今正座から体制を変えるのは駄目だと思った。
「まあディーが原因ではあるんだけど「痛い、嘴でつつかないで!」アズカバンの吸魂鬼に僕とアーリアのことを話したらしいんだよ」
「……ん?それがどうして今の状況に?」
「列車の窓見た時に、君が吸魂鬼に超優しい人と認識された。「ねえマリ!止めてよ!」あの時は僕とリインがいたから大丈夫だったけど」
ああ、幻想種の威圧感とかで魔法生物を従えられる的な話をしてたな。そうじゃなくても人で言うとドラゴンがいるような威圧感を与えているんだっけ?
「待った。じゃあ列車の時に吸魂鬼がこっちっを見て集まってたのは」
「ディーのせいだね」
「アイさん、厳しめにやっていいと思う」
「分かった」「裏切られた!?」
「おっもい!俺にじゃないよ!?何で岩を正座している上に乗っけたの!?」
正座ほどけない。足がしびれるぅ……思ったよりきついぜ。
「だってまた聖母とか夫婦とか子供ができたって言われるんでしょ?」「ねえ!ないはずの血が出てきたんだけど!?なにこれ!?」
「まだ引きずってるのそれ!?だったら白髪幼女を指定したクラップとゴイルが悪いと思います!」
「お……おい!」「巻き込む」
「正座」
「「「はい!……アーーーッ!」」」
なんかドラコまで正座して岩を乗せられている。何で?
「管理監督責任は取らないと……くっ」
「いや、くっ、じゃないが。管理監督責任って、上司なの?」
普段を考えると似たようなものなのかもしれん。
「だが幼女と同じように折檻受けていると考えれば」
「乗りきれるな!」
「ああ!」
「わぁ………ぁ…………」
ああ!じゃないんだが。何で喜んでいるんだこいつら。ドラコ泣いちゃったよ……
「アイ?そろそろ終わろう?もうみんな移動で疲れてるだろうから……」
「むー。まあしょうがない。許してあげよう」
許されたらしい。岩がなくなっ「あ、でもアーリアは最大限誤解を招かないように気を付けること」「はい」
……どうしろと?
「よいしょっと」
なんかマリが変な装置を取り出した。円柱の形状で、ドリンクバーみたいに何かが出てくる場所がある。掌で覆えるくらいの水晶玉が出っ張っている。
「この水晶に杖経由でもいいんだけど、魔力を流すとディーのエs……もといご飯が出てくるから、暇な人は使ってね。ちょっとした実験も兼ねてるから」
「餌って言ってたな」「餌付けができるということね。いいじゃない」「なるほど。幼女に餌付けができると」
「ダフネ。趣味には文句は言わないわ。でも顔は治しなさい」
「クラップ、ゴイル……折角マリが言い直したのにお前らは……」
色々と台無しだった。というかだんだんスリザリンが色物寮になってきた気もする。
おまけ 先輩の反応
「いや、まずこの子は誰?」
騒ぎがひと段落すると、7年生になった先輩から一言言われた。というか当たり前だった。ディーはスリザリンの3年生としか関わりがないのだ。闇の魔術に対する防衛術の受業で拉致されただけだったし。
「吸魂鬼ですね」
あまりにも軽いマリの一言。
「……何て?」
「またまた。先輩も見れば分かるでしょ?吸魂鬼だよ」
見てもわからんだろ。見た目はただの幼女だぞ?
「あー。うん。いや、頭が理解を拒んでいるんだが、何をどうしたらそうなる?」
「去年拉致して仲良くなった」
「脅迫だったけ「去年!?今年なら分かるけどなんで!?」
ディーの反論は消された。
まあそうだよね。何で去年吸魂鬼連れてきたんだろうね。というか去年は談話室の上の湖にいる
「闇の魔術に対する防衛術の受業の教材にいいかなって」
「基本的人権は守った方がいいと思います!」
先輩が話が通じそうとみてここぞとばかりに文句を言うディー。
「いやまあ、君は魔法生物だからなぁ……危険生物処理委員会が殺意MAXで裁判しに来るよ」
「去年も聞いたやつ!」
ディー「ホグワーツは魔境。はっきりわかるんだね」
吸魂鬼「お前の言う優しいやつだけど……」
ディー「私がいるうちは接触禁止じゃ!」
ワーナーブラザーズスタジオツアー楽しかったです。ただ、ツアーを楽しむというよりは、談話室のセットを見て、ここでマリたちが……とか、食事の場所では……とかそんな感じで楽しんでました。
そう言う意味ではめちゃくちゃ参考資料が撮れましたね。参考になりそうでした。