悪い虹夏くん   作:匿名

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まさかの二話。
あんまりちゃんと推敲してないのでキャラとか口調ブレてるかもしれません。


二話

 

 

 ひとりちゃんが居なくなった後、急いで結束バンドのラインにこのことを伝えたが時間がもう遅い。

 家に帰っているかなんていうのも色々あってラインを交換した美智代さんに聞いてみたがひとりちゃんはまだ帰ってきていないらしい。

 一応何かあって電車が止まったりしたのかとも思ったが通常運行、こちらの線もない、と思う。

 じゃあ外にまだ居るのかもしれない、そう思って今ひとりちゃんを探している。

 こんな夜中でひとりちゃんは大丈夫だろうか……変な輩に連れてかれてたりしないよな……?

 もし今も外に居たのなら大雨で不審者もよっぽどいないと思うけど、少なくとも風邪は引いてしまうだろう。

 土砂降りになりかけの雨の中、俺はトボトボと歩く虹夏先輩を見つけた。

 

「先輩!」

 

「……喜多くん?」

 

 やつれ果てた虹夏先輩によるとどうやらひとりちゃんは見つかったらしいが、リョウ先輩のご両親の車で送っていってもらったらしい。

 リョウ先輩のご両親なら医者だから温まっているだろう。

 これで一安心……と思ったが虹夏先輩が発見したときからおかしい。

 どうしたんですか?、と聞いてもなんでもない、とだけ。しかも泣いているようだった。

 もしかしたらひとりちゃんがバンドを抜けてしまうのかもしれない、だって、告白して受けてくれなかった男と同じバンドなんて他のメンバーがどんなに楽しかったりしても辛いだろうし……とも思ったけどその時は俺が抜けたほうが良いだろう、逃げるのは二回目になるけど。

 泣いていた虹夏先輩が心配だったのもあるし、自分を落ち着かせたいのもあって、虹夏先輩とSTARRY(スターリー)まで少し一緒に話をした。

 

「こういうことがあるからぼっちちゃんも惚れちゃったんだよ?」

 

「いや……そんなもんですかね?」

 

 そっぽを向きながらそんな事も言われてしまった。

 その後はしばらく沈黙が続いた後、雨音に紛れてブツブツと虹夏先輩が呟いていたのに気づいた。

 

「何やってるんだよ……」

 

「……俺のことですか」

 

 相変わらずそっぽを向いていたけど、こっちの方に若干顔を向けて言った。

 

「僕のことだよ」

 

 それっきり、ずうっとした重い空気が立ち込めて、STARRY(スターリー)の近くに着くと虹夏先輩は何も言わずに逃げるように走っていってしまった。

 

 

 


 

 

 

「……ぼっち」

 

 リョウさんが話しかけてきた。

私の告白が失敗したことよりも、虹夏くんのことだろう。

……何も言えない。私でなくとも答えに困ると思う。

 

「どうしようか」

「もしかしたらさ、バンドが、結束バンドが……」

「……」

「……」

 

 つい、顔を逸らしてしまった。

 虹夏くんのあの笑顔とは対象的なリョウさんのあの顔が網膜に焼き付いて、なにより苦しかった。

 他のことを考えようと思うと、今度ははっきりと思い出せる喜多くんの申し訳無さそうなあの顔と、調子のいい妄想と違う答えが、壊れたスピーカーのように何度も響く。

 リョウさんの微かな啜り泣きがぼんやりと聞こえる。

 顔を上げて、窓越しに自分を見たら酷く醜かった。

 

「おぇっ……」

 

 醜いものは醜いままで、他も腐らせてしまったんじゃないか。

 

 

 


 

 

 

 どうして虹夏は、いや、そもそも郁三が……。

 そんな取り留めも無い妄想が私の涙と一緒に、窓を伝う雨粒のように消えていく。私の妄想は消えていくというよりも、溜まっていくけど。それで、辛くなったらいつの間にか啜った泣き声をあげていることに気づいて、止めようとしても、止まらなくて。

 

「おぇっ……」

 

 なんとなくそんな声が聞こた気がして、隣に座るぼっちに意識を向ける。

 ぼっちも私と同じようにぼうっとしたまま窓を見たかと思うともう一度、さっきよりも俯いていた。

 そんなぼっちを見て少し冷静になれた私の啜り泣きは止まった。それでも楽になった訳でもなくて現実逃避も許されない、左の窓には私がいる。

 これが赤の他人の話だったら面白いのに……。

 

 

 


 

 

 

「えぇ〜?結束バンド崩壊の危機ぃ?」

 

 軽く舌打ちしながらこの酔っぱらいを睨むと酔っぱらいらしく朗らかに笑っている。

 こいつめ……。

 

「まぁあの子達ならなんとかなるでしょ?」

「内容もよく知りもせずに……お前なぁ!」

「そんなに大変なんですか?」

 

 ふーんとか抜かしてずずずとアルコールを摂る酒カスの横で黙って面白そうに静観していたPAが口を出した。

 酒カスのせいで答える気力も無くなったから取り敢えず首を縦に振っといた。

 

「……はぁ」

 

 本当に、気も、責任も、何もかもが重い。

 取り敢えず、お疲れ様ですとPAに言われた。

 私自身は当事者じゃないのにな。そういうのは虹夏以外の奴に言ってほしい。あんまり響かないと思うけどな。

 そうだ虹夏、あいつ昨夜……は疲れ果ててて、今朝も駄目そうで叱れなかったが、今日は叱らなくては。……でももうしばらく駄目そうだから、落ち着いてからか。

 

「せんぱーい?おーい?」

「これは相当ですね……」

 

 どうしてあんな……。なんでこうなってしまったんだろうか。もっと良く見てあげればよかった……。

 そんな後悔が堂々巡りして、私もしばらく駄目そうだった。

 

 




ここから先は本当に思いつかないので誰か続き書いてください。
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