瑠那はレジスタンスの組織において、科学者として後方支援を中心に活動しているという。
そんな話を聞きながら、亮は廃墟を歩く。
そんな二人の前に、少年達が現れる。
中央にいるのは、白髪に緑色のツートンカラーの少年だ。
「瑠那!無事だったか!そいつは…。」
「新しい仲間よ。新しいデュエルディスクをあげて。その後、アジトを案内して頂戴。」
「わかった。任せろ」
アジト内部を案内されると思っていた亮だったが。
「…場所を変える。ついてこい。」
「わかった。」
やや剣呑な声で言われ、亮は大体の事情を推察する。
やや広い場所。どうやら、ここで普段はデュエルをしているようだが。
「僕は八雲 優司(やぐも ゆうじ)だ!君がどれぐらい強いか、見せてもらう!」
「わかった。始めよう。」
左利きらしく、デュエルディスクを右腕につける少年。
「「デュエルッ!!」」
ヘルカイザー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
優司 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「僕の先攻!僕は終末の騎士を通常召喚!モンスター効果だ!デッキから闇属性モンスターを墓地へ送る!甲虫装機ホーネットを墓地に!カードを2枚伏せてターンエンド!」
ヘルカイザー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
優司 ライフ4000
手2 フィールド 終末の騎士
魔法・罠 伏せ2
「俺のターン、ドロー!手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
「攻撃力2100…。」
「速攻魔法、サイクロンを発動!中央の伏せカードを破壊!」
「させない!カウンター罠、魔宮の賄賂!サイクロンを無効にして破壊!」
「だが、俺はカードを1枚ドローする。バトルだ!サイバー・ドラゴンで終末の騎士を攻撃!」」
動き出そうとする機械竜。だが、その体に鎖が巻き付けられる!
「させない!永続罠、デモンズ・チェーン!効果の説明は要らないよね。」
「デモンズ・チェーン…?」
「これは相手モンスターを選択、選択したモンスターの効果を無効にし、攻撃宣言を行えなくさせる。」
相手モンスターの攻撃宣言を妨害する永続罠ならあるが、効果を無効にする効果に驚く亮。
「モンスターをセットしてターンエンドだ」
ヘルカイザー ライフ4000
手4 フィールド サイバー・ドラゴン セットモンスター
魔法・罠
優司 ライフ4000
手2 フィールド 終末の騎士
魔法・罠 デモンズ・チェーン
「僕のターン、ドロー!魔法カード、闇の誘惑を発動!カードを2枚ドローして、手札からダーク・グレファーを除外!僕は甲虫装機ダンセルを召喚!効果発動、1ターンに1度、僕の手札・墓地から「甲虫装機」モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する。墓地のホーネットを装備!」
「レベルが上がった…」
「さらにホーネットの効果発動!モンスターに装備されているこのカードを墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動、そのカードを破壊する。ホーネットを墓地に送り、サイバー・ドラゴンを破壊!」
「ぐっ…」
「ダンセルの効果発動!このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが僕の墓地へ送られた場合に発動できる!デッキから「甲虫装機 ダンセル」以外の「甲虫装機」モンスター1体を特殊召喚する。デッキから甲虫装機センチビートを特殊召喚!センチビートの効果発動!1ターンに1度、僕の手札・墓地から「甲虫装機」モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する。墓地のホーネットを装備!」
「この流れは!」
「ホーネットを墓地に送り、セットモンスターを破壊!」
「ぐっ…」
「センチビートの効果発動!デッキから甲虫装機を手札に加える。ギガマンティスを手札に加える…。僕は、レベル3のモンスター二体でオーバーレイ!」
「オーバー、レイ?」
神秘的な光の渦が表れる。
その光景に、亮は眼を見開く。
「エクシーズ召喚!ランク3ッ!現れろ、虚空海竜リヴァイエール!!」
「今、何が起きた…?」
「…リヴァイエールの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、除外されているレベル4以下のモンスターを特殊召喚!ダーク・グレファーを特殊召喚!僕は、レベル4の戦士族モンスター2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4ッ!H-Cエクスカリバー!」
「攻撃力2000…わざわざ攻撃力の合計を下げた?」
「エクスカリバーの効果発動!オーバーレイユニットを2つ使い、次の相手のエンドフェイズまで攻撃力を二倍にする!よって攻撃力は4000!」
リバイエールの時、モンスターの種族に言及しなかったが、エクスカリバーでは言及した。
なんとなくだが、亮はエクシーズ召喚のルールを見抜く。単に同じレベルのモンスターを並べればいいわけではないのだろう。
「バトルだ、エクスカリバーでダイレクトアタック!」
「墓地の超電磁タートルを除外して効果発動!バトルフェイズを終了させる!」
「セットモンスターが超電磁タートルだったのか。ターンエンド」
ヘルカイザー ライフ4000
手4 フィールド
魔法・罠
優司 ライフ4000
手3 フィールド エクスカリバー リヴァイエール(1)
魔法・罠 デモンズ・チェーン
「俺のターン、ドロー!魔法カード、予想GUYを発動!俺の場にモンスターが存在しない時、デッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚!現れろ、X-ヘッド・キャノン!そしてZ-メタル・キャタピラーを通常召喚!永続魔法、X・Y・Zコンバインを発動。俺は場のX-ヘッド・キャノンとZ-メタル・キャタピラーを除外し、XZ-キャタピラー・キャノンを特殊召喚!」
「融合を使わない融合召喚?!」
「永続魔法、X・Y・Zコンバインの効果発動。俺の機械族・光属性のユニオンモンスターが除外された場合、デッキから「X-ヘッド・キャノン」「Y-ドラゴン・ヘッド」「Z-メタル・キャタピラー」の内1体を特殊召喚する。現れろ、Y-ドラゴン・ヘッド!X・Y・Zコンバインの第二の効果発動!俺の場の融合モンスターをデッキに戻し、除外されているモンスターの中から、「X-ヘッド・キャノン」「Y-ドラゴン・ヘッド」「Z-メタル・キャタピラー」を2体まで選んで特殊召喚する!XZ-キャタピラー・キャノンを戻し、現れろ、X-ヘッド・キャノン!Z-メタル・キャタピラー!」
「レベル4のモンスターが3体?!まさか、また融合を使わない融合召喚を!」
「俺は!場と墓地の光属性・機械族モンスターをすべて除外し、サイバー・エルタニンを特殊召喚!」
これこそ、今の亮の切り札。リハビリを終えて出場した大会の優勝賞品。
「レベル10を…?」
「効果発動!お前の場の表側表示モンスターをすべて墓地に送る!コンステレイション・シージュ!!」
「なっ?!」
「そして、エルタニンの攻撃力は特殊召喚時に除外した機械族の数×500ポイントアップ!」
「攻撃力2000なら…」
「バトルだ、サイバー・エルタニンでダイレクトアタック!ドラコニス・アセンション!ダメージステップに速攻魔法発動!リミッター解除!」
「攻撃力4000?!うわああああああっ!」ライフ0
何とか、勝てた。
自分の次元より、カードの種類が圧倒的に豊富で展開が早い。
であれば、知識を得ねばならない。例えば亮が知っているモンスター効果を封じる罠カードなど、スキルドレインか天罰ぐらいだったが、この次元では違う。
だが、まずは。
「教えてくれないか?」
「何?」
「エクシーズ召喚とはなんだ?」
「…君は。融合を使うけれどアカデミア軍では無いね?」
毒気を抜かれたのか、割と素直にエクシーズ召喚に関する説明を行う少年。
「…エクシーズ召喚というのはカードに記された素材モンスターを場に並べて、その二枚を同じ場所に置き、その上にモンスター・エクシーズを重ねて上に置く。」
「重ねる…か。カウンターのようなものか?」
「考え方としては近い。そしてモンスター・エクシーズにレベルは無く、ランクになっている。」
「ランク?ということは、レベル制限B地区のような効果は。」
「受けない。ただ、レベルを持たないからといって、レベル0というわけではない。」
「なるほど…。モンスターの種族も重要なのか?」
「そうだね。エクスカリバーはレベル4の戦士族モンスター2体でなければならない。それ以外の種族ではたとえレベル4でも出せないな」
つまり、レベル4の戦士族が二体並べば攻撃力4000まで届くわけか。
足音が聞こえたため、そちらに目を向けると瑠那が立っていた。
「…疑いは晴れたかしら?」
「瑠那!ああ、彼はアカデミア軍じゃあない。アカデミア軍ならエクシーズ召喚を知らないわけがないからな。」
「私もそう判断したから連れてきた。」
「…アカデミア軍は随分と強力なカードを使っているが。連中から鹵獲したカードは無いか?機械族のサポートカードがあればほしい。」
「と言われても…。対機械族のメタカードを使っていたレジスタンスは、優先的にアカデミア兵に襲われてしまってもはや残っていないわ。」
「ここにあるのは、このカードぐらいか?ただ、300ポイントでは対策にもならない。」
そう言われて提示されたのは、亮も知っている永続罠だった。
「これならば…。」
善後策を練っている同時刻。
―――――
アカデミア軍の一角にて。
「何?サイバー流だと?」
「はっ。戻ったオベリスク・フォースはそう言っていました。イリナ様。」
「ふむ…。」
報告を受けたのはイリナ・ノースランド。
短い金髪に赤い瞳。生地はオベリスクブルーと同じ青い軍服だが、金糸や銀糸をふんだんに使った豪奢な細工が施された高級そうな物を身に着けている。
同年代と比較しても発育が良く、服の上からでも胸から腰に掛けてのラインがはっきり見える上に、太腿も肉付きが良い。
彼女はオベリスク・フォースではない。
精鋭無比を豪語する、アカデミア特務兵団(とくむへいだん)の団長。
デュエル・アカデミアの上層部の縁者、政界・財界とつながりのある者。よく言えば門閥貴族。悪い言い方をすれば金持ちのボンボン。
政界・財界としては『融合次元の藩屏』である以上、子供たちに軍歴を積ませておきたい。
だがアカデミア軍としてはそんな方々が支給デッキを使った結果、カード化されたり捕虜になっては責任問題になるし、既存の部隊に組み込むには扱いが難しい。
そんな彼ら彼女らについて、アカデミア軍上層部は本来のデッキを使わせるという特別措置&隔離することで対応した。
これは功を奏した。というのもアカデミア軍の支給品ではないため、機械族へのメタカードが通じない。
初期のレジスタンスの中にはエレクトリック・ワームやシステム・ダウンを複数枚積むことでオベリスク・フォースすら打ち破った人物もいたが。
そういった者をマークし、特務兵団のメンバーは撃破して戦果を挙げた。
最も、そういった政治的なアレコレがわからない、血の気の多い低能な団員は他の寮に対し横柄な態度をとったり、
無許可で出撃した挙句レジスタンスに返り討ちにあってカードにされるが…。
「よし。その案件は我々アカデミア軍特務兵団が預かる。」
「恐れながら、我々でも対処できます。何せ、エクシーズ召喚も知らず、先攻ドローをしようとしていたとか。」
「サイバー流といっても『落ちこぼれ』か。だがサイバー流にはキメラテック・フォートレス・ドラゴンがある。あれを使われては機械族メインであるオベリスク・フォースでは厳しいだろう。」
「かしこまりました。ご武運を。」
フォースの兵士が去った後、イリナはため息をつく。
「…まだサイバー流が生き残っていたとは。」
イリナの脳内に、サイバー流師範の顔が浮かぶ。
いくら研鑽しても自分を認めようとしなかったサイバー流。
『イリナさん!破壊衝動に任せて1キルを狙うようでは未熟!強力なモンスターを出しても、手札0で伏せカード1枚のみ。それでサイバー流を極めるなど不可能です!』
相手に次のターンを渡さないよう、高い攻撃力でワンターンキルを狙って何が悪い?そもそも、リスペクトとは何ぞや?
悶々としながらサイバー流道場で過ごしていると、実家から呼び出された。
アカデミアの新しい支配者が掲げた、理想郷を建設するという崇高な使命に全面的に協力する事にするという。
ゆえにサイバー流の師範を説得するように言われて向かったのだが。
『エクシーズ次元への侵攻はリスペクトに反しています!デュエルモンスターズは戦争の道具ではありません!!』
と拒絶。やや悩んだもののイリナはサイバー流から離れる道を選んだ。その後、サイバー流はアカデミア軍から敵として認定され、総攻撃を受けて壊滅。
廃墟となったサイバー流道場を見つめ、イリナは恐ろしくなった。
キメラテック・フォートレス・ドラゴンはOCG効果です。オベリスク・フォース相手に無双できてしまうため、別枠の部隊が居るという設定を追加しています。
キャラクター紹介。
八雲 優司
漫画版ZEXALに登場した八雲興司の実の弟。
兄が昆虫族使いなので、【甲虫装機】を使用。