ヘルカイザー、エクシーズ次元に行く   作:交響魔人

4 / 8
アニメアークファイブはシンクロ次元よりエクシーズ次元に尺を回せば良くなったと思います。


ヘルカイザーVSイレギュラーズ!

 八雲 優司の帰りが遅い。

 レジスタスの主力の一人である彼を迎えに行くべく、亮は動いた。

 

 

 廃墟を歩くこと一時間。

 

 

 

「…遅かったな、優司…?」

「お待たせしました。少しアカデミア軍と戦っていて。」

 

 似ている。だが、亮は目の前の少年が別人ということに気づいた。

 

「…左手にデュエルディスクをつけているんだな。」

「はい。そうですが何か?」

「八雲 優司は左利きだ。お前は、何者だ?」

 

 その指摘にしばし硬直していた少年は、顔をゆがめて大きく跳躍する。

 

「まさか気づかれるなんてね…!さすがは特務兵団様を倒すだけの事はある。」

 

 アカデミア軍の精鋭部隊を様づけで呼ぶ。それが、目の前の少年がアカデミア軍の一員であることは明白。

 

「優司は何処だ。」

「ふふっ、今頃オベリスク・フォースが倒しているさ!」

 

 

 亮は無言でデュエルディスクを構える。

 こんな相手に時間をかけている暇はない。

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

ヘルカイザー ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

裏切り者 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「先攻はもらう!魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動!手札のサイバー・ドラゴンをコストに、デッキからサイバー・ドラゴン・ヘルツを守備表示で特殊召喚!」

「何?サイバー・ドラゴン・ヘルツ…?」

 

 亮でも知らないサイバー・ドラゴンの新しい派生カード。

 

 

「さらにサイバー・ドラゴン・ヘルツを対象に魔法カード、機械複製術を発動!現れろ、二体のサイバー・ドラゴン!」

「何?!サイバー・ドラゴン・ヘルツは場と墓地に存在する限り、カード名をサイバー・ドラゴンとして扱うのか?!」

 

 その反応に、裏切り者はやや驚く。

 

(こいつ…情報ではド素人のはずなのに、機械複製術の裁定を知っているのか…。いや、偶然だ!)

 

 

「ここで、手札のサイバー・ドラゴン・フィーアの効果発動!俺が「サイバー・ドラゴン」の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカードを手札から守備表示で特殊召喚!さらに、このカードが場にある限り、俺の場の全ての「サイバー・ドラゴン」の攻撃力・守備力は500アップする!」

「一気にモンスターを展開してきたか…。」

「サイバー・ドラゴン・ドライを通常召喚!効果発動、俺の場のサイバー・ドラゴンのレベルを5にする!ヘルツとフィーアとドライのレベルは5になる!」

 

 レベルを合わせるという効果。

 ここから、ランク5のエクシーズ召喚につなげるのだろう。一体、どんなモンスター・エクシーズが出てくる?

 

「レベル5となった機械族のヘルツとドライでオーバーレイ!X召喚!サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」

「なっ?!サイバー・ドラゴンのモンスター・エクシーズだとっ?!」

 

 

 この次元に来て、一番の驚きを見せる亮。

 だが、その瞳にあるのは驚愕だけではない。

 

(パーフェクトと呼ばれ…プロになった後に挫折。地下デュエルまで堕ちて地獄を彷徨いヘルカイザーとなり…ユベルとのデュエルで最高の輝きを発揮できた。俺はそこで満足していた。してしまっていた…。だが、違う!サイバー流は、まだ進化が、可能性があった!だったら俺にも…!)

 

 

 もしもこの場に、親友の吹雪がいれば。あるいは翔が居れば。

 亮が、一年生の遊城十代のように輝いた眼をしている事に気づけただろう。

 

 

「さらに、機械族のサイバー・ドラゴン2体でオーバーレイ!X召喚!ランク5っ!サイバー・ドラゴン・ノヴァ!ノヴァの効果発動、オーバーレイユニットを一つ使い、墓地のサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」

「お前の場には、レベル5となったフィーアとサイバー・ドラゴン…。」

「レベル5となった機械族のフィーアとサイバー・ドラゴンでオーバーレイ!サイバー・ドラゴン・ノヴァ!ターンエンドだ!」

 

 

 

ヘルカイザー ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

裏切り者 ライフ4000

手0 フィールド サイバー・ドラゴン・ノヴァ(2) サイバー・ドラゴン・ノヴァ(1) サイバー・ドラゴン・ノヴァ(2) 

    魔法・罠 

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、ブラックホールを発動!」

「なっ?!ぼ、僕の3体のサイバー・ドラゴン・ノヴァがぁ…!」

 

 砕け散るサイバー・ドラゴン・ノヴァ。頭を抱える裏切り者。

 だがその直後、裏切り者は嘲笑する!

 

 

「っははははっは!ここで破壊された3体のサイバー・ドラゴン・ノヴァの効果発動!相手の効果によって墓地へ送られた場合、機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる!」

「何ぃ?!」

「現れろ、キメラテック・ランページ・ドラゴン!サイバー・エタニティ・ドラゴン!そしてぇ、サイバー・エンド・ドラゴン!」

 

 

 見たことがないサイバー流の新たな融合モンスターと、サイバー・エンド・ドラゴン。

 

「サイバー・エンド・ドラゴン…。」

「はっ!驚いたようだな!見ろ、元々の攻撃力が4000だ!」

 

 

 亮の反応をあざ笑う裏切り者。

 彼には分らない。亮がどんな思いで、サイバー・エンド・ドラゴンの名前を呼んだのか。

 

 

 

「さらに、墓地へ送られたヘルツの効果で、墓地のサイバー・ドラゴン・ドライを回収する!」

「エクシーズから、融合が…。」

「どうだ!エクシーズは融合に勝てない!だからエクシーズは融合の踏み台であるべきなんだ!」

 

 

 亮は手札を見つめる。プロト・サイバー・ドラゴン、アタック・リフレクター・ユニット、パワー・ボンド、リビングデッドの呼び声、威嚇する咆哮

 次のターンは凌げる。

 

 

 

「俺は、プロト・サイバー・ドラゴンを召喚!」

「へぇ…場にいるとカード名をサイバー・ドラゴンとして扱うのか。このデッキに採用されていないサイバー流の派生カードのようだが、そんな時代遅れの雑魚に何が出来る!」

 

 

 だが、亮のエクストラデッキが光を放つ。

 その光に導かれるようにエクストラデッキを確認し、その一枚を見る。

 カード効果が変わっている。あり得ない状況に数秒呆けていたが、亮はすぐにそれを受け入れる。

 

 

(モンスター効果が違っている…。俺が、この次元に移動した際に変化したのか?)

 

「俺は!場の機械族モンスター4体を墓地に送り、融合召喚を行う!」

「?!僕の融合モンスターが?!」

「現れろ!キメラテック・フォートレス・ドラゴンっ!」

「馬鹿な?!僕のモンスターを使って、融合召喚?!」

 

 

「キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は、融合素材にしたモンスターの数×1000ポイントアップ!」

「攻撃力4000?!」

「行け、キメラテック・フォートレス・ドラゴン!ダイレクトアタックだ!」

「うぎゃああああああああ!」ライフ0

 

 

 ライフが尽きると同時に、相手をカードに封印する。

 相手のデッキとデュエルディスクを回収する亮。

 

 

「…素晴らしい。」

 

 奪ったカードはどれもこれも未知のサイバー・ドラゴンの関連カード。

 

「そしてこれが、サイバー流のモンスター・エクシーズ…。」

 

 

 エクシーズから、融合。

 アカデミア軍はエクシーズを踏み台にした融合、というコンセプトのようだが。

 

 

「構わん。どんなカードだろうと、俺の勝利の糧とするまで。」

 

 

―――――

 同時刻。

 ハートランド・デュエルスクール・スペード校出身者で構成されたレジスタンスのアジト。

 

 

「…何故だ。何故アカデミアに…」

「わからないか?ユート。なぁ、俺達レジスタンスは…アカデミア軍に勝てるか?」

「勝てる!」

「いうのは簡単だ。だけど…戦況は最悪だ。どれだけアカデミア兵を倒してカードにしても、すぐに補充される。」

「戦いに疲れたのであれば、下がっても」

「そうしたら、難民から『どうして戦えるのに下がっているんだ?』と言われ、そうじゃない連中からはデュエリストというだけで怯えられる。見てきたんだよ、そういうの。」

「…俺達を裏切っても、お前達が無事な保証は無いだろう。」

「向こうも、反逆のコードネーム持ちには難儀しているみたいでな。敵対しないなら、アカデミア軍の『イレギュラーズ』という部隊に組み込んでもらえる事になっている。」

「俺達は…友達じゃあなかったのか?」

「そんな訳ないだろ?今でも、友達だと思っている。少なくとも俺は。なぁ、覚えているか?ここを」

「…ああ。俺達が、初めてデュエルをした場所だ。あの時は。お前のエースモンスター、サンダーエンド・ドラゴンに完封された。」

「その次はお前が勝った…。さて、そろそろ始めようか。ラスト・デュエルを」

 

 

 終わりの見えない戦い。されど、デュエリストである以上、戦わない事は許されない。

 彼は、勝ち目のない戦いに身を投じる事も、針の筵に座る事も、何もかも捨てて他の次元へ逃げる事も選ばず。四つ目の選択肢を選んだ。

 

 これこそ、アカデミア特務兵団長イリナ・ノースランドの狙い。

 抵抗するレジスタンスも、かつての戦友相手であればデュエルの腕も鈍る。

 事実。【幻影騎士団】を使いこなすユートもこの時ばかりは精彩を欠いたデュエルを強いられる…。

 

「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果発動!オーバーレイユニットを二つ取り除き、サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップさせる!トリーズン・ディスチャージ!」

「…俺の負けか。」

「最後に一つだけ聞きたい。何故、この時に行動を起こした?アカデミア軍の総攻撃に合わせて行動すれば、俺達レジスタンスは終わりだった。」

「ああ。そういう指示はあった。」

「ならば、何故この時に…」

 

 ユートは考える。口癖が『物事には理由がある』という思慮深い友人が、何故この時に行動をしたのか。

 答えは出た。

 

「?!まさか!ほかの裏切り者を扇動して、各個撃破させるためにわざと!」

「…アカデミア軍の手を借りずにレジスタンスを壊滅させれば、アカデミア軍内部での俺達の地位が上がる…と唆しはしたがな。」

 

 

 裏切者の自分達に負けるようならそれまで。返り討ちにされたならば、エクシーズ次元の未来をユート達に託す。

 戦いに疲れてしまった友人は、自身と故郷の命運をデュエルモンスターズに賭けた。

 

 

 友人の真意を悟り、ユートは決断する。

 

「…バトルだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでサイバー・エンド・ドラゴンを攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!」

 

 デュエルには勝ったが、ユートには虚無感しかなかった…。一方。

 

 

―――――

 同時刻。

 

「黒咲ぃ!前々からお前のことが気に入らなかったんだよ!」

「とうとう本性を現したな!この瑠璃のストーカーめ!」

 

 アカデミア軍との戦いにおいて華々しい活躍をする黒咲隼に嫉妬した彼は、アカデミアに寝返ったのだが。

 

「違うっ!俺はストーカーじゃあない!純愛だ!」

「黙れ!瑠璃の頭を勝手に撫でておいて!これ以上戯言をほざくな!」

 

 …かつての戦友相手であれば、普通はデュエルの腕も鈍るのだが…。

 黒咲は何時にもまして苛烈な攻撃で裏切り者を処理した。

 

 

 

―――――

 アカデミア軍の一角にて。

 

 

「何?!まったく情けない…。イレギュラーズめ、ド素人に負けるとはふがいない。」

「どうした。チーモンド教官」

「いえ、サンダース教官。エクシーズの裏切り者がサイバー流及びレジスタンスに奇襲攻撃を仕掛けた結果、負けたそうです。支給用の【サイバー・ドラゴン】を与えてやったのに。」

 

 

 チーモンドの発言に呆然とするイリナ。

 

「…は?今、なんと?」

「イリナ君。アカデミア軍に歯向かったサイバー流。その残党から押収した【サイバー・ドラゴン】を裏切り者に支給してレジスタンスを倒す素晴らしい計画を何故遅らせようとした!」

「時期を考えての事です。まさか、強行したのですか!」

「当然だ!使える物は使わねば。切り札を使わずに温存するなど愚の骨頂だぞ!」

 

 

「ふむ。高田を倒したというが…。そのサイバー流がそこまで脅威なのか?」

「恐れながらサンダース教官。私が受けた報告では先攻ドローをしたり、エクシーズ召喚すら知らないとか。」

 

 

 バレットの発言に、イリナは反論する。

 

「ですが!そのサイバー流はオベリスク・フォースすら打ち破っています!」

「サイバー流にはあの融合モンスターが居るからな。不意を突かれたのだろう。」

 

 

 アカデミア軍の総攻撃に合わせて、裏切り者を一斉蜂起。内外からレジスタンスを壊滅させるという計画は頓挫した。

 しかも、レジスタンス側にいるであろう腕利きのサイバー流が、サイバー・ドラゴンのデッキを鹵獲している可能性が高い。

 

 

「私は、今すぐにでもサイバー流を倒すべきだと具申します!」

「まったく…。まぁ、そいつの名前は分かっている。丸藤亮というらしい。」

「丸藤、亮…。」

「サンダース教官、彼の相手はこのチーモンドに任せて下さい!『丸藤亮をカードにしたものは、オシリスレッドやラーイエローであっても、オベリスクブルーに編入させる』と通達すれば、三日後にはおしまいでしょう。なっはっはっは!」

 

 大笑いするチーモンド・フォート。

 

 

 もしもこの場に、藤原が同席していればこういっただろう。

 

『亮を正面から倒せる実力があるなら、そいつはとっくにブルーへ昇格出来ている』と。

 

 




というわけで、丸藤亮がサイバー流の新規を丸ごと入手しました。チーモンド先生が戦犯すぎる…。

ついでにほかのレジスタンスの描写も入れました。
レジスタンスも一枚岩ではなく、名声に取りつかれたり、戦いに疲れてしまった裏切り者がいれば、悩みながらも戦いを続けるユートの苦悩や、黒咲の狂犬っぷりが輝きを増すと思います。
まぁ、これをやりすぎるとアカデミア軍VSレジスタンス、という軸がぶれてしまいますが。


サイバー・ドラゴン・ノヴァの三つ目の効果ですが…。「融合次元が、エクシーズを踏み台にした融合」として開発した、という設定にしています。
というのもこれを開発するなら融合次元であり、エクシーズ次元が開発しているならこの効果は無い気がします。

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