「おいっ!戦況はどうなっている!」
「はっ、チーモンド教官。ユーリは反逆の牙と交戦を開始し、バトル・ビーストは反逆の翼と交戦中。バレット教官は反逆の虫と遭遇しています。」
「ぬうっ、ドクトルは何をしている!」
「反逆の邪龍が先攻1ターン目に、ヴェルズ・オピオンをエクシーズ召喚しており、レベル5以上のモンスターを特殊召喚できない状況です!」
「なんだとっ!」
「チーモンド教官、イリナ様がサイバー流に敗れました。サイバー流はそのままプロフェッサーのところに向かっています!迎撃を!」
「なっ…?!わ、わかった!私が直々に向かう!お前たちはここに残れ!」
そういい捨てるとチーモンドはアカデミア軍の港へ向かって走り出す。
―――――
プロフェッサー、赤馬零王の部屋に亮は乗り込む。
大きな機械を前に作業をしていた、禿げた中年男は作業を止めて振り返る。
「何者だ?」
「お前たちアカデミア軍の敵だ。」
「なるほど。お前がサイバー流、か。」
どうやら配下は失敗したと理解すると、赤馬零王はデュエルディスクを装着する。
「ここまできて、私の計画の邪魔はさせない。行くぞ。」
―――――
「「デュエルッ!!」」
ヘルカイザー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
零王 ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
「先攻は私だ。」
さて、融合次元のトップである以上、切り札は融合モンスターのはず。
まだ見ぬ古代の機械の融合モンスターか、それとも。」
「手札から魔法カード、真紅眼融合を発動。」
「レッドアイズ…!」
「このカードは1ターンに1度しか発動できず、発動ターン、私はこのカードの効果以外ではモンスターの召喚と特殊召喚が行えない。だが、私は手札・デッキ・フィールドから融合素材を調達できる!」
「なるほど、強力なカードだな。」
「デッキから真紅眼の黒竜とブラック・マジシャンを墓地に送り、融合召喚を行う!現れろ、超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ!」
「攻撃力3000…。」
「ちなみに、このカードは効果の対象にならず、カード効果では破壊されない。ターンエンドだ」
ヘルカイザー ライフ4000
手5 フィールド
魔法・罠
零王 ライフ4000
手4 フィールド 超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ
魔法・罠
さて。超魔導と名前がついている以上、こちらのカード効果を無効にする効果がある可能性が高い。
「俺のターン、ドロー!魔法カード、パワー・ボンドを発動!」
「それは通さない!超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズの効果発動!1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動!その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。」
魔法・罠に加えてモンスター効果まで封じるか。
「俺はサイバー・ドラゴン・コアを召喚!効果発動!デッキから魔法カード、サイバネティック・ホライゾンを手札に加えて発動!手札のサイバー・ドラゴン・ヘルツとデッキのサイバー・ダーク・エッジを墓地へ送り、サイバー・ダーク・クローを手札に加え、エクストラデッキからサイバー・エンド・ドラゴンを墓地へ送る。」
「サイバー・ダーク…。そうか、イリナから奪ったか。」
正確には譲られたのだが、訂正する義理も義務もないため、亮は無視する。
「墓地に送られたヘルツの効果発動、サイバー・ドラゴンを手札に加える。」
「だが、それで終わりではないな。お前の手札には先ほど手札に加えたサイバー・ダーク・クローがある。」
「サイバー・ダーク・クローの効果発動!このカードを墓地に送り、デッキからサイバーダーク・ワールドを手札に加えて発動!サイバーダーク・ワールドの発動時の効果により、デッキからサイバー・ダーク・カノンを手札に加える。サイバー・ダーク・カノンを捨て、デッキからサイバー・ダーク・キメラを手札に加える。サイバー・ダーク・ワールドの効果により、サイバー・ダーク・キメラを召喚!」
異形のサイバー・ダークモンスターを召喚。
「サイバー・ダーク・キメラの効果発動、手札からエターナル・サイバーを捨ててデッキからパワー・ボンドを手札に加える。」
「ここまでは想定内。場のサイバー・ダーク・キメラを墓地に送る方法はあるまい。」
「それはどうかな?俺は、場のサイバー・ドラゴン・コアとサイバー・ダーク・キメラを墓地に送り、キメラテック・フォートレス・ドラゴンを融合召喚!」
「何?!」
「墓地へ送られたサイバー・ダーク・キメラの効果でサイバー・ダークを墓地へ送る。サイバー・ダーク・キールを墓地へ。魔法カード、アドバンス・ドローを発動。キメラテック・フォートレス・ドラゴンをリリースして、二枚ドロー!いくぞ、俺は魔法カード、パワー・ボンドを発動!墓地のサイバー・ダーク・クロー、サイバー・ダーク・カノン、サイバー・ダーク・キメラ、サイバー・ダーク・エッジ、サイバー・ダーク・キールを除外し、鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴンを融合召喚!墓地のサイバー・エンド・ドラゴンを装備!」
「…パワー・ボンドで攻撃力4000、そこにサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力4000が加わり、8000…。」
「終わりだ!鎧獄竜-サイバー・ダークネス・ドラゴンで、超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズを攻撃ぃ!」
「馬鹿なぁああああああ!」ライフ0
―――――
…負けた。たった1ターンで。たとえ悪魔のデュエリスト、ズァークが復活したところで叩き潰せるはずのデッキを使って。
「答えろ。理想郷を建設するのが目的なようだが、何故エクシーズ次元を攻撃した?」
「娘を。レイを取り戻すためだ。」
一瞬、ほんの一瞬。自分を追って小学5年生でありながらアカデミアに乗り込んできた少女を思い出してしまう亮。
いや、偶然名前が同じなだけだと判断する。
赤馬零王はすべてを話す。
この次元はもともとデュエルモンスターズが高度に発展した一つの次元だった。だが、リアルソリッドビジョンを完成させた結果、派手なパフォーマンスが流行。
その中で頭角を現したプロデュエリスト、ズァークと無理やり戦わされたデュエルモンスターズがもっと派手なデュエルを求める人々のあくなき欲求を受けて暴走。
アドバンス召喚、融合召喚、シンクロ召喚、エクシーズ召喚。それぞれの召喚法をつかさどる4体のドラゴンが合体して生まれたドラゴン。
人々の悪意で生まれたモンスターに対し、自然界のエネルギーを抽出することで対処しようとしたところ、娘が単独で立ち向かった結果。
「世界は、4つに分裂した。スタンダード次元、融合次元、シンクロ次元、エクシーズ次元に。私はスタンダード次元で少しずつ記憶を取り戻し…」
この融合次元において、娘の幼少期とそっくりな少女を見つけた時に確信した。
レイもまた、ズァークと次元同様に4つに分裂したのだと。
「四人に分裂したレイの分身体を集め、人々をカードにして集めることにより、その生命エネルギーを凝集させて不完全で不安定な4つの次元を一つに戻す。そうなれば、レイも一つに戻る。それが、私の計画だ。」
セブンスターズ、光の結社、異世界での事件、ダークネスの侵攻。
そういった事案を経験してきた亮でさえ、言葉を失う。
亮は一番気になったことを聞く事にした。
「…一つの次元が四つに分裂する原因となったズァークというデュエリストはどうなった?」
「4つに分裂し、それぞれの次元で分身体として生活している。」
「一つの次元に戻れば、ズァークというデュエリストも復活するのではないか?」
「そうなれば、私が直々に倒す…。倒す、つもりだった。だが、【超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ】が敗れるとは…。」
赤馬零王は暫し沈黙していたが…ややあって、放送する。
『アカデミア軍全軍に通達する。直ちに、停戦せよ。』
オベリスクフォースは呆然とその場にへたり込む者、レジスタンスの策略と判断し決闘を続行する者など居たが。
再度放送された事で、アカデミア軍は降伏した。