ヘルカイザー、エクシーズ次元に行く   作:交響魔人

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エピローグ:ヘルカイザーの帰還

 アカデミア軍は降伏し、カードにされた人々も解放された。

 エクシーズ次元の受けた傷跡は大きいが、これからは前を向いて歩いていけるだろう…。

 

 

「丸藤君。君を元の次元に戻す」

 

 赤馬零王からそう言われるも、亮は半信半疑だった。

 なにせ、アカデミア軍の解体とエクシーズ次元復興の根回しを行っているうえに、元の次元への座標の割り出しなど可能なのか?

 

 

「これを見るがいい。君の出身次元で手に入れた物だ。」

「これは…?!」

 

 

 自分を捜索しているというチラシだった。

 弟が、友人が、恩師が、自分を心配して探している。

 

 

「…世話になったな。」

 

 そう言い残し、亮は元の次元へ帰る…。

 

 

 

―――――

 

「…お兄さん…?お、お兄さんだっ!」

「亮?!今まで一体どこに…!」

「心配したぞ!」

 

 弟と友人達が駆け寄ってくる。

 

 

「心配をかけたな…翔、吹雪、藤原。」

「まったく。随分と探し回ったよ。」

 

 

「話せば長くなるが…」

「いくらでも聞くよ!」

 

 自宅に戻り、亮は経験した出来事について話す。

 

 信じられないという表情だったが、持ち帰ったサイバー・ドラゴンの新規とサイバー・ダーク。何より超融合のカードを見ると、全員が押し黙る。

 

 

「…デュエルモンスターズを戦争の道具に使うなんて。信じられないッス。」

「そう。あってはならない事だ。」

 

 

「亮。そのカードは封印したほうがいい。」

「俺も吹雪の意見に賛成だ。カードパワーが違いすぎる状況で、その戦争をしていた次元の残党などが俺たちの次元に来れば、甚大な被害が出る。」

 

 だが、せっかく手に入れたカードを使わないのは…。

 とはいえ、友人の意見も一理ある。

 

 

 

 散々心配をかけてしまった。だがこれからは主催者としてではなく、プロとしてもう一度舞台に…と思っていた亮だったが。

 

 

 

 

「儀式魔法、ライオンの儀式を発動!手札のミノタウルスとケンタウロスを生贄に捧げ、スーパー・ウォー・ライオンを儀式召喚!ここで魔法カード、闇の量産工場を発動!墓地のミノタウルスとケンタウロスを手札に戻す!融合を発動!ミノタウルスとケンタウロスを手札融合!現れろ、ミノケンタウロス!ターンエンドだ!」

「1ターンで融合と儀式召喚を決めるとは…。俺のターンだ!フィールド魔法、伝説の都アトランティスを発動!これにより場と手札の水属性モンスターのレベルは1下がる!ギガ・ガガギゴを生贄無しで召喚!俺はデーモンの斧をギガ・ガガギゴに装備する!」

 

 

「切り込み隊長を通常召喚!効果発動!召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを1体特殊召喚できる!来い、ネフティスの導き手!ネフティスの導き手の効果発動!このカードともう一体の自分のモンスターを生贄に捧げ、手札かデッキよりネフティスの鳳凰神を特殊召喚!!カードを1枚伏せてターンエンド!」

「アタシのターン、ドロー!魔法カード、融合を発動!ロード・オブ・ドラゴン‐ドラゴンの支配者‐と神竜 ラグナロクを手札融合!融合召喚!竜魔人キングドラグーン!!キングドラグーンの効果発動、トライホーン・ドラゴンを手札から特殊召喚!」

「罠発動!激流葬!」

「モンスターが全滅…。だけど魔法カード、龍の鏡!墓地のロード・オブ・ドラゴン‐ドラゴンの支配者‐と神竜 ラグナロクを除外!融合召喚!竜魔人キングドラグーン!さらに、ミラージュ・ドラゴンを通常召喚!」

 

 

 

 …デュエルアカデミア本校卒業生達による、プロリーグの新人達によるデュエルが何故か物足りない。

 

 

 

「お兄さん、どうしたの?」

「…いや、何でもない。」

 

 

 新たに手に入れたカードはあるが、未知の召喚法のカードを使えば大問題になる。

 あの次元世界の事が知れ渡れば、交流を持ちたいと思うだろうが。

 

 

(やはり、ここのレベルでは到底融合次元のアカデミア軍やレジスタンスとはデュエルにならない。一方的に倒されてしまう。)

 

 

 その可能性に思い至った藤原が指摘したこともあり、今回持ち帰ったカードについては、公式・非公式問わずにデュエルで使わない事にした。

 

 

 変化は他にもあった。キメラテック・フォートレス・ドラゴンの効果は元の効果になり、サイバー・ダークはレベル4以下を装備できるようにテキストが変化していた。

 

 

 

 

 

「あのぅ、アポイントメント無しで押しかけてきたデュエリストが居るのですが。」

「追い返せ。」

「ですが、どうにも怖くて…。私よりも年下なのに、普通に怖い女の子なんです。」

「わかった。俺が対処しよう。」

 

 

 今回エントリーした新人をリーグ所属として受け入れると発表した後。亮は一人になったスタジアムで待つ。

 

 

―――――

 ややあって現れたのは。

 

 

「…久しぶりだな。丸藤亮。」

「イリナ?!どうしてここに!」

「復興作業はひと段落ついた…。あれから私は腕を磨いた。アカデミア軍やレジスタンスともデュエルを重ね、勝利数を積み上げたが…。心が満たされない。」

「そうか。俺もそういう時期があった。」

 

「だから今回、この次元へ来る許可をもらった!!」

「ふっ、いいだろう…!少し待て、カードの封印を解く!」

 

 

 

 持ち歩いているジュラルミンケースから厳重に封印したカードケースから、デッキを取り出す亮。

 

 

 

「「デュエルッ!!」」




この後、イリナは先攻ドローをし忘れてブザー音が鳴り響き、お互い当たり前のように9期を使った事で海馬コーポレーションとインダストリアルイリュージョン社から調査のために社員が派遣されて精査するのですが、イリナが隠蔽工作したため不審なモノが見つからず、バグとして片づけられます。

というわけでヘルカイザーの物語は完結です。
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