仮面ライダーディクリード   作:夢野飛羽真

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OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


第2話 世界の守護者

地下格闘家である千草海来はショッカーに追われる女性、茶谷四葉と出会い仮面ライダーディクリードとなる。

 

「で、どこに行くんだ?」

 

「我々の秘密基地に向かいます。ショッカーに対抗する組織、"BRAVE"の…」

 

そして彼らは、四葉が所属する組織であるBRAVEの基地に向かうこととなった。

 

「では、こちらです。」

 

四葉がカバンからタブレットを取り出して、そちらを操作すると2人の前に灰色のオーロラカーテンが突如出現する。

 

「なんだこれ!?」

 

「私達が住む並行世界を移動するためのゲート…だと思っていただければ大丈夫です。では、行きます。」

 

「ちょ、ええッ…!?」

 

四葉は未だ状況を飲み込み切れていない海来のことを尻目に、オーロラカーテンの中に入っていく。

 

「仕方ねえ、行くか!」

 

四葉の姿がそのカーテンの中に消えていったことに驚きつつも、海来も付いて行くしかないと思いその中に入っていく。

 

「ここは…」

 

オーロラカーテンを潜り抜けた海来。

その目に映る光景を信じるのに、少し時間がかかっている様だ。

先程まで屋外に居たはずの海来であったが、オーロラカーテンを潜ると彼はいつの間にか室内に居た。白い壁と天井に囲まれたその部屋はかなり清潔感が感じられる。まさにSF映画に登場するような未来的な造形をしている。

 

「ここがBRAVEの基地です。この部屋はゲートルームで並行世界間を行き来するための部屋です。今あなたは自分が暮らす世界とは違う世界に居ます。」

 

「あの一瞬で移動したっていうのかよ!?」

 

BRAVEの基地がある場所は既に海来が住む世界とは違う別の並行世界である。灰色のオーロラカーテンを潜って基地のある世界に移動した海来は、自分がいる部屋がマルチバース間の移動に使う部屋だと四葉から説明される。

 

「では、司令官を紹介します。私についてきてください。」

 

そのまま海来は四葉に連れられるがままに、その部屋を出て基地の廊下を歩く。

廊下の方も白く清潔感があり、先程の部屋と同じくSF映画感が漂っている。

 

「ここが、司令室です。」

 

「ここの部屋の扉は赤いんだな。」

 

ここに至るまでの間に、いくつかの部屋の扉を海来は見てきたが、それらは全て白い板に青いラインが入っていたが、司令官の扉だけそのラインの色が赤色だ。

 

「失礼します。千草海来さんを連れてきました。」

 

指令室の中に居る人たちに要件を述べると、自動ドアが開いて指令室の様子が海来達の目に入ってくる。

中央には大きなデスクがあり、それを囲むように幾つかのコンピューターが乗った机がある。

 

「来たか…お前が千草海来か。」

 

その真ん中の机の前にあるひじ掛けが着いた椅子。

そこに座する赤いスーツを着てサングラスを付けた中年の男が、海来の方を見て話しかける。

 

「う、ウッス。俺が千草海来です。格闘家やってます!」

 

「俺は仲村伴座。BRAVEのテッペンを張ってる者だ。」

 

サングラスを外した仲村の顔は、日焼けをしているのかサーファーのように黒い。

赤いスーツやその黒い肌などの容姿から、極道の人間の様な雰囲気を醸し出している。

 

「お前のことは良く調べたけど、中々骨がありそうだな。」

 

「まあ、さっきもこれ使って怪人倒してきたとこなんで。」

 

ディクリードライバーを手にしながら、海来は仲村に歩み寄る。

 

「ところで聞きてえことがあるんだけど、仮面ライダーってなんなんだ?このディクリードってのもよく分かんねえ。」

 

海来がこの基地にやって来た目的の一つは、自身が先程使った力を知ることであった。

戦うという決意を固めはしたものの、戦っている相手のショッカーも、自分が使う仮面ライダーもよく知らない。その状況で戦い続けることは、海来の中には多少の不安がある。

 

「良いだろう。教えてやる。けどその前に並行世界、すなわちマルチバースについて話さないとな。」

 

「確かに、さっきからそれも気になってた!」

 

「多次元宇宙論、マルチバースとは宇宙が我々が存在する単一の宇宙だけでなく、他にも無数に存在するかもしれないという仮定に基づいて生まれた理論であり、この理論物理学だけでなく数多くの分野で使われる仮説だったものだ。だが、これは仮説じゃない。事実だったんだ。世界は幾つもある。お前が暮らす世界。俺達が暮らす世界。そして、ショッカーが支配する世界…」

 

フィクションなどでもお馴染みの並行世界。最近ではアメリカの有名映画作品等でもストーリーの主軸として扱われている。海来も多少はそういった映画を見たことがあったが、それらの映画と同じような世界観の中で暮らしているという事実を何とか飲み込もうとしていた。

 

「さっき四葉が言ってた、"自分が暮らす世界とは違う世界に居る"ってのはそういうことか。俺が住むのとは別の並行世界にこの基地があるってことだな。で、あのショッカーがいる世界も別で存在してるってことか。」

 

「まあ、そういうことだ。俺達BRAVEはそのマルチバースの平和を守るってのが仕事だ。複数の世界を脅かす存在に対処してる。」

 

多くのマルチバースを守るために活動を続ける正義の組織、それがBRAVEであると理解した海来。

 

「アンタらの仕事は大体分かった。で、ショッカーってやつらもその驚異みてえなもんなんだろ?」

 

「まあ、そんなとこだ。1年前に突如現れて1つの世界を侵略した。アイツらは色んな世界の悪意を操って世界をあっという間に支配した…そしてその手を多くのマルチバースに伸ばそうとしてきた。そこで仮面ライダーの力が必要になった?」

 

「仮面ライダー?」

 

「ああ、各世界で悪と戦う戦士達だ。仮面を被りバイクに乗り、戦いの日々を送っている。」

 

各マルチバースには悪もいれば正義もいる。ショッカーの様な悪意に立ち向かう戦士達、それが仮面ライダーである。

仮面ライダー達は日々、自身の世界を脅かす悪の怪人や組織と拳を交えている。

 

「そして、マルチバースを守るために我々がショッカーから盗んだ技術で作ったのが仮面ライダーディクリードだ。」

 

「ショッカーから盗んだ?」

 

「彼らが並行世界を超越するのに使うクリードシステム。四葉がそれのデータを盗み出してきてこっちで改良し、仮面ライダーディクリードを作り出した。聞こえは良くないかもしれないが、マルチバースを超越する力を持つショッカーに対抗する力を持っている。」

 

ショッカーが開発したクリードシステム。

それは彼らが並行世界を侵略するために開発した、マルチバースを超越するシステムである。

BRAVEはその情報を嗅ぎ付けて、データを盗み出して対抗手段を作り出した。

それが仮面ライダーディクリードである。

 

「だいぶ話は分かって来たんだが、なんで俺がディクリードなんだ?ここなら他の奴だっているだろ。」

 

「詳しくは私が話します。ディクリードシステムを作ったまでは良かったのですが、あまりの高性能に適合率が高い人間でないと使えないことが判明しました。」

 

「ウチの精鋭達でも適合率はそこまで高くなかったな。」

 

どうやら現在のBRAVE内にはディクリードに変身できる人間がいなかったらしい。

 

「そんな中、ショッカーがあなたのいる世界を狙いました。私達はその世界で適合者になりうる人物をリストアップし、そしてあなたを見つけました。」

 

「なるほどな…つまり俺じゃないと使いこなせないって可能性もあんのか。」

 

自分がディクリードに変身できる数少ない人間であると聞かされつつも、海来の中では既に戦う覚悟が出来ていた。

 

「良いぜ。俺がディクリードとして戦ってやる。」

 

「本当にいいのか?確かにショッカーがお前の世界を狙っているとは言え、お前の戦う理由はあまりないはずだ。ディクリードに変身できるかどうかってとこもはっきり言えば俺らの都合だ。」

 

「俺の世界がよく分かんねえ奴らに狙われてるのが気に喰わねえ。戦う理由はそれだけで十分だ。」

 

自分の住む場所が脅かされることは、海来にとっては気に喰わないことだ。

それだけでも彼が戦いに身を置くには十分な理由であった。

 

「良い心意気だ。まあいい、今日はゆっくり休め。明日からはBRAVEについて説明する。」

 

「世界を守るってなると、アンタらのとこに入らねえといけないんだったな。それも良いぜ。給料は出るか?」

 

「勿論。住むのはこっちでもいいし、自分の住む世界でもいい。報酬はどちらの世界でも使えるようにしておこう。」

 

「じゃあ、また明日。よろしくッス!」

 

明日から海来はBRAVEに所属することになり、そのことを承認しつつ新しい日常を送るための気持ちの準備をしておく。

一先ず今日は試合もこなし、ショッカーとの戦いも行った海来の体を気遣って仲村は今日は休むように言う。

 

「明日からは世界の守護者として働いてもらう。しっかり励んでくれよ。」

 

「おう!頑張ります!」

 

「じゃあ四葉、帰りの送り出しをしてやってくれ。」

 

「はい、ではこちらです。」

 

一先ず海来は四葉に案内されて、指令室を出て一度自分が住む世界に帰っていく。

 

「彼が例の仮面ライダーですか?」

 

「ああ、そうだ。」

 

海来と入れ替わるように3人の男性と1人の女性が指令室に入ってくる。

その中でも顔が整った男性が、仲村に声をかける。

 

「情報の通り、骨がありそうな人ですね。」

 

「ああ、四葉が集めてくれた情報通りの強そうな…いや、強い男だ。」

 

「確か、格闘技をしているんでしたっけ?」

 

海来の経歴のことを、小太りで声が高い男が問いかける。

 

「ああ、高校時にはアマチュア格闘技のトーナメントで優勝。その後プロデビューするが、3年目の時にトラブルを起こして団体を追放。だが、それ以降も地下格闘技の大会に出続けている。さっきも四葉から映像が送られてきたが、いい試合をしていたな…」

 

「それは見てみたいっすね!」

 

小太りの男は、海来の格闘技の試合内容が気になるようだ。

 

「とりあえず、アイツは地上部隊に所属させる。それでいいか?飯田?」

 

「…問題ないです。」

 

飯田と呼ばれた3人の男の中でも一番筋骨隆々な男が、少し間を置いてから応える。

 

「明日から千草海来を迎えての新体制だ。楽しみにしておけよ…」

 

「「「「はい!」」」」

 

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「では、今後はディクリードライバーを使って並行世界間の移動を行ってください。」

 

「おう!分かったぜ!」

 

俺は四葉に連れられて、元々住んでいる世界に戻ってきた。

 

「では、また明日よろしくお願いします。」

 

「ああ、またな。」

 

四葉の方はまた灰色のオーロラカーテンの中に消えていく。

しっかし、今日は濃い一日だった…

色んな事を教えられたし、それに仮面ライダーとかいうのになって戦うことになった。

 

「とりあえず、飯食って帰るか…」

 

とにかく今は腹が減った。とっとと飯を食って帰るとするか。

今日はまあ、定食屋でいっぱい食うとしよう。

 

(見ててください…先生…!俺、また輝きますから!)

 

俺はこの世界を守り切る。

そしてまた、誰かのヒーローになるんだ…!




仲村伴座(CV黒田崇矢)
45歳
BRAVEの司令官を務める人物
赤いスーツとサングラスが特徴的でヤクザの様な雰囲気がある。
元々は軍に属する人間であったが、友人がマルチバースの研究者でその研究機関と共同でマルチバースの平和と自身が暮らす世界の平和を守るためにBRAVEを結成した。
義理人情に厚く、面倒見が良いのでメンバーからすれば父親のような存在。

次回は戦闘シーン入れたい…!
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