心身の調子がようやく戻ってきました。
復活の稲妻男が描くアクションをこれからも楽しんでいってください!
「ちょ、タンマ!タンマ!」
夜の格闘技ジムには、仕事を終えた社会人や下校後の学生等多種多様な人々が集まり、趣味の格闘技に打ち込んでいる。そんな中、今日は一際目立つ存在がいる。その男こそ千草海来であり、ミット打ちではパンチやキックをミットに当てていく音がジム内に響く。その威力とキレにミットを持っている男は驚き、海来を止める。
「わりいわりい、パワー出すぎちまった…」
「調子が良いのは分かるが、いてえって…もうちょっと抑えろよ。」
海来がBRAVEに所属して約一週間が経った。
BRAVEは軍のような組織ではなく、あくまでもエージェントの集まりであることや、仲村の方針で自立した生活を隊員が歩むべきということもあり、国が持つ軍の様な寮生活は強いられない。その日の訓練や仕事を終えた海来は、これまでの生活通りジムに通って格闘技の練習をしている。
「にしても、階級上げるなんて言うから驚いたけど、なんでこんな調子良いんだ?」
「まあ、仕事変わったからだな。」
BRAVEに所属するようになってから訓練で身体を動かしたり、他のメンバーと組手をすることが増えたことで海来にとっては良い練習になっている。因みに組手において海来は他のメンバーよりも強いが、飯田には敵わない。
今後BRAVEメンバーとして戦っていくことで、減量もあまりできないだろうと考えて海来は戦う階級も上げようとしている。
「ま、海来が調子良いなら良いことだ。」
「今後のサポートも頼むぜ、健太!」
因みに海来のミットを受けていたのは三崎健太という男で、普段は海来のセコンドを務めている。
「さて、練習再開だ!」
格闘技の試合含め、今後の戦いに勝ち続けるために海来は訓練だけでなく夜のジムでの練習に打ち込むのであった。
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「それで、今日はどうしたんすか?珍しく司令室に呼び出して。」
その翌日、仲村に呼び出された海来と四葉は司令室に来ていた。
「今日来てもらったのは他でもない、クリードシステムの件だ。」
仲村の言葉と共に司令室の画面に、機械の設計図の様なものが映し出される。
「これは以前に四葉が手に入れた、ショッカーの開発したクリードシステムのデータだ。」
「ええ、並行世界を超越し、さらなる力を得るための装置です。」
「さらなる力か…」
ショッカーが並行世界を侵攻していくために作り出した兵器ということもあり、かなり強力な性能を引き出せるように設計されている。
「その力ってのは、どうやって得るんだ?」
「詳細は分かりませんが、2つの戦士の力を合体させてより強力な戦士を生み出す…その力で多くの並行世界を彼らは支配しようとしています…」
片手にタブレットを持つ四葉はもう片方の手を強く握りながら、今あるショッカーの情報を語る。
「それで、そのクリードシステムのデータをもとに作ったのがこのディクリードって言ってたな。」
海来がその右手に持っているディクリードライバーは、以前に四葉からクリードシステムのデータを参考にして作られたと語られている。
「ええ、並行世界にいる仮面ライダーの情報を参考に改良を加えて開発しました。」
「なるほどな…けど、なんか元のクリードシステムとちょっと違うような気が…」
クリードシステムは2つの力を合わせるものであったのに対し、ディクリードシステムは海来自身を仮面ライダーにして強化するというものである。
「ああ、そのことで話がある。」
「今の海来さんが使っているディクリードの力の半分でしかないんです。本来なら、別の仮面ライダーの力と合わせることでより強力な戦士になることが出来るんです。」
「コイツにまだ、そんな力が…」
自信を変身させるだけでなく、いくつかのアタックライドカードを使っての攻撃も出来るディクリードのシステム。
これまで格闘技をしていたとは言え、一般人であった海来からすればそれだけでも革新的なシステムだ。
だが、それ以上の力をディクリードライバーは秘めている。
「その力ってのは、どうやって引き出すんだ?」
「それには、他の仮面ライダーのライダーカードが必要です。丁度あなたがディクリードに変身するのに使っているのと同じものです。」
「これのことか?」
説明を受けつつ、海来は変身時に使用しているディクリードのカードを取り出す。
「ええ、元はショッカーがクリードシステムを使うために開発していたライダーカードですが、その技術を応用して作りました。ディクリードの力を拡張する他のライダーのカードですが…ショッカーが持っています。」
「元はショッカーのものだからな、使うならアイツらから奪っていくしかない。」
「要するに、アイツらとの戦いの中でライダーカードも奪ってショッカーの力を削ってけってことか!」
仲村の言葉に頷き、これから増える責務も海来は受け入れる。
「けど、すげえよ四葉は。こんなすげえモン作ってよ!」
「そ、そんなことないですッ…!私はただ…ショッカーの技術を盗んだだけで…」
「そんなことねえさ。こうやって俺達がショッカーに戦える力を形にしてくれたんだ。俺達からすればありがたい話だ。」
海来と仲村の言葉に、照れてしまったのか四葉は頬を赤く染めて視線を逸らす。
「本当なら自分の力で作りたかったのですが、今はこうするしかないんです…」
ライダーシステムを作るのに、ショッカーが持つ技術力も使ってしまった事が四葉にとって不満でもあり、ディクリードに未だ満足していなかった。
「じゃあ、俺は待ってるぜ。四葉が納得いく仮面ライダー作れる時をな!」
「BRAVEのラボはいくらでも使ってくれて良いからな。」
「はい!」
2人からの励ましを受けた四葉は、嬉しそうに返事してからタブレットを見つめる。
「そろそろ訓練の時間ですね。」
「そうだな、じゃあ俺らはいったん戻ります!」
「おう、今日も励めよ。」
ディクリードライバーに関する話を終えた海来は、他の地上部隊メンバーとの訓練に戻って行く。
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「ここで例の実験をするのだな。」
「ああ、そうだ。そのためにもここに彼らを誘き寄せる。」
「BRAVEのことだな。」
「そうだ。」
幾つかの倉庫が立ち並ぶ港のエリア。
そこに黒い鎧の様なものを着た男と、白いスーツを着て赤いマントを付けた白い長髪の男がおり、言葉を交わしている。
彼らは、マルチバースを脅かすショッカーの幹部である地獄大使と死神博士。
何かの実験をするために、この地にBRAVEのメンバーを誘き寄せようとしている。
「我々を幾度か退けたBRAVEであれば、新たな兵器の性能テストには十分と言うことか。」
「いいや、倒してしまうだろうな。あのディクリードでさえも…」
「よほどの自信があるようだな。」
死神博士がこれから実験するという新兵器は、ディクリードすらも倒せるという確証があるようだ。
「当然だ。世界を超越するクリードシステム。それが遂に完成したのだからな…それに、ミラーモンスター共を連れてきたのだ…ここからは本格的に侵攻を進めるぞ。」
死神博士が港にある倉庫の1つの扉を開けると、そこには白い表皮を持つ怪人達が数体、いや数十体近くおり、動くべき時はいつかと身構えている。
「さあ、BRAVEよ。君達に我々ショッカーを止めることが出来るかな?」
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『ヴィラン出現!ヴィラン出現!バース109にショッカーが出現!繰り返しますバース109にショッカーが出現!』
「また、俺の世界に出やがったか…」
港にショッカーが現れたという情報は、伊沢によって即座にBRAVE地上部隊に伝えられる。
ショッカーが現れたのが、前回と同様に自分が住んでいる世界ということで、海来は少し不満気だ。
「一先ず、出動だ。」
「「「「「おう!」」」」」
敵が現れたということで、まずは出動することとなった地上部隊。
飯田の指令と共に、彼らは武器を持ってゲートルームに向かう。
「場所は港の方か…すぐに片付けよう!」
「ああ、任せとけ!」
装置を操作しながら、下田が敵の現れた位置を特定する。
その付近にゲートを出現させれるように座標を合わせているようだ。
「おっしゃあ!やってやるぜ!」
操作が完了して灰色のオーロラカーテンが出現すると、神龍を戦闘として地上部隊メンバーがそれを潜り目的地に向かうのであった。
「こいつ等…なんや…」
港の倉庫街に到着してすぐに滝野が感じた違和感。
それは目の前にいるショッカーの様子が普段と違うことであった。
いつも戦っているショッカーと言えば、甲高い奇声を上げる黒タイツの戦闘員がお馴染みではあるが、今彼らの目の前にいる十数体の敵は白い表皮を持つ、トンボの幼虫であるヤゴに似た怪人達であり、普段の戦闘員の姿が見当たらない。
「こいつら、本当にショッカーなのか?」
目の前にいるのは怪人であり脅威であることに変わりはないが、海来が来る以前にもショッカーと戦ったことのあるメンバー達からすれば普段いる戦闘員が居ないことに多少の違和感を感じてしまう。
少し違和感を感じつつも敵であることに変わりがないならと、影山は刀を鞘から抜いて構える。
「伊沢、こいつら本当にショッカーなのか?」
『戦闘員は居ませんが、ショッカーです。時空センサーはショッカーが出た時と同じ反応を示しています。』
様々な世界に現れる脅威をすぐに感知するために、BRAVEには時空センサーというものがある。
敵の出現だけでなく、その種族などもBRAVEの情報部に送り届けてくれる。
「よく来たな!BRAVEの諸君!」
アリの怪人達の存在に戸惑いを隠せないBRAVEの前に、ショッカーの死神博士が現れる。
その手にはスマートフォンの様なデバイスが握られている。
「お前、何モンや!」
「私は死神博士!今日は私の実験に参加してくれて感謝する!」
滝野に素性を聞かれた死神博士が両腕を大きく広げながら、彼の問いに応える。
「実験?何のことだ?」
「ショッカーの新兵器の実験だ。このクリードシステムのな…」
「クリードシステム…そんなッ…完成していたなんて…」
死神博士がその手に持つデバイス、それがディクリードライバーの参考になったクリードシステムである。
それが完成してしまったことに動揺してか、四葉の顔は少し青ざめてしまっている。
「そうだとも、遂に完成したシステムを貴様らで試してやろう。彼らはシアゴースト、異世界から呼び出したミラーモンスター達だ。そしてこれが、ライダーカード…」
死神博士が今回連れてきたシアゴーストの群れの紹介をしながら、右手にある1枚のライダーカードを見せる。
そこに描かれているのは赤い西洋騎士の様な姿をした仮面ライダー龍騎である。
「お見せしよう。クリードシステムの力を!」
『ショッカーライド…龍騎!』
クリードシステムと呼ばれるデバイスに龍騎のライダーカードを読み込ませると、そのカードは黒い靄の様なものに包まれて浮遊。
そのまま近くに居たシアゴーストの内一体の身体に吸い込まれるように飛んでいく。
『リュウガ…』
仮面ライダー龍騎のカードをその身に取り込んだシアゴーストの身体が、黒い炎に包まれたかと思うと、その姿はアントロードのものから仮面ライダーリュウガのものに変化する。
「怪人の肉体と仮面ライダーの力を合わせることでショッカーライダーを生み出す!これがクリードシステムだ!」
「"2つの戦士の力を合体させてより強力な戦士を生み出す…"」
「さっき四葉が言ってた奴か。」
先程、司令室で話していたクリードシステムの情報。
そこで出たのは、設計図に書かれていた僅かな情報であったが、その詳細というものが今彼らの目の前で明らかになった。クリードシステムが生み出すもの、それは目の前にいるショッカーライダーの存在であった。
「さあ、やってしまえ!」
死神博士の指示と共に、ショッカーライダーリュウガと、数十体のシアゴーストが一斉に海来達に襲い掛かる。
「各自、迎撃だ!」
飯田の指示と共に、各々が武器を構えてシアゴーストとの戦闘を始める。
「変身!」
『カメンライド!ディクリード!』
これから始まる乱戦に備えて、海来もディクリードライバーを起動させて仮面ライダーディクリードに変身する。
「全員纏めて、稲妻落としてやるぜ!」
迫り来るシアゴースト達に、変身を遂げたディクリードは拳を振るって次々とパンチを当てていく。
頭部や胸部にパンチを撃ちこまれたシアゴーストは、勢いよく地面に倒れていく。
『ソードベント』
「海来さん!伏せてください!」
「おっと!」
黒色の柳葉刀、ドラグセイバーを装備したリュウガがそれをディクリードに向けて横薙ぎに振るう。
四葉の警告でそのことに気付いたディクリードは屈んで回避すると、その低姿勢のままリュウガの腰に組み付く様にタックルを仕掛ける。
「倒れろ!」
タックルして、そのままの勢いで仮面ライダーリュウガを押し倒す。
「どんな力を使っても、俺には関係ねえ!」
相手がクリードシステムを使おうと、海来にとっては関係ない。
格闘技で磨いた技を使い、リュウガの身体を押し倒して馬乗りになると拳を相手の顔面に向けて振るおうとする。
『アドベント』
だがその時、港の水面から現れた黒き龍型ミラーモンスタードラグブラッカーがディクリードに突撃し、ぶつかってしまったディクリードの身体が弾き飛ばされる。
「大丈夫か!?」
ディクリードの肉体が弾き飛ばされたところでは、神龍ら地上部隊メンバー達がシアゴーストと戦闘をしていた。
彼らが使う重火器の弾丸や、刀剣類の刃はBRAVE製の特殊強化金属プレメタルによって構成されている。
その技術力と彼らの戦闘力もあってか、多数いるシアゴーストに対処して敵の数を減らしていけてる。
「まあな、それよりもあれ!逃げろ!」
そんな地上部隊メンバーにも容赦なくドラグブラッカーが襲い掛かる。
ディクリードと神龍目掛けて口から黒い炎を吐こうとする。
「目を覆え!」
その様子に気付いた飯田が、ドラグブラッカーに向けて閃光弾を投げる。
それが爆発して発光するとドラグブラッカーは視界を奪われて、明後日の方向に炎を吐きだしてしまう。
「助かるぜ!」
そのドラグブラッカーに向けてディクリードが飛び上がり、その顎を撃ち抜く様に飛び膝蹴りを喰らわせる。
「次はお前か!」
続いてドラグセイバーをその手に持ったリュウガが切りかかってくるが、その攻撃を回避したディクリードは左腕で敵の顔面目掛けてパンチを撃ち出す。
「オラ!」
更に飛び蹴りを繰り出すが、ドラグセイバーの刀身を横向けにして盾代わりにして防ぐ。
攻撃を防がれて地面に着地したディクリードはさらに足を振り上げて胸部を狙って蹴りを出す。
『ガードベント』
更にパンチを打ってこようとするディクリードに対抗し、リュウガはドラグブラッカーの腹部を模したドラグシールドを両肩に装備する。
「厄介なモン装備しやがって!」
両肩のシールドが厄介で、パンチによる攻めがしにくくなってしまうと、ディクリードは少し引き下がって一時的に距離を置く。
だが、リュウガとドラグブラッカーの攻勢は止まらない。
2体同時にディクリードに迫って攻撃を仕掛けようとする。
「まだ来るか!」
2体の攻撃に対して、ディクリードは回避に徹するしかない。
「おいおい、何が起きてんだよ!」
それと同時に、シアゴースト軍団との戦いを行っていた他の地上部隊メンバーにも危機が訪れる。
シアゴーストの内数体が立ち止まったかと思えば、その体が割れて青色の肉体を持つトンボの様なミラーモンスターが姿を現す。
『飯田さん。下田さん。情報が分かりました!彼らシアゴーストはミラーモンスターという種族の怪人でヤゴのような姿をしています。彼らは脱皮をすることで、トンボのミラーモンスターへと進化を遂げます。その名もレイドラグーン、飛行能力もあるようなので、注意してください!』
脱皮を遂げたレイドラグーン達は頭部から生える羽根を使って空を飛び、空中からBRAVEのメンバーに襲い掛かる。
「了解した。仲村司令、援軍を頼みます。」
『すでにそのつもりだ。咲人達が準備している。』
「感謝します。」
神龍や滝野は既に空中から迫ってくるレイドラグーン達に向けて銃弾を放っていくが、空を駆け回る相手にその弾丸は中々当たらない。
空の相手に対しては不利になってしまうということで、飯田は仲村らに援軍を要請して、その援軍は既に準備を始めている。
『茶谷さん!聞こえてますか?』
続いて、ハンドガンで敵に対処している四葉にラボの川島から通信が入る。
「どうしましたか?」
『アレの準備が出来ました!早速海来さんに使ってもらってください!』
「分かりました!」
ラボチームの方でも、ディクリード用の新たな装備が出来上がった様子だ。
それを早速海来に使ってもらおうと、近くにいるシアゴーストを数体ハンドガンで倒して四葉は海来に向けて声をかけようとする。
『ストライクベント』
『アタックライド!シューティング!』
丁度その時、リュウガの右手に装備されたドラグクローとドラグブラッカーの口から黒い炎が放たれ、それに対してディクリードはエネルギー弾を自身のパンチと共に撃ち出して相殺していた。
「海来さん!ディープエナジーのカードを使ってください!」
「こいつか?分かったぜ。」
リュウガの放ったドラグクローファイアーを防ぎ切った海来は、四葉の指示を受けて"DEEPENEGY"と書かれたカードを手に取る。
『アタックライド!ディープエナジー!』
そのカードをディクリードライバーに翳すと、ディクリードの後ろに灰色のオーロラカーテンが現れる。
「これは…」
『ディクリードのサポートをするマシン、その名もディープエナジーです!』
オーロラカーテンを通って出てきたのは炎の様な赤色のボディを持つ1台のバイクが現れる。
その後部にはブースターの様なものが付いており、ボディ横からは左右2つずつスラスターが生えており、その口は地面の方を向いている。
「ありがとう!使ってみるぜ!」
リュウガとドラグブラッカーに対処すべく、ディクリードがディープエナジーに乗り込む。
すると地面を向く4つのスラスターが火を噴き始めて、その車体が宙に浮く。
「すげえ!飛んだぞ!」
バイクが宙に浮く様子に、海来は半ば興奮気味だが、彼に向けてドラグブラッカーが突撃していく。
「んじゃあ、ぶつかり合いだ!!」
それに応じるように、後方の1対のスラスターを後方に向け、バイクのハンドル部分を回してブースターを起動させる。後ろのスラスターとブースターが一気に火を噴くと、ディープエナジーの車体は勢いよくドラグブラッカーに突っ込んでいく。
「喰らえ!」
ディープエナジーとドラグブラッカーの身体がぶつかり合う直前、バイクの前輪が回転し始め、ぶつかってきたドラグブラッカーの頭部を弾く。
『銃もあります。使ってみてください。』
「お、これだな。」
ディクリードがディープエナジーに付いているボタンを操作すると、ボディの前面部が展開して機関銃の銃口が伸びる。360度様々な方向を向くことが出来るスラスターで姿勢を制御し、狙いをドラグブラッカーに定めると、その銃口が火を噴き強化弾丸を飛ばしていく。
「いいぜいいぜ!このまま撃ち尽くせ!」
ディープエナジーから連射される弾丸の雨が、ドラグブラッカーや地上にいるリュウガ自身を狙う。
リュウガは両肩のドラグシールドで、その弾丸の雨を防ぐ。
「ま、まずいッ…!」
ディクリードによるワンサイドな戦いの時間は、あっという間に終わってしまう。
それは、地上部隊メンバーと交戦しているミラーモンスター達にも動きがあったからだ。
「こうなったら、対処しきれないぞ…」
残っていたシアゴースト達も次々と脱皮していき、レイドラグーンに進化してしまっていた。
刀使いの影山はすでに、彼らと交戦するのが厳しい状況になってしまい、他の隊員達も銃を使ってるとは言え攻撃しにくい状況になってしまった。
『皆さん!もうすぐ着くので少し離れていてください!』
「了解!」
その時、BRAVEメンバーが使うインカムに通信が入り、何かを感じ取った部隊員たちは現場から距離を置く。
新たに入ったばかりの海来を除いて。
「囲まれた!って、皆は?」
『今行きますよ!』
自身を取り囲むように飛ぶレイドラグーンと、離れていくメンバー達を見回すディクリードの耳に、1つの通信と空を切り裂くような幾つもの轟音が入ってくる。
「これは…」
ディクリードが空を見上げると、そこには黄色いボディを持つ複数台の戦闘機が飛んでいた。
飛行機の翼の下には機関砲が付いており、降下してきた機体の機関砲からレーザー光線が放たれて、レイドラグーンが次々と撃ち落とされていく。
『紹介する、これがBRAVEの空軍戦力のBRAVEジェットだ。』
BRAVEジェットと呼ばれる戦闘機の存在を、通信で海来に教える仲村。
それを聞いて、以前に施設を見て回った時のことを思い出す。
「ナイスな援護だぜ!」
『ええ、残りの怪人は僕達に任せてください!』
BRAVEの咲人が基地から遠隔で操縦する機体含めた数台のBRAVEジェットが、残りのレイドラグーン達に攻撃を仕掛けていく。
ディクリードはリュウガ達に集中して戦うことが出来るようになり、再度ブースターを噴射しながらディープエナジーの車体でドラグブラッカーに激突してその体を弾き飛ばす。
「おらああああ!!」
その勢いのまま進んでいき、地上にいるリュウガ自身にもぶつかっていく。
ドラグシールドを構えてその攻撃を防ごうとするリュウガだったが、激突の威力でドラグシールドは粉砕されてリュウガの身体が吹き飛ばされてしまう。
「さあ、稲妻落としてやるぜ!」
『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』
そして、体制を崩して防御手段も失ってしまったリュウガにトドメを刺すべく、ディクリードはベルトにファイナルアタックライドのカードを読み込ませ、必殺技の準備に移る。
『ファイナルベント』
そのディクリードの動きを見てリュウガも対抗するために、ドラグバイザーにカードを読み込ませ、ドラグブラッカーと共に宙を舞う。
「決めるぜ!」
カード型のエネルギーを取り込んだディクリードと、ドラグブラッカーが放つ黒い炎に乗るリュウガ。
2人のキックが上空でぶつかり合い、火花を散らす。
「押し切るぜ!」
ライダーキックのぶつかり合いを制したのはディクリードだ。
右足を突き出した姿勢のままリュウガを貫き、そのままドラグブラッカーにもライダーキックを食らわせる。
「グオオオオォォォォ!!」
ディクリードの攻撃を受けたリュウガとドラグブラッカーは爆散し、地面に1枚のライダーカードが落ちていく。
「これは、仮面ライダー龍騎のライダーカード…」
地面に落ちたカードを四葉が拾い、それがすぐにライダーカードであることが分かる。
「これが、例のライダーカードって奴か…」
地面に降り立った海来が、そのライダーカードを四葉と共に見つめる。
そこに他のメンバーも集まってくる。レイドラグーンを一掃できたBRAVEジェット隊は既に去っている。
「ええ、仮面ライダー龍騎のカードです。これがディクリードをより強くしてくれます。」
「じゃあ今後も、例のショッカーライダーを倒してカードを手に入れれば良いんだな。」
ディクリードシステムをより強くするライダーカードを、ショッカー陣営から奪うことが出来た。
ショッカーの戦力を削ぎ、ディクリード自身を強くすることができたため皆満足そうな笑みを浮かべている。
ショッカーとの戦いはこれからも続く。ディープエナジーに跨る海来と、地上部隊メンバーはオーロラカーテンを潜って基地のある世界に戻っていくのであった。
BRAVEジェット
BRAVEが所有する黄色い戦闘機
機体の形状はスターウォーズシリーズのXウィングファイターに似ている。
基地から遠隔操作で操縦することができる。主な武装はレーザー砲。