大内家の野望   作:一ノ一

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その八十五

 梶峰山の麓に到達した信周軍の先鋒は、これ見よがしに田畑を荒し、植えたばかりの稲を踏み荒らしていった。民家は家財を略奪されて、火を放たれ、黒々とした煙が濛々と空高く舞い上がった。

 一瞬にして、それまで積み上げた苦労の結晶を灰燼に帰された農民の嘆く声が城内に響いた。それと同時に、信周許さじ、と自らを鼓舞する者も少なくない人数が現れた。

 篭城戦に於いて士気は重要な要素となる。士気が崩壊すれば、どれほど堅牢な城に篭ろうとも一日と守り通すことはできないどころか、内部から城門を開きかねない。そうなると、敵に対する敵意を上から下まで共有できたのは悪いことではない。

 梶峰城には二つの支城がある。南東に雌城、北に雄城であり梶峰城とは山の尾根沿いに地続きだ。支城というよりも、大きな曲輪と言ったほうがいいかもしれない。

 信周軍は、最初にこの雄城の攻略に取り掛かった。

 鉄砲を撃ち掛け、矢を射放つ。城方も同様に飛び道具で応戦する。矢弾を交わし、攻め手の鎧から火花が散って悲鳴と共に斜面を転がし落ちていき、味方の喉下に矢が突き立って声もなく梯子から落ちる。

 戦は、序盤から激しい矢合戦となった。

「敵を一歩も城中に入れてはいけません! 近付く者は容赦なく、突き伏せ、射落としてください!」

 声を枯らして叫ぶのは、直茂の末妹の康房だ。

 城方は門や塀の内側に木材を組み上げて作った井楼を設けていた。この上から矢弾を向かってくる敵に浴びせかける。銃声と同時にばたりと敵兵が倒れ、音もなく飛び交う矢に射られてさらに一人が倒れる。しかし、敵も易々とくじけてはくれない。屍を乗り越えて、次々と寄せてはやって来る。まるでイナゴの群れのような徒労感を覚えながら、康房は矢を放つ。

 狭く急な山道を登ってきた敵は格好の的だ。鎧兜を装備して山を登ってくる。辿り着いた頃にはへとへとになっていて、満足に動けない。気力を振り絞って門に向かう敵を鉄砲と矢と投石が薙ぎ払う。

 同じような光景が、何度も繰り返された。

「敵は攻め疲れてきている。山の中腹辺りまで、一気に追い落としてしまいましょう」

 と、攻撃の手が緩んできたことを好機と見た康房が一隊を率いて打って出た。まさか、いきなり出てくるとは思っていなかった敵軍は、急な山道を転がり落ちるように追い落とされていく。

「とりゃあああッ!」

 大身の槍で敵の桶側胴のど真ん中を刺し貫く。血を吹いて倒れる敵兵を踏み越えて、康房とその仲間が声を挙げて槍を振り回す。

 崩れた敵軍は、為す術がなかった。

 狭く急な山道で突然方向転換することは困難だ。さらに、山道というのは登るよりも降るほうが危険である。鎧兜の重量で足腰に負担がかかっている今ならばなおさらで、康房たちは声を挙げて山道を降るだけで、登ってきた敵を追い落とすことに成功した。

 

 

 

 ■

 

 

 

 梶峰城に篭る長信の戦力は、有馬軍の援軍を加えた敵の半分に満たない。

 それでも山城の特性を活かすことで、十分に防衛戦が可能だった。一度に、敵全員を相手にすることはない。城に寄せてくる敵は、山を登ってきた相手だけだ。

 鉄砲と矢があれば、これを撃退するのは難しくない。

 だが、あまり長く続けられる戦でもない。

 有馬軍が到着してしまえば、城を明け渡すよりほかになくなる。逆転の目が潰える前に、こちらからも行動を起こす必要が会った。

 信周は、多久館で指揮を執っている。堀に囲まれた城館だ。指揮所としてはこの上ない構造であろう。ここから、自分が手足として操る四〇〇〇の兵に指示を出して城攻めに当たらせているのだ。

 十日も城方が踏ん張っていると、いよいよ痺れを切らせた信周は、さらに苛烈な城攻めを命じた。

「あの程度の支城一つに何をもたもたしているのだ!」

 信周が苛立つ理由はほかにもある。

 有馬軍だ。

 初日こそ悠然と進んでいた有馬軍の動きが鈍くなっているのだ。

 長信が派遣した西郷純堯らの抵抗が激しかったとはいえ、決して倒せない相手ではないだろうに。

 有馬軍は杵島郡内で進軍を止め、西郷軍とにらみ合ったまま数日を無駄にしている。

 長信と信周を共食いさせ、弱ったところで利を横から掻っ攫おうとしてうのではないかとすら思えてくる。徐々に、信周の内心に焦りが生まれ始めていた。

 信周が率いる兵の中には、これが初陣というものも多くいた。同様に長信の兵にも若い将兵が多く顔を揃えている。

 経験を積んだ有能な兵卒が、多く筑後国内で屍を曝したからだ。龍造寺家は、全体的に「戦力」を落としていた。数だけでなく経験そのものが失われてしまっていたのだ。城攻めも、大内との戦を生き残った者が陣頭指揮に立っているわけだが、血気に逸る若者もいれば、臆する若者もいる。それらを束ねるのが、存外苦労するのであった。

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 敵が逸っている。攻めかかり方が当初のそれを違うのは、梶峰城から戦況を窺う直茂にも伝わった。

 信周は、早期決着を狙っているのだ。力押しでも梶峰城を攻め落とし、長信の首を挙げたいのであろう。

 どうしてそこまでして焦っているのか。それは、大内家の存在だろう。彼等が本格的に動き出す前に決着をつけなければ、敗北は必至だ。そうでなくとも借りたくもない有馬家の兵を借りているのだ。これで結果を出せなければ、いよいよ信周の信用がなくなってしまう。

「兼ねてよりの策、いよいよ実行に移すときが来たものと考えます」

 と、直茂は長信に言った。

 諸将がぐっと表情に緊張感を露にする。

「討って、出るか」

「開戦からすでに十日余り。城内の備蓄からすれば、向こう半年は持ち堪えられますが、城兵はさにあらず。有馬の足止めも何時まで叶うか分からない以上、信周が前のめりになった今が最大の好機です」

「これ以上、時間を稼いでも不利になるか」

「攻め寄せる敵を追い散らす程度ならば造作もありませんが、有馬と合流されれば勝ち目は当然ながら減ります。兵の士気、体力の問題もあります。外に出て戦えるうちに戦わなければ、ジリ貧です」

 外交戦略としてはいい線をいっていた長信だったが、何分、大内家との国境沿いの国人たちはどれだけ味方をしてくれようとも遠方だ。

 彼等との連絡は、信周に阻まれていて簡単にはいかない。頼れるのは、梶峰城近郊の以前から味方をしてくれていた者たちばかりだ。

 篭城は気力を使う。体力ももちろん消費する。いつ終わるとも分からない戦を、何ヶ月も継続するのは気が滅入る。

 あまり長期戦になると、厭戦気分が高まってしまうし、これから暑い時期を迎える。閉塞した城内に病が蔓延する可能性もあった。

「いや、直茂に任せよう」

 こと戦に於いて、直茂の才覚は龍造寺家の誰もが知るところである。

 長信も、直茂のその点については評価せざるを得ないと思ってはいる。姉の片腕でありながら、姉の無謀を止められなかったことには、今でも鬱々としたものを抱えているが、生き残るために彼女の力は必要不可欠だった。

 差し出口をして、勝機を失っては元も子もない。

「ありがとうございます。それでは、払暁にも多久館を攻撃いたします」

「ああ、朗報を期待している」

 気張った様子で長信は言った。

 直茂の行動は早かった。 

 予め、この策に参加する将は決められていた。

 夜明けと共に、敵の本陣たる多久館を強襲し、信周の首を獲る。言葉にすれば簡単だが、実行に移すとなると極めて危険を伴う。

 参加する将兵も選りすぐりとなる。

 四天王の一人である木下昌直は当然として、そこに鍋島信房、犬塚鎮家、石井信忠、信易ら石井党の面々、上瀧信重といった武辺者までいる。現状、長信派の武将の中で突出した武勇を持つ者とその家臣による総攻めだ。長信派の力の限りの大反攻である。

 もちろん、それだけの攻勢に出るのだから、反動も覚悟している。失敗すれば、後はもう運を天に任せるしかなくなる。

 信周が入った多久館の構造は、把握している。敵が攻めてくる前までは、自分達の持ち物だったのだから当然だ。

 直茂自ら鎧を着て、槍を担いで出陣する。

 月のない新月の夜だった。星明りのみが頼りの山道を、直茂たちはぞろぞろと進んでいく。歩みは遅いが、急いで敵に気づかれる危険を犯すわけにはいかない。じっくりと時間をかける。それこそ、野山に潜み獲物を待つ猟師のように息を潜める。

 軍勢は、城の裏手から外に出た。密かに獣道を進むと、少しだけ開けた土地、天ヶ瀬に出た。ここまでで一刻ばかりとかなり時間を食っていた。

 多くの人員が暗い山道を進まなければならないのだ。こればかりは止むに止まれぬことであった。

「やっぱり、軍師殿はついてこないほうがよかったんじゃないか?」

 と、昌直が声を潜めて言う。

「何故です?」

「もしもってこともあるだろ。失敗したとき、立て直すには軍師殿が必要だろうが」

「大丈夫ですよ。失敗しませんから」

「こっちもそのつもりだけどよ」

 ふっと直茂は笑う。

 新月の夜だ。僅かな星明りのみが頼りである。

 直茂の僅かな笑みを昌直を空気の変化のみで察した。

「ここから先は一本道です。まさか、迷うこともないでしょうが足元には気をつけてください」

「心配すんな。もう慣れた道だ」

 以前から、この策は計画されていた。その頃から昌直は先陣を切る予定だったし、そのために目的地への道をしっかりと頭に叩き込んでいた。実際に、夜中に城から多久館まで歩いていったこともある。

 乾坤一擲の捨て身の策である。城外に出た決死隊の人員は、梶峰城に篭る戦闘要員の七割に達する大所帯だ。文字通り、今振り絞れる全力を尽くした朝駆けなのであった。

 誰にも使われない山道は、小川沿いに延びている。夏にはかれてしまうような小さな川だが、そのおかげで木々に邪魔されることなく夜道を進むことができた。

 ジリジリと虫の音が五月蝿い。

 耳元を蚊が飛び交い、汗で鎧の内側が蒸れる。暗闇の行軍という精神的にも辛い作業を、昌直が黙って続けた。自分の後ろには千を越える兵がいて、昌直が道を誤れば、その全員が夜道に惑うことになる。

 ゆっくりと深呼吸しながら、木の枝を払い除け、下草を踏みしめて進んだ。

 どれくらい時が経っただろうか、黒々とした木の陰が消えて、視界が開けた。山を降って麓に出たのである。

 この時点で、敵の懐に飛び込んでいる。多久館まで二町半といったところだ。夜襲を警戒してか、今でも煌々と篝火を焚いている。暗闇を行軍していた直茂たちにとっては、さながら夜の海の灯台のようなものだった。

 一軍は、山道を通って大きく山そのものを迂回した形になる。梶峰山麓に布陣する敵の攻城部隊の背後に出た。敵部隊の位置も彼等が篝火を炊いているので、手に取るように分かった。

 四〇〇〇人程度の軍勢で、複雑に入り組んだ多久の山々を完全に押さえることは不可能だ。

 いつの間にか蒸し暑い夜の空気がひんやりとしてきた。星明りが消えて雲がにわかに湧き立ってきた。ポツポツと雨が降ってきて、それはやがて突風を伴う豪雨となった。

 篭城している城方にとっては恵みの雨だ。そして、夜陰に身を隠している決死隊にとっても、それは同じだった。雨音が決死隊が発する物音を隠してくれるからだ。

 日が出るまでの僅かな時間を、昌直を雨に打たれて過ごした。汗を雨が洗い流してくれる。ぎゅっと槍を握り、目指す先を睨み続けていたとき、さっと東の空が明るくなった。雨雲の向こうに太陽が顔を出したのだ。陽光こそ雲に隠れてしまっているが、朝が来たことは間違いない。

「木下殿、準備はよろしいですか?」

 と、隣までやってきた直茂が尋ねてくる。

「当然。いつでもいけるぜ」

 答えは決まっていた。分かりきったその言葉に、しかし直茂は安堵と期待を込めて頷いた。

 済ました顔に若干の熱を帯びさせて、直茂が軍配を振り上げる。

 息が止まった。空気が固まり、呼吸一つが致命となるような静寂が軍内に満ちる。

「かかれッ!」

 そして、直茂の軍配が振り下ろされた。

 

 

 

 ■

 

 

 豪雨の中で湧き上がった喊声は、さながら雷鳴のようであった。

 梶峰城下ならばいざ知らず、まさか多久館にまで敵の手が伸びるとは思っていなかったのだろうか。信周方の抵抗は遅い。館近くの牛津川にかかる橋を落とす時間はさすがになく、かといって打って出て橋を渡らせないようにするだけの判断もできていないようだった。

 長信方は声を発することなく、一息に館までの距離を詰めた。豪雨が音を消してくれているのに、雄叫びを上げて自分たちの動きを悟らせる必要はない。

 直茂が味方に言い含めていたのは、とにかく行軍中は声を発しないことであり、それは彼女が軍配を振り下ろした後も有効だった。

 雨中を不気味に迫る鎧兜の集団に、番士たちは狼狽した。

「かかれ、かかれ、取り付いて門を開けろッ」

 昌直が怒声を上げると、彼女の家臣が次々と館の門や塀に取り付こうとする。それを食い止めるために、敵兵が鉄砲と矢で応戦してくる。

「時間かけられんぞ! 死ぬ気で押せ!」

 飛んで来る矢を槍で払い、味方に発破をかける。

 時間との戦いだ。あまり時間をかけていると、外に出払った敵が戻ってきてしまう。電光石火の攻撃で、多久館を攻め取ってしまわなければならないのだ。

 塀に梯子がかけられて、次々と昌直の兵が館の中に入っていく。門が内側から開かれるのに時間はかからず、門が開いてしまえば、館の防備など何の役にも立たない。

「信周殿ッ。龍造寺信周殿は何処かッ」

 赤銅の武者を槍で突き、蹴り飛ばす。

 多久館は、さすがに前代までの統治者の館だけあって広大だ。建物だけで十五棟はある。敵兵の抵抗も凄まじく、激しい乱戦になった。

 昌直に続いて直茂も兵を繰り入れた。

 泥水を跳ね上げて、刃が煌めき雑兵の首を落とす。

「お見事です、軍師様」

「世辞はよしてください」

 と、顔色を変えず直茂は次の敵を屠る。

 油断をすれば、直茂も屍を晒すことになる。さっと反射的に顔を逸らすと、頬を矢が掠めていった。危うく顔を串刺しにされるところだった。その代わり、直茂に「お世辞」を言った兵が矢に当たって倒れた。生死を確認する余裕はない。次の敵が来る。直茂を射ようとした敵兵は、横合いから繰り出された槍に突かれて討ち取られていた。

「抵抗しない者は殺すな。生かして捕らえ一箇所に纏めてください」

 ここは元来戦場ではなく、信周が陣を敷いた屋敷である。当然、世話をするために連れてこられた奉公人もいる。武士でない者の首を取っても名誉になるはずもない。無益な殺生は厳に慎むべきだ。敵方であっても、肥前国の民なのだから。

「軍師殿」

「木下殿。信周は?」

「すまん、まだ見つかってない」

 直茂は内心で舌打ちをする。

 敵は四半刻と経たずに征圧できた。もう抵抗する者はほとんどいない。館の奥から、時折けたたましい声が聞こえてくるが、それも散発的だ。

 事ここに至って信周の姿がないといことは、館の中にいなかったということか。

「いや、もともといなかったのであれば、ここまで抵抗する理由がない。逃げたか」

 しかし、だとしてもそう遠くには行っていないはずだ。

 館の裏には小高い丘があり、緑が生い茂っている。そこに逃げ込まれたとしたら厄介だ。騒ぎを聞きつけた城攻めをしている敵軍が引き返してくるかもしれない。

 信周が、逸早く攻撃を悟り、館の中の味方を放り捨てて落ちたのだとすれば、行き先はどこか。村中城に戻るか、あるいは丘の林に身を潜めて、味方の軍が引き返してくるのを待つか。

「館の中の畳から家財まですべてひっくり返して人が隠れられそうなところを徹底的に洗いなさい。姉さん、裏山に逃れた可能性があります。至急、捜索をッ!」

 手早く指示を飛ばす直茂。

 逃げたとしてもそう遠くにはいけないはず。

 村中城に逃げ帰るにしても、見晴らしのいい平野を逃げられるかというとそれはありえない。裏山か館の中にいるとしか思えない。

「いたぞー!」

 と、声が上がったのは、直茂が苛立ち爪を噛んだ直後だった。

 パッと顔を上げて、声がしたほうに走っていく。

「ぎゃあああああ」

 と、悲鳴が上がったのを聞いた。

 館の奥まったところにある武器庫と思しい漆喰塗りの蔵の前に人が集まっていた。

「な、直茂様!」

「どけ、どけ、軍師様がお見えだぞ!」

 小物たちが慌てて道を開ける。

 雨の中、蔵の前に血溜まりができていた。

 首を討たれ、屍となった身分ある武士が三人。怪我をした者多数。斬り合いになり、こちらも五名が致命傷を負っていた。

「ああ……」

 泥と血に塗れた敵将の首を見て、直茂は唇を震わせた。

「信俊……」

 龍造寺信周の首も転がっている。しかし、直茂は血を分けた弟の首から目が離せなかった。

「直茂様……」

「分かっています。……顛末は、どのような」

「は、このお三方がこちらの蔵の中に潜んでおりまして、それを見つけた者と斬り合いに……信俊様は、最期まで戦われた後、自ら首を突いてご自害なされました」

「自害……そう、ですか」

 信俊は、最期まで主君に付き従ったのだ。

 それを、誇らしく思うべきか。もう少し、早くついていれば止められただろうにという後悔の念も抱いてしまう。

 吐きそうになりながら、直茂は懸命に表情に出さずに亡骸に手を合わせる。

「首を持って、城に戻ります。早急に」

「はッ」

 龍造寺信周は幸いにして討ち取ることができた。乾坤一擲の大博打で、大当たりを引いたも同然である。直茂としては、最善は討ち取ることであったが、失敗しても信周が村中城に逃げ帰ってくれればよいと考えていた。それで、彼の求心力は致命的なまでに低下するはずだからだ。

 相手の油断もあったのだろう。払暁を狙った一気呵成迅速果敢な攻めが、逃亡の機会を奪った。

 長信の最大の対抗馬はこれで潰えた。しかし、だからといってすべて解決というわけでもない。長信に叛旗を翻す者もまだまだいるだろうし、信周の遺児もいる。これらを片付けて、初めて龍造寺家の統一はなるのである。

 


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