SQXの条件ドロップ素材の話   作:ドバト

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第八迷宮 海嶺ノ水林
海の中なのに呼吸できる?細かいことは気にしない。
(というかメカニズムは判明している。Xでは明かされないので、気になる方は3をプレイしてみよう)

今回は鬱展開に注意。流血・死亡表現あります。


第八迷宮 海嶺ノ水林
痺れた薄皮を手にする代償


……コイツのためだけに仲間が犠牲になった、か……。

 

……お、そこのお前ら。もしや噂のギルドか。

修羅場をくぐり抜けてきたツワモノ、というイメージが

先行しているが、パーティーのバランスも良さげだな。

 

俺か?………ウォリアーのブラッドだ。

こんな血塗れに何の用だい、物好きさん。

 


 

……へえ、条件ドロップの素材を集めてんのか。そいつはご苦労様だな。

奇遇なことに、俺たちのギルドもそうだった。

 

だが、今回取ったのは面倒な条件付きだぞ?

しかも、もたもたしたらその分の代償もくらう可能性もあるしな。

 

……そこに冒険者()()()ものが転がっているだろ。

全く、条件となる状態異常に耐性があると厄介だな。

だがな、リーダーが煩くてよ。

「こんな雑魚に解剖用水溶液はもったいない」ってな。

俺は警告したが、他は全員無視。なんだこりゃ。

 

その結果が、俺以外は全滅……。先輩のアドバイスは聞いておくに越したことはねえってのにな。

 

まあ、前置きはこのぐらいにして本題に入ろうか。

 


 

俺たちは今回、『うずまきフグ』から「痺れた薄皮」を手に入れようとしていたんだ。

いつもなら「球形の骨」というのが落ちるんだがな。

 

「痺れた」に気がつけたな?そう、麻痺だ。

だが、あのフグは麻痺耐性がある。麻痺の香を使っても、簡単には痺れないから気をつけろよ。

もし、麻痺の付与に無駄に時間を浪費させるぐらいなら、解剖用水溶液を使え。

 

また、奴は【疫水吐き】で呪ってくる。

……そう、呪いだ。

呪われていたことに気づかず、麻痺になってからトドメを刺した結果、こうなった。

もう、生き返りすらしねぇよ、こいつらは……。

 


 

『よし、うずまきフグが2体出てきたぞ!』

『前方にはロックコーラルが2体!』

『サンゴの方は斬が効く!先にやってしまおう!』

 

……うずまきフグとロックコーラルが2体ずつ。

ロックコーラルは【手枷の散爪】で腕封じにしてくる。

その為、さっさと倒しにかかろうとしていた。……が。

 

うずまきフグが、“水のような何か”を掛けたのだ。

幸い、俺は回避できたが……他は呪われた。

 

呪われたことを指摘しようとした瞬間。

ダンサーとマスラオがコーラルを一刀両断した。

 

結果、二人は血を吐いた。

 

『よし、これで…っ!?ごほっ、がはっ』

『な、んで、血が……』

 

二人はオーバーキルといっても良いダメージを与えた。

そして、呪われていたため……与えたダメージの半分が返ってきた。

そして二人は、自らの生命力を断つレベルのダメージを喰らったため呆気なく死んだ。

 

俺はすぐに指摘した。

 

『お前ら、あのフグから呪いをかけられてるぞ!

テリアカβを飲んで早く回復しろ!』

『……持ってない。いらないと思ったから』

『リフレッシュなど、回復できるスキルはないのか!

または巫術:転移などで伝染させれないのかっ!?』

『あー、持ってないわ。「攻撃は最大の防御」っていうから』

『それと回復は別だと言ったはずだぞ……』

『まあ大丈夫だろ。時間経過で治るし。

残ったメンバーで麻痺を付与させよう』

〘ああ、コイツらはメディカもネクタルも持ってねえのか……〙

 

そう。メディックやドクトルマグスなどの

回復役(ヒーラー)はいないし、アイテムもない。

こんなにも酷いパーティーは他にもない。

 

どんなパーティーかといえば……

 

前衛:ソードマン・マスラオ・ウォリアー(俺)

後衛:ダンサー・ガンナー

 

……こんなので突き進めたことに驚きしかない。

 

『……被害がこれ以上出ても、何の意味もない。

お前は解剖用水溶液を使ってくれ。俺なら呪われてないかr』

『は?解剖用水溶液を使う、だと?そんな雑魚に使うなんて、勿体無いことをするもんなのか、先輩って』

 

生意気な後輩だった。今すぐに殴り飛ばしてやりたかったし、

こんな無駄に時間を浪費するなら、今すぐにでも水溶液を使って取ればマシだろ、と言いたかった。

 

が、そう言っている暇もなかった。

F.O.Eが、乱入してきた。

 

『……古海の放浪者か……!』

 

古海の放浪者。奴らも、呪いを付与してくる強敵……なのだが。

うずまきフグとは、F.O.Eであることが、最大の相違点であった。

 

『…………』ブゥン

『うオっ、なンだこr……ハヤク、モンスターヲタオシタイ!!』

『力が満ち溢れテくるようn……モンスターヲサツリクダ!!』

 

謎の超音波のせいで、俺はやはり無事で済んだが、

ソードマンとガンナーが暴走していた。

 

『お前ら落ち着けっ!ったく、面倒なことになりやがった…』

 

そして、うずまきフグは片方、倒されていた。

ガンナーが【跳弾】をかました際に当たってしまったのだろう。

 

『タノシイ、タノs……グ、グルジイ……ダレ、カ、t』

 

ガンナーも、血を盛大にぶちまけながら倒れた。

これはもう、生き返る見込みはない。

 

……放浪者が放った超音波の正体は【太古の呪い】。呪い+攻撃力アップを敵味方に付与してくるものだ。

この様子だと、興奮させる物質*1の生成を促しているというべきか。

 

……更にたちの悪いことに、放浪者は全属性弱点だ。

全属性弱点+攻撃力アップ+呪いのせいで、自滅を促されているようなものである。

 

ここまで言えばもう、ソードマンの最期も察せるだろう。

 

『オラオラオラーー!!マダ、オレハヤレルゾー!』

『……おい、お前……』

『ン?ドウシt……』

『もうお前は、手遅れだ。お前はもう、死んでいる』

『エ……ソ、ソンナコトh……グボバァッ』

『……もう、安らかに眠れ。お前は……脳筋だった』

 

……俺はソードマンの最期を見届けた。

そして、近くにいたうずまきフグが痺れているのを察した。

死んでいったガンナーとソードマンの狂気に怯えて、動けなくなっていた。

最早、自分から「殺してください、お願いします」と頼んでいるようにも見えた。

……というか、目から涙が溢れていた。

 

『……すまないな』

 

ザクッ

 

「痺れた薄皮」を手に入れた。

 

『………』

 

放浪者たちと目が合う。

俺は、無言でその様子を呆然と見ていた。

放浪者はこちらのことを見つめ、側で寝始める奴もいた。

 

『……煮るなり焼くなりしてもいいのにな』

 

そんな俺の傍らに、一匹のオオヤドカリが来た。

俺のことを、じっと、純粋な眼で見つめていた。

 

その時、自らの言葉を恥じたと同時に、救われた気もした。

 


 

……すまないな。こんな鬱話をしてな。

だがな、時間というものは人生を生きるなら、惜しんでいたらもったいないんだ。

お前らも、レムリアの謎を知りたいのだろう?

 

なら動け。時には考えるのも必要だが、考えっぱなしでいるならまずはとにかく動くこった。

……それが、俺からのアドバイスだよ。

 

そして、この薄皮はネイピアに渡してこい。ただ、お前らが取ったことにしておいてくれ。

俺のことは……絶対に他言しないでくれ。特に彼女にはな。

 

……ん?オオヤドカリって何かって?ああ、コイツな。

コイツは硬いから、属性攻撃が有効だ。

他のモンスターを庇ってくるときもあるから気をつけろよ。

……コイツは例外だ。危害を加えるような真似をしないでくれ。

 

ついでに、何故か放浪者も付いてしまった。

何故かは知らないが、逆らえないのは確かと言うべきか。

 

……んじゃ、長話に付き合ってくれてありがとな。

俺は暫く、ここに留まって冒険者たちへアドバイスを送ることにするよ。

*1
アドレナリンやドーパミン、セロトニンあたりが有名。




展開を思いついた結果、2500文字オーバーしてしまった。
鬱展開なのも相まって、とんでもないものができてしまった。

因みにブラッドのイメージはウォリアー♂1です。




第八迷宮からのパーティー

前衛:ショーグン・セスタス・プリンス
後衛:レンジャー・メディック

サブクラス
ショーグン=ハイランダー
セスタス=シノビ
プリンス=ソードマン
レンジャー=ドクトルマグス
メディック=ガンナー




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