覚えている人がいるのかは分かりませんが、よろしくお願いします。
「意外ね」
「何がだ?」
俺たちはあの高級喫茶での昼食を終わらせ財布を軽くした後、次はさすがに気楽になれるところに行こうと銀座を抜け出して近くのイオンに行き、俺らしくもなく服を見たりと2人でぶらぶらしていると、思い出したようにシノンが高級喫茶での会話の感想を言ってくる。
話したの恥ずかしかったからあまり思い出したくないんですけど⋯⋯。
「あなたがちゃんと青春していたことによ。あなたそんな素振りというか、雰囲気出してないじゃない」
「だから言ってんだろ、俺の青春ラブコメはまちがってたって。何より、別にパートナーが出来たわけでもないし、最終的に特に関係が変わったわけでもないし、完結せずに終わっちまった」
まあ、確かに青春⋯⋯していなかったわけでもない。
もしかしたら、違う世界には高3になった今、雪ノ下に由比ヶ浜、一色の中の一人といい関係になっていることもあるのかもしれない。もしかしたらあいつら以外とも⋯⋯とも思う。
まあ、思い上がりすぎだろ、と言われたら誰とも関係を作ってない今がある以上強く否定できないが、だからと言ってあの時間を捨て去れるほど俺に刻まれた記憶は浅くない。
「でも話を聞いた限り、結局みんなとの関係は深まってるから、物語だと卒業した後に普通に大学編とか題打って続きそうなのよねぇ⋯⋯今は休載中って感じじゃない?」
「そんなもんかね⋯⋯。まあ確かに仲が悪くなったわけじゃねえし普通に話もするが、行く大学が多分違うんだよなあ」
「そんなことは関係が続いてたらどうとでもなるわよ、今はVRもあるし」
「それも言ってんだろ、VRはまだ怖いってよ」
「でもこの前少しは肯定的な返事くれたじゃない」
まあ、そうなんだけどさ。
だからといって、もう何年もVRから意図的に距離を置いてきたのにいきなり近づけるかって言うと、まだ怖くて無理なんだよな。
「まあ⋯⋯そのうちな」
だから、この程度の返事しかできない。
「まあいいわ。だって、VRに怖がってくれてるうちは
俺の後ろ向きな言葉に、シノンはそうオーグマーを指差しながら少し微笑んで前向きに答えてくれる。たく、敵わねえな。
「そりゃな。今の最大の娯楽はOSになってるわけだし、そうなってるうちは簡単にはやめねえよ」
「私のランキングも上げなきゃいけないしね」
「⋯⋯は?聞いたのか?」
ちょっと待て、なんでシノンがそれをしってるのん?アスナさん、まさか言ったのか⋯⋯?シノンには聞いてほしくないこと話してた気がするんだけど?
まあ、主に聞いてほしくないこと言ってたのアスナだった気がするけど。
「深くは聞いてないけど、『エイトさんっていい人だよね~。ランキングも上げてくれるって言ってたよ』ってアスナが言ってたけど、何話してたのよ?」
「⋯⋯特になんも話してねえよ。シノンが聞いてる通りだ」
「そう?」
「そうだ。だからシノンは俺に甘えてランキング上げとけ」
まあ、とりあえずこういうことにしておこう。知られると俺が恥ずかしすぎる。
「ほら、今度はあっちの店でも冷やかしに行こうぜ」
「⋯⋯。冷やかす前提なのはどうかと思うけど⋯⋯。まあ、そうね」
ーーー
「ずっと思ってたんだが、シノンってズボンの丈短いの多いよな。丈の長いもの履いてる方が少なくないか?」
せっかく服を見て回ってることだし、最近感じてきたシノンの服装に対しての印象を口にする。
その証拠に、今履いているものは丈が短いデニムのショートパンツだし、OSでの装備もワンピースのようなもので丈が短く、脚が見えている。
「確かに深くは意識してこなかったけど、ショートパンツとかの方が多いわね。もしかしたら、GGOの装備に影響されてるのかもね」
「GGOの装備も丈短いのか?」
「ええ」
シノンはそう答えると「ちょうどこれくらい。⋯⋯いやこれより少し短いか」と言いながら今履いてるショートパンツの裾を指差しながら脚を俺の方に見せてくる。
「ちょっ」
いきなりの肌色の主張に俺は直視できず動揺しながら目を逸らす。卑怯じゃないですかシノンさん、俺そういうの慣れてないんですけど。
⋯⋯これも封印指定にするしかないだろ。シノンは俺にとって危険なもの多すぎるな?
まあ伊達に理性の怪物と言われてないから大丈夫だけどさ。
「⋯⋯あなたから出した話題じゃない。なに驚いてんのよ」
「バッカお前、シノンがそういう過剰に目を引く格好して、それに気づいて無さそうだからあえて話題にしてんだよ」
「ふぅん、エイトは見てるんだ?私の脚」
「そうは言ってねえだろ⋯⋯。俺はあくまでお前がそう見られてるのが嫌だと思っていたらということを危惧してだな⋯⋯」
「そんなの気にしなくて大丈夫よ。アナタに見られることなんてなんとも思ってないから」
「さいで⋯⋯」
脚を見てるのをなんとも思われないというのも男としてどうなのだろうか⋯⋯。というか視線の元は俺だけじゃないんだよなぁ。
あと、もう少し言うならシノンが気にしてなくとも俺が気にしてしまうからできる限りシノンにそこんところ分かって欲しかったり。
「それに、そんなことを気にしてる間柄はとっくに過ぎてるでしょ?」
⋯⋯そうだっけ?
いつ過ぎたか俺には心当たりないんだけど?シノンにとって俺との関係ってどんな感じの印象なのん?
「いつ俺とシノンがそんな間柄になったよ。少なくとも俺はそういうことを気にしてるし、出来るだけ隠して欲しいと思ってるくらいなんだけど?」
「いつって言うと、最初にバイクに乗った時のことがチャラになった時ね」
「最初のバイクの時⋯⋯?」
思い出した。シノンを後ろに乗せて、俺がシノンの感触があったことを上手く運転し切った安心感でつい言ってしまったことだろう。
確かあの時、精算のために高い喫茶店で連れてってと言っていたような。
「おい、てことはそれチャラになったの今日じゃねえか。思ったより新しい間柄だな」
「だって、バイクで散々楽しまれたのに今頃見られたこと気にするなんて野暮じゃない」
「それはシノンが優しすぎるだけだろ。普通は不快感しか抱かないっての。⋯⋯そんな危機感じゃ襲われるぞ?」
「フフ、冗談よ。それ以上前にとっくにエイトのことは信頼してるわ。逆になんで普段あれだけ連携の取れた戦いをしておきながら信頼関係が出来てないと思ってるのかが不思議なくらいなんだけど?」
「⋯⋯それとこれは違くね?」
戦いのことが仲の良さにはそこまで関係しないと思うんだが⋯⋯?そこまで考えたことねえな。
「一緒よ。戦ってる間の信頼関係は普段の信頼関係の現れだと私は思ってる」
「そんなもんか?」
たしかに、戦っている間のあの安心感が今だったり、普段から感じてないと言うと嘘になるな。
だからシノンが言ってることは間違いではないと思わせられる。
「ええ。それに、私はエイトが襲ってくるなんて考えてないし、ほかの人が襲ってきてもアンタが守ってくれるでしょ?」
「そりゃ俺はシノンとの関係を壊すようなことはしねえし、襲われてて放っておくなんてできないが⋯⋯」
「素直に俺が守ると言えばいいのに。まあでも、私のしてほしいことと、エイトがすることが言わなくても一致してるこの関係が、信頼関係ってものなんじゃない?」
俺はその言葉に納得させられ、頷くことしかできなかった。
奉仕部以外での信頼関係ってものが珍しく、どうやら俺はいまいち分かってなかったらしい。⋯⋯そうか、できてるのか、信頼関係。
──そうならば、よかった。と今更ながらに安心してる俺がいた。
ーーー
そのままイオンで雑貨を見たり、ゲーセンでよくある銃でゾンビを倒すアーケードゲームでシノンにポイントで惨敗してGGOプレイヤーの力を思い知ったりと楽しく半日を過ごした後、フードコートで軽く夕食を食べた。サイゼが無かったのは許さん。
そして今は、イベントの場所が告知されるまで本屋で店員に対して多少の罪悪感を感じつつ立ち読みをしている。
やっぱりいいねガガガ文庫。最近ずっとオーグマーで読んでたからこの青さが懐かしい。お、マケイン。
「エイト、場所が分かったわ。代々木公園よ」
ちょうど最新刊を取ろうとするとシノンが声をかけてくる。
「⋯⋯代々木公園っつと、渋谷か。よし行くか」
「間に合う?」
「ちょうどってくらいだな。ちょっと急ぐぞ」
「了解」
こうしてデート?を終わらせ、代々木公園に行く手段のバイクに乗るため駐車場に向かう。
バイクかあ⋯⋯、そろそろ二人乗りすんのも慣れねえとなあ⋯⋯。
気づいている方もいるかもしれませんが、この八幡は全ての俺ガイルイベントをほとんど原作と一緒のように経験しておきながら誰とも恋人にならなかった高3の八幡です。何故恋人になれてないかとかの詳細は考えてないので悪しからず。
作者はなんかあらすじ考えるの苦手で、この作品を書き始めた当初にテキトーに考えたあらすじを今も使ってるんですが、いかんせん雑すぎるというか、心残りがあるので質問です。 あらすじを変えるべき?
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変えるべき
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そのままで