転生者は三つのチートで地球を救う
「そこなもの! あいやまたれい!」
「私?」
「そうじゃ! そこの黒髪コンビよ!! お主ら、このままでは親友の足を引っ張ってしまうぞ!! しかもそれが遠因で、10年後にお主らの親友達は死ぬ! 東京壊滅、日本がピンチ、大変なことじゃ!」
「……聞き捨てならないな」
「僕たちのこと知ってるとかですか?」
怪しげな占いの女の子の所に寄ると、女の子は言った。
「でっかい方よ。人間が猿に見えたら即、これを飲んで、なんやかんやしたら、10年身を隠すのじゃ! 良いか、親友が大事じゃったら、幼女2人を確保し、親友を呼んで、絶対に人を殺す前に食べるのじゃ。絶対じゃぞ!!! さすれば10年後にお主の親友を救うものが訪うじゃろう!」
「人が猿に見えたら? 単なる黒飴にしか見えないけど」
「ちっこい方よ! 産土神に狙われたら、この白飴を掲げて飲み込むのじゃ! なんやかんやあった後に、同じく10年後に、お主の親友を救うものが訪うじゃろう! 身を隠すのは10年じゃからな! お主の親友もその間は仕事を変えた方が良いじゃろう。貯金すると吉じゃ!」
それぞれ、飴がいくつか入った袋を貰う。
「更に、おまけしてピンチの際に守ってくれるお守りもプレゼントじゃ! 親友にプレゼントすると良い!」
ペンダントを二つ。
「身を隠す時はこれを使うのじゃな! この10年チケットを破れば、強制的に10年間身を隠せるぞい! 幼女2人歓迎!」
チケットを2枚。
「料金はそれぞれ一万円で良いぞ! 本来は一億円ぐらい欲しい所なのじゃが……何、それで東京が救われるのじゃから、安いもんじゃ」
「はい、全部出鱈目ー! お前に術式なし! 呪力の欠片もなし! 毒が入ってるかもだから食うなよ」
そう、悟に言われた。
けれど。
「いいよ、払うよ。このペンダントデザイン好きだし」
「僕も払います」
「いいのですか、灰原」
「占い、当たってるかもだし。七海の足を引っ張るなんて嫌だからね」
灰原が死んだ。遺体も残らなかったらしい。
相手は、産土級で。
七海は放心状態だった。
人が猿に見える。
絶望と諦めを宿した幼女2人。
殺しを決意した瞬間、占いが頭をよぎった。
人を殺す前に飴を。なんとか機械的に飴を口に運ぶ。
私はガリリと黒飴を食らった。
びっくりするほど媚薬だった。
私は悟に助けを求める電話をした。
「だから食べるなって言ったろバァカ!!! でも呼んでくれたのはありがとう!!!」
幼女を安全な場所に確保し、私を一目につかない場所に避難させた悟は叱責した。
死ぬほど情けない。
その後、何度精を吐き出しても治らず、悟を受け入れてようやく治った。
悟には何度謝っても謝りきれない。
情けなくて恥ずかしくて穴を掘って埋まりたい。
あのままでは、私は呪詛師になる所だった。
あの占い師はなんだったんだろう。
目の前にはチケットがある。
10年間身を隠す。
それが、悟の為に必要なら……。
私は幼女2人を連れて、チケットを破った。
「夏油さん! 夏油さんもここへ!?」
誰もいない、箱庭みたいな街で、灰原が大きなお腹を抱えて困り顔をしていた。
あ、訪うってそういう……。