ハピエン厨な転生者がFF7の世界で何度もループして救いたいキャラ救って、最高のハッピーエンド迎えて、ジェノバと相打ちになって死亡したと思ったら、記憶失ってFF7Rの世界に来ちゃった話。   作:過激派

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覚醒

最初に感じたのは冷たさ。

感覚が麻痺しているのか、冷たいと感じたのは最初だけだった。

次は視界いっぱいに広がる白。

周りには何もない。ただ、白の景色が広がるだけ。

腕に力を入れ体を起こした。

頭を持ち上げ、焦点が合わない視界で周りを見渡す。

見渡していく内に視界が安定してきた。改めて、はっきりとした視界で周りを見る。

視界に映るのはあたり一面に広がった雪。その他には何もない。

なぜ、ここにいるんだろう。

湧き出る疑問。それに答えてくれるものは誰もいない。

……一旦状況を整理しようか。

目覚める前、俺は何をしていたのか。

俺はミッドガルに生まれ、ソルジャーになった。そして、死んだ。

何かを殺して、何かを救って、そして死んだんだ。

 

――――何を殺したんだ?

 

分からない。ただ、解放されたと感じた気がする。

 

――――誰を救った?

 

思い出せない。だけど、達成感が体を満たしていた気がする。

 

――――俺は誰だ?

 

記憶にない。ただ、忘れてはいけない気がする。

 

「探さなきゃ……俺を」

とりあえず進もう。

雪が降り積もった地面に足を踏み出す。

その瞬間、何かに引っ掛かりバランスを崩して雪の中に倒れこむ。

雪に埋もれた顔を出すと頭を左右に振り、髪に付いた雪を落とす。

振り返り、つまづいた場所に目を向けると、鈍い銀色を放つ物体が雪の中から見えた。

体を起こし、雪の中からその物体を掘り起こす。

周りの雪を搔き分けると、隠れていた物体の姿が露わになる。

雪の中から出てきた物体は、刀身が七割折れた剣だった。

何の変哲も無い剣だ。

強いていえば、何かをはめることができる穴が二つあることぐらいだろうか。

もはや短剣と言われた方が納得できるそれの柄の部分に触れる。

 

「……ッ」

するとキーンと耳鳴りがし、頭の内側をかきむしるような感覚に襲われる。

 

『見ろよセフィロス!やっと貰えたんだよ俺の武器!』

 

『ああ、良かったな』

 

『ああ! ありがとう!あ、おーい!ジェネシス~!アンジール~!俺も武器貰ったー』

脳裏に響く俺の声と知らない誰かの声。

俺は誰かと会話していた。

相手の名前はわからない。

水中で喋っているみたいに歪んで聞こえなかった。まるで思い出していることを拒否しているかのようだ。

 

「とりあえず進むか……」

俺は剣を取り、まっすぐ進む。

雪が続いていた道を抜けると、突然街に出た。

不思議に思って後ろを振り返ると、さっきまで通っていた雪一面の景色はなく、壁が広がっているだけだった。

どういうことだ?

 

「……考えても仕方ない、か」

そう結論付けて、左の道へ行こうとした。

体を左側に向けその先の道に進もうとすると、俺の耳がある会話を捉えた。

 

『この人、私のボディガード。ソルジャーなの』

女の子の声。

何だか懐かしい。

 

『ソルジャぁー?』

疑うような声を出した男の声が聞こえる。

 

『“元”ソルジャーだ』

そして、やけに元を強調した男の声も。

その声に懐かしみを覚える。だが、剣を持ったときみたいに耳鳴りがしない。思い過ごしだろうか?

一人の男は元ソルジャーと言っていた。どこかで一緒に戦ったのかもしれない。

 

「もしかしたら俺のことを知っているかも」

そんな期待を持ち、会話が聞こえてきた右の道を走る。

声に近づいてきたのか、声のボリュームが大きくなってきた。

 

「ここか?」

俺の正面に映ったのは、古ぼけた教会。

ここから声がわずかに聞こえている。

さっきまでは声がはっきり聞こえていたんだが……まあ、いいか。

俺は扉を開けようと協会に近づくが、周りにいた兵士に呼び止められた。

 

「ここは立ち入り禁止だ」

教会の中に入ることに意識を囚われていたため、周りに人がいたことに気が付かなかった。

今度から気をつけよう。

しかし、立ち入り禁止か。

何かこいつらを見ていると、嫌悪感が体から湧き出てくる。

 

「おい!聞いているのか?早く立ち去れ!」

その言葉を聞いた瞬間、兵士の鳩尾に拳を入れた。

 

「グゥ――!」

苦悶の声を上げ俺の体に倒れこむ瞬間、兵士の体を蹴り飛ばし右にいた兵士に当てる。

右にいた兵士は蹴り飛ばされた兵士に巻き込まれ、地面に倒れこむ。

 

「なっ!お前――!」

左側にいた兵士が銃を構える。

俺は持っていた剣で、兵士の頭を叩く。

斬る用途には使えないが、叩くぐらいなら使える。

頭を叩かれた兵士は口元を歪め、膝から崩れ落ちた。

 

「行くか」

俺は扉を押す。

中に入ると、赤髪の男と金髪の男が戦っていた。

奥で女が金髪の男を応援している。

俺に気が付くと男達は動きを止める。

 

「あ?お前、な――――!」

赤髪が何かを喋る前に赤髪との距離を詰め、殴り飛ばした。

よくわからないが、こいつは見ていると不快になってくる。

理由はよくわからんがな。

俺は周りを見渡し、対峙していた金髪の男を見つける。

金髪の男は俺を見て死人を見たように固まっていた。

俺が声を駆け寄ろうとすると、頭痛がした。

頭の内側から殴りつける衝撃と痛みが俺を支配する。

痛みに思わずその場でうずくまった。

複数の足音が聞こえ、こちらに寄ってくる音がする。

寄ってくる音ともに強まる頭痛。

 

「近寄るな……!」

脂汗が浮かぶ頭を持ち上げ、正面を見る。

そこには茶色の髪に緑色の目をした女とさっきの金髪の男が傷ついたような顔をして佇んでいる。

その隙に俺は男女に背を向けて走り去った。

さっきの男女は俺に関係があるのだろう。だが、俺は思い出すことを拒んだ。

体が拒否反応を起こしているんだろう。

そこまで俺が拒否する理由は何だ?

そもそも俺は何だ?

ソルジャーなのは確かだ。だが、あの男が言っていたようなクラスなるものを俺は知らない。

じゃあ、俺はソルジャーじゃないのか?では、あの記憶は?

作られたのか?だとしたら本当の俺は?

 

「俺は何なんだ……」

その疑問に答える者はいない。

その答えは俺自身で探すものだ。そう、言われているような気がした。




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