天空山に行く一行…知恵のトウコツ、力のフェンリルを傍らに、頂上へと向かう…
昔、翁と修行に来たことがあるので、大抵の行き方は分かったが
生命の欠片も見当たらないその焼き尽くされ、枯れた山はもう昔の姿では無かった…
そのため、頂上へ行くのは別段、難のある事ではなかった
今では、日輪鳳山と呼ばれ、
何故か帰る者はおらず、確かめる者もおらず…
人は、あの火輪は天使の輪だとして、あそこに魂を縛られて居るのだと言う…
しかし、本当に頂上へ行くと熱い
その上、周りには魂を吸われた亡骸よりも、不可解な死骸の群れが散らかっていた
二種類である
焼死体と思わしきものと、
老人の死骸…それだけである
トウコツが騒ぐーーー
フェンリルが上に跳ぶーーー
俺は瞬間、前へ跳ぶ
直後、背中を焦がす灼炎
『こいつは…フゥ…
まさに此処は、まるで不死の山か…まぁ、
不死の薬は無さそうだがな』
紅蓮の翼、『美』と『夢』
そして『怖』を象徴するかのような、神々しき巨鳥の姿
伝説であり、皆が知る夢幻の神鳥
冠する名はフェニックス
『フン…赤みのかかったキジが…
相手が悪過ぎるが…鬼ほど恐ろしくは無い…
貴様にも力を貸してもらおうか』
早速、忌避団子を一つ…
効果の持続は3分、さらに忌避流を放てば忌避神の状態も人の身へ戻る…
そして、使える団子はあと4つ…
それでも、この闘いは相手を引き込む早期決着が望ましかった…
倒せる見込みはーーー無い
そう、確信していたから
『忌避流・断哭‼︎』
放つ閃光の号哭…
しかし、そう簡単では無い。
空を飛ぶ敵には、地上からの攻撃は当たらないものである
炎を放つ不死鳥…
フェンリルが間に入り、止める
同属の力なら、相殺できる
そして、飛びかかるがーーー
無論、空中戦となれば相手が有利ーーーが
避けられ、無防備となった炎狼の口より飛び出したのは魔猿
猿真似というべきかーーー
これは正に自身を倒した一撃を見事に状況に応じ真似たものだった
手に持っていたのはフェンリルの奥の牙ーーー
翼の付け根を狙う一撃…
ーーー命中。
ここからさらに追撃をかけたいが…無理があった
3秒後には傷は完治。
一撃で決着をつける攻撃の隙など無かった
トウコツに爪をつきたて、疾風のように掴みかかる不死鳥、
刹那、桃太狼はある秘策を考えつき、トウコツへ伝える…
了解したトウコツ、
しかし幾ら鳥とは言え神の使い、
二度も同じ手は食うまい…
そして、桃太狼は不死鳥に向かう…
『悪いが、貴様の相手をつかまつる者だ…
首を取らせて貰うぞ…キジバトめ』
滝のような炎を放つ不死鳥。
『神兵流・巨焰裂(オオムラサキ)』
炎の滝を斬り、翼にも擦り傷を与える…が、これも再生し、次は爪の一撃…
『この時を待っていた…
この山が『雲』に近くて良かったよ…』
『神兵流・神級和剣
遺愛斬(いあいぎり)・風刃』
鳥の足を斬りーーー
剣の纏う鎌風により翼に傷ーーー
瞬間、バランスを崩し地面に転落。が、これでも回復は直ぐだろう…が、更なる一手が動く
トウコツは猿の獣に特有の腕力により巨石を両手に持ち、一つをフェニックスの上に投げ、もう一つは傷口に投げるーーー
こうすれば、再生した足や翼が存在できる場所が無い
よって、再生は不可能となる
そして雲まで跳び、時を待ち望んでいたフェンリル
炎の輪を吸い、全てを炎の下へ平伏す力を得たフェンリルの、紅蓮の咆哮ーーー
それはフェニックスの上にある巨石を直撃し、それは溶岩となる…
『片翼で逃げさせはせん…』
溶岩は炎とは別の物質…
耐性の例外である
そして、流動し纏わりつく溶岩は
再生する暇すらなく、獲物を溶かし、逃がさない
『地の利に助けられたが…
貴様の勝ちであったやも知れぬ…
貴様との闘いは血湧き肉躍るものであった…
鬼どもを倒した後、また一戦交えよう…』
『忌避流・弾護』
こうして、三獣を連れし桃太狼
遂に鬼牙島へーーー