真剣で私に恋しなさい+ ~ある侍の新たなる人生~   作:黒猫大佐

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プロローグ2

「――――――ん?」

 

ふと気付くと、私は何もない空間に浮かんでいた。

 

「はて?」

 

私は首を傾げた。

 

どうやら私という意識はしっかりと残っているようだ。

 

聖杯からの知識によれば、死したサーヴァントは聖杯に取り込まれ、奇跡の一端を担う存在となる。

 

まあ私は"英霊"などではなく、ただの"亡霊"であるから正しく聖杯に取り込まれるのであろうかと考えた事もあったが、私も例に漏れず、聖杯へと取り込まれたはずだ。

 

奇跡の一端を担う存在であるだけの死したサーヴァントに意識などいるのだろうか。

 

私が思いを巡らせていると、

 

「よう。お侍さん。」

 

「ん?」

 

誰かが私に語りかけてきた。

 

「ふむ、私に語りかけるそなたは誰だ?」

 

私が声に問うと、

 

「俺のことはどうでもいいんだよ。」

 

そう答えてきた。

 

まったく、粗暴であるなと考えているとその声は私に

 

「それよりもお侍さんに聞きたいんだが。」

 

そう言ってきた。

 

そして、その声は私に

 

「人生に後悔はないか」と聞いてきた。

 

私は「なかった」と答えた。

 

「人生に未練はないか」と聞いてきた。

 

私は少し考え「ある」と答えた。

 

そう、私は人生に"後悔"はないが"未練"はある。

 

私の人生はひたすらに刀を振るう人生であった。

 

ひたすらに刀を振るい、必殺剣である燕返しも身に付けた。

 

死した後も燕返しを振るうことのできる存在として仮初の生も与えられた。

 

そして、最後にはセイバーという宿敵にも巡り合うことができた。

 

私の人生に"後悔"はない。

 

しかし、

 

私は今までふと「刀を振るうだけで人生を終えてよいのか」と考えたことがあった。

 

刀を振るうだけでなく、他のこともした方がよいのではないか。

 

田畑を耕し、日々の糧を手に入れ暮らす。

 

さまざまな事を学び暮らす。

 

私が生前から友と呼べるのはこの刀しかない。

 

しからば、様々な友を作り、友と可笑しく騒ぎ暮らす。

 

斯様な人生もあるのではないか。

 

そう、これが私の未練だ。

 

私がそう話し終えると、

 

「ケケケ!!それじゃあお侍さん、俺があんたに第二の人生をプレゼントしてやるよ。」

 

「何?」

 

「あんたは座におさまってる英霊じゃなく、ただの亡霊だからなそれぐらいなら俺の力で

も何とかなる。」

 

どうする?と声が聞いてくる。

 

「ちなみに早く決めてくれないとあんたの意識もそのうち消えちまうぜ。」

 

と言ってきた。

 

「ふむ、このままここにいれば消えて無くなるというのだ。それならば、そなたがくれるという第二の人生を貰って生きるのもまた一興よ。」

 

私は「よろしく頼む」と声にいうと、

 

「あいよ。そんじゃ、いい人生を送れよ。」

 

そう声が言ってきた。

 

「忝い。」

 

私は声に向かって言った。

 

そして、私の意識は再び闇に落ちた。

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