削除して再投稿でも良かったですが、せっかく見ていただいて感想も頂いているのでそのまま投稿します。
乗るしかないこの呪術ウェーブに。
入学から半月あまりが経ち、実地訓練という名の
今日も今日とて都内の低級呪霊スポットを3つほど巡ってヘトヘトな俺は、補助監督である伊地知さんの運転する車に揺られながら帰ったら風呂にも入らず寝てしまおうと画策していた。
そんな算段は高専入口に立っている五条先生のニコニコとした笑顔にたち消えてしまった。それなりの付き合いになった今、あの表情の五条先生が面倒くさい事だけは直ぐに分かった。
「追加の任務ですか?」
「あら、ご機嫌ナナメ?」
「疲れてるんです」
相手にした呪霊はどいつもこいつも雑魚だったが、数が多かったり、潜伏していたり、一般人を人質にしていたりと面倒くさい奴らばっかりだった。
俺自身の体力の無さもあってかここ最近で1番疲れているので、是非とも用件を早く言って欲しい。出来れば面倒くさくないやつで。
「開己は早いとこ体力つけようね」
「分かってます。それで、何の用なんですか」
「それじゃ、着いてきて」
内容を伝えてくれないということは面倒くささ2割増といったところ。伊地知さんに別れを告げ、ながーい脚で軽やかに歩く五条先生の後に着いていった。
◆
「今何かの結界跨ぎましたよね」
それからムダに広い高専の敷地を歩くこと10分弱、入ったことのない門を
高専には多種多様な結界が施されているが、今潜った結界は根本から強度が違うように感じられた。まるで内と外が別世界のようだ。
「もしかして異なる場所を繋げてる感じですか」
「よく分かったね。その通り、ここは天元様の結界のハズレ部屋だよ」
「ここが噂の……」
天元様、呪術界の最重要人物であり、日本全土を覆う結界の基底だ。天元様の住まう薨星宮へ至る道は1000以上ある扉のうち1つだけが正解で、それも毎日のように変わっていると聞いたことがある。
そのハズレの1つがこの部屋のようだ。
俺も結界術を扱うものの端くれ、天元様が作ったこの結界の構成や要件を細かく観てみたい気持ちも有るがグッと我慢して五条先生に着いていく。
何故なら視線の先に貧乏ゆすりしている家入さんが居るからだ。一体何時から待たせてるんだ。
「やっほ硝子、連れてきたよ」
「……もう帰ろうかと思ってたところだよ」
ヘラヘラしてる五条先生に対して明らかにキレ気味の家入さん。この感じは少なくとも1時間は待ってただろう。
今日任務を3つ入れたのも、この会合を直前まで伝えなかったのも横にいるバカ目隠しだと内心責任逃れしつつ、深々と頭を下げ謝罪した。
「お待たせしてすみません」
「いや、いいよ。どうせ五条のせいだろうし」
「想定だと開己はもっと早く帰ってくるはずだったんだけど、当てが外れたね」
「キレそうです」
疲れている時の五条先生はかなりキく。家入さんも頭を抱えてる。
「時間ないし、さっさと始めよう……キミ、今日なんで呼ばれたか聞いてないだろうから説明するよ」
「ありがとうございます」
流石家入さん、話が早い。
「端的に言うと、私と五条を領域に入れて呪糸を作ってもらいたい。目的は反転術式の籠もった呪糸を作ること」
「え、は……はい」
領域の術式効果で家入さんの反転術式の籠もった呪糸を作ってそれを治療に活用する感じか。なるほど……なるほど?
「いや、待ってください。五条先生はともかく、家入さんが
これはマジだ。何故なら領域展開は呪術の最奥にして必中必殺、それは俺の領域も例外ではない。
術式対象から外すならともかく今回の場合は明確に対象にしなければいけない。呪力量は把握していないが、並の術師相手なら3秒も有れば呪力切れだ。
ヤマカンで2秒の領域展開とかで試すとしてもリスクがある。そもそも人間相手に領域使ったのって五条先生に対してだけだし。
「そんな危険だって聞いてないんだけど」
「大丈夫大丈夫、ヤバそうになったら僕の領域で上書きするからね」
ウソだろ。セーフティのくせにリスクがデカすぎる。
家入さんも眉を顰めてる。五条先生なら大丈夫だろうという信頼と、それでも拭いきれない不安がせめぎ合ってるように見える。多分俺と同じ気持ちだ。
「領域の出力と要件整えるので、5分くれませんか?」
「ん? 出来るの?」
「はい」
普段からやってる術式対象の選定よりも手間はかかるが、五条先生の“死ぬ前に殺す”みたいな乱暴な案よりずっとマシだろう。
即席の縛りを自分の中で結ぶ。領域の対象を2人に絞り、一定以上の出力にしない事を誓い、その代わりに得るのは精密操作。これで術式対象の更に細かい選定と術式効果のオンオフが可能になったはず……いや“した”。
右手の親指にその縛りの内容を編み込んだ糸を結わう。縛りを反故にすればこれがきつく絞まることになる仕組みだ。ここで重要なのはこの糸自体は無視できる程度の痛みを与えてくるだけで特に強制力を持たせないのがミソだ。
その気になればいつでも破れる縛りを意識して守る方が縛りとしての効果が高い。
そんな俺の様子を見ながらなるほどと口にする五条先生。六眼で細かいところもお見通しなんだろう。
「僕ほどじゃないけど器用だね」
「縛りとは生まれた時からの付き合いですからね」
こちとら生まれた時から無くせぬ縛りを強いられている。それを解決するためにあれこれ工夫した結果、縛りに関してはそれなり以上の自信がある。
恐らく五条先生は片手間かつアドリブでやれるんだろうが、この人は例外だろう。
掌印代わりの紋様を右手で織れば準備完了だ。
「それじゃあ始めます」
【領域展開・
術式の要件を変えたことで領域内の風景も少し変わっているようだ。
本来は周囲を取り囲むように配置されているいくつもの糸車が領域の真ん中で宙吊りになっている1台だけになっている。
この糸車と領域の出力なんかが完璧に連動しているという寸法だ、目で見て分かりやすい。
「いつも通り、反転術式のアウトプットすればいいんだよね?」
「はい。後は僕がやるんで」
ちょっと気の抜けたような相槌の後、家入さんの右手から呪力とは真逆のエネルギーが立ち昇る。
すかさずそれを目掛けて術式を発動する。
「僕の領域、大宜都桑園の必中効果は至ってシンプルです。紡糸繰術の術式対象を僕の呪力から領域内の
術式の開示を行えば術式の出力が上がる。呪術の基本だ。この貴重な機会を無為にするわけにはいかないので、基本中の基本であっても出来ることはすべてやるべきだろう。
カラカラと静かに糸車が回り、家入さんの指先から朝焼けのような輝きを放つ糸が紡がれていく。
その糸からは家入さんの反転術式と全く同質のエネルギーが感じられる。
他人の呪力で紡いだ糸をマジマジと観察するのは初めてだけど、こうも違うものか。
今作られてる糸は俺が普段作る糸と比較してかなり柔らかく、透けるくらいに澄んでいる。見た感じ強度は弱いから縫い糸としては使えないだろう。
「ちょっと、一旦止めて」
糸の用途を考えつつ1分ほど回していると家入さんから声がかかった。慌てて術式を止めて、ふと家入さんを見ると肩で大きく息をしていた。
ひと目見て分かった。これは呪力切れの症状だ。
「大丈夫ですか?」
「まあ……うん。……思ってたよりも勢いよく呪力喰われたからさ」
「すみません、全然気付かなくて……」
出力は本気のときの1割くらいのつもりだったが、それでも家入さんにはキツかったようだ。
前線でバリバリ戦ってる術師と医療部門の家入さんを同列で考えてたのはマズかったかもしれない。
これだけ消耗したら今回は家入さんの分はもう終わりだろう。となると次は――――
「鍛え方足りないんじゃないの〜硝子」
「……あんたも反転してるのを吸われりゃ判ると思うよ」
「視た限りは平気そうだったけどね。次は僕ね、開己」
「分かりました」
五条先生なら万一が有っても平気だろうし、家入さんの時より出力上げちゃおう。
そんな考えの元、五条先生の頭辺りで作られている反転術式目掛けて必中効果を発動した。
家入さんのときと違う、青空のような色の
「さっきより出力高くない?」
「五条先生なら平気でしょう?」
「まあね。いい機会だから教えるけど、反転術式って普通に呪力練るよりも倍以上効率悪いんだよね」
「そうなんですね、そういえば反転術式は呪力同士を掛け合わせて作るとかって言ってましたね」
家入さんの消耗はそれが理由か。
このまま五条先生を呪力切れに追いやっても良いが、その前に術式を発動する俺の呪力が尽きるかもしれないのでやめておこう。
「ある程度紡げたので一旦止めますね。早速お二人の呪糸を比べて検証しましょう」
そう言って俺は適当に鋭い糸を作り出して左腕に2つ切り傷を付け、今しがた作り出した反転術式の糸で傷口をそれぞれささっと縫合していく。
「痛くは……ないんだよね」
「はい、痛覚無いんで」
天与呪縛もこんな時は便利だ。
縫合が終わるや否や家入さんの反転で作った糸の方に変化が有った。
「お、家入さんの方は反転作用しましたね」
じわじわと傷口が癒え、縫合していた糸も込められた反転術式が作用するに連れて消えていった。
実験の第一段階は成功だ。
「で、五条の方は」
「今のところ変化は無いね」
いつの間にか目隠しを取っていた五条先生は六眼で残った傷口をじっと観察している。
その視線はいつになく真剣に見えた。
それからしばらく待ってみたが、五条先生の反転は上手く作用しなかった。
「予想通りかな」
「こうなると思ってたんですね」
「うん。僕の反転術式じゃ他人は癒せないからね」
アウトプット出来るかどうかの違いかとも思ったが2人の反転術式は紡がれた糸からも分かるように根本的に質が違っていた。
じゃあ五条先生の反転術式が籠もった糸は無駄かと言われるとそうでもなかったりする。
「五条先生なら効果ありますかね、この糸」
「あるよ。見せてみよっか」
言うや否や、左手の人差し指をポキっと折る五条先生、貴方痛覚ありますよね。
驚きつつも素早く五条先生の糸を指に巻いていけば、あっという間に指が元に戻っていく。
「思った通り効果有りますね、とはいえ反転術式ある人ならあんまり意味ないですね。糸にするせいか回復効果もそこまで高く……あれ」
思えば家入さんの糸で治した俺の切傷はゆっくりと治っていったが、五条先生の骨折はあっという間だった。
どちらかと言えば治しやすいのは切傷だし、これはどういう事だろうか。
疑問を抱きながら2人に視線を向けると家入さんは俺の左腕に残っていた傷を反転術式で治しながら言葉を紡ぐ。
「反転術式は本人で使う場合と他人に使う場合とで効率が全然違うんだ。私自身でなら吹っ飛んだ手足も生やせると思う。試したことはないけど」
「それはまあ、試せませんね」
俺なら反転術式で何処まで治せるかチャレンジするかも……左半身なら痛みはないし。腎臓は都合よく2つあるもんね。失敗しても痛くない。
「
「なるほど」
言われてみればこれまで呪霊を直接糸にした時も呪霊毎に作られる糸は千差万別だった。品質が安定しないからと捨ててたせいで気付かなかったけど、そう言う理由か。
同じ性質の呪霊を用意できれば同じ質の糸が作れるかもしれない。
そんな呪霊家畜化計画を練っていると、自身の反転術式で作られた糸を眺めていた五条先生が口を開いた。
「うーん、ちょっとアテが外れたかな。呪力が漏出してるから長持ちしないし、硝子の消耗も大きいから大量の備蓄も無理そうだね」
「それでも使い途はあるよ。タイミング有ったら頼むかもね」
嘘だ、家入さんの目には明らかな落胆の色があるし、3時間と持たずに消える簡単に千切れる糸なんか信用性低すぎて使い途はない。五条先生に至っては煽ってるみたいにヘラヘラして……これはいつもの五条先生だな。
ともかく「機会が有ればお願いするかもしれません」なんて、暗に用が無いですって言ってるようなもんだ。
こんな俺でも紡糸技術に関してはそれなりのプライドがある。
「
糸を
かつて手慰みで作った呪力を溜め込むミサンガみたいなものだ。あれの極細版を最初から家入さんの反転術式で満たした状態で作る。それだけ。
呪力を起こし、術式を行使する。初めて作る糸にワクワクしている自分がいた。
そうして1分と掛からず、糸は紡ぎ直される。
朝焼け色だった糸は夜の帳が下りたような濃紺に染まっている。
完全新作、それも納得のできるレベルのものが仕上がったと思う。
「葛陰新作・転術糸と言ったところですかね。反術糸と迷ったんですけど、それだとまるで術式を阻害するみたいな印象を受けるのでやめておきました。縫合糸として使う以上視認性は高くしないといけないので色は変えてます。結界術を仕込んだ影響で光が透過しなくなったのが原因ですが。使い方は簡単でハサミとかで切断すると反転術式を包んでる結界が自壊を始め反転術式の効果が現れるようになってます。反転術式が籠もってるので太さはとりあえず外傷に使う3号にして――――」
「五条」
製品説明してる最中だったけど、家入さんに突かれた五条先生が転術糸を手に取りまじまじと見つめ始めたので一旦中断する。医療用品だからしっかり説明しないといけないのに。
数十秒しっかり見つめた後、五条先生はいつも通り上機嫌な笑顔を浮かべる。
「開己、これで食っていけるよ」
「食ってってたのを引きずり出した先生が言うと説得力違いますね」
そもそも本業はそっちです。
「ねぇ、これはどんくらい保つの?」
「品質保証期間は2年ですかね。あくまでも適切に保管されていたらですが」
「いや、10年は持つよ。出雲大社レベルの結界強度だ。と言うか、そのものだよね」
流石は五条先生だ。この糸は出雲大社の
普段作るときは色々と簡略化して作る結界糸だが、今回は医療用品ということもあって、その構造を限界まで搭載して品質を高めている。
製品を褒められて有頂天になっている俺に対し、家入さんが若干前のめりに声をかけてきた。
「幾つか確認と要望有るんだけどいい?」
「ええ、勿論です」
顧客の要望に応えるのが職人の仕事。ここはしっかり傾聴せねば。
「まず確認なんだけど、強度はどのレベル? これもさっきの糸みたいに吸収性だよね? で、要望なんだけど、針付きを作って、針は強湾と弱弱湾が有れば後はこっちで何とかする。太さも最低限2-0と6-0も欲しい。そもそも無菌状態でのパッケージは必須。それと――――」
想定を上回る確認事項の量! 要望が完結しない!
ドヤ顔で解説していた俺が恥ずかしい。つい忘れていたけど、家入さんは医療のプロだ、現場の要件を十分に聞かずに納品するなんてプロ失格だ。一言一句漏らさぬよう耳と脳をフル回転させた。
「僕ので作った糸でも同じの作っといてね。じゃ、僕は先に帰るから。お二人はごゆっくり」
何か聞こえた気がするが、家入さんの要望を聞きつつそれをどう実現するかを考えている俺に意識を割く余裕は無かった。
それからみっちり夜が明けるまで試作と打合せを続け、転術糸第18号(製品版)が完成を遂げた直後、達成感と同時に襲ってきた領域展開による呪力の消耗と術式焼き切れ、元々無い体力により俺は抵抗する間もなく失神した。
◇
「おかえり〜。滅茶苦茶眠そうだね硝子、反転術式使えば?」
「殺すよ」
限界まで転術糸を作り、呪力切れと徹夜の疲労感を抱えた状態で立ったまま気絶した葛陰を寮まで運び、ようやく自身のオフィスにたどり着いた家入を迎えたのは、2割増しで口角の上がっている五条であった。
著しい呪力切れの為に疲労感を反転術式で緩和することすらやめている家入は、昨晩いつの間にか姿を消していた五条に対し最も強く短い言葉で不満を顕にする。
不眠不休で動き続けられる奴がさっさと帰ってラフな格好でリラックスしていたら誰だってそう思う。
「僕もまさか一晩で完成するとは思ってなかったよ」
「同感」
それについては異論はない。家入自身の多忙さに加え、葛陰の領域に入れるタイミングとなればチャンスは限られると考え、この機会に可能な限り検証を進めようとしたところ、夜通しやる羽目になって結局完成にこぎつけたのだから酷く驚いた。
「けど、2人とも根性あるね。消耗してたし、開己がそんなに領域使えるとは思わなかったよ」
「私も、せっかくの機会だったし、領域が維持できなくなるまで続ける事にしたんだけど、まさか完成するまで維持されるなんてね」
「…………それホント?」
「五条は知ってて帰ったんじゃないの」
六眼で視て長引くと判断して五条は姿を消したのだと家入は思って居たが、そうでなかったらしい。
長持ちするタイプの領域もあるし、そういうものだと今の今まで思っていたが、五条が「へぇ」と歯を見せて笑って居るのを見て、その認識が間違っている事を悟った。
「維持に特化した領域とかじゃなかったってこと?」
「うん。アレは間違いなく開己が前に見せた必中必殺の領域だった。多少出力を抑えてリソースを維持に回してたけど、それでもそんな長持ちする代物じゃないね。そっか、アレをずっと維持してたんだ」
呪術や呪力において五条の見立てが外れる事はまず無い。つまりそれは葛陰は必中必殺の領域を4時間ぶっ続けで展開していたと言うことだ。
「……あり得ないだろ」
「そう、あり得ないね。
たとえば長持ちする領域といえば、呪霊の生得領域なんかが挙げられる。しかしそれは領域自体に対象を直接傷付けるような効果が付与されていないからこそ成り立っている。方向感覚を狂わせたり、閉じ込めることで入った人間の消耗させる様に作られた捕食場というのが本質で、獲物を消耗させた後は呪霊本体が襲いかかりそれを捕食する。
術師が使う領域にも、相手を傷付けられない等の縛りで領域の持続時間を稼ぐ領域も有るには有るようだが、
つまるところ、葛陰開己は少なくとも領域に於いては、
それが良いと思うか悪いと思うかは人による。
「大変な事になりそうだね、あの子」
「僕が守るよ、大切な教え子だからね」
「そう」
軽やかな足取りで部屋を後にする五条を見送った家入は葛陰の今後を憂い、無性にタバコが恋しくなった。
五条はどちらかと言えば加害者側だよ。そう言わなかったのは、同期へのささやかな配慮か疲れか今の家入には分からない。
ただ、久々に心から嬉しそうにしてる五条の姿を見て、胸の奥にしまった青さを少し思い出した。
葛陰には強く生きて欲しい。家入は切にそう願った。
葛陰から新発売の「転術糸」!
お値段たったの7000万円!安いよ安いよ!命に比べたら全然安いよ!
等級:査定中(推定1級呪具) 消耗品としては破格の等級である。
転術糸18号(製品版)取扱説明
5本で1束。内訳:鎮痛用(緑色)1本、治療用(青色)3本、多用途(赤色)1本
基本的な使い方は包装から取り出した後、糸束から必要分を引き抜き、針先で傷口周辺を刺す。後は針が自動的に動き縫合もしくは治療を行う。
仕様の判断基準は、死ななそうなら緑、死にそうなら青、分からなければ赤、死んでそうなら全部。
使用後は完治した場合でも必ず医療部門を受診すること。
以下、転術糸購入及び使用に当たっての縛り
・第三者への譲渡・転売を禁ず
・所持状況の高専関係者以外への伝達を禁ず
・加工及び改竄を禁ず
・製造方法の調査を禁ず
etc...
いずれかの縛りを破った場合、所有していた転術糸は全て消失し、転術糸に関する記憶を失う。
色々と試し、誰でも使えるように今の形に落ち着く。
正式発表はまだ先、ある程度の量産と諸々の準備が完了してから。