人生ずっと迷子、この小説もずっと迷子!!!!! 作:柳芽帆奈
ああソヨニウムが足りない!あれは必須アミノ酸なのだ!俺の身体の90%を構成するとても重要な栄養素なのだ!一刻も早く摂取しなければ俺は死んでしまう!そんな訳でそよのいる教室に行こう!
「そよぉ!未来のダーリンが会いに来たぜぇぶらいかっ!?」
しかし!そんな俺にそよは黄金の右フックをお見舞いした!肉体言語でコミュニケーションなんて聞いてないよぉ!?
「キモイキモイキモイ!最初の一言がそれかこの腐れ外道!」
「夫が妻のいる教室に来て何が悪いのでそのゼインドライバーをしまってくださいお願いしますなんでもしますから」
「ん?今何でもするって言ったよね?」
「はいぃ!わが女神のいう事ならば!」
「野球やろうか」
「はぇ?」
連れてこられたのは月ノ森の敷地内にあるグラウンド。俺は連れられる前に気を失わされ、気づいた時にはなんと手足を椅子に縛られていた!しかも椅子の位置はバッターボックスではなく、ホームベースの真上だ!おいそよ!これじゃまるで野球って書いて処刑って書くやつじゃないか!?
『ピッチャー変わりまして、長崎。9番、ピッチャー長崎』
「おいそよどういうことだ!?俺を殺す気なのか!?」
『そうよ殺すのよ!』
「無慈悲!あとそよかと思ったらそよの顔のお面を貼ったただのピッチングマシーンじゃないか!え~ん!殺されるなら本物のそよに殺されたいよ~!(大泣)」
『私の手はただでさえ荒れてるの!そんな穢れた血を浴びたらもっと荒れるから嫌よ!』
「それはお前がいつも指いじってるからじゃないですか(正論)」
「よし殺す。時速285㎞のストレートを顔面にぶつけて一瞬の痛みも残さず地獄に堕とす」
「あら意外と優しい!でもなぜそんな中途半端な速度なんだ!やるならもっとキリのいい数字にしろ!」
「ふん、じゃあ時速505kmにしてあげるね」
「人の話聞いてた?」
「えい」ポチ
グォン、グォン、グォングォングォングォングォングォン……
「く、くそおっ!やられっぱなしでいられるか!」
何とか暴れて抵抗しようとするが、椅子はびくとも動かない……しかし。
「あ!腕のロープが!」
なんと、腕のロープが緩み始めていたのだ!これはチャンス!ピッチングマシーンが回転数を上げているわずかな時間で何とかもがいてついに両手が自由に!
「これでアレが使える!」
俺は両手の手の甲で顔を覆い隠す。そして、いないいないばあの要領で一気に顔を顕にする。この一瞬に全生命力を開ききる。自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それだけでいいんだ。また、それしかないんだ!
さあ、みんなで叫ぼう!岡〇太郎が遺したあの言葉を!
「芸術は爆発だ!」
瞬間、ピッチングマシーンが色とりどりの液体と化して爆発する!そして、グラウンドも爆発する!ついでに月ノ森学園も爆発する!辺りは一面更地だ!都心に広大な土地を持ち、お嬢様校と呼ぶにふさわしき長き伝統を持ち、金持ちたちの威厳がそこかしこにちりばめられていた我が母校は草一本も増えぬ都内屈指の一等地と化したのだ!さあ来い!デベロッパーたちよ!お前たちの飯の種はここに置いてきた!
世はまさに、大開発時代である!
「ていう夢をそよの膝枕で見てたんだ」
「うん、お前もう喋るな」
「で、でも、なんかすごい情報量の多い夢だったね……」
「おもしれー枕」
「そよさんの膝枕、そんな夢が見れるんだ……私も一回膝枕してもらいたいな~」
「私の膝はそんなトンチキユメミー枕じゃないよ~この人がおかしいだけだよ~」
五者五様、そう呼ぶにふさわしい反応の数々をするMyGO!!!!!の五人。ちなみに今いるのはRingのカフェスペースである。
「それで?今日はライブなんだっけ」
「う、うん……!」
「おとなしく客席で見ててね」
「えっ、そよさん、そこは頑張るからねとかじゃないの」
「今までの所業を見て考えてからモノを言え産業廃棄物」
「うーん、登はトラブルしか持ち込んでこないからね。普通に私たちを応援してくれたら一番嬉しいよ」
「ひどい」
そんなこと言われたら、こうh……涙が出るじゃないか!
「ちなみに、チケット持ってきてるよな」
「チケット?」
ああ、そうか。そういえば俺MyGO!!!!!関係者専用のチケット持ってたんだっけ、バックステージパス付きの。
「あるに決まってるじゃないか、勿論カバンの中に…………」
「…………?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……おい、こっちを見ろ」
「……ナ、ナンデスカタキサン」
「お前、チケット忘れただろ」
「サ、サアナンノコトヤラ」
「おい(圧)」
「さーせんした」
「うわまじか」
「ち、チケット忘れちゃったの……?」
「予備があったらいいんだけど……」
「持ってきてないからね」
「おし、諦めろ。それか金出して一般枠で買うかだな」
立希がそう宣告する。現実はそう甘くないのだ!高いけど、おとなしく一般枠で買うか……
「あれ、みんなどうしたの?なんかやけに騒がしかったけど」
「あぁ凛々子さん、こいつがチケット忘れちゃったらしいんすよ」
「あらら。今日の分のチケットはもう売り切れちゃったから、もう買えないんだよね」
「そんな、そよの演奏を見られないなんて!」
「いや、私たちも忘れないでよ」
「……でも、ちょっとお願い聞いてくれるなら関係者席を出すよ!」
「ほ、本当っすか!」
まさかの提案をしてくれた凛々子さん。ありがとうございます!マジ天使!
「それで、俺は何をしたらいいんですか?」
「それはね……ちょっとこっちに来て」
~sideそよ~
というわけ凛々子さんに連れられてどこかに消えた登に変わって、ここからは長崎そよがお届けします。時刻は夕方の6時。もうすぐライブが始まるという事で、私達5人は楽屋入りしてお着換え中。部屋に置かれているテレビにはステージの様子が映し出されています。
「登、何してるんだろうね?」
「お、お手伝いかな……?」
「まあ順当にいけば、そうだろうな」
「でも、私達の出番のころには見てくれてるだろうし、心配しなくても大丈夫だよ」
「ま、そうだよね」
「で、出番までもう少しあるから練習しよう!」
「オッケー……ってあれ?楽奈ちゃんは?」
愛音ちゃんの言葉で辺りを見回してみると、ここにいたのは4人だけ。さっきまでいた楽奈ちゃんがいつの間にか消えてしまいました。
「おいおい、あの野良猫またいなくなったのか!?」
「ん……あ!み、みんな見て!」
燈ちゃんの声でみんなが一斉にテレビに注目します。そこには……
「えーみなさん!本日最初のバンドなんですが、メンバーが体調不良で急遽演奏できなくなってしまいました……なので、代わりにこちらの二人のパフォーマンスをお届けします!」
「ど、どうも、赤松登です!そして隣にいる白い猫みたいなやつが」
「らーな」
「……要楽奈ってやつです。今日はちょっと緊急事態という事で、俺と楽奈でセッションするけどいいかな!?」
『いいとも!』
「おぉ、みんな知ってたんだ。それじゃあね、今日はパワフルなNK-POPをお届けしようと思うんでね!みんな楽しんでいって下せえ!」
ワァァァァ
え!?登と楽奈ちゃん!?なんでステージに上がってるの!?も、もしかして凛々子さんのお願いってつなぎ役でステージに上がってくれってことだったの!?しかもなんかNK-POPって何?K-POPじゃないの?
「い、嫌な予感がする」
「立希ちゃん、奇遇だね。私もそう思うよ」
あのバカ野郎はろくなことしないから……
「それでは聞いてください、『我らにはあなたしか知らない』」
~♪
すると、無駄に豪壮なギター演奏が耳に飛び込んできました……NK……あぁ、North-Koreaだこれ。
「あの馬鹿ども……よりにもよってコンギョじゃないのかよ!」
えそっち!?
「アーこれ有名だよね、通称『金正恩のキャラソン』」
金正恩のキャラソン!?そんな曲なのあの曲!?
「
ん?今MyGO!!!!!って言わなかった?
ん?待って、歌詞の和訳おかしくない?なんで私出てるの?ま、まさか……あんのクソ野郎!金正恩の名前を全部長崎そよに変えやがったなぁ!?後ろに出てる映像も私たちが住んでる近辺ばっかり映ってるし!やだよ!こんな曲私のキャラソンにしないで!
~♪
そして間奏がいやに豪華なのよ!楽奈ちゃん、なんで弾けるの?後観客!こんな曲で盛り上がらないで!私すっごく出にくくなっちゃうから!同志とか将軍って呼ばれるキャラじゃないの!バンドリってことぐらいわきまえろ!」(発狂)
「そ、そよちゃん落ち着いて」
「やめろ燈!あいつはもうだめだ!」
「そよさんご乱心だァ」
おい!なにあの映像!ライブ映像の私のとこだけ切り貼りしてるの!?私しか映ってないじゃん!あとよくファンにもみくちゃにされる映像まで持ってきやがったなオイ!
『
観客!合唱するな!手拍子するな!写真見て涙流すな!
「みんな、ありがとう!MyGO!!!!!は3組目だからぜひ同志長崎そよのお姿をその目に焼き付けてね!しーゆーアゲイン!」
「殺す、絶対殺す、核ミサイル使ってでもあの野郎だけはこの手で抹殺してやる」
「そよちゃん……こ、怖いよ」
「もう目が死んでる……まるで8話のおためごかしと言われた後みたいだ」
「そ、そよさん演奏できるの?」
「ちょっと待ってね……」
私はやり場のないストレスを解消させるために興奮冷めやらぬ舞台袖に足を向ける。
「おお同志!おまちしておりえんていしょん!?」
「フゥー……フゥー……」
「そよ落ち着け!ほら!観客のみんながそよたちの事を待ってるよ!」
「お前のその浮かれた声帯潰して、もう二度と喋れないようにしてやる」
「お、落ち着
そのあとはもう何も覚えていません、次に気が付いたのはライブに出る直前でした。まあなんとか演奏できたのでよかったです。でもみんなあれから私が出てくるたびに『ママー!』と叫ぶようになってしまいました。いわれること自体は嫌じゃないけど、広まったきっかけがねぇ……
この小説、パロディしかないのを見てなんか泣けてきた。でも後悔してません。あと北朝鮮の音楽は日本国内だと著作権フリーなんですって。だからみんなもどんどんチョソン音楽を聴こうね!