あべこべ世界で性別隠しながら無双したかった 作:バグった魔法使い
自然と目が覚めた次の日、ルインは起き上がる。
「あー…かけないとな」
フードを被り、浄化の魔法に認識阻害の魔法を自分にかけたルインは部屋を出る。
そして冒険者ギルドに向かったルインはいつものようにリュールとルディの二人の元へ向かう。
「おはよう、二人とも」
「おはよ、ルイン」
「ああ、おはようルイン。今日は特に何も決めていなくてな…ルインは何かしたい事はないか?」
「特には」
そんなルインの後ろで、二人の新人冒険者は気配を消して悩む
「うぅ、既にフリーじゃなかった…」
「でも切り札『新人特権でパーティに加わる』がある。それでいこう」
リルとルナはゆっくりとルイン達に近寄った。
「あ、あのっ!」
「ん?どうかしたのか?」
リルの呼びかけに、リュールが振り向く。
「ほわ…綺麗な人」
「はは、ありがとう」
微笑むリュールに気を取られかけるも、リルは意識を戻して手に持つクエストの紙を見せた。
「あのっ、私達昨日冒険者登録した新人で…このクエストしかもう残ってないんですけど…人が足りなくて…」
そう言って見せた紙には
浄化槽で溢れたスライムの討伐
最低参加人数5人
と書かれていた。
「ふむ、浄化槽のスライム討伐か。懐かしいな」
「そうだよねぇ、新人の頃は寄せ集めで何とかやったよね」
リュールとルディは懐かしそうに紙を見て呟く
「私達が入れば人数は揃うな、ちょうど今日はやる事もないし、良いだろう?二人とも」
「ん?全然オッケー!むしろルインがいる分早く終わるでしょ!」
「問題ない」
その返事に頷いてリュールは振り向く
「仲間も問題ないと言っている、同行しよう」
「ありがとうございます!」
リルとルナは頭を下げる
「では向かおうか」
「新人だと場所も分かんないでしょ?私達が連れてくよ」
そう言ってリュールとルディが前に行く
「ルイン、こっちだ」
チラリとルインを見て、リュールがルインの手を掴んで引く。
「ああ、ありがとう」
そんな姿を、リルとルナは見つめていた。
そのまま二人が先導して浄化槽へと繋がる扉の前に辿り着く
「ここが浄化槽に繋がる扉だ」
「多分、またスライムで溢れてると思うから…氷魔法使えるなら楽なんだけどね」
そう呟くリュールとルディにルインは答える
「…使えはする」
「なら楽勝だね!二人とも安心して、ルインはこう見えて強いから」
ルディはそう言って扉を開いた。
それと共にドバッと溢れたスライムにルインはぼそっと呟く
「
その呟きと共に地面から氷の剣が生え、スライム達を串刺しにして凍り付かせる。
スライムがルインのフードに触れる寸前だったのを見て、少しだけ息を吐くルイン
「わぁ…流石」
ルディも凍り付いたスライムを見て呟く
「すごい…」
「詠唱短縮して…この精度…なの…?」
リルは口を手で覆って驚き、ルナは目を見開いて呟く
「みんな、驚くのは良いが早く入るぞ。スライムがどんどん出て来るからな」
リュールが大楯を構えながら扉から入る。
その言葉にルインは後に続けて入り、ルディはリルとルナの手を引っ張って入る
中は五人が横に並んでも余裕があるほど広いものの、光源がない為に暗い
「ここは私が、『光を灯し、我が道を照らせ。《
ルナがそう唱えれば、サッカーボールほどの大きさの光の玉が現れ五人の頭上に浮かんで辺りを照らす。
それと共に、スライムが至る所に居るのが見えた。
「うわっ、予想以上に多いじゃん」
「そうだな…やはり定期的な討伐がされてなかったか」
その光景を見て引くルディと、大楯に剣を構えながら淡々と呟く。
スライム達が五人の存在に気付いたのか、ゆっくりと近寄って来る。
「来るな…ルイン、エンチャントを頼む」
「私もー!」
そう言ってリュールは剣を、ルディは短剣を構える
「
ルインがそう呟けば、二人の武器に氷が纏わりついて冷気を出す。
「じゃやろっか!新人は見ててねー!」
「無理はするなよ」
ルディがスライム集団に飛び込み、続けてリュールが討ち漏らしを叩き切る。
その光景をぽかんとした顔でリルとルナは見つめていた。
「すっご…」
「熟練の冒険者だ」
そんな二人に上からスライムが襲いかかる。
それを見たルインは即座に氷の剣を作るとスライムに投げつける。
パキリと凍り付いて落下したスライムに二人は驚く
「気付かなかった…」
「油断した…」
「…スライムとはいえ油断しないように、纏わりつかれたら窒息死する」
そう言ってルインはリュールとルディを追いかけた。
「三人ともすごいや…追いつきたいな」
「そうだね…」
リルとルナは、そんなルインの背中を追いかけて走り出した。
リュールとルディは、浄化槽に発生した魔物に手こずっていた。
「うわっ、もう鬱陶しいよ!あちこちからスライム湧きまくるし!」
「この発生頻度、スライムクイーンが居るな!」
浄化槽がすぐそこだというのに、大量のスライムに妨害されて近寄れない。
そんな二人の元に、ルインとリルとルナが合流する
「うわっ、数が多い!やっちゃうぞー!」
「これが…放置した結果」
リルは剣を構えて腰を下げると一気にスライムを切り刻む。
「新人!中々良い動きをするじゃないか!」
「えへへ、これでも『狼牙流』を代々受け継いできた剣士なので!」
そう答えながら、リルは湧きまくるスライムを斬る。
「『空気よ凍てつけ、目に映る魔は、我が身を阻む事叶わなず《
ルナは詠唱を行うと全てのスライムは凍り付き、発生しなくなった
「はぁ…はぁ…今の私だと、これが限界…」
息を荒げて座り込むルナに、ルディは言う
「全然大丈夫!後はボスが出て来たら叩くだけ!」
凍りついたスライムを蹴って叩き割りながら、浄化槽に接近する
「どうせこの中に隠れてるんでしょ!喰らいなさい!」
そのまま氷を纏った短剣を浄化槽の中に投げ入れる。
すると、ドパッ!と吹き出した水が短剣を押し返す。
「うわっ、と!」
押し返された短剣をキャッチして着地したルディは『自身に起きた変化』に顔を赤らめる
「ちょ、服!服溶けてる!?」
軽装の下に着ていた服が少しづつ溶け、素肌が
それと同時に浄化槽から巨大な少女の姿をしたスライム…スライムクイーンが現れる
「なんて酷い魔物だ、スライムクイーンめ!受けろ!
リュールの剣から放たれた斬撃は的確にスライムクイーンの核を叩き斬るものの、全身が凍り付かずに一部が辺りへ飛び散る。
「くっ!?」
「うわっ!」
「ちょ追加!?」
「ん!?」
四人がスライムクイーンの粘液を被るのを見たルインは即刻自分も回避したが
「…まずい」
床に飛び散った粘液が付着したのか、着ているローブがドロドロと溶け始める。
即座にその場を離れようとするも、足元の粘液に足を取られて滑ってしまい、更に粘液が付着する。
そんなルインの事など知らずに、四人は何とか粘液を振り払う。
「よ、鎧を着ていて良かった…」
リュールは全身鎧を着ていたので見た目の被害が粘液が付いている程度で済み
「うぅ…革鎧着ててよかったけどさ、着てたもの全部溶けたんだけど!」
ルディは上半身が革鎧のみ、下半身は革製のズボンで助かっていた。
「うぇぇ…初めてのクエストだったのにぃ…」
「………」
リルとルナは悲惨だった。何せ革鎧すら着ていないので全裸だ。
「ルインはどこだ…?転倒する音が聞こえたし、怪我をしていなければいいが…」
唯一見た目は無事なリュールが、音がした場所へと向かう
「なっ…!?」
そこで見た光景に、リュールは固まった。
「ぅ…ぁ…」
全裸のまま粘液にまみれ、頭を打った為に意識が朦朧としているのか薄目のまま、何とか動こうとするもつるりとこけてしまうルインの姿を見た。
そして、リュールは初めてルインの顔と体を見た。
余り切られていない銀髪は、粘液に濡れて艶やかに体に張り付き、全身は引き締まった筋肉をしていて、俗に言う細マッチョだった。
顔も整っており、薄く開いた目は綺麗な琥珀色をしている。
そして…女性にはない『ソレ』を見て、リュールの理性はガラガラと崩れる。
「ぁ…あぁ…ルイン…お前は…」
赤くなった顔を覆いながらも、指の隙間からガッツリ『ソレ』を見るリュールは
「男…だったんだな…」
完全に、女の顔をしていた。
その後に来たルディは、その光景を見て飛びかかりかけるも自制しつつ
「ん"ん"ん"っ!!…エッチ過ぎでしょ…というかすっっごく好み…」
と、呟いてルインの体を恍惚として見つめ
リルとルナは『ソレ』を見て顔を赤らめ
「はぁはぁ…すごい…すごいよぉ…」
「…上物…やばい、貪りたい」
「はっ!?やらせんぞ!」
そう言いながらジリジリと近寄るも、リュールに阻まれる。
この後、少し休んで魔力を回復させたルナが認識阻害の魔法をみんなにかけて全員でルインを運ぼうとするも、意識を取り戻したルインが転移魔法を使って逃げた為
リュールとルディはリルとルナの案内で『スズメの止まり木』にあるルインの部屋に向かうも、もぬけの殻になっていた。
その光景を見た四人は結託した。
『必ずルインを捕まえて、自分達だけのモノにする』と
これはR15としてセーフなのか若干心配…