ソードアートオンライン~過去からの転生者~   作:ヴトガルド

1 / 30
定期的に更新するように頑張ります。書きたいから書くなので文才等は期待しないでください。極力丁寧を心がけさせて頂きます。


第一層
過去からの転生者


四乃森家八代目当主予定 四乃森 蒼剣は今仮想世界へと来ている。

 

ソードアートオンライン

 

前世の経験を持つ彼、蒼剣はこの世界に存在するという“刀”に興味を持ちこの世界に来たが少々……いや、かなり落胆していた。

 

辺りにいるプレイヤーから聞いた話ではこの辺りにでるモンスターは猪やミミズが多く、人型ではないらしい。目当ての刀もやはり序盤では手には入らないとの事だ。

 

現実と違い、武具を自由に振れる事自体は懐かしいし、楽しいと言えば楽しいが、いかんせん痛みも無い為、前世の記憶を満足させるほどのリアリティではない。

 

「やはり昔(幕末)のような動きは今は出来んな」

 

現実では前世の日課になっていた修練を赤子の頃から積み、前世の時の14才当時の筋力、敏捷力、技量を再現していた四乃森 蒼剣……プレイヤーネーム“アオシ”はこの世界での自分の筋力、敏捷力にも落胆した。

 

確かに体力や身体を動かすイメージは現実と変わらないが……。敵を斬る感覚や敵の攻撃を受けた際の痛みなど本当の戦いを経験した上ではやはり物足りない。……だからといって昔のように殺し合いを現実でしたいとは思わないが……。

 

 

アオシはとりあえず装備を整え、始まりの街にある修練場へと向かう。

武器の種類は始める前に受けた簡単なチュートリアルで説明を受けた。片手直剣、両手剣、細剣(レイピア)、短剣、片手斧、両手斧、片手槍、両手槍、棍、曲刀とあり、かなりの種類が存在するようだ。

 

その他にも刀や刺突(エストック)、鎌、大鎌、鞭といった武器も存在するらしいが特殊な条件が必要らしく、チュートリアルではその存在を示唆するだけだった。

 

元々この世界にくる前にある程度調べていた俺は迷う事なく曲刀を選ぶ。β版経験者の情報板というところで見た情報ではエキストラスキル“刀”は恐らく、曲刀に関係があるのではないかと書かれていたからだ。

 

メイン武器を手に入れた俺は修練場へと入り、先ずはソードスキルなるものを試す。

曲刀基本技“リーパー”

手に持つ武器をオレンジ色の光が包む。俺はそのまま曲刀を振るおうとすると、身体が勝手に動き、人形を斬りとばした。

 

俺は自分の身体が勝手に動かされた事に激しい不快感がこみ上げてきた。

更にこの、技を放った後に襲う全身の硬直も気に喰わん。

俺は曲刀をしまうとソードスキルは使うまいと結論づけてフィールドに出た。

 

 

 

やはりフィールドにいるモンスターは弱く、手応えもない。

単調に突っ込んで来るのみの猪や尻尾を振るうワームなどは練習にもならなかった。

 

時刻を見るとそろそろ夕飯の時間だ

俺はメニューを開き、ログアウトボタンを探す。

 

「・・・?妙だな・・・ログアウトボタンが無い・・・?」

 

14年の間にその高い知性を発揮し、現実の事をしっかりと把握していた俺だ。

当然このゲームも開始前にマニュアルをナーヴギアのものを含め、把握していたがログアウトについてはメニューから以外の方法は無かったと記憶している。

 

俺はGMコールをする事も考えたが、とりあえず様子を見つつ始まりの町に戻るかと考え、装備している曲刀“スチールカトラス”を鞘に収め歩き出す……。

 

しかし、ほんの10メートル程進んだところで全身を青い光に包まれた。

 

 

 

 

「始まりの町の広場か……。」

 

運営からの強制ログアウトだろうと思っていた俺は、街中への転移だったことに強い違和感を覚えつつ恐らく有るであろう運営からのアクションを待つことにした。

すると続々とプレイヤーが広場に集まりはじめ、あっという間に広場を埋め尽くすほどの美男美女なプレイヤーたちで溢れかえった。

 

それと同時に広場の空が赤く染まった。

赤い空からは血のような赤い雫が落ち、やがてそれはローブを纏う人型へと姿を変える。

現れたのは赤いローブを被り、中身の無いアバターだった。

そのアバターは自らを“茅場晶彦”と名乗る。

 

『私の世界へようこそ。プレイヤー諸君。さて……もうお気付きとは思うが諸君らのシステムメニューにないログアウトボタンについての説明をしよう。……ログアウトボタンがないことは不具合ではない。重ねて言おう。ログアウトが無いのはソードアート・オンライン本来の仕様である。

また、万が一外部からナーブギア、及びソフトへの介入、停止、破壊が試みられた場合、ナーブギアより発生させられる電磁波によって諸君等の脳は破壊されるようになっている。』

 

彼のアバターの周りに数多くのウィンドウが現れた。ウィンドウにはニュースの画面や新聞の切り絵などが並んでいる。

俺はその画面を凝視した。そこには……

 

『現在、あらゆるメディアを通じ警告を出しているが残念ながら213名のプレイヤーが現実、及びアインクラッドから永久に退場することになってしまった。

だが諸君等はさほど心配する事はない。最早大々的にニュースになっている以上、外部からの干渉で死ぬ可能性は極めて低いだろう。

更に、私が提示した猶予期間の間にプレイヤー諸君の現実の身体は病院などに搬送される事になっている。

諸君等は心配せずにこのゲームのクリアに勤しんで欲しい。

……但し、今この時より先、蘇生手段は機能しない。HPが0になればこのアインクラッド、並びに現実世界からも永久に退場する事になる。

その点には充分に注意してくれたまえ。』

 

それを聞いた俺は考える。ナーブギアの基礎設計や先程のニュース画面から考えると奴の話は嘘とは言い切れない。

となれば疑問に思うのは動機だ。奴は俺の知る限り、日本……いや、世界でも名の通った科学者である。この様な事をせずとも恐らくは歴史に名を残すだろう。金銭目的にしてもナーブギアやソフトなど、その多岐にわたる功績を鑑みればまずあり得ない筈だ。

一体何故……。

 

 

『恐らく諸君はこう思っているだろう。何故私がこんな事をしたのか……?なにが目的なのかと……。その答えはこの世界こそが理由であり、答えである。つまり、私はすでに目的を果たしているのだ。…………さて、諸君等に最後に私からこの世界が現実であるという証明に1つアイテムを送らせていただいた。アイテムストレージを見てくれたまえ。』

 

指示通りアイテムストレージを開くとそこには手鏡というアイテムがあった。

警戒してそのアイテムをオブジェクト化せずにいたが、急に全身を青い光が包み込む。

辺りを見てみると他のプレイヤーもまた光に包まれ、やがて全プレイヤーが光りその姿を変えた。

辺りを見渡すと先程まで女性だったプレイヤーが壮年の太った男性に変わっていたり、男性が若い女性になっていたり……。

……俺は手鏡をオブジェクト化した。そして鏡に映る姿を見て理解した。奴はアバターの姿を現実の身体と同じ姿に変えたのだ。

体格まで変わっているところから最初のナーブギアの設定、キャリブュレーション?だったか?で全身をさわるようにしたのはこの時のデータを集めるためだったのか……。

 

『諸君等が解放される条件はただ一つ。この城、アインクラッド第百層のクリアである。ではこれにてソードアート・オンライン正式サービス開始に伴うチュートリアルを終了する。』

 

こうしてソードアート・オンラインは脱出不能のデスゲームとして幕を開いた。

 

 

茅場の姿が消えると同時に、広場の人間の大半はパニックに陥る。しかし、俺は冷静に辺りを観察していた。

死ねば死ぬ。それは当たり前の事だ。今、何よりも大事なのは判断力と決断力だろう。

確かに今の日本では常に死の危険があるのは日常ではない。“四乃森 蒼紫”が生きていた時代でも合戦が始まれば、辺りにいた農民は混乱したりしていたのだ。

それ故に混乱は当たり前の事。……しかし、俺が辺りを見ていたのはこの状況で攻略を始めようとする者がどのように動くかだった。

 

そしてその人物はすぐに見つかった。

同じくらいの年の少年に明らかに成人している男だ。

 

俺はすぐに、しかし、悟られぬように2人の後を付けた。

 

どうやら少年は次の村へ……そして男はこの街に残るようなので、俺は少年から情報を得るべく近付き、声をかけた。

 

「すまない。君に今後どうするべきか情報を教えて欲しい。」

 

少年は、いきなり自分の前に現れた俺に多少警戒の色を見せたが、広場を出たところを見られていたのだろうと考えたのか無視したりはせず、返事をしてくれた。

 

「かまわないが……それを聞くという事は君はβテスターじゃないんだろ?なら同じことはやめた方がいい。先ずはこの周りでプレイヤー自身の戦闘技術を磨かないと……」

 

「その点は特には問題ない。」

 

俺は少年の心配の種を無用(少なくとも現状は)とし話を遮る。

しかし、少年はやや緊張した表情を見せ、数秒後に口を開いた。

 

「……わかった。なら少なくとも次の村までは安全に連れていけるから、そこに行く途中で戦闘技術を見せてくれ。もちろん無理と判断したらその村の転移門から始まりの街に帰ってもらうが……。」

 

「それでかまわん。すまないがよろしく頼む。」

 

「ならすぐに出発しよう。俺の名前はキリト。君はなんて言うんだ?」

 

「俺の名はアオシだ。」

 

キリトと名乗った少年は手を差し出し、俺はそれに応じると2人で始まりの街を出て走り出す。

 

途中、数体の敵と遭遇したがキリトはソードスキルを駆使して一撃の下に斬り捨て、俺は無駄のない動きで敵の攻撃を見切りつつ、無傷で戦闘を終える。

とはいえソードスキルは使用していないので、一撃とはいかず3~4撃ほどの攻撃回数は必要だったが、戦闘時間としては3~4秒程で済んでいるので問題はあるまい。

 

キリトはソードスキルを使わないことを聞いてきたが、性に合わない旨を伝えると多少怪訝な顔をしつつも、見切りや体捌きを見て問題ないとしたようで、それ以上はなにも言わずに目的地であるホルンカの村に着いた。

 

 




とりあえず初回はキリ良くここまでで。

出来るだけ質を良くして投稿できるように頑張りますのでお付き合いいただければ幸いです。

※9月7日修正済み
※10月1日修正済み
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。