「ボクは人間が憎いのだ! ロコちゃん!!」
「止めてハム太郎!? 闇の力に負けないで!」
「へけっ!!!」
番外編 パック開封デスマッチ
「大変よリック!? 十代!?」
『大変でーすよー!』
「うん? 血相を変えてどうしたんだ?」
「あら、明日香じゃない?」
「あっ、明日香クン!?」
『ますたぁ……?』
とある休日の昼下がり。余りに暇だったので、オシリスレッド寮生からなんとなく募ってみたモリンフェンとシーホースを使い、暇そうにしていた十代、丸藤、万丈目らと、朝から俺に着いてきた藤原を加えたメンバーでトランプタワーを作っていたところ、明日香とその精霊のサイバー・チュチュがやって来た。
最近のオシリスレッドではもっぱら万丈目が、袖で溢れた醤油やらソースやらを拭いているのをたまに見掛ける。黒の一張羅を時々、無理矢理洗濯しているサイレント・マジシャンが口を尖らせて不機嫌そうだが、対岸の火事なので気にしてはいけない。というか、万丈目が小火ならこっちは山火事である。
食堂の立て付けの悪い扉を勢いよく開け放ったせいで、机を退けてそこそこの段数を床から積んでいたモリンフェンとシーホースのトランプタワーが崩れたが、元よりネタになるだけのゴミみたいなカードなので仕方あるまい。
さっきから俺の片腕にしがみついてくるせいで、トランプタワーの建造難易度を上げていた藤原を目にした明日香は、半眼になると溜め息を漏らす。
「雪乃……。やっぱり、ここにいたのね。寮に2日帰ってないから鮎川先生心配してるわよ」
「規則は破るためにあるの。ふふっ、それにまた怒られたらデュエルで解決するわ」
「
「いや、それどっちもどっちじゃないっスか……?」
丸藤に諭されて、現実を突き付けられている気がするが知らないったら知らない。俺が被害届を出さない限りは犯罪じゃないんだよ多分。
デュエルアカデミア本館から近いということは、オシリスレッド寮から無茶苦茶遠いオベリスクブルー女子寮から走ってきたのか、明日香は肩で息をしていたので、とりあえずお茶を渡して置こう。
「あら、ありがとう――」
「それより明日香! 大変な用事ってなんだ?」
「あっ……それよ十代!」
明日香は用件を一瞬忘れていたようで、少し溜めるように間を開けてから目を見開いて叫ぶ。
「メデューサ先生が――"パック開封デスマッチ"をするからいつもの面子を集めろって言ってきたわ!?」
『そうなんですっ!』
「パック……」
「開封……」
「デスマッチ……?」
邪神クラスの蛇神がデスマッチという単語を使うだけで、デュエルモンスターズの精霊は即逃げ出しそうだが、頭についた妙な単語のせいで、聞きなれない言語と化したそれは――死ぬほど馬鹿らしい事をしようとしているということだけはよくわかった。
◆◇◆◇◆◇
《これより"パック開封デスマッチ"を開催します!!》
オシリスレッドに居合わせたいつもの面子――俺、十代、丸藤、万丈目、明日香、藤原の5名に、途中で偶々居合わせたツァンを加えた6名は、デュエルアカデミア本館の購買部へ向かった。
そして、こちらを見るなりメデューサ先生の姿になっているヴェノミナーガさんは、何故か拡声器を使って声を大きくしつつそう高らかに宣言する。
見ればその傍らには、風呂桶のような大きさのプラスチックケース一杯に詰まった色とりどりのパックが入っており、少しそれらを知るものなら、ほとんどが最新弾ではなく古いパックだということに気付くだろう。
また、ヴェノミナーガさんの目には
「なんだ……? パックの開封でも手伝わされるのか?」
「でもメデューサ先生のことっスから普通にやらせる気ないっスよ万丈目君」
「ボクなんでこんな得体の知れない集まりについて来ちゃったんだろう……」
本当になんでツァンはついてきてしまったのだろうな。食堂までの廊下で会ったので、もしかするとお昼前だったのではないかと考えると本当に可哀想でならない。
どうせ、いつものヴェノミナーガさんの思い付きで、傍迷惑なイベントかと思っていると、働いている時間のため購買部の制服を着ているサンという名の店員――砂の魔女が、何故か視界の隅でそわそわしている様子が映る。
そちらに目を向けると、ピクリと反応した後、あたふたしつつ目を泳がせてから意を決したように手をきゅっと握り締めてから俺の前までやって来た。
「こ、こんにちは……。今話していい……?」
「うん、いつでも話していいぞ」
「――――!」
そう言うと砂の魔女は表情と口を少しだけ綻ばせる。本当にこのやたら細やかで可愛らしい人は精霊に変えられた人間とかではないのだろうか?
「そ、その……購買部に古いパックの在庫が結構溜まっていて……」
「ああ、買われない在庫か」
場所が購買部かつケースの中身の古いパックを見ればなんとなく察していたが、やはり在庫パックの山らしい。
この世界ではパックから既存の全てのカードが出る闇鍋である。そのため、新パックが追加されても新規カードが出る確率すら非常に少なく、加えてアニメオリカや時代を先取りして存在している謎カードなどの存在から同時期のOCGよりもカードプールが若干多い。結果、とんでもないレアカードの高額インフレを引き起こす要因のひとつになっているのだ。
まあ、型落ちしたパックは小売店では若干値引きして販売されるため、大人買いしやすくもなっているため、基本的に在庫が過剰に余るようなことはあまりない。少ないお小遣いで子供がやや多めにパックを買えるので、ショップでは見てて微笑ましい限りである。
しかし、このデュエルアカデミアではデュエリストの卵のためにパックがある程度絞られているので話が異なる。前世のように数十枚とはいかなくとも、かつてあった"EXPERT EDITION"のように数百枚程度には纏まってパックが販売されているのだ。
そうなるとパック毎に人気というものが生まれるため、やたら余るパックが出て来るのも当然と言えるだろう。
「ヴェ――メデューサ先生にどうにか買って貰う方法はないかと相談したら……急に全部購入して……」
《まさにDEATH☆GAME!!!!》
「こうなったのか……」
「こうなりました……」
こうなってしまったなら仕方ないな……うん。ヴェノミナーガさんは台風みたいな自然災害的な何かだから過ぎ去るのをただ待つしかない。
《ちなみに! 今、この購買部には他の生徒が入って来ないように人払いの結界ならぬ"
「あっ、入り口が消えてる!?」
星4/闇属性/悪魔族/攻1000/守1850
このカードを攻撃したモンスターは持ち主の手札に戻る。ダメージ計算は適用する。
どうやらヴェノミナーガさんは是が非でも俺たちに遊んで貰いたいらしい。無茶苦茶構ってちゃんだからなぁ……この人。
しかし、既に色々と諦め掛けていた俺を含むヴェノミナーガさんの関係者を他所に、万丈目だけは怒りと挑戦的な視線を向ける。
「くッ!? こんな茶番やってられるか! 手札に戻るだけならぶっ壊せ、サイレント・マジシャン!」
『はいっ! サイレント――』
《あらあらいいんですぁ……? ちなみにお外の廊下はラビリンス・ウォールを貼ってマップとして異界化してあるので、無理矢理突破すると必ず迷子になりますよ?》
「なんでコイツ、こんな明らかに下らないことに用意周到なんだ!?」
星5/地属性/岩石族/攻 0/守3000
フィールドに壁を出現させ、出口のない迷宮をつくる。
うん、というか生徒が入れないようにしてるのって、ラビリンス・ウォールくんの律儀な仕事ぶりのお陰じゃないかな。
「なんだ。パックくれるのか先生?」
《もちろん、あげますよぉ……ただぁしッ!》
ヴェノミナーガさんはわざわざ言葉を区切って更に続ける。
《負けた場合は……! 私かリックさんと特別なデッキでデュ↑エル↓して制裁されて貰いますよォ!?》
「なんで俺まで仕掛人の側に回らされてるんですか?」
《なぜなら……今の私は制裁を司る神だからです》
そう言いながらヴェノミナーガさんは何故か頭を触る。するとそこには羽の付いたカチューシャのような冠を被っているが、そもそも元々ヴェノミナーガさんは神なので何が言いたいのかさっぱりわからん。
《後、ペットの責任は飼い主の責任だからです》
「その身体でとんでもないこと言わないでください」
答えになっているようでさっぱり答えになっていないヴェノミナーガさんの話をこれ以上聞いても、こちらの精神を磨耗させるだけだと思い、心を無にしてそれ以上の言及は避けた。
ちなみに先生をしているときにこのテンションや言動は色々と不味いのではないかと思われるかもしれないが、最初にカニパンして生徒を襲っていた頃から似たようなテンションのため、恐らくデュエルアカデミアの生徒は気にも留めないと思われる。ヴェノミナーガさんの扱いは、ちょっと残念な不思議系クソ強先生なのだ。
「で、ルールは?」
《皆さんで私が購入したこのカードパックを100パックずつ開封して貰い、出したレアリティを得点にして、低い人から一人ずつ抜けていき罰ゲームデュエルをしてもらうのデスッ!》
「そうですか。まあ、ちゃんと自分のお給料で購入するようにしたなら何も言いませ――」
《えっ?》
「えっ? ――テメェ、また
《ちょっと何言っているかわからないです》
まあ、勝手に使われる金使いに関しては正直、ヴェノミナーガさんからは感謝してもしきれないぐらいのカードによるリターンを既に貰っているため、全然問題ないのだが、そんなことを一言でも仮に口走れば、とんでもなく付け上がりそうなため注意しなければならない。後、モラル的に気に入らない。
人様のカードを無断で使うな。頼むから使うな。
《――さあ、そして点数はスーパーレアが1点! ウルトラレアが2点! シークレットレア、アルティメットレア、ウルトラシークレットレア、ホロレアなどのウルトラレア以上のレアリティは3点に統一します! 分かりやすいでしょう!?》
ジト目で睨んでいると、ヴェノミナーガさんはそそくさと遊☆戯☆王の漫画原作初期みたいな闇のゲームのルール説明に入る。時々忘れそうになるが、遊☆戯☆王って最初の方はカードゲームじゃないものな……。
「パラレルレアとかは?」
《ノーマルカードなどもパラレルレアになりえるので、元のレアリティで計算します。他の似たようなレアリティも同様です! そして、今回私に勝てなかった場合には――》
ヴェノミナーガさんはまた言葉を区切ると、購買部の隅に何故か掛かっていたカーテンを捲る。
そこには白い粉で満たされた巨大なボウルのような物体が置いてあり、その真上でラーイエローの制服を着た生徒が縛られて雑にぶら下げられていた。
《食堂で廃棄予定だった日切れのホットケーキミックスの海に三沢っちがダイブすることになりますよぉ……?》
「くっ……皆すまない……。起きたらこんなことになっていた……」
「三沢ァ!?」
「三沢くん!?」
「ええ……」
しかもよく見ると、三沢の胸ポケットにはリカちゃん人形の男性が差し込むように入れられていた。三沢はピケル好きなぐらいで、そのような趣味は無かった筈だが……。
《あっ、ちなみにそれは香山ピエールです。リカちゃんのお父さんで、36歳の音楽家のフランス人ですよ》
えっ、リカちゃん人形ってちゃんとそういう設定あるんだ……。
そんなことを考えているとヴェノミナーガさんは念力のような力で三沢の胸の香山ピエールを抜き取り、自身の服の胸ポケットに差し込んだ。何故か、ブッピガンという擬音が聞こえ、悪魔合体してしまったような感覚を覚える。
《アッアッアッアッアッ!! さて、デスマッチを始めようじゃないか! リックくん! 私はデスマッチ無しでは生きていけない身体なのだよ!》
「メデューサ先生どうしちゃったの……?」
「発作みたいなものだから気にしなくていいぞ、ツァン」
そんなこんなで仕方なくヴェノミナーガさんのパック開封デスマッチが始まった。
そして、ヴェノミナーガさんを含めた7名が100パックをそれぞれ剥き――。
ウルトラレア(2点)
千年原人
星8/地属性/獣戦士族/攻2750/守2500
どんな時でも力で押し通す、千年アイテムを持つ原始人。
ウルトラレア(2点)
エビルナイト・ドラゴン
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2350/守2400
邪悪な騎士の心に宿るドラゴンが実体化したもの。
スーパーレア(1点)
ジャック・ア・ボーラン
星7/炎属性/アンデット族/攻1500/守2200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札からアンデット族モンスター1体を捨てて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):相手メインフェイズに、自分または相手の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。その後、表側表示のこのカードをエンドフェイズまで除外する。この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
「5点か……」
まあ、確率的にわかってはいたが、100パックぐらいではこんなものであろう。むしろ、この世界の激渋パックかつレアリティで言えば無茶苦茶いい引きなぐらいである。
後、現実なら千年原人とエビルナイトドラゴンのウルトラレアとか、数百万の価値がありそうだな。まあ、こちらの世界でも普通にレアモンスターのため、数百万の価値はする。まあ、エビルナイト・ドラゴンはカーボネドンで出せる通常モンスターなので普通に悪くないな。
カーボネドン
星3/地属性/恐竜族/攻 800/守 600
「カーボネドン」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが炎属性モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。 このカードの攻撃力は、そのダメージ計算時のみ1000アップする。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。 手札・デッキからレベル7以下のドラゴン族の通常モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
しかし、ジャック・ア・ボーランか……うーん、強力ではあるが、俺のデッキではあまり使わないだろうなぁ。どちらかと言えば――ああ、そうだ。
「天音ちゃんの方が使えると思うからあげる」
「末代まで大切にするわ……」
それはちょっと重過ぎるんじゃないかな。
それぞれ引いたカードをあげたり交換してみたりと多少ワイワイと過ごしていたが、敗者は直ぐに決定した。
「いや、普通にみんな引き良すぎッスよ……」
丸藤翔 1点
まあ、100パック程度で引けただけでもマシなので、丸藤の言い分はごもっともであろう。
《早速、罰ゲーム! さあ、このデッキでリックさんは翔くんとデュ↓エル↑してください!》
そんなことを考えて多少気の毒に思っていると、ヴェノミナーガさんが俺にやや枚数の多いデッキを投げ渡して来る。ちなみに神どころか大人気ない彼女は17点も取ってやがるためほぼ独走状態である。ふざけんな。
だいたい、誰がデュエルなんて……し……て……やる……か――。
「………………はーん、よし丸藤。デュエルしようじゃないか」
「え゛!? こ、怖いッス!? なんでデッキを確認しただけでそんなにイイ笑顔になったんスか!?」
「翔いいなー」
そんなこんなで丸藤とのデュエルが始まった。まず、丸藤に先攻を渡してから俺のターンである。
「ドロー」
手札
5→6
カードを確認しつつ、丸藤のフィールドを見る。
ジャイロイド
星3/風属性/機械族/攻1000/守1000
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘によっては破壊されない(ダメージ計算は適用する)。
ジャイロイド
DEF1000
まあ、壁としては悪くはないが、魔法罠ぐらいブラフでも貼るべきだな。さてさて――ちょっと試させて貰おうか。
「俺は手札から通常魔法、"
「え゛……なんスかその意味わからないカード」
芝を苅るだけで墓地が貯まるとんでもないカードだが、利用価値がわからなければゴミのように見えるカードの代表格だな。
「そして、"
「あれは天音がよく使ってるカードね」
手札3→5
ネクロフェイス
星4/闇属性/アンデット族/攻1200/守1800
このカードが召喚に成功した時、ゲームから除外されているカードを全てデッキに戻してシャッフルする。このカードの攻撃力は、この効果でデッキに戻したカードの枚数×100ポイントアップする。このカードがゲームから除外された時、お互いはデッキの上からカードを5枚ゲームから除外する。
除外0→6
「俺は墓地の"
星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード7枚を除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
リスと白雪姫を合わせたような可愛らしい小さなケモノの女の子が特殊召喚された。
ATK1850
除外6→13
「か、可憐な……!?」
吊るされた男こと三沢が何故か反応したが、聞かないであげよう。誰にだって隠れた性癖のひとつやふたつあるものである。
「あの見た目で、攻撃力1850もあるのね……」
『チュチュじゃ、チュチュボンになっても勝てません……』
「そんなことないわ! あなたはいつだって私のオンリーワンよ!」
『えへへ、明日香さまー!』
何故か抱き着いている明日香とサイバー・チュチュ。なんだか、最近明日香が吹雪さんに似てきたような気がしないでもないが、本人に言ったら絶望しそうなので止めておこう。
「更に墓地の"
「ナイトメアとメデューサ教諭に墓地を与えてはならんな……」
星8/闇属性/機械族/攻2450/守2450
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、自分のデッキの上からカード8枚を裏側表示で除外して発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):自分のEXデッキからカード3枚を裏側表示で除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
フィールドに金と黒のカラーリングをした獣のような三つ首の機械蛇が特殊召喚された。
ATK2450
除外13→21
「ヒィ!? 言わんこっちゃないッス!?」
「更に通常魔法、"
手札0→1
除外21→25
「このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。自分はデッキから2枚ドローする」
手札0→2
除外25→35
「ウフフ……。あんなにあった彼のデッキがもう10枚もないじゃない。イイわぁ……そういう
「そして、俺はたった今引いた"
星3/炎属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
(1):このカードの攻撃力・守備力は、除外されている自分のカードの数×400になる。
そして、待っていたと言わんばかりに俺のフィールドに紅蓮の悪魔のようなモンスターが召喚された。
ATK?
「
「ダ・イーザですって……? あのモンスターの効果は……あっ――」
「なんかわからないけど強そうだな!」
「"
ATK?→14000
「酷いッス……酷過ぎるッス……こんなのデュエルじゃな――」
「更にもう1枚の手札――魔法カード、"
「――――――――――」
《やっぱり思った通り、もう完全にナイトメアのスイッチ入ってますねこの人》
除外35→41
そして、ダ・イーザの片腕に炎で作られた巨大な剣が現れ、それを天に聳えるように掲げた。
ATK14000→16400
「翔には悪いが……また良いものを見せて貰ったな……」
「ええ、三沢……。なんて退廃的で美しいデュエルなのかしら……」
ATK1850
ATK2450
ATK16400
「"
「うわぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!?」
丸藤翔
LP4000→0
◆◇◆◇◆◇
「………………(ちーん)」
「ふう……スッキリした」
「なるほど……確かにこれはデスマッチだ……」
「パックのレアを引けなかったデュエリストから罰――制裁をリックかメデューサ先生から受けるというわけね……。なんて惨いの……!」
「このスリル……ゾクゾクしちゃうわ!」
「だめ押しの"
「いいなー、翔。俺もデュエルしたいぜ!」
「なんなのこれ……本当になんなのこれ!? ボクはなんでこんなところに来ちゃったの!?」
《アッアッアッアッ! さあ、皆さん……このパック開封デスマッチの趣旨を理解していただいたようで――》
非常にたっぷりと間を開けてからヴェノミナーガさんは拡声器で声を張り上げる。
《さあ、続いてパック開封の第2ラウンドと逝きましょう! まだまだデスマッチは始まったばかりですよォォ!!》
まだ続くのかコレ……。というか、自然過ぎて今まで気づかなかったが天音ちゃんどこから生えてきたんだ……。
待たせたな!(半年以上) 理由は……前話の話作るのに燃え尽きちゃったからですね(震え声)
火力制裁担当――リック・べネット
ハメ殺し制裁担当――ヴェノミナーガ
※投稿50話記念の特別番外編です。
パック開封デスマッチが何かわからない啓蒙の足りないそこのキミ! 今すぐ"パック開封デスマッチ"を検索するんだぜ!(深淵への誘い)
ちなみに続きが出来ると最終的にヴェノミナーガさんが制裁されます(お約束)
これ続きいる?
-
いる
-
黒猫とパンケーキ作るっ みゃお!
-
パンケーキに黒猫のせるっ みゃー!
-
黒猫のパンケーキ 出来上がりっ!
-
黒猫パンケーキ! みゃんみゃん!