私「は?」
友人「結局、中々BMG出ないじゃないか。訴訟。新しいおっぱいを要求する」
私「しかたねぇなぁ……」
友人「雄っぱいとか無し」
私「はいはい、ボインの女王様出してやるよ」
友人「やったー」
ー読ませた後ー
友人「 」
私「アニメちゃんと見ろ。ボインボインだぞ。めっちゃ胸あるぞ」
友人「違う、そうじゃない」
という経緯で出来た今回の話。やったねリック! 精霊がふえるよ!
時は約二日程前に遡り、俺は埃の積もったデュエルアカデミア旧館のエントランスにいた。
どうやら打ち捨てられてからそう何年も時間が経ってもいないらしく、人の手で管理されていないとしても崩落などの危険性は無いようだ。
「知ってるかしら? ルールは破るために、約束は守るためにあるのよ」
産まれ立ての小鹿のような足取りで俺の腕にしがみつきながらそんなことを言う藤原こと、藤原雪乃。
何でも幽霊やらホラー映画やらが大の苦手らしい。そしてこの様である。
そんなに恐いのなら着いてこなければ良いものを…。
「ねぇ?」
「ん?」
「そもそもどうしてここに来たのかしら?」
誤魔化すのはそう難しくもないが、コイツに限っては止めておいた方が良いだろう。ヴェノミナーガさんも気に入っている事だし、長い付き合いになりそうだからな。それにツァンちゃん曰く、デュエルアカデミアでもかなりの浮いた人物らしいので情報が漏れる心配も無かろう。
「倫理委員会はどうやって遊城らがここに来たのを知った? そしてなぜあの二人だけが制裁タッグデュエルに選ばれた? この二つの疑問の解決と、可能ならここで起こった遊城の話の裏付けを取るためだ」
遊城が言うには3人で肝試し目的でここに入り、その最中に天上院という名の女子生徒がタイタンというデュエリストに拐われ、それを解放する為にデュエルをしたらしい。肝試しとは何だったのか。
「あら? 随分と彼に入れ込んでいるのね? 少し妬けるわ」
「父さんからの依頼だ。まあ、少し首を突っ込んだなら俺も勝手に調べただろうがな。今回の制裁タッグデュエルには奇妙な点が多過ぎる」
そもそもどうして倫理委員会がここに彼らが居たことを知れた?
彼らの中から教師に報告した者がいる? それはありえないだろう。と言うかする意味が毛ほどもない。
事情を知るオシリスレッドの寮生が通報した?
蹴落とす意味のあるオベリスクブルーならまだしも、最底辺の者がそんなことをするとも考えづらいだろう。愉悦に浸れる程度の意味しかない。
まあ、仮にどちらかだとしても先にもっと現実的な別の答えが見えてくる。
俺は内ポケットから取り出したカードを一枚掲げると精霊の力を行使した。
「"モンスター・アイ"」
モンスター・アイ
星1/闇属性/悪魔族/攻 250/守 350
1000ライフポイントを払って発動する。自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚を手札に戻す。
わらわらと紫色の目玉が大量に召喚された。
悪魔が住む精霊界の様々な場所で監視する使い魔であり、見つかると煙幕を張って逃げる。すなわち、攻撃性能など元から皆無のカードである。
「それが精霊の力なの?」
「ああ」
藤原は恐らくヴェノミナーガさん以外に初めて見るであろうカードの精霊に目を丸くしている。
「可愛いわね」
「…………ただの目玉だぞ?」
「可愛いわ。色とか形とか」
ああ、そう言えばコイツのデッキはゲテモノ揃いだったな……何故に幽霊は怖くてこういうカードは好きなんだか。
「行け」
俺がモンスター・アイに指示を出すと、目玉たちは勢い良く旧館の奥へと飛んで行った。
「…………よし」
早ければ1分程、長くても3分程でほぼ全てのモンスター・アイから反応が返ってきたため、藤原を連れて奥へと足を進めた。
「やはりか」
「何をさせたのかしら?」
「この旧館の正しいマッピングだ。それと地下デュエル場を発見したらしい」
資料には無い場所だ。デュエルは旧館とは別の既に取り壊された屋内テニス場を兼ねる建物でされていたとあるが……ほう。
俺は藤原を連れ、そこに向かうことにした。
◆◇◆◇◆◇
地下デュエル場に入った瞬間に違和感と若干の嫌悪感を感じてふと、藤原の顔色を確認する。
「?」
ハテナを浮かべ、首を傾げながら藤原は俺を見つめ返しているようだ。
相変わらず、余裕を持った表情をした人類の上から数えた方が遥かに早い場所にいる人間離れした美人だ。大会の時で既にソレだったが、今では更に磨きが掛かっていると言える。完全に成熟すればどんな風になるのかなど想像もつかない。
「ふふ、私に見惚れてる?」
「美人だとは思う。けどそれだけだ」
「いけずね…」
どうやら違和感やら嫌悪感を感じているのは俺だけのようだ。藤原も
「ふむ…」
「きゃっ!?」
俺は"闇をかき消す光"のカードを懐から取り出し、それを掲げた。
カードから凄まじい閃光が放たれ、藤原が可愛い悲鳴を上げると共にフィールドを照らしていく。
次の瞬間、炙り出されたように小くて黒い、闇の精霊が大量に出現した。なるほど……失踪者が出るわけだ。
"闇をかき消す光"に照らされていることで、闇の精霊たちの動きは鈍り、俺の近くにいた闇の精霊に至っては浄化され始めている始末だ。一体一体はゴミでもこれだけ集まれば人間に害が出るレベルになるだろうな。
まあ……。
「デス・ガーディウス」
『ゲッゲッゲ……』
間近で光を喰らっても声色ひとつ変わらずに楽しそうにしている俺の魔霊と比べるのは酷か。
デス・ガーディウスは爪を振り絞ると、横に凪ぎ払った。それにより、一撃で部屋中の闇の精霊はほぼ壊滅する。ここまで減ってしまえば最早、人の世界に形をとることすら不可能だろう。
役目を終えたデス・ガーディウスは言う間も無く消え、残った闇の精霊たちは溶けるように消滅する。藤原が目を開いた頃には全てが終わり、部屋の中央には遊城の証言の通り、仮面を付けた黒い大男が倒れていた。
「た、助かったのか……!?」
起き上がった大男……タイタンは周りを見回しながらそんなことを呟く。そして、にやにやと笑う俺と目があった。
「なあ、タイタン? アンティデュエルしようや……」
「な…誰だお前らはァ!? なぜ私の名を…」
次の瞬間、黒い魔弾がタイタンの顔の真横を通過し、後方にあった棺桶にぶち当たると激しい音を立てて爆散させた。タイタンは音が出たその場所を眺めてから俺に視線を戻し、俺の腕がドス黒い何かを纏っている事に顔を青くしている。
俺の破壊の精霊の力を簡単に纏めるとこんな感じに色々なものをぶっ壊せる非常にわかりやすい能力だ。
「いいか? もう一度、よく聞け? 回答はYESかNOかだ。俺が負けたらレアカードを1枚やろう……その代わりお前が負けたらデッキからカードを1枚俺が貰い、そして、今回の仕事の依頼者の名前を吐いて貰う。いいな?」
「あ、ああ! わかった! わかった!」
どちらでもとりあえず家には帰れると踏んだのか、タイタンは首を大きく縦に振った。
「真のデュエリストってスゴいわね…」
気にするな。
「よし、俺はプロランクⅣ。ナイトメア」
「よォし!……………………は…?」
デュエリストで、テレビが家にあれば知っているような名前が出てきた事でタイタンはすっとんきょうな声を上げる。
「まあ、プロデュエリストとして、アマチュア以下のデュエリストをボコるのは信条に反するな……」
「……どの口が言うのかしら?」
うるさい、古代怪獣ツインテール。グドンにでも喰われてしまえ。
「と、言うわけで俺はシールドデッキで戦うとしよう」
説明しよう。シールドデッキとはパックを8枚開封し、それをデッキとしてデュエルをする遊びのひとつである。だが、これが精霊の力や、その手の才能の強いデュエリストになってくると遊びと呼べなくなってくる。
持ってきたカバンから購買で砂の魔女から横流し……げぶん…購入したカードを3箱取り出し、タイタンの目の前で3箱の蓋を開け、中のパックを全て外に出す。最後にそれを纏めて直感的に8つのパックを掴み取り、開封した。
「!」
こ、これは……いいカードだ…。なぜかこれを有効に使う為に他のカードも纏まって出ているし、精霊の力を引き出せばこれでも十二分に戦えるな…。
「待たせたな。さて始めようか……」
40枚のカードをデュエルディスクに嵌め込むと、既にデュエルディスクを広げて待っているタイタンとは逆の位置についた。
「約束は……」
「安心しろ。デュエルディスクに懸けてもいい」
「そうか……行くぞ!」
『デュエル!』
リック
LP4000
タイタン
LP4000
「俺のターン。ドロー」
手札5→6
「俺はカードを2枚伏せ、モンスターをセット。ターンエンドだ」
さてさて、遊城から聞いたデーモンデッキとやらを見せて貰おうか。
リック
モンスター1
魔法・罠2
手札3
「ドロォ!」
手札5→6
「私は"天使の施し"を発動。3枚ドローし、2枚捨てる」
手札5→6
「そして、"死者蘇生"発動ォ! 蘇れ! "迅雷の魔王-スカル・デーモン"!」
迅雷の魔王-スカル・デーモン
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、その処理を行う時にサイコロを1回振る。1・3・6が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
スカル・デーモン
ATK2500
黒めのデーモンの召喚が地面から生えてきた。ほほう……中々に優秀なカードじゃないか。
あのデーモンの召喚の上位互換コンパチカードと言うだけはあり、幻のレアカードのひとつだ。その価格も、実用性も凄まじい。
「喰らえぃ! 怒髪天昇撃ぃ!」
…………何その攻撃名? 俺が使う時は魔降雷って言おう…。
「セットモンスターは"
共鳴虫
DEF1300
共鳴虫
星3/地属性/昆虫族/攻1200/守1300
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の昆虫族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。その後デッキをシャッフルする。
「だが、戦闘によって破壊された事で"
代打バッター
星4/地属性/昆虫族/攻1000/守1200
自分フィールド上に存在するこのカードが墓地に送られた時、自分の手札から昆虫族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。
代打バッター
ATK1000
夏の庭をよく探せば居そうなバッタが召喚される。トノサマバッタに近いので探すのは少し時間が掛かるかもしれないな。
「くっ……デーモン・ソルジャーを召喚し、ターンエンドだ」
デーモン・ソルジャー
星4/闇属性/悪魔族/攻1900/守1500
デーモンの中でも精鋭だけを集めた部隊に所属する戦闘のエキスパート。与えられた任務を確実にこなす事で有名。
デーモン・ソルジャー
ATK1900
それだけか……まあ、良いさ。
タイタン
モンスター2
魔法・罠0
手札3
「俺のターンドロー」
手札3→4
「魔法カード発動。"ブラックホール"。フィールド上の全てのモンスターを凪ぎ払う。"スカル・デーモン"は対象に取らない効果をキャンセルすることは出来ない」
「馬鹿なァ!? 」
代打バッターと、スカル・デーモンと、デーモン・ソルジャーは暗黒に飲まれ、消えていった。
「この瞬間、"代打バッター"の効果発動。自分フィールド上に存在するこのカードが墓地に送られた時、自分の手札から昆虫族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。俺は……」
俺はデュエルディスクにそのモンスターを置く。さあ、早速だが使わせて貰おうか……。
「"インセクト
インセクト女王
星8/地属性/昆虫族/攻2200/守2400
全フィールド上のこのカード以外の昆虫族モンスター1体につき、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。このカードが相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時、自分フィールド上に「インセクト・ラーバ」(昆虫族・地・星4・攻1200/守0)1体を攻撃表示で特殊召喚する。「インセクト・ラーバ」は表示形式を変更出来ない。
巨大な蟻のような造形の昆虫の女王が表示されたカードから這い出るようにフィールドに現れる。インセクト女王は自分の身体を慣らすように羽根を世話しなく動かすと、荒々しい叫び声を上げた。
『アアアァアァァア____』
インセクト女王
ATK2200
「い、インセクト女王だと…? この場で幻のレアカードを引き当てたと言うのか!?」
しかも、最も強かった
OCG版より強い点。
自分を対象に取れない代わりに強化がかなり強い。
インセクト・ラーバ(インセクトモンスタートークン)が普通に使える性能。
攻撃コストが必要ない。
ぶっちゃけ、グレートモスなんか初めからいらなかったんや…。
「セットされた"無謀な欲張り"を発動。自分のデッキからカードを2枚ドローし、その後、自分のドローフェイズを2回スキップする」
手札2→4
ふむ、十分だな。この引きを見るにインセクト女王はかなりの精霊の力を持っているのだろう。嬉しい限りだ。
「俺は墓地の"共鳴虫"と、"代打バッター"を除外し、"デビルドーザー"を特殊召喚」
デビルドーザー
星8/地属性/昆虫族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地の昆虫族モンスター2体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
デビルドーザー
ATK2800
赤く巨大なムカデがインセクト女王を護るように身体を曲げながらその場に現れた。
デビルドーザー。現実では環境に虫を台頭させた程のエースモンスターだ。デミスドーザーと聞けば当時を思い出し、手が震える方々も多い事だろう。その造形と、ゆるゆるな召喚制限から昆虫族では最早、まずデビルドーザーを用意してからデッキを組み立てられる程に愛好家も多い。同じ理由でジャイアントワームも貴重だ。こちらの世界では造形のお陰で使う人間を全く見ないがな!
「更に"ゴキボール"を召喚」
星4/地属性/昆虫族/攻1200/守1400
丸いゴキブリ。ゴロゴロ転がって攻撃。守備が意外と高いぞ。
ゴキボール
ATK1200
見よ我らのゴキボールを! ちなみにこっちではチョコボールの代わりにゴキボールというものが商品化されていて絶大な人気がある。嘴ならぬ顎に付いている銅の卵、銀の卵、金の卵をそれぞれ5枚集めると無駄にリアルな造形の銅のゴキ缶、銀のゴキ缶、金のゴキ缶に交換できるのだ! ちなみに俺はコンプリート済みだ。どれをとっても中身が殆ど変わらないという現実を教えてくれるぞ!
勿論、ゴキちゃんという子供向けと銘打っていながら登場する子供が全体的に毒舌で、無駄に現実味のある反応をするあの伝説のアニメで主役を飾っている。
どんなに人気者になろうとクズカードに変わりはないけどな!
「"ゴキボール"を生け贄に"アリの増殖"発動。自分フィールド上に"兵隊アリトークン(昆虫族・地・星4・攻500/守1200)"を2体特殊召喚する。尚、このトークンは生け贄召喚のための生け贄にはできない」
兵隊アリトークン
ATK500
兵隊アリトークン
ATK500
ゴキボールが消え、代わりに2体のアリトークンがインセクト女王の両隣を守護するように召喚された。
「更に墓地の"ゴキボール"を除外し、"ジャイアントワーム"を特殊召喚」
ジャイアントワーム
星4/地属性/昆虫族/攻1900/守 400
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する昆虫族モンスター1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。
ジャイアントワーム
ATK1900
デビルドーザーをそのまま縮小し、緑色にしたようなムカデが現れる。
「セットカードを発動。永続罠カード"
兵隊アリトークン
ATK500→1500
兵隊アリトークン
ATK500→1500
暴走闘君の状況下ではインセクト・ラーバの攻撃力は2200とかなりキツい火力になったりするが、この男が今のデュエルでそれを目にすることはないだろうな。
「そして、インセクト女王の効果。全フィールド上のこのカード以外の昆虫族モンスター1体につき、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。4体居ることで1600ポイントアップだ」
「な………………」
インセクト女王の身体が原型を留めたまま、巨大化する。巨大化が終了したインセクト女王の体躯はデビルドーザーをも越え、タイタンを容易く見下ろしていた。
インセクト女王
ATK2200→3800
「な、馬鹿な……こんなことが……これが本物のプロデュエリストだと…?」
インセクト女王
ATK3800
デビルドーザー
ATK2800
ジャイアントワーム
ATK1900
兵隊アリトークン
ATK1500
兵隊アリトークン
ATK1500
俺のフィールドを見渡したタイタンは無意識の内に後ろに下がりながらそんな言葉を吐く。まあ、ここまで楽しんで貰えたのなら結構だな。これぞエンターテイメント。プロデュエリストの戦いだ。
俺はゆっくりと手を掲げると、自然に口角が上がる感じながら言葉を吐いた。
「さあ…道を開けろ
手を振り下ろした瞬間、デビルドーザーが意図も容易くタイタンを引き裂き、軍隊アリとジャイアントワームの顎がタイタンの身体を噛み砕く。
「クイーンズ・インパクト」
そして、止めにインセクト女王の口から極太の緑の光線が放たれ、タイタンを貫いた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
タイタン
LP4000→0
◇◆◇◆◇◆
俺は
それは兎も角、旧館のタイタンに、匿名の情報からの制裁タッグデュエル。ここまで遊城を陥れる理由はひとつだろう。
「セブンスターズの為か…」
「セブンスターズ?」
「デュエル・アカデミアの影丸理事長が集めているデュエリスト集団の事だ。ただのデュエリストを集めているだけならまだ良いが、どうやら影丸は闇のデュエリストやら、自分で現界出来るほど強いカードの精霊やらを集めているらしい」
「へぇ…詳しいわね?」
「俺も誘われたからな」
断ったため目的は知らんが、十中八九この島に封印されている三枚のカードの解放の為だろう。と言うか集団がセブンスターズと言う名前で、封印されている場所が七星門と呼ばれているのだからある程度知る者ならマジで隠す気あんのかジジイと突っ込みたくなるレベルである。
兎も角、あのジジイが遊城十代を今のデュエルアカデミアで一番の不確定要素で、危険要素だと踏んだのだろう。
釣竿を借りた時に遊城の舎弟からアニキはスゴいんだぞ!との言葉と共に入学してからの武勇伝を聞かされたが、確かにあのジジイも畏怖を覚えるだろう。大多数のデュエリストと違い、実力が底知れないデュエリストより恐いものはないのだから。
いや、あのジジイがと言うのには語弊がある。
倫理委員会にあの速度で情報を流せたのは寮生でも、その時のメンバーでもないのなら。日頃から嫌っているタイタンの依頼者か、胆試しそのものをけしかけた人物くらいだ。
俺はペンとメモ帳を取るとそこに書き記した。
『"大徳寺"か、"クロノス"は黒』
まあ、こんなところか。これだけわかればこっちの実入りも十分。後で父さんに渡しておこう。
まあ、気掛かりな事はもうひとつある。こちらの世界に影響を及ぼす程の闇の精霊が、霊地でもないのに勝手に集まるとは考え難い。恐らく、ここにあれらを引き寄せた何かがあったはずなのだ。
まあ、そこまでになってくるともう俺の手に負えるかは微妙なところだ。デュエルが出来るなら喜んで参加するがそうでないならヴェノミナーガさんに任せてしまうとするか。
「帰るぞ」
「ねえ、リック?」
「なんだ? ああ、そうだな。お前はもう寮…に…か……え………れ?」
藤原が指差す方向にはデュエルが終わっても未だ消えずに、フィールドに出た時の大きさで身体を向けてこちらを見つめるインセクト女王がいた。
「………………」
『………………』
恐る恐るお辞儀をしてみると向こうも同じ動作でお辞儀を返してくる。アニメでも思ったが、よく見ると顔はかなり美人だよな……顔も人間の造形してないけど。
「…………こんにちは」
『アァ___』
挨拶をするとなにやら声を発しながら会釈をしてきたが、人語ではないため、何を言っているかさっぱりだ。後で"若いお二人に任せて私は暫く何処かに行っていますねー。ひゅーひゅー"とか言いながら旧館に入る前に消えたヴェノミナーガさんにでも翻訳して貰うとするか……。
…………………………。
………………………。
……………………。
…………………。
………………。
……………。
…………。
………うん。
カードの精霊だこれー!?
わかりやすいリックくんの引きの強さ。
シールドデッキでテーマデッキが完成するレベル。
FGOで作者とフレンドになりたい方はIDと出来ればFGOでの名前(フレンド整理中に消去してしまう可能性があるのでリストを作るため)を書いて、メールでもしてください。実力に関係無く100%フレンドにしたい(願望)。フレンド枠がついにハーメルンのフレンドでパンクしました……。運営よなぜレベルでフレンド枠はさらに伸びない……なぜ課金で増やせない…。
ちなみに作者のトップは基本的にアルテミスさんです。男性はまかせろーバリバリー!