じゃしんに愛され過ぎて夜しか眠れない   作:ちゅーに菌

38 / 54


友竜のボルバルザークくんに会いに行くための世界線超えに1日掛かったので、1年振りに初投稿です。






教えて!!眼出幽沙先生

 

 

 

 

 それは白昼夢の中でうっすらと思い浮かぶような彼の悪夢。遥かに高いプライドに隠れた奥底の想いである。

 

 中等部から高等部に上がったばかりの頃までは、万丈目はリック・べネット――今はプロランク4位のナイトメアと呼ばれるデュエリストに対し、苦手意識は微塵も抱いてはいなかった。

 

 むしろ、かつて未だにナイトメアと呼ばれる前の彼と、I2ジュニアカップで雌雄を決したことが、小さな誇りのひとつでさえあった筈だった。

 

 そして、いつか自身も彼のようなプロデュエリストになると、漠然とした目標であり、一方的なライバルに見据えてさえおり、日々デュエルの腕を磨いていたのである。

 

 しかし、それが打ち砕かれたのはナイトメアが、デュエルアカデミア本校に、入学と共に遊城十代と丸藤翔の制裁タッグデュエルを行った日のことだった。

 

 実際にナイトメアのデュエルを生で目にした万丈目は、そのあまりに常軌を逸した迫力――言葉に言い表せないオーラのようなものを感じた。

 

 その上、ナイトメアは、カイザーと呼ばれ、このデュエルアカデミアで最強の男さえも3万以上の合計ダメージを与えた上で容易く倒してしまったのだ。

 

 それによって、デュエリストとしての高過ぎる実力により、自身と比べて遥かに遠く、開き過ぎている差を痛感し、直接会うことすらなく、万丈目はプライドを引き裂かれてしまったのである。

 

 兄たちと約束した万丈目家が政界、財界、カードゲーム界のトップになるという約束。そして、万丈目が目指すカードゲーム界のトップに最も近い男の背中は、余りにも遠く広く高かったのだ。

 

 ナイトメアは万丈目に言われた通り、優勝するだけに止まらず、不敗神話を築くプロデュエリストの1人となり、既に時の人で実力もそれ相応。それに比べて、同じだけの時間があったにも関わらず、些細な程しか成長していない己を恥じた。

 

 それから万丈目はナイトメアから逃げるように過ごし、決して彼の前に直接現れることはなかった。いつしか、その内に膨れ上がったやり場のないあらゆる想いは、暴力のようなデュエルへと向けられるか、自尊心を守るためだけに向いた。

 

 そして、その果てがオシリスレッドの遊城十代に完敗し、ラーイエローの三沢大地にも敗北し、オベリスクブルーにあった居場所すらなくなったことにより、彼らを怨み再戦を誓いつつも、デュエルアカデミア本校を出ていこうとした結果、現在に至るのである。

 

 

『――――!』

 

 

 ふと、悪夢の中で、その声は彼に対して投げ掛けられていた。

 

『――ス――!』

 

 

 その声は凛とした女性のものであり、未だ目が覚めてまもない彼には不明瞭な呼び声に聞こえた。

 

 

『――――ター!』

 

 

 その声により、彼は微睡みから叩き起こされるような感覚を覚えつつも、遂に自分を呼ぶ声を捉えた。

 

 

『マスター!!』

 

「うぉぉぉ!」

 

 

 彼――万丈目準の目の前には顔を一杯まで近づけている半透明の魔女のような女性モンスター――サイレント・マジシャン LV8がそこにいたのである。

 

『あっ……目が覚めたんですね! ここまで運べてよかったぁ……』

 

 更に声の質から呼び掛けていた声の主だということもわかり、幽霊かと一瞬考えた万丈目であったが、その容姿がデッキに入れていたサイレント・マジシャン LV8だったため、更に驚愕する。

 

「サイレント・マジシャンだと!? 俺は夢でも見ているのか!?」

 

『………………え?』

 

 その言葉に目の前のサイレント・マジシャンは酷く驚いた表情になり、持っていた杖を落とす。そして、瞳からぽろぽろと涙を溢すと、身を震わせ、感極まった様子で、万丈目に抱き着いた。

 

『やったぁ! マスター私が見えるようになったんですね!』

 

「うわっぷ!? な、なな……なんだ!?」

 

 半透明にも関わらず、触れられた熱の感覚や、サイレント・マジシャンの女性らしい柔らかな肉感がダイレクトに伝わり、抱き着いた拍子にサイレント・マジシャンの豊満な双丘が潰れて形を変えた感覚まで伝わったことで、万丈目は顔を真っ赤にしながらもやんわりと離そうとしたが、想像以上の怪力により、まるで離す気配がない。

 

『ずっと……ずっと私は待っていたんですよ! "お母さん"に作られて、マスターに渡されたあの日から!』

 

「お、お母さん……?」

 

「少しいいか?」

 

 サイレント・マジシャンから気になる単語が吐かれたため、それを反唱したとき、丁度何者からか声を掛けられ、万丈目は視線をそちらに向ける。サイレント・マジシャンは抱き着いていることを人前で見られていることに気づいたのか、顔を真っ赤にすると、逃げるように離れ、俯いたまま、万丈目の隣に正座し、帽子を深く被り直して顔を隠した。

 

「なんだこのワカメお化け!?」

 

 そこにはゴーグル付きの仮面を付け、頭にワカメを乗せ、厚手の服を着込んだ明らかに怪しい男が立っていた。

 

 それに気を取られた万丈目だったが、回りをよく見てみると、ひたすら氷上の銀世界が続いていることに気がつく。

 

「ここについて話してやろう」

 

 あまりにも自身が知る生活圏からは、様変わりした土地に万丈目は仕方なく、目の前の人間のような何かから話を聞くことにするのだった。

 

 そして、最初におジャマ・イエローを渡されてから、万丈目のデッキは何故か胸ポケットに乾いたまま入っていたサイレント・マジシャンとレベルアップ!を除いて、水に濡れ過ぎて使い物にならなくなったことと、ここより遠くに見える砂色の建物がデュエルアカデミアノース校であることを知らされ、そこに向かうように促された。

 

 最初はどうして自分が指図されなければならないのかと憤慨していた彼でがあったが、頭に復讐(リベンジ)を遂げたい遊城十代や、三沢大地。そして、いつか必ず超えねばならないナイトメアの姿が思い浮かび、彼は自らの意思で決意した。

 

(待っていろ……遊城十代……三沢大地……ナイトメア! 俺は――)

 

「俺は必ず、ここから這い上がるぞ!! 俺は万丈目準だ!」

 

『あっ、置いてかないでくださいマスター!』

 

 そして、謎の男を置いて、ズカズカとデュエルアカデミアノース校へ向かう万丈目の後をサイレント・マジシャンは追って隣に並んだ。

 

「お、お前も来るのか……」

 

『はい! 今までもこれからもずっと一緒ですよ!』

 

 そう言って、背中で鞄を持つように杖の端を両手で持ちながら、心底嬉しそうな笑みを浮かべ、鼻歌混じりで、万丈目の隣を歩くサイレント・マジシャン。

 

 女性経験のほとんどない万丈目は、精霊の彼女にどう接していいかわからず、ひとまず胸ポケットに入っているサイレント・マジシャンを確認した。

 

(ん……? 4枚あるな)

 

 ふと、キャラクターに見覚えはあるが、絵柄と効果テキストに見覚えのない1枚のカードを見る。

 

沈黙(ちんもく)魔術師(まじゅつし)-サイレント・マジシャン

星4/光属性/魔法使い族/攻1000/守1000

このカードは通常召喚できない。 自分フィールドの魔法使い族モンスター1体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。

(1):このカードの攻撃力は、自分の手札の数×500アップする。

(2):1ターンに1度、魔法カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。

(3):フィールドのこのカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。手札・デッキから「沈黙の魔術師-サイレント・マジシャン」以外の 「サイレント・マジシャン」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

「なんだこれは……」

 

『あ……そ、それは……』

 

 ふと、声を上げたサイレント・マジシャンを見ると、杖から片手を離し、丁度絵柄のようにその手で頭に触れた。しかし、凛とした氷のような絵柄の表情とは異なり、目の前のサイレント・マジシャンは嬉しさと恥ずかしさが入り雑じったように頬を朱に染め、頭を掻きながらポツリと呟いた。

 

『は、初めて私を見て頂いて、その上に会話まで出来たのが、嬉し過ぎて……感極まって増えてしまいました……』

 

「そ、そうなのか……」

 

 万丈目はサイレント・マジシャンのわかるようでわからない答えに、それだけ返すのが精一杯であった。

 

 彼は色恋沙汰に対し、空回りはするとはいえ、持ち前のプライドの高さから押すのは得意なのだが、押されるのは全く耐性がなかったのである。

 

 とりあえず、万丈目は頭をサイレント・マジシャンから打倒、遊城十代らへと切り替え、まずは目先のデュエルアカデミアノース校を目指すのであった。

 

 

 

 

 

『アニキー、ちょっとオイラのことも忘れないでよ~』

 

 それともう1体、精霊(おジャマ・イエロー)が万丈目に居憑いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《はーい、皆さん今日も私の授業――実戦デュエル学を始めますよー!》

 

 デュエルアカデミア本館の室内デュエル場で、そう言う女性教師――ヴェノミナーガさんことメデューサ先生はマイク片手にそう宣言した。

 

 メデューサ先生はデュエルリングの真ん中におり、ピンマイクを襟につけ、手には小さめのビンゴマシーンを抱えている。

 

《いつも通り、生徒皆さんの中から無作為に選出した方と、お題に沿った題材のデッキで私がデュエルをして、デュエルしながら授業致します!》

 

 そして、ビンゴマシーンに手を掛けた。

 

《じゃかじゃかじゃかじゃか……ジャン! ………………こっそり、もう一回……よし! オベリスクブルー女子の"枕田ジュンコ"さん! 前に出て来てください!》

 

「ええっ!? わ、私!?」

 

 無作為。引き直さないとは言っていない。まあ、たぶん当たったら心がへし折れそうな留年しているオシリスレッドの生徒を最初に引いたのだろう。

 

 しかし、枕田ジュンコと言えば、天上院の取り巻きの片割れだな。入学して以来、ずっと前田ジュンコだと思っており、最近になって枕田だったことを知ったのはナイショである。

 

「あら? 今日はジュンコなのね。羨ましいわ」

 

「そう思えるだけ天上院は勤勉だな」

 

 生徒は全員観客席に座っており、何故か俺の隣には天上院がいる。そして、観客席を見渡せば、明らかにいつもの授業よりも出て来ている生徒が多い上、教員がチラホラと座っている姿も見られた。

 

《今日の私のデッキテーマはこれ! "墓地利用"です!》

 

 スクリーンが起動し、デカデカと"墓地利用"という文字が浮かび上がった。

 

 墓地そのものが、前世では第2の手札と呼ばれるほど重要視されているため、非常に基本的なことなのだが、この世界ではまだカードプールが古いためにあまり浸透はしていないこと、未だに単純なカードパワーが至上なところがあるため、墓地はただの墓地と扱われていることも多いのである。

 

 実際、室内デュエル場にいる者の反応は、教員を含めてあまり好ましい様子はなかった。まあ、前回のデッキテーマが、装備カードであり、【ベンケイ1キル】などというロマンしかないデッキを使ったため、全員が目を輝かせていた反動もあろう。それに比べれば、題材がわかりにくく、ちょっと地味に見えるのは否めない。

 

 前回なんて、相手がカイザー先輩であり――。

 

当たり前のようにサイバー・エンド・ドラゴン融合召喚。

カードカー・Dでターンエンド。

サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃をバトルフェーダーで停止。

大嵐で伏せ除去、何かを感じたカイザー先輩が伏せていたリミッター解除を発動。ダンディライオンを愚かな埋葬で落としてトークン2体生成。重装武者ーベン・ケイ召喚後に団結の力2枚と魔導師の力1枚を発動。バトルフェーダー+トークン×2+ベン・ケイの4体で、団結の力1枚につき、攻撃力3200ポイントアップ。魔導師の力で1500ポイントアップ。ベン・ケイの攻撃力8400かつ装備の枚数だけ攻撃回数を増やすため、4回攻撃でフィニッシュ。

 

 ――という試合だったからな……。

 

 そんなことを考えているうちに枕田が先攻でターンを終えていた。

 

ハーピィ・レディ(ワン)

星4/風属性/鳥獣族/攻1300/守1400

このカードのカード名は「ハーピィ・レディ」として扱う。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、風属性モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

ハーピィの狩場

フィールド魔法

(1):フィールドの鳥獣族モンスターの攻撃力・守備力は200アップする。

(2):自分または相手が、「ハーピィ・レディ」または「ハーピィ・レディ三姉妹」の召喚・特殊召喚に成功した場合、そのプレイヤーはフィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動する。そのカードを破壊する。

 

ハーピィ・レディ(ワン)

ATK1300→1600→1800

 

枕田

手札4

モンスター1

魔法・罠1

 

 うーん、狩場は先に置くカードではないような気がするが……まあ、いいか。他の生徒とデュエルしたときに比べてもかなりマシな先攻1ターン目だ。

 

《墓地利用を頻繁に行うデュエリストとして、最も有名な方はなんと言っても、我がデュエルアカデミアが誇る禁止カード級戦力、プロランク4位のナイトメアことリック・べネットさんでしょう》

 

手札

5→6

 

 メデューサ先生はドローして、手札に目を落としながらもピンマイクに話し続け、スクリーンのスライドが切り替わった、

 

《彼のデッキは延々と"仮面魔獣デス・ガーディウス"を使い回し、更にあらゆる最上級モンスターを出し続けるデッキと思われがちですが、追い詰めた場合に飛び出す切り札は"ダーク・クリエーター"や、"ダーク・アームド・ドラゴン"といった墓地の闇属性モンスター枚数を参照する特殊召喚モンスターです。そのため、彼のデッキには"おろかな埋葬"や、"テイクオーバー(ファイブ)"が積まれており、下級モンスターのほとんどは闇属性で構成されています》

 

 説明と共に次々と、俺がデス・ガーディウスや、ダーク・モンスターを使って生徒に止めを刺すときの姿を納めた写真が映っていた。明らかに俺の後方斜め上から撮られた奇妙な写真であるが、それを疑問に思うのは俺ぐらいであろう。

 

《ちなみに彼の持つダークモンスターは全て、既に海馬コーポレーションに吸収合併されたパラディウス社が数枚だけ製造した絶版レアカードなので、まず市場には流通しません。完全に蛇足ですが、彼は今は"ダーク・シムルグ"を3枚ほど探しているそうです。見つけて交渉すれば彼が1枚でも超高額で買い取ってくれると思いますよ》

 

 いや、確かに買い取るが、なんでそれをここで言うんだ……。

 

《デュエルに戻りますと、私は手札から魔法カード"封印の黄金櫃(おうごんひつ)"を発動。効果によって、"未来融合-フューチャー・フュージョン"を除外。私で数えて、2回目のスタンバイフェイズに手札へ加わりますね》

 

 万能サーチカード封印の黄金櫃、通称おひつとは懐かしいな。いつの間にか使わなくなって久しい。それにフューチャーフュージョンか……。

 

《更に私は"カードガンナー"を召喚します》

 

カードガンナー

星3/地属性/機械族/攻 400/守 400

(1):1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする。

(2):自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。 自分はデッキから1枚ドローする。

 

 ふむ……今の展開で、墓地利用となると構成的には【未来龍】か、【未来オーバー】だろうか? カードガンナーを使うなら両方あり得るが、ソリティアやワンショットキル好きなメデューサ先生的には【未来オーバー】の方が濃厚か……。いや、サイバー・ドラゴンは、俺と同じくメデューサ先生もあまり使わないし、生徒向けなので、オーバーロード・フュージョンで、ガトリング・ドラゴンを作るデスペラード・リボルバー・ドラゴン軸の単純な【闇・機械】の可能もあるな。

 

「それだけの情報でもうデッキが判断できるのか……?」

 

「ええ、カイザー先輩。"未来融合-フューチャー・フュージョン"を使用する意味の強いデッキはあまり多くはありませんからね。その中で、現状のカードプールでは墓地利用を特に出来る種族がドラゴン族か、機械族です」

 

「なるほど……今回は特に参考になりそうだ」

 

 そう言いながら口元を僅かに歪ませるのは、俺から見て天上院とは逆サイドに座る3年の丸藤亮ことカイザー先輩である。

 

《"カードガンナー"の効果。1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できます。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップします。もちろん、私はデッキから3枚カードを墓地へ送ります》

 

「うわっ、超えられた!?」

 

カードガンナー

ATK400→1900

 

《無論、"カードガンナー"で"ハーピィ・レディ(ワン)"を攻撃。おさらばです》

 

枕田

LP4000→3900

 

《手札から"サイクロン"を発動。"ハーピィの狩場"を破壊します。更にカードを2枚セットしてターンエンドです》

 

メデューサ先生

LP4000

モンスター1

魔法・罠2

手札1

 

 

「……でもターン終了時に"カードガンナー"の攻撃力は400ポイントに戻るわよね?」

 

カードガンナー

ATK400

 

「ああ、それでいいんだ。"カードガンナー"には破壊された時にカードを1枚ドローする効果がある。普通に破壊されれば、アドバンテージを全く損ねず、墓地にカードを送れるモンスターだからな」

 

「そんなに墓地にカードを送る必要があるの……?」

 

「まあ、その辺りはすぐにわかるよ。"未来融合-フューチャー・フュージョン"が手札に加わったターンにな」

 

 そんな会話を天上院としていると、いつの間にか枕田の召喚したハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)により、カードガンナーが戦闘破壊された。

 

《リバースカードオープン、罠カード"ディメンション・ウォール"。この戦闘での戦闘ダメージは、代わりに枕田さんが受けます。そして、戦闘破壊されたことで、"カードガンナー"の効果発動。自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動、自分はデッキから1枚ドローします》

 

「なるほど……低いATKで破壊されることを見越して、"魔法の筒(マジック・シリンダー)"ではなく、"ディメンション・ウォール"を使っているのか」

 

「ほんと、当たり前のように引いていますよね」

 

メデューサ先生

手札1→2

 

枕田

LP3900→2500

 

「た、ターンエンドで……」

 

 枕田は倒したにも関わらず、ダメージを受けたことに困惑した様子でターンを終えた。

 

 平和なデュエルだなぁ……まあ、でもデュエルアカデミアでもこれぐらいが普通だからな。女子生徒はそもそも全員オベリスクブルーなので競争は薄く、枕田もまだ1年生なので、神楽坂や十代ぐらいデッキを回せという方が酷であろう。かといって、別にオベリスクブルーの1年の男子生徒が女子生徒よりも強いのかと言えば……正直、ドングリの背比べだな。大差ない。

 

枕田

LP2500

手札4

モンスター1

魔法・罠0

 

ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)

星4/風属性/鳥獣族/攻1800/守1300 このカードのカード名はルール上「ハーピィ・レディ」として扱う。

 

ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)

ATK1800

 

 

《私のターンドロー。私は手札から"強欲な壺"を発動》

 

手札2→3

 

《そして、"ハイドロゲドン"を攻撃表示で召喚します。更にリバースカードオープン、永続罠"リビングデッドの呼び声"を発動。"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"を特殊召喚します》

 

ハイドロゲドン

星4/水属性/恐竜族/攻1600/守1000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。デッキから「ハイドロゲドン」1体を特殊召喚する。

 

仮面竜(マスクド・ドラゴン)

星3/炎属性/ドラゴン族/攻1400/守1100

(1):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。

 

「ああ、"フロフレホルス"か……」

 

「……!? "ハイドロゲドン"と"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"のたった2枚でもうデッキを特定したのか?」

 

「ああ? まあ……この辺は慣れだよ。少し珍しいデッキだな」

 

 三沢にはそれだけ答えたが……また、随分と懐かしい……数多の環境デッキの陰に埋もれた良デッキを持ってきたものだな……。

 

「けれどこれじゃ、"ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)"は倒せないわよ? どうしてカードガンナーを蘇生させなかったの?」

 

「ああ、それはライフを必要経費とすれば、どちらでも大差ないどころか確実に墓地が肥やせるからだ」

 

《私は"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"で"ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)"を攻撃します》

 

「……え?」

 

メデューサ先生

LP4000→3600

 

 当然、ハーピィ・レディに仮面竜は負けて、戦闘破壊される。

 

《私は"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"の効果で、"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"を特殊召喚。そして、"ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)に攻撃。更にもう一度これを繰り返します》

 

「め、メデューサ先生なにしてるの!?」

 

 まあ、無理はないが、枕田は酷く驚いた様子だった。繰り返される自爆特効に、生徒や教員も騒然とし、"遂に壊れたか"という声が生徒から聞こえ始める。

 

 遂に壊れただなんて失礼な……ヴェノミナーガさんは元から壊れているだろ。

 

メデューサ先生

LP3600→3200→2800

 

《最後の"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"の効果で、"ボマードラゴン"を特殊召喚します。そして、"ボマードラゴン"で"ハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)を攻撃です》

 

ボマードラゴン

星3/地属性/ドラゴン族/攻1000/守 0

(1):このカードの攻撃で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる。

(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。このカードを破壊したモンスターを破壊する。

 

 どう見てもあからさまにヤバそうな爆弾を抱いたままホバリング飛行するドラゴンが現れ、すぐにハーピィ・レディへと突っ込んで行った。

 

ボマードラゴン

ATK1000

 

「またっ!?」

 

《いえ、"ボマードラゴン"の戦闘時、互いにダメージは0になり、このカードが破壊され、墓地へ送られた場合、破壊したモンスターを破壊します》

 

 案の定、ボマードラゴンはハーピィ・レディからの迎撃の羽を飛ばす攻撃の全てを受けながらもまるで止まらず、そのままハーピィ・レディの目の前まで到達すると、爆弾が激しく光り輝き、大爆発を起こして2体とも消え去った。

 

 ソリッド・ビジョンで見ると、とんでもないカードだな……ボマードラゴン。

 

《最後に"ハイドロゲドン"で直接攻撃し、カードを1枚セットしてターンエンドです》

 

枕田

LP2500→900

 

メデューサ先生

LP2800

手札2

モンスター1

魔法・罠1

 

 いやぁ……ヴェノミナーガさんも生徒の授業用に随分自重してるなぁ……。 

 

「それでフロフレホルスっていうのは……?」

 

「ふむ……ホルスは"ホルスの黒炎竜"だということはわかるが……フロフレとはなんだ?」

 

「フロフレは"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"の略称ですよ。デッキの構成としては、【氷炎の双竜】、【お触れホルス】、【未来龍】の3つのデッキから、いいところだけを掛け合わせた複合デッキです」

 

「は、発想が既にスゴいわね……」

 

「統一デッキを2つ合わせるデッキがあるということは知っていたが、別のコンボを組み込んだデッキを3つ合わせたデッキなのか……」

 

「可能なのかそんなことが!?」

 

 ちなみに前には三沢がおり、フィールドを見ながら俺の話を熱心に聞き、時々声を上げつつメモを取っている。勉強熱心でいいことだな。

 

 また、メデューサ先生の半実技の授業中は、このように片側をカイザー先輩、もう片側を天上院に固められて座ることが多い。後ろの席には無論、天音ちゃんが座って比較的大人しくしている。

 

「可能も可能です。見ていればすぐにわかりますよ」

 

 実際、レシピを見てもイマイチぱっとしないというのは否めないが、それでもフロフレホルスは当時の強デッキのひとつだった。

 

 とは言え、その頃の環境トップと言えば、あの【帝コントロール】。【フロフレホルス】はそれに惜しくも及ばずに消えたデッキであり、環境に食い込んだ最後のホルスデッキとも言われている。また、フロフレホルスを最後に、ホルスの環境は約3年程だった。

 

 正直、俺は【帝コントロール】よりも遥かによく考えられた宝石のようなデッキのひとつだと思う。【ドグマブレード】や【活路エクゾ】も戦法はあれだが、最初に考え付いた奴は本物の天才だと思う事と同じだ。

 

 また、仮に氷炎の双竜か、ホルスの黒炎竜 LV6の攻撃力が2300ではなく、2500だったのなら……帝コントロールを抜けたかもしれないと思うと、なんとも言えない気分になるというものだ。

 

 そんなことを考えているうちに、バードマンでハイドロゲドンを倒し、カードを2枚セットして枚田はターンエンドした。

 

バードマン

星4/風属性/鳥獣族/攻1800/守 600

マッハ5で飛行する鳥人。その眼光は鷹より鋭い。

 

バードマン

ATK1800

 

メデューサ先生

LP2800→2600

 

《枕田さんのエンドフェイズ時に私は永続罠、"王宮のお触れ"を発動します》

 

「うっ……!?」

 

 両方トラップだったような反応だなぁ。

 

枕田

LP900

手札2

モンスター1

魔法・罠2

 

 

 さあ……始まるぞ。

 

《私のターンドロー。発動から2回目のスタンバイフェイズになったため、私は"未来融合-フューチャー・フュージョン"を手札に加えます。そして、"埋葬呪文の宝札"を発動。墓地の魔法カードを3枚――"封印の黄金櫃"、"サイクロン"、"早すぎた埋葬"をゲームから除外し、2枚ドロー》

 

手札2→4

 

《手札から"未来融合-フューチャー・フュージョン"を発動。自分の融合デッキから融合モンスター1体をお互いに確認し、 決められた融合素材モンスターを自分のデッキから墓地へ送ります。私は"F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)"を選択。融合素材はドラゴン族モンスター5体のため、"ブリザード・ドラゴン"3体と、"ホルスの黒炎竜 LV6"を2枚墓地に送ります》

 

 次々とデッキからカードを抜き出し、デュエルディスクのセメタリーエリアにカードが吸い込まれていく。

 

《発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に、確認した融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚します》

 

 やはり、エラッタ前の効果は凶悪だなぁ……。

 

《そして、私は墓地の"ブリザード・ドラゴン"を2枚と、"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"を除外し、手札から1体目の"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"を特殊召喚。更に墓地の"ブリザード・ドラゴン"、"ハイドロゲドン"、"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"の3枚を除外し、手札から2体目の"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"を特殊召喚します》

 

"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"

星6/水属性/ドラゴン族/攻2300/守2000

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の水属性モンスター2体と炎属性モンスター1体をゲームから除外した場合のみ特殊召喚できる。1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。

 

 二股に首が別れ、それぞれ氷の炎の首を持った細身のドラゴンが2体現れる。

 

氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)

ATK2300

 

氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)

ATK2300

 

《"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"は、墓地の水属性モンスター2体、炎属性モンスター1体を除外することで特殊召喚できるモンスターです》

 

 その光景にカイザー先輩、天上院、三沢は開いた口が塞がらないといった様子だが、補足することにした。

 

「メデューサ先生も説明していますが、それが"氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)"です。そして、これまでの過剰にさえ見える墓地送りは、全てこの時のためですよ」

 

「…………でもそれなら"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"を3回も破壊する必要はあったのかしら? "未来融合-フューチャー・フュージョン"で送った分で炎属性は足りている筈よね?」

 

「ああ、それは……どうせ"竜の鏡(ドラゴンズ・ミラー)"を引いているからだよ」

 

《手札から通常魔法、"竜の鏡(ドラゴンズ・ミラー)"を発動。自分のフィールド・墓地から、 ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、 その融合モンスター1体を融合デッキから融合召喚します。私が選択するモンスターは――"F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)"。墓地の"ホルスの黒炎竜 LV6"を3体、"ボマードラゴン"を1体、"仮面竜(マスクド・ドラゴン)"を1体除外し、"F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)"を特殊召喚します》

 

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)

星12/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守5000

ドラゴン族モンスター×5

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードは闇・地・水・炎・風属性モンスターとの戦闘では破壊されない

 

 闇・地・水・炎・風の首をそれぞれ持つ、デュエルリングに収まり切らないほど巨大なドラゴンが現れた。

 

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)

ATK5000

 

「なるほど……墓地に水属性モンスター4体、炎属性モンスターが2体、ドラゴン族モンスターが5体の計11体存在しなければ成立しないコンボか……とてつもないな……」

 

「嘘……"カードガンナー"の効果がこんなところで……」

 

「な、なんなんだこのデュエルタクティクスは……想像すら出来ない!?」

 

「いや、まだですよ。メデューサ先生には後、手札が1枚残っていますからね」

 

 俺の予想が正しければ"次元融合"か、"死者蘇生"辺りだよなぁ。まあ、ホルスを全て除外していたので恐らくは――。

 

「流石にこれ以上は――」

 

《最後に魔法カード、"次元融合"を発動します。2000ポイントライフを支払うことで、お互いに除外されているモンスターカードを可能な限り、特殊召喚します。私は2体の"ホルスの黒炎竜 LV6"を特殊召喚です》

 

メデューサ先生

LP2800→800

 

ホルスの黒炎竜(こくえんりゅう) LV(レベル)

星6/炎属性/ドラゴン族/攻2300/守1600

このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法の効果を受けない。このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜 LV8」1体を 手札またはデッキから特殊召喚する。

 

 時空が歪み、その中から金属のような質感の体をした神の偶像の怪鳥が2体現れる。

 

ホルスの黒炎竜 LV6

ATK2300

 

ホルスの黒炎竜 LV6

ATK2300

 

 とんでもない大量展開により、カイザー先輩、天上院、三沢を含めて会場は誰1人として言葉の出ない有り様になり、対戦相手の枕田は放心しきっており、魂が出てしまったような状態になっていた。

 

 改めて、メデューサ先生のフィールド上を見渡してみる。

 

氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)

ATK2300

 

氷炎の双竜(フロストアンドフレイム・ツインドラゴン)

ATK2300

 

F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)

ATK5000

 

ホルスの黒炎竜 LV6

ATK2300

 

ホルスの黒炎竜 LV6

ATK2300

 

 なんかもうF・G・Dの巨体だけで、フィールド上の空きスペースがほとんどないにも関わらず、数mのドラゴンが4体も並んでいるので、寿司詰め状態だが、皆キリリとした顔で並んでいるため、圧倒的な壮観を覚える。

 

 少しだけ余韻に浸っているのか、メデューサ先生は止まって自分のモンスターを見渡した後、片手を掲げた。

 

《では、総攻撃。エレメント・バースト・フレア》

 

「先生待っ――」

 

枕田

LP900→0

 

 

 掲げた手は無情にも振り下ろされ、まるで必要のない俺もよくやる過剰召喚からの同時過剰攻撃により、枕田は自分のフィールドごと吹き飛び、ライフポイントを消し飛ばされた。

 

「…………ジュンコには悪いけど、いいものを見せて貰ったわ。後で慰めてあげなきゃね」

 

「そうした方がいいな……」

 

「3つのタクティクスの合成……デュエルモンスターズは奥が深過ぎるな!」

 

 枕田は地面に女の子座りで座り込んだまま、少し涙を浮かべていた。それはあんなものを普通に正面から見れば、ミンチすら残らないド迫力の死亡シーンだものな。

 

 そんな枕田を他所に、メデューサ先生は再びデュエルリングの中央にやって来ると、大きく体を動かしつつ、ピンマイクに声を張り上げた。

 

《さーて、ではいつも通り、私とこのデッキでデュエルしたい人はいるかなー!》

 

「はーい! はいはいはい! 俺! 俺がやります!」

 

《はい、じゃあ、遊城十代くん。デュエルリングに来て下さい》

 

 案の定、最初に食いついたのは、我らが十代であった。デュエルの前から非常に嬉しそうな様子かつ、軽やかな足取りで、デュエルリングに向かって行くのが見える。

 

「あっ、十代! 次は私よ!」

 

「ならその次は俺も参加したいな……」

 

「俺も忘れないでくれよ!」

 

 あれだけの光景を見せつけられても、これだけ挑戦者がいるのだからそれだけでも、このデュエルアカデミアに来た価値があるというものだ。

 

 そして、早速。十代 VS メデューサ先生のデュエルが始まった。

 

「それにしても、メデューサ教諭は一体何者なんだ……? 突然、現れたかと思えば特にこれといった経歴はないにも関わらず、極めてハイレベルのデュエルタクティクスを持ち、伝説と呼ばれるLVモンスターまであらゆるカードを持っている……」

 

 ある意味、当然の疑問がカイザー先輩から疑問が出たため、そのまま伝えることにした。

 

「それはもちろん、神様ですよ。デュエルモンスターズのね」

 

「ふふっ! 神様だなんて、リックったらおかしい……」

 

「フッ……いや、ナイトメアに神と慕われるほどの方なのならある意味納得だな」

 

「まあ、そんな感じですよ」

 

 メデューサ先生こと、ヴェノミナーガさんの実技授業はこのように行われ、ソリティアやワンショットキルはこのように役立っているのであった。

 

 






なんでこの小説の万丈目さんこんなにリア充なんですか?(殺意)


あっ、そうだ(唐突)。いつも感想ありがとうございます。感想は作者の養分かつポリシーとして全て返信いたしますのでどしどしお寄せください。




~QAコーナー~

Q:サイレント・マジシャンちゃんはどんな性格なの?

A:とある匿名の毒蛇神から毒気とウザキャラを抜いて、毒蛇神に致命的に足りない奥ゆかしさと、気立てのよさと、誠実さと、自重と、羞恥心を足したような性格だよ!


Q:なんで毒蛇神が引き合いに出させるの?

A:何故かは作者もまるでわかりませんが、生まれたのがI2ジュニアカップだとすると、リックくんが約11歳のときのお話なので、あの体型にも関わらず、現在は約5歳となっております。



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。