私の友達が1枚のカードを見せて言いました。
『コイツヒロインで小説書いてくれよ』
その時、私に電撃走る。
じゃしん
突然だが、俺は風で飛んだ1枚のカードを拾うため車道に飛び出し、拾ったはいいが既に回避できない距離にワゴン車が来ていた。
信号を見ると赤、住宅地をそのスピードで走っているとなると信号無視だろう。
(あ、これ死んだ)
これが走馬灯なのか、今までの前世を足して30年ばかりの人生が甦った。
俺は所謂転生者だった。
死んだ俺は気付けば遊戯王の世界に転生していた。
街中でデュエルディスクを付けた人と、ソリットビジョンのモンスターを見かけ、バトルシティの対戦をお茶の間から見たので間違いない。
俺は
原作キャラのリックに憑依していた事をその時、初めて知った時でもある。
そして今は俺が死ぬイベントだろう……。
無論、俺も気を付けていなかった訳ではない…が、初めて貰ったデッキに感激してそんなこと忘れてしまったのだ。
この遊戯王の世界の遊戯王カードの価格はヤバい。ウルトラレアと言うだけで、どんなに弱かろうと最低数十万は確実にするし、スーパーですら数万だ……デッキを貰ってテンションが上がらない訳がない。
あーあ……前世含めたら俺もう魔法使いじゃん…ヤりた…彼女とか欲しかったな……。
……そう言えばあのデッキなんだったんだろう?
俺は飛び、今の状況を作り出した元凶の1枚のカードを見た。
え……マジか、こんな高そうなカードくれたのか……。
あれ? そう言えばコイツって……神のカードじゃね?
『あなたはまだアンデットになるのは早すぎます』
は?
何処からか女性の声が聞こえた。
『どうせなら私のマスターになっちゃって下さい♪』
その瞬間、目の前に半透明の前世ですごく見覚えのあるカードの一応、女神が俺の前に出てきた。
『イケメン、古代人並の高
散々、空気を破壊し、自分の頬に手を当てふりふりと謎の行動を取った挙げ句に彼女は腕を振り上げた。
『交通違反にマスターを巻き込み、未来を断とうとは恥を知りなさい。後、私の未来も』
彼女が手を降り下ろすとワゴン車のフロントが凄まじい音を立てながら陥没し、ワゴン車が縦回転しながら俺の頭上を舞う。
そして俺の数m後方で2、3回転して止まった。
車は見事にスクラップである。
「リック!? 大丈夫か!?」
「あ、うん。コイツが守ってくれたっぽい」
「お、お前は……いったい?」
父さんは俺を抱き締めたまま、精霊から守るようにしつつ、その精霊を見つめた。
『おや? あなたも見える人ですか、なら話は早いですねぇ。このような見た目ですが、少なくとも私は彼の味方ですよ』
「………それの話は後にしよう」
父さんが何かに気付いたようで、俺もそちらを見ると、ワゴン車から3人の銃とスポーツバッグを持った男が這い出て来た。
THE・銀行強盗といった服装だ。スポーツバッグから金と覆面がはみ出てるし。
「ふん……ッ!」
父さんは人間か疑うスピードで駆け出すと直ぐに3人を素手で気絶させてしまった。
流石元特殊部隊、人間の格が違う……。
父さんがのしたところで、後ろからサイレンの音が聞こえてきた。
「後は任せよう。そいつのことも聞きたいからな」
俺は神のカードを一度良く見てから、再び神を見てそっとデッキに戻してから言った。
「よろしく、"ヴェノミナーガ"さん」
『ふふふ、これからよろしくお願いいたしますマスター♪』
そう言って毒蛇神ヴェノミナーガは赤い目を光らせた。
《毒蛇神ヴェノミナーガ》
効果モンスター
星10/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のカードの効果の対象にならず、効果も受けない。このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時から3ターン後、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。
こうして俺の長い長い蛇神との生活が始まった。
なぜこの人(?)がヒロインの小説が1つもないのか(ふんす)。
おい、他の小説書けよ という言葉は受け取らないので悪しからず(震え声)。