2-1:再会
──────無限城。
ここに呼び出されたのは三回目。
そのうち二回は上弦が殺された時だった。
そして毎回、こっぴどく無惨様に叱られる。
だから今回も、そうなのだろう。
それにしても・・・
「良いところだったのに・・・」
思わず不満が口から洩れてしまう。
だが、俯きがちで見渡した無限城は、なんだか様子がおかしい。
それは、妓夫太郎、堕姫、玉壺殿、半天狗殿、獪岳殿など、死んだはずの上弦が居たからだ。
そしてその中でも、4つの潤んだ瞳が俺をとらえていた。
「童磨さんっ!」「童磨っ!」
重なる声が俺の鼓膜に響く。
妓夫太郎と堕姫のものだ。
返事代わりに俺はひらひらと手を振る。
すると二人は、パタパタと俺のもとへ駆けつけた。
「童磨さん、アンタがここにいるってことは鬼狩りに殺されたってことだなぁぁ?」
「うん、そうだぜ。油断したよ」
「まさか童磨がやられるなんて、今回の柱ってそんなに強かったの?」
「それはね・・・」
とてもかっこ悪い、俺の負け様を二人に話そうとした。
しかし、遅れて妓夫太郎の言葉が胸にひっかかり、寸前で続きの言葉を飲み込む。
(殺された鬼が集められた、のであれば・・・)
「・・・猗窩座殿はいかに?」
特定の誰に向けたわけでもなく、ただこの場にいる者たちに向けて尋ねる。
すると、間を置いて女の声が響いた。
「上弦の参様は不明です。」
「不明?」
「はい、今分かっていることは、死んだ鬼は"この世界"に生まれ変わるということです。上弦の参様も例外では無い筈ですが、私の血鬼術にも反応しませんでした。」
「ありがとう。琵琶の・・・」
「鳴女です」
「鳴女ちゃん!」
それにしても、猗窩座殿は居ないのか。
(・・・つまらないなあ)
と、胸の内で独り言ちる。
そんな中、無限城に重たく響き渡る声。
「おそらく・・・ここに居る鬼は来世でも鬼でいることを選んだ者たち。つまり、猗窩座がここに招かれることは無く、今も地獄の業火で焼かれているか、もしくは人として生まれ変わっていることだろう。」
それは、黒死牟殿の声だった。
まさか鬼狩りにやられるなど夢にも思わなかったが、何より彼の放った言葉に納得してしまった。
(人として・・・か。では、さよならということだな。猗窩座殿)
感傷に浸る、ような仕草をする。
親友に二度と会えないと分かっていても、俺の心はピクリとも動かなかった。
そんな俺の様子を見てか、妓夫太郎と堕姫が俺の顔を心配そうにのぞき込む。
だから俺は二人の頭に手を軽く置き、語りかける。
「ごめんよ。気にしないでおくれ」
無限城に集う②に続く