S.H.I.E.L.D.長官のボディーガードは魔女   作:LemoИ

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※エージェントオブシールドのシーズン1第2話の最後を視聴推奨です。

妄想の産物故、口調や設定などにあんまり自信がありません…お許しください。


閑話/エージェント・オブ・シールド

(シールドの施設スリングショット)

 

場所などの情報は隠匿され、長官副長官レベルの者しか知ることは出来ない機密事項となっている。

 

南米ペルーで発見された084の回収任務を終えたコールソン一行は、四次元キューブのエネルギーを利用した兵器を処分するためにスリングショットを訪れていた。

 

その処分の方法はロケットで打ち上げ、太陽に送るというもの。

 

そして、084を巡るトラブルによって穴が空いてしまったバスの修理をしていると…

 

「コールソン!!これは現実なのか?6日だぞ!最新鋭の装備に改造したばかりの飛行機を君の部下はたった6日でスクラップにしたのか?」

 

コールソンは、上司であるニック・フューリーからのお叱りを受けていた。

 

「全ては私の責任です…。」

 

「そんなことを聞いてるんじゃない。知ってるのか?この飛行機がいくらしたか。バーカウンターまである。こんなに良いのが…。私には権限がある。なんなら私の権限でキャンピングカーと取り替えようか?」

 

「覚悟しています。」

 

「元に戻せ。完全に元通りの状態にな!くれぐれも、フィッツ&シモンズに改造を追加させるなよ?あぁー水槽とかな。」

 

「了解。」

 

「それと新入りの女…あれは危険だ。」

 

「分かってます。」

 

「忠告したからな。」

 

「ローラはどうだ?」

 

「無事です、ご心配どうも」

 

「全く、勝手なことばかりするな。………それとだ。」

 

「何でしょう。」

 

「…外で待たせている。ちゃんと叱られてこい。」

 

「……はいっ?」

 

「この後どうなるか見物だな。死んだと思った同僚が実は生きていましたと。」

 

「えっと、彼女は……まだ知らないんですか?」

 

「あぁ、俺から話すより、本人から説明した方が良いんじゃないかと思っただけだ。彼女はレベル10だが、敢えて秘密にしておいた。直接行って、叱られて、殺されかけてこい。」

 

「…………分かりました。行ってきます。」

 

そう言ってコールソンは、バスのタラップを降りて目的の女性を探して少し歩くと、その姿は直ぐに見つかった。

 

彼女──モルガンはバスから少し離れたところに停めてある黒塗りのバン背中を預けて、タブレットを触っていた。

 

その美しい顔は相変わらずの無表情だった。

 

しかし、背中まで届く銀髪は弱い風に吹かれて、何故か美しさが増して見えた。

 

ニューヨーク決戦にも参加したことはコールソンも後から聞いたが、大きな怪我をした様子は無くて一先ず彼は胸を撫で下ろした。

 

◇◇◇

 

タヒチ計画

 

それぞれが唯一無二の存在であるアベンジャーズメンバーが死亡した場合に蘇生をする計画。

 

シールド内には、既に幾つも計画が進行あるいは実行されています。

その中には、私の部隊を含め地球外の脅威に対する計画も存在します。

 

そして、タヒチ計画も、それらのシールドの計画の1つとなっています。

長官であるマスター直属のボディーガードであり、秘書に近い仕事をしている私にもクリアランスレベル10が与えられているため、その計画の存在は認知していました。

 

今更何故この計画のことを私に?

 

幸いなことに、ニューヨーク決戦ではアベンジャーズのメンバーは誰一人欠けること無く、勝利を収めました。

そのため、この計画は存在していても、まだ実際に使われてはいないのです。

 

そのことに疑問を持ちつつ、やってきたのはスリングショットでした。

滑走路には、ヘリキャリア以前から使われていた若干懐かしいシールドの航空機が停まっていました。

 

そして何故か土手っ腹には、誰かのビームが貫いたようなかなりの大きさの穴が空いています。

マスターは、外からその穴を見て大きな溜め息をつきました。

 

「ここで待っていろ。穴を開けた件について話してくる。」

 

「承知しました。」

 

マスターが戻ってくるまでの間、私はタブレットでいつも通りの仕事をしていました。

 

「失礼、ちょっと良いかな……」

 

マスターが機内に入って少ししてから突然聞こえた声に、視線をタブレットから目の前に上げました。

 

 

「はい、何でしょ…う……???」

 

 

私の右手にいたタブレットは、いつの間にか手元から逃げ出して転がり落ちていました。

 

もしかしたら画面が割れているかもしれませんが、今そんなことは関係ありません。

 

 

「やぁ……」

 

 

「コール……ソン?」

 

 

「久しぶりだな。変わらず元気そうで良かった。」

 

 

目の前に居たのは、ロキに刺されてこの世を去った筈の男。

 

フィル・コールソンでした。

 

私は、思わず右手で彼の腕を優しく掴んでいました。

それはまるで、幻覚ではなく実際に目の前に居るのを確認するかのようでした…

 

「い、生きてるんですね……」

 

「あぁ……」

 

私の前に居るのは、いつもの穏やかで優しそうな表情を浮かべたコールソンでした。

 

「グス……なんで!!!生きてるのを黙ってたんですかっ!!!」

 

そう言って私はコールソンの左頬にビンタをしていた。

もちろん、本気だと首の骨が折れる可能性があるので多少手加減はしています。

 

彼はいきなりの攻撃に唖然とした表情をしています。

 

涙腺がどんどん緩んでいき、頬を液体が伝っていく感覚がしました。

だけど、今はそんなことは関係ありません。

この涙で私がどれだけ悲しんだのか伝わればいいんです。

 

「うぅ……じんぱい、じたんでずよ!!!」

 

「……あぁ、済まなかった。」

 

左手を爪が食い込むくらい握り締めて、私は彼のことを睨みつけました。

目の前には、左頬に手を当てている彼の姿がボヤけて見えました。

 

「ズルッ……もう、大体気は済みました。どうせ何か事情があったんだと思っておきます。マスターが隠していたんだと思います。ただ、私が槍を出さなかったことは感謝してください…」

 

「わ…分かった。連絡しなくて悪かったモルガン…」

 

「もう、良いです怒ってないです……ロキに単身勝負を挑んだことなんて怒ってないです。」

 

「それについては…私も無謀だったと反省している。」

 

「今度……食事…奢って。」

 

「あぁ、勿論だ。」

 

「そういえば、今回084で呼ばれたそうですね……前回はハンマーだったので、今度は斧か剣辺りでしょうか……。」

 

「あぁ、その事なんだが……」

 

◇◇◇

 

「わ、私に、タヒチ計画のファイルを見せたのはこのためだったんですね……。」

 

帰りのジェットの中で私は泣き腫らした目のままマスターに話しかけた。

 

「…あぁ、そうだ。彼は本当にタヒチで療養したと思っている。……計画の詳細はコールソンにも内密に頼む。」

 

「承知…しました。安心してください。彼に特別な感情を持ってるとかではありませんので。彼は……ただの良き同僚です。それ以上でもそれ以下でもありません。」

 

「大丈夫だ。その点は信用している。それどころか、こちらとしてはそっちの方で何も無いのが心配なくらいだ。」

 

「……任務より、大切なものが出来てしまうのは、きっと弱くなるだけだと思うんです。更に弱くなると思うんです。それに、命を刈り取るのがより難しくなる気がします……」

 

優先順位が、命懸けのこの仕事や任務よりも家族が上になってしまうのは、かなりのリスクがあると私は思っています。

 

「そう、か……それと、彼のことを秘密にしていたのは済まなかった。俺から話すよりも本人に直接合わせた方が良いんじゃないかと思ったんだ。」

 

「いえ、事情あってのことだと思うので……だ、大丈夫です。……あとすみません、また取り乱してしまいました。」

 

知らない間に声量がどんどん萎んでいく気がしましたが、マスターは変わらず聞き取ってくださいました。

 

「大丈夫だ。業務の方に支障は出ていないからな。それに……氷のようだった昔に比べたらな……安心もする。泣くほど大事な仲間たちが居るってこともな。」

 

「そう……ですか。」




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