やあ。幽霊は信じるタイプかい?それとも信じないタイプかい?
僕は.........信じざるを得ませんねぇ、ははは。
目に見えないモノ。加工で生み出されたモノ。古い過ちの歴史から生み出されたモノ。恐怖から生まれたモノ。触れられぬモノ。この世の悪とされるモノの具現化。
まぁ、多岐に別れるけれど、大体は心霊番組とかじゃないのかな。うんうん。小さい頃は良く怖くて音を聴くのすら嫌だったよ。僕も。
いやぁ、ねぇ。だって呪いとかさ、取り憑かれるとか、そんなんあったらもっと人が死んでて、科学的に証明出来ると思うじゃん?いまいちこう、納得出来ないというかさ?「うわ、有り得ねーw」と声が出ても可笑しくないしね。
実際大多数の人達がそうなんじゃないのかな?オカルトが好きな人もあると言っておきながら、本当は、心の底からは信じていない筈だよ?
分からないけどね、でも何時かは卒業する。厨二病ってヤツだね。
うん。前置きはこんなんでいいだろう。いや、現実逃避はこれくらいで良いだろう。自分に言い聞かせるのは不可能だと、気付いたしな。
普通の生活を送っていた、変わらぬ日常だった、確かに変化は求めていた。刺激が欲しかったのは否定はしない。
だからといって、こんな、こんな──────────。
俺はこの日、常識も、認識も、全て塗り替えられる事になる。
知らないまま生きる事が出来た。それでも知ってしまった。ああ。もう、知らないまま、あの日常には戻れないのかもしれない。
俺の、「高倉 才眼」はそう思い思考を閉ざした。
☆☆☆
目を開く。光が差し込んだ。そう、朝だ。
「夢、か?」
夢だろう。でなきゃ説明がつかない。なんなら夢であって欲しいのである。怖すぎてチビってこの歳になって漏らしてしまう。マジで。
現在の時刻は9時半。ちなみに俺は学生である。であればこんな時間に起きたのなら完全に遅刻確定だろう。終わりである。
だが生憎、俺は不登校を決め込む悲しい学生であった。別に世界を救う仕事があるとか、女の子を守る為に仕方が無く、とか別の組織に入る為に今は休学中である。とかは全く無い。
ただの不登校ニートである。悲しいなり。
家には誰もいない。親、父親である「高倉 清司」と母親である「高倉 舞香」はどちらも仕事であるからだ。まあ、そのお陰で俺はこの優雅な朝の時間を過ごせる訳だ。ふはは。素晴らしいぞ!ヌハハハ!!!
軽やかな気持ちである。踊り出したい気分である。気分は中世のダンスパーティである。ん?ダンスパーティで言葉は合っているのだろうか.......?
学の無さに、少し悲しくなったが気を取り直して扉を開ける。
そして──────────。
「トゥ!!!!!ホオオオオッッッッ!!!!」
カンフー映画の様に飛び出る!決まったぜ!
「........何、してんの。」
終わった。何故忘れていた?我が家にはもう一人家族が居たことを何故、忘れていた?
こいつは姉、「高倉 夏蓮」エロゲーあるあるの義姉属性が付いているが悲しいがこれっぽっちの感情も今まで生きてきて湧いたことがない。残念ながらお前のルートは無い。
「馬鹿してないで、いい加減不登校やめて学校に行きなさいよ。はあ........。」
どうやらルートはあっちから願い下げの様だ。
俺は黙り込み、俯いてまた部屋に戻る。夏ねぇは既に成人していて今は働いているのだ。昔は仲良かったが、今はこの通り俺が人間として腐っている為こんな感じだ。まあ、弟がこんなのであの態度だから優しい方ではあるが。
しかしこの時間帯は居ないはずなのだ、仕事で。しかしどうやら読みを間違えたらしい。猿も木から落ちるである。しょうがない。
俺が不登校になった理由は一つである。合わなかったのである。見えている世界が違う。何故か噛み合わない。具体的に言えば精神年齢がまるで違うような感覚だった。
もちろん学校にいる時は話題を積極的に出し、笑いを取り、何時しかクラスの中心に居た。楽しかった。しかし、学校にいる時だけだったのだ。スイッチの切り替えが上手かっただけなのだ。
結果的に俺は病んだ。軽くではあるが、病んだのだ。だから行かなくなった。
行かなくなり四ヶ月は経った。親は何も言わなかった。見放されているのだろうか、それともいずれ立ち直ると考えているのだろうか。分からない。俺は、どうすればいいのだろう....。
まるで闇に沈み込む様な感覚だ。いや、もう考えるのは良そう。ネガティブは良くないのだ、今はこうでいいだろう。いつか答えが出ると信じて今は心身の回復を目指すのだ。
そうと決まればランニングだ!走ろう!ニートあるあるの日課は散歩かランニングなのだ!ウ○娘の気分で駆け抜けるのだ!
そうして俺は家を出ることにした。もちろん夏ねえにはバレないように。
それにして、あの夢は変な夢だったなぁ。