ホロライブ・オルタナティブ第二章 feat.“Saber” 〜猛る烈火は誰の為にその命を燃やすのか〜   作:らっくぅ

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そういえば今作から改行なしで投稿しているのですが、読みづらい等あればお申し付けください。試行錯誤の途中ゆえ、他にも色々変えるかもしれません。


第三話 ったくそういう所だよなぁ

──都市ギエルデルタ。

 

「もー、結翔5分で終わるとか言ってなかった?」

「…提出先間違えてた」

「あ、あはは…まぁそういう事もありますよ」

「甘やかしちゃダメだよフブキ! そんな事言ってコイツ何回も宿題忘れてきてんだから!」

「何回もって事はないだろ。ここに来てからまだ2回くらいしか…

「サバ読み過ぎだろ! その10倍くらいはあるわ!」

「……」

「あ、あはは……」

 そんな事を言い合いながら廊下を歩いていると、

「あ、まつりちゃんにフブキちゃんだ。やっほー」

「結翔パイセンもいるじゃないですか! 一緒にメシ行きましょうよ!」

 黒い帽子を被った紫髪の少女とオレンジ色の髪の間から2本のツノを生やした少女がこちらに手を振っていた。

「おーっすトワちんにココちん! いこいこー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学生食堂でそれぞれ頼んだ料理をトレーで運び、いつものテラス席に着くと、結翔は同じく席に座る友人を見渡す。

 いつもながら、奇妙な面々だと結翔は思う。

「……」

 普通の人間で突出した才能はないものの、色々な部活に顔を出し学校中の人気者の夏色まつり。この学校に制服が存在しないことを良いことに、毎日露出の多くキワドイ──ファッションに疎い結翔に言わせれば奇妙な──コーデを取っ替え引っ替え見せてくれる。今日はオレンジの上着にホルターネックのインナー、下は白いスカート(露出ポイントは左のスリット)にタイツと、いわゆる『いつもの』ヤツのようだ。髪も左サイド片側に結っており、溌剌とした印象を受ける。

 

 おっとりとした性格で、このメンツの常識人担当である白上フブキ。彼女は狐の獣人らしく、銀のケモ耳とふさふさの尻尾が特徴だ。ただし、名の通り白を基調とした服──フブキ自身気付いていなかったが、フブキもへそを出していたり片足ニーソだったり、結翔流に言えば“露出族”の一員だったりする──を好んで着ており、鋭さを持つ銀というよりは柔らかな白の印象が強い人物だ。

 

 そしてさっき廊下で会った後輩──常闇トワと桐生ココ。2人は魔界の魔族だが、留学という名目でこの学校にやって来たらしい。

 トワは『悪魔』という種類の魔族らしい。『悪魔』は悪事を働くのが生業と語っており、確かに紫の髪や蛍光色が散りばめられた衣装など、少なくとも外見は天使からはかけ離れている。が、実際はその真逆で、世話焼きな上に生粋の常識人だ。奔放で何をしでかすか分からない同学年のココの手綱を握る──たまに制御から外れるが──貴重な人材でもある。前にそんな事をトワに言ったら、彼女は何か言いたげな目だけ向け、何も言わなかった。結翔がトワの苦労を知るにはまだまだ程遠いようだ。

 

 そして桐生ココ。この中では彼女が1番特質だと言えるだろう。中学生男子としてはやや身長の高い結翔よりもさらに長身なココは、頭の2本のツノ以外にも爬虫類のような尻尾を持ち、さながらドラゴンのようだ。それもそのはず、彼女は竜人族という種族であり、学生でありながら既に何千年と生きているらしい。そして何といっても目立つのは彼女が、魔界最大勢力のヤクザ──一応、公式には自警団となっている──『桐生会』会長の長女であるという事だ。実際、護衛の人間を街中で何度か見かけたことがある。流石に目立たないよう巧妙に隠れていたが。ただ魔界の、それも少しディープな世界に慣れすぎた為か、人間界の生活がとても新鮮らしく、ココは毎日好奇心のままに活動している。そのせいで護衛役も──そして自分達も──彼女の予測不能な行動に苦労しているようだ。

 

「あんふかふゅいほふぁいへん、わはひあのはおひっほいへ」

 ココはピザを口いっぱいに頬張りながら尋ねる。

「いや…お前ら、何で俺なんかと付き合ってくれてんのかって思って」

「えと、今の解読できたんですか?」

「いや、なんて言ったんだ?」

「分かってなかったのかよ! …ったく、そういう所だよなぁ…」

「?」

「そのふわふわした感じっていうの? 危なっかしいの! だからまつり達がついてやらないとね」

 まつりはサンドイッチをその小さな口で一生懸命に頬張りながら、そう口にする。まつりはこんな風に口が悪くおちゃらけた雰囲気ながらも、相手のことをよく見ていて、きちんと接してくれる。出会ってまだ数ヶ月しか経っていないが、そういう人となりであるというのは、結翔にもよく分かった。実際、転校初日で右も左も分からない結翔に校内の案内や色々な世話をしてくれたのはまつりとフブキだった。

「確かに、結翔先輩からはココと同じ匂いするわ。トワ達が見てやらないと、勝手にどっか行っちゃいそうだし……てか、まつりちゃんも似たようなもんだろ! アンタは“こっち側”じゃないっ!」

「えぇ〜! トワちんひどっ!」

「そっすよ! ドラゴンの帰巣本能舐めんな!」

「ココちゃんは一体どういうツッコミなの…?」

「……」

 結翔の突然の質問は、すぐにいつもの喧騒へ消え去った。しかしそれに、悪い気はしない。

「ま、何だかんだ楽しいじゃないすか。このメンツでいるの」

「…飽きはしないな」

 その返答を聞き、結翔は少し笑みをこぼす。

 

 しかし同時に、それに反対する自分もいた。まるで自分がこの世界で幸せになる事を許さないかのように。それは否定する。

(どうしてこんな……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()…?)

 

 

 

 瞬間。

 遠くから紫色の爆発が、そして鈍い轟音があった。

「っ!?」

「うわ…アレ、マナの爆発だよ!」

「あっちの方向って…街中ですよ! そんな所で爆発なんて…!?」

「……!」

 結翔は目を見開く。刹那、脳内にフラッシュバックしたのはさっき見た夢だった。

「ッ‼︎」

「ちょ、結翔っ⁉︎」

「パイセンどこ行くんスか──!?」

 そんな2人の制止も無視し、結翔は駆ける。そしてテラスから直接食堂を抜け、校門の方へ去っていった。

 




これまでの反省として、キャラの描写が少ないかなと思っていたので、無理やりぶち込みました(多分こういうことではない)。そして今更気づきましたが、スメラギと結翔の外見に対する記述が全く無かったですね。いつか書きます。
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