あそこ寒いね……本当に……
間違えても布団が吹っ飛んだとか言ったら地球温暖化止めれるんじゃない?
「辺り一面森て……私は神様に捨てられてしまったのでしょうか!!!」
居るか分からない神様に嘆いてみるが何も反応が無い。そらそうか。
天国に行くはずだったのに目が覚めたらただの森。本当に天国に行く前に捨てられてしまったのなら心外極まりない。
取り敢えず辺りを散策してみる。情報収集が生きる基本だからね。
しばらく辺りを散策してみて分かった事が、いや確信した事が一つある。
「いやこの森広過ぎるて。どんだけ歩けば抜けれるんや」
辺り一面何処を歩いても木。木。木。木以外何もありゃしない。
時折キノコやら木の実やらが実っているのもある。一つ食べてみた。吐きそうなくらい不味かった。解せぬぞ。
さてもう一つ分かった事もある。向こうに山が見える。え?見りゃ分かる?私しゅんとしちゃうぞ。
行く宛ても(当然)無いしこのまま森を彷徨ってても富士の樹海のように行き倒れそうだし、まだ何かありそうなあの山へと向かってみる事にする。
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何事も無く山の麓まで来れた。いや何かあるんじゃないかと身構えた私の苦労と時間を返して。私泣いちゃう。いざ道無き山道に足を踏み入れようとしたまさにその時、ふと何処からか見られてる気配を感じる。
元々勘は良い方であり、なんとなく思った事はだいたい当たる。自分でも怖くなるくらいの確率である。
私は視線を感じる方向を指差し、反対の手で顔を隠しながら某時止め吸血鬼の名台詞を放つ。
「貴様!見ているな!」
傍から見たら変質者扱い待った無しである。何せ虚空に向けて一人で叫んでいるのだから。しかも何も反応無いし。
ここが森の中で助かった。
気を取り直して山へと足を踏み入れようとしたまさにその時、不意に背後から声が聞こえる。いい加減山に入らせて。(切実)
「……何故、見られているのが分かったのですか」
少女の声だった。しかも警戒してるのか声もドスの効いた低めの声である。
「あー、まぁ勘ってやつ?それよりもしかしてこの山の人?だったらちょっと助けて欲しいんだけ───」
恐る恐る後ろを振り返りながらフランクな感じで話しだす。相手が警戒してるんだから当たり前だね。
そして少女の方を向くと───
「え、犬!?」
「白狼天狗です!!!」
見事なまでに典型的なケモ耳少女が立っていた。
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「はぁ……それでこの山へと足を踏み入れようとしたのですか……命知らずですね……」
粗方事情を説明し終えたら開口一番に批判された。いや仕方なかろうに。右も左も分からんのやぞこちとら。
彼女の名は犬走 椛、この山、通称妖怪の山の見回りを担当している白狼天狗らしい。
天狗と聞くと鼻の長いアレを思い出すのだが、この子にはそんな特徴など一切無い。
「というか天狗が普通に存在する世界なのか、ここは」
「えぇ、そう言えばここについてまだ話していませんでしたね
ひとまず歩きながら説明しましょう」
「え、どこ行くん?」
「それも含めて説明しますよ」
そう言って私達は何処かへと向かって歩き出す。いやせめて行先だけは教えてくれんか。
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「改めまして、この場所について話しましょう」
「おん、よろしく」
椛が歩きながら説明してくれる。
「まず、この世界は幻想郷と呼ばれる世界で、忘れ去られたものが集う理想郷です」
「……あー、初手からまたぶっ飛んだのが飛んできたな」
それから語られた話は以下の通りである。
この幻想郷には人間や妖怪、妖精や神や吸血鬼など、多種多様な種族が住んでいる。
そして私は外から流れてきた存在、所謂『外来人』であること。
さらに今から向かっているのは『博麗神社』と呼ばれる神社で、外の世界との境目に位置する場所。外来人はみんなそこに行くべきらしい。
いやはやご丁寧に説明ありがとうございますわ……。
「……と言った感じですかね」
「なぁるほど、よく分かった」
「……尻尾ばかり見ていた気がしましたけど、聞いてました?」
「なるほど、よく分かった……じゃねーや、おん、聞いてたで」
「絶対聞いてなかったですよね……」
いやちゃんと聞いてたぞ。フサフサの尻尾に夢中だったのは認めるけど。
だって私ケモナー……。
そんなこんなで彼女から冷ややかな目で見られながらも、例の神社へと歩みを進めていくのだった。
なんだっけ、特例神社だっけ?
to be continued
私もケモナーです。
だが犬より猫派なんだ……(フルボッコ)