頭文字S 未完結   作:ペンギン太郎

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 約3週間ぶりの投稿です。
 ここ最近更新できなかったのは作者がMT車に乗るためにAT限定解除の講習を受けてましてそれを取得するのに大分時間を要したからであります。
 今までAT限定しか持ってなかった私がMT車にハマったきっかけは頭文字Dを見たのは勿論MT車で乗ってみたい車があったからです。
 折角AT限定解除したはいいものの、MTで乗りたいと思った車がMTを無くしたと知った時今までの努力はなんだったんだと少し残念な気もしましたが作者自身としては無駄な努力ではなかったと思いたいですね。


ACT.10 新型インプレッサ

 秋名山 5連続ヘアピン

 

 ギャラリーが去っていっては鎮まり返った秋名の峠にて高橋兄弟がハチロクに抜かれたところである5連続ヘアピンにて話をしていた。

 

 

 「この右だよ兄貴…。どうしてもわからねぇ…。インベタのハチロクが俺のFDよりも速いスピードで曲がれるなんて…。思い出してもゾッとするよ…あいつは本物の幽霊かもしれねーぜ兄貴…」

 

 

 啓介は自分が何故ここで抜かれてしまったのかわかっておらずハチロクは幽霊ではないかと兄である涼介に投げかける。

 

 

 「啓介。わかったぜ謎が…」

 

 「なんだと?」

 

 「お前が何故抜かれたか…。そのわけを教えてやろうか」

 

 

 涼介はその仕掛けに気付いたか啓介に説明をしだす。

 

 

 「これを使ったんだ。ハチロクのドライバーは」

 

 「?」

 

 「分かんねーか?溝だよ溝…」

 

 

 涼介は道路のそこにある溝を足で指しては説明するも啓介は理解できないからかきょとんとしては頭に?マークを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 「溝落とし?」

 

 「何だその技は?」

 

 「言葉通りの意味さ。拓海はハチロクのタイヤを道路にある排水用の側溝に落としてはあのヘアピンを曲がっていったんだよ。そうすることでタイヤのグリップ以上のコーナリングを可能にしてはあのヘアピンを抜けきったってわけだ」

 

 「流石は文太の息子だね。荷重移動のコントロールを身に着けさせる練習をやらせていると知った時はもしやと思っていたがまさか溝落としまで継承するとはね。僕も昔その技であいつに何度もやられたことか…」

 

 

 秋名で涼介が弟の啓介に溝落としについて話している頃交流戦を終えては高崎に帰ってきた光は拓海が溝落としをしては高橋啓介の乗るFDに勝ったと真菜達に説明をしていた。

 ついでに中津社長も光達に混ざっては話を聞いており溝落としには苦い思いをしたと吐露する。

 

 

 「でも光、溝落としってそう簡単にできるものなの?」

 

 「そりゃあ俺だってやろうと思えば…」

 

 「できるわけ無いだろ。お前が溝落としなんかしたら即座に車を鉄屑に変えてしまうだけだ」

 

 「なんだとぉー!!」

 

 「まぁまぁ利樹君落ち着いて…。光君どうしてそう言い切れるか説明してくれるかい?」

 

 「あの技をやるにはかなりの練習をしないといけない上タイミングを間違えでもしたらタイヤは勿論サスペンションがイカれてしまうんだ。拓海があそこで上手く決められたのは秋名の峠をずっと前から走り込んでは自力で身に着けたとしか言いようがないからな」

 

 「初めて会った時はそんな感じが微塵もなかったくせに走るとなると人が変わる奴なんだな拓海って…」

 

 「本当よね。ハチロクという車をまるで自分の手足の様に操るなんてどう考えたって普通じゃないわ」

 

 「そりゃあ拓海君は父親である文太が鍛えたんだからそれぐらいのことはできて当然だよ。おそらく彼が君達の乗る車に乗り換えでもしたら最早無敵そのものになるかもしれないね」

 

 「え?…それってどういう意味なのパパ?」

 

 「要するに拓海はハチロクに乗ってあれだけの走りができるってことは俺の乗るインプレッサや利樹のランエボに乗ってしまえば誰にも適わない程最強のドライバーと車が誕生するってことなんだよ」

 

 「なるほどね。確かに光達と拓海君が同じ車で勝負したら結果はもう見えてるしね」

 

 「待て真菜。俺と利樹は車を五分に持ち込まれたら拓海には敵わないとでも言いたいのか?」

 

 「だって、それだけの実力を持ってるんでしょう拓海君って…。だったら尚更比べるだけ無駄じゃない」

 

 「くっ…言ってくれるじゃねぇか!!」

 

 「まぁ真菜の言ってることは最もだしぐうの音もでないな…」

 

 「でも光や利樹の車に拓海君が乗る姿なんて想像がつかないからやっぱ拓海君にはハチロクがお似合いかなぁ…」

 

 

 真菜は拓海にはインプレッサやランエボは似合わないと言ってはいるが後に拓海がインプレッサに乗る羽目になると思わなかったのであった。

 

 

 「だったら次秋名に行った際俺のランエボで拓海に勝負を挑んでやろうじゃんか。いくらハチロクといえどラリーに勝つ為に生み出されたランエボなら拓海と対等に渡り合えるかもしれんしな」

 

 

 利樹はランエボに乗って勝負すれば勝てると豪語するが数カ月後拓海はランエボにも勝ちます。

 

 

 「お前拓海の走りを直に見ていないのによくそんな事が言えるな…。普通あれだけの走りを見せられたらまともに敵わねぇって思う程拓海の走りは速かったんだぞ…」

 

 「なんだよ、随分弱腰じゃねぇか光…。お前がそこまで言うってことはそんなに拓海の走りはヤバかったのかよ…」

 

 「ヤバいって言葉で済まねぇぞあれは…。ガードレール擦れ擦れのコーナリングは勿論ハチロクでFDを相手に追いつくどころか煽っていたんだぞ。性能差を覆す程の走りができるってことは並の走り屋のレベルを超えているとしか考えられないよ…」

 

 「そうよねぇ。アタシも助手席で見てたけどあれは本当普通では考えられないくらいのもんだったしね…」

 

 「つまりどう足掻こうが俺は拓海には勝てるわけがねぇって言いたいのか…」

 

 「そういうことだ」

 

 「ははっ、まぁ君達二人も拓海君に敵わないとはいえ、充分腕が立つけどね…」

 

 

 利樹は光に加えて真菜が拓海の走りを評価している為自分では拓海には敵わないのかと愚痴をこぼすしかなかった。

 

 

 

 

 

 「クソッタレがぁっ!!」

 

 

 秋名に残っていた啓介は自分が何故負けたのか理由を聞かされてはガードレールに蹴りを入れては八つ当たりをし、涼介は静かに闘志を燃やしては更に言う。

 

 

 「こんなことが起こるから峠は面白いぜつくづく…。久々に俺が熱くなれる標的(ターゲット)に出会えた気がするな。来週予定してた妙義山遠征は延期だ。まず秋名に完全勝利するまでその先はない。あのハチロクは俺がやる!!」

 

 

 涼介はハチロクをライバル視しては秋名でバトルを仕掛けようと決意をするのだった。そしてもう一つ…

 

 

 「啓介。お前とハチロクが走っている間インプレッサが後追いをしていたことに気付いていたか?」

 

 「あぁ気付いていたさ…。俺とハチロクの走りを後ろから見ていやがったからな…!!」

 

 

 啓介は後ろを走っていたインプレッサを思い出してはハチロクに抜かれた時以上に怒りを露わにする。

 

 

 「地元の走り屋じゃないとはいえ、ハチロクと互角に渡り合えるくらいの走りをあのインプレッサはしていたからな…!!見る限りじゃあいつは余裕に抜けられそうな動きをしては俺とハチロクの走りを高みの見物してやがったよ…!!今思い出しても腹立たしいぜ…!!」

 

 「そうか…。それでどうするつもりだ啓介。お前はここ(秋名)で奴にリベンジを挑もうとしてるんだろ?」

 

 「当然だ。今度会った時にはぶちかましてやりたいくらいあのインプレッサには嫌な思いをしてきたからな…!!」

 

 「ふっ。お前ならそう言うと思ったよ…。なら彼が来るであろう車屋に行ってはその挑戦を申し込むことだな」

 

 「何だと…⁉。兄貴はあいつがどこに現れるのか知ってるのか⁉」

 

 

 啓介は涼介に光が訪れるかもしれない自動車屋つまり中津モータースについて知っておりその居場所を知ってる理由を説明する。

 

 

 「彼と一緒に来ていた赤石という若者が教えてくれたよ。高崎にある『中津モータース』という店で車を借りてきたってな」

 

 「そうか。ならそこへ行ってはリベンジを仕掛けてみようじゃねぇか…!!」

 

 「(まさかあの若者があいつ(・・・)の父親が経営する店で車を借りていたとはな。どういう因果かわからんがおそらく啓介が奴に勝てるかどうかは判断がつかないかもしれんな)」

 

 

 啓介も涼介と同じく早速行動に移しては光へのリベンジを果たそうとするのであった。

 

 

 

 

 

 翌日 藤原とうふ店

 

 「文太いるかー。俺だー」

 

 「おう、祐一か」

 

 

 交流戦が明けてからの翌日店に入ってきたのは拓海がバイトしているスタンドの店長で文太の友人でもある祐一だ。

 

 

 「いいとこへ来たぜ車だろ?商工会の寄り合いがあるんだわりーけど乗っけってってくれや」

 

 「なんだよー。人をタクシー代わりに使うなよ」

 

 

 祐一は嫌嫌言いながらも文太を愛車のカムリに乗せては商工会へ送迎してあげることに。

 

 

 「凄かったらしいじゃねーか…拓海は。池谷達は朝からその話で大騒ぎだぜ」

 

 「別に凄いことねーや…。レベル低いんだろ今のガキは。拓海の奴昨日夜帰ってきて何て言ったと思う?峠を攻めるのって思ってたより面白れーだと…。あいつがそんなこと言うのはちょっとした事件なんだよ。あいつは車の運転好きじゃねーからな…」

 

 「ホントかよ信じられねーなー。あれだけいい腕持っててかぁァ」

 

 「仕方ねぇけどな。あいつにとっちゃ車の運転イコール商売の手伝いなんだよ。中ボーの頃からずっと無理にやらせてたからな…。どうしても楽しいことっていうイメージを持てねーんだろーな…」

 

 「なるほどなー」

 

 文太は拓海に運転させたことに負い目を感じたか申し訳無さそうに言い、それを聞いた祐一は拓海が運転に乗り気でない理由に納得した。

 

 「俺達なんか18で免許取ってからずっとただエンジン掛けるだけでもワクワクしたもんだったけどなー」

 

 「そうだろー?そういう感じが拓海には全くなかったわけヨ…。とことん冷めてるんだよなードライっていうかさー。昨日の夜、秋名の下りの追いかけっこで…。あいつなりに何か始めて感じるもんがあったんじゃねーのかなー」

 

 文太は少しながらも拓海が走りに興味を持ち始めたのではないかと思い始める。

 

 「そう言えばハチロクなかったなー拓海は?」

 

 「なんか知んねーけど朝早くからウキウキと出かけてったぜ」

 

 因みに拓海はこの日の朝、ハチロクに乗っては同じ高校に通う女子生徒と一緒に海に行っては海水浴を楽しんでいたのだった。

 

 

 

 

 

 渋川市 某ガソリンスタンド

 

 「いやーもう朝からいろんな奴に同じ事何回聞かれたかわかんねーよ…。『昨日のハチロク何者だ?』ってさー」

 

 

 池谷は昨日の交流戦で勝ったことが余程嬉しかったのか満足気な顔をしては自慢気に話していた。

 

 

 「俺も随分聞かれたなー。高橋啓介を負かしたハチロクの噂は凄い勢いで広まってるぞ」

 

 「そりゃあ群馬じゃ名のしれたレッドサンズを旧世代のハチロクで負かしたんですから他の走り屋が関心を示すのも当然ですよ。俺もバチバチと燃えましたからね…」

 

 

 会話に混ざっているのは地元ではないものの昨日の交流戦にも観戦しに来ていた利樹だ。

 利樹はドライブがてら拓海がバイトしているスタンドに来ては池谷達と会い昨日の話をするのであった。

 

 

 「俺調子に乗ってあのハチロクはスピードスターズの秘密兵器だって皆に蒸しまくったからなー。何とかして拓海をスピードスターズに入れないと後々恥かくかなー」

 

 「池谷先輩それなら俺に任してくださいよー。なんたって俺は拓海とマブダチですからねー言う事聞かせますよー」

 

 「本当だろーなーイツキ」

 

 「小学校の頃からの付き合いですからねーあいつの弱点も色々握ってることだしー。その代わり俺のことも入れてくださいね。スピードスターズに」

 

 「だったら俺もチームに加入させてくれませんか。車は親父のヤツですが腕にはそれなりに自信ありますから」

 

 

 イツキが拓海をチームに入れる代わりに自分もスピードスターズに入れてくれないかと池谷に頼む。利樹もそれに同調しては自身もチームに加わりたいとお願いする。

 

 

 「いいとも拓海が入ってくれるなら絶対イツキも入れてやるよー」

 

 「そうだな。利樹も地元ではないとはいえ交流戦では俺達の味方をしてくれたんだしチームに入れてやらないとな」

 

 「ラッキー交渉成立!!」

 

 「っしゃあ!!これで俺もスピードスターズの一員だぜ!!」

 

 

 イツキと利樹は互いにハイタッチしてはスピードスターズのメンバーになれたことに喜び合う。

 

 

 「けどお前車どうすんだ?利樹は親父さんの車があるからいいけどよ」

 

 「良くぞ聞いてくれました。俺はもう決心しましたよー。親父に泣きついて保証人になってもらってローンでハチロク買いますよ!!拓海がパンダトレノなら俺は赤か黒のレビン探して…!!いつか秋名最速のハチロクコンビと呼ばれるようになりますよォ!!」

 

 「いつのことやら…」

 

 「イツキ。デカい目標を掲げるのはいいが自分と拓海との実力差をしっかり把握しておけよな」

 

 

 イツキが一人独特なポーズをして興奮しそれを見た池谷と利樹は呆れながらそれぞれ口を零す。

 

 

 「けどなーイツキ…。拓海ん家のハチロクはありゃーまともなハチロクじゃないぜ」

 

 「そうだよなーなんたって350馬力のFDより速かったんだからなー。よっぽど凄いチューンしてあるんだろーなー」

 

 「それなら拓海に頼んでは車の中身を見せて貰いましょうよ健二先輩」

 

 「そんなことよか一度でいいからナビシート乗せてもらって全開で秋名の下りを攻めて貰いたいと思わないか?」

 

 「オオッそれ言えてる!!」

 

 「乗ってみてぇ〜!!」

 

 「本当にいいんですか?FDを抜かすくらいですからきっと想像以上に恐ろしい体験をすると俺は思いますけど…」

 

 

 池谷の提案に健二とイツキは賛同する中利樹はというと拓海のハチロクに相乗りすることがどれほどのものなのか察するが

 

 

 「わかってるって。きっと一気に未体験ゾーンまで登り詰めるぜ」

 

 「想像もつかねーなーどんな過激なジェットコースターよりも凄いと思うなー」

 

 「(あぁっ…駄目だこりゃ、きっと未体験どころか臨死体験をする羽目になるなこの人達は…)」

 

 

 拓海のナビシートに乗ることがどれだけ恐ろしいのか利樹はわかってはいるもののそれを楽しげに話す池谷達を見てはきっと地獄を見るのではないかと不安になるのであった。 

 

 

 

 

 同時刻 高崎市 中津モータース

 

 「おはようございます。中津社長」

 

 「おはよう光君。どうしたんだい昨日の今日になって来るなんて珍しいじゃないか」

 

 光は中津モータースに来ては店の中で新聞を読んでいた中津社長に声をかける。

 

 「いやぁなんというかその…。昨日の夜、拓海の走りを見るためにインプを思いっきり走らせてしまったので車がどうなってるか気になってしまい見に来たんですけど…」

 

 「あぁそういうことね。心配する必要はないよ。車はちょっとばかし点検しないといけないけど治るのにそんな時間は掛からないよ。でも最低一週間は走るのはお預けだね…」

 

 「そうですか…すみません社長。折角お貸ししてくれた車を台無しにしてしまいまして…」

 

 

 昨日の夜、交流戦を見る為にインプレッサを思わず走らせた光であったが、少し無茶をしてしまったからかインプレッサは暫くの間は走れない状態になってしまったことに光は申し訳無さそうな顔をするしかなかったのだった。

 

 

 「謝らなくていいよ光君。GC8は速く走れる反面耐久性に欠点があるのは分かっていたことだから…」

 

 「社長がそう言ってくれるならありがたいですけど…」

 

 

 光が社長から労いの言葉をかけられるや店の外から激しいエンジン音が響いてきた。

 

 

 「ん?なんか外が騒がしいみたいだが…」

 

 

 中津社長が店の戸を開けるや外にいたのは昨日秋名を走っていたFDが止まっており。中からドライバーが出てきては中津社長に話しかける。

 

 

 「失礼、あんたがこの店の経営者か?少し尋ねたいことがあるのだが…」

 

 「君は確か赤城レッドサンズの高橋啓介君だね。うちに何の用があって来たのか聞かせてくれるかい?」

 

 「昨日秋名で俺とハチロクの後を追いかけたインプレッサがこの店にあると聞いてな。その車と乗っていたドライバーについて教えてほしいんだが…」

 

 「生憎インプレッサは修理中でね。今はまだ走るのは難しいところだよ。それとドライバーについてだけど…」

 

 「俺ならここにいますよ」

 

 「やはりここにいたか。兄貴の言ってたことは本当だったみてぇだな…」

 

 

 光は中津の前に出てきては啓介に詰め寄り、啓介は光を見つけては言う。

 

 

 「今度の土曜日の夜秋名で待っているからそこで決着をつけようじゃねぇか…。バトルの内容は下り一本勝負だ。どうだ引き受けるよな?」

 

 「俺は別に構いませんけど車は修理中で間に合わないんじゃどうしようも…」

 

 「だったら車を変えるってのはどうかな光君。GC8は難しいが実はもう一台秘密兵器がうちにはあるんだよ」

 

 「秘密兵器?なんすかそれは…?」

 

 「ほぉっ…。そこまで言うからには余程スゲェ車なんだろうなそれは…」

 

 

 中津社長から秘密兵器があると聞いては目をきょとんとする光。それを近くで聞いていた啓介も耳を傾けてはニヤっと笑う。

 

 

 「それは見てからのお楽しみだよ。ついてきなさい」

 

 

 光は中津社長についていき啓介もFDを駐車場に止めては二人に続いて店のガレージに入ってゆく。

 修理をしているであろうGC8の横にはブルーシートで被せられている1台の車があり中津社長はそれに近づくやブルーシートを掴む。

 

 

 「これがうちが誇る秘密兵器さ…。とくとご覧あれ」

 

 

 バサッ

 

 

 中津社長がブルーシートを剥がしてはシートに被せられていた青を主体とした車体が露わになる。

 

 

 「なんだこいつは…⁉見たところインプレッサみたいだが…」

 

 「GDBインプレッサ。しかもヘッドライトの形からしてこいつは涙目ですね。中津社長」

 

 

 啓介は車を見るや口を大きく開いては驚きを見せており、光はその車を知っていた為車の型式を言っては中津社長に尋ねる。

 

 「流石に光君はこの車を知ってたか。この車はGDB インプレッサ WRX STI アプライドC型という名前でね。GDBは出た当初は旧型のGC8より車重は重く丸目のヘッドライトがあまりにも悪かったか評判は良くなかったんだ。

 でもこいつはGDインプレッサの特徴でもある丸目のヘッドライトを涙目に変えたことによって空力性能が向上したのは勿論、夜間走る際にも前方視界がより見やすくなったんだ。エンジン周辺も大幅な変更が加えられていてね、『4-2集合等長エキゾースト』を採用したことで排気干渉が良くなり、過給効率が向上したんだ。

 その代わり、不等長エキゾーストの特徴でもある独自の排気音が無くなってしまったのは少し淋しいけどね」

 

 

 中津社長がGDBについて話し始めるが光はその内容についていってるものの隣に立っている啓介は理解できてなかったか頭を困惑しては言う。

 

 

 「全くわかんねぇけど要するにこいつは新型のインプレッサってことでいいんだな…」

 

 「まぁそういったところですね。インプレッサをRX-7に例えるならばGC8が高橋涼介の乗っている旧型のFC。GDBが今あなたが乗っているFDみたいなもんですね」

 

 「なるほどな。そう言われれば俺でも凄さがわかる気がするな…」

 

 

 光がわかりやすく言っては納得した顔をする啓介。

 

 

 「それはそうと、そいつは今すぐにでも動かせることができるのか?」

 

 「そうだね。走らせるには少しばかし調整が必要だが土曜日までには何とかしておくよ」

 

 「そうか。ならこれでお前とまともにやりあえるってことになるな…」

 

 「えぇ。俺は最初(ハナ)から負ける気はありませんので覚悟しといてくださいよ」

 

 「上等だ。今度の土曜絶対にお前を秋名でぶち抜いてやるからな…!!」

 

 




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