ここんとこリアルが忙し過ぎて中々更新できていませんでしたが何卒よろしくお願いします。
その日の夜。秋名の頂上にてハチロクがエンジンを動かしては今にも走れる状態で待機しており、その後ろには光が乗ってきたインプレッサが置いてある。
ドドドドド
「すげードキドキしてきたぜー。ディズニーランドのスペースマウンテンを思い出すなー」
「ちくしょー いいなぁ池谷めちゃくちゃ羨ましいぜ」
「池谷さん。後で色々と聞かせてもらいますから思う存分楽しんできてください」
今からハチロクの全開走行を楽しもうと期待する池谷に対し健二と利樹が言う。
「そんな面白いもんじゃないと思いますけど…。とにかく行きますよ池谷先輩」
「頼むぜ拓海、全開でな」
池谷がそういっては了承した拓海はギアを上げては全開走行を始める。後ろからその走りを見た光はブツブツと呟いては考える。
「(う〜ん。スタートダッシュを見る限りだとそんな速そうには見えなかったが…。一体どんなチューニングを施してるんだ?益々気になるなぁ…)」
「どうしちゃったのよ光。考え事をしてるみたいだけど何か気になるとこでもあったの?」
「いや、あのハチロクがどれだけ凄いのか考えてたんだ。でもスタートダッシュを見る限りじゃこの前走ってたのと同じように思えなくてな」
「そうか?俺からしたら凄っげぇカッコよかったぞ今のは。くぅ〜俺もハチロクが欲しいぜ」
イツキは独特なポーズを取ってはやけに興奮しているがまぁそれは放っておくとしてだ。
「光。ちょっと」
「ん、どうした利樹」
「そんなに気になるなら俺が代わりにこいつを運転しては後ろから後追いしてみようか?」
「お前がインプをか?それは別に構わんが」
「どうしたのよ利樹。急に運転するなんか言い出して」
「いや実を言うとな。この前の交流戦で拓海の走りを見てないから実際どうなのか気になってな。この際俺自身の目で拓海がどれだけ凄いのか直接見てみたいから後追いしようと思ったわけだ」
「確かに…。聞くよりも真近で見た方が拓海の走りの凄さが伝わるしな。OK。次ハチロクに乗る際俺がナビシートに座っては拓海のドラテクを見てみるよ」
俺と利樹が話しているやハチロクが数分も経たないうちに戻ってきた。
「あれれ…もう帰ってきたぞハチロク」
「どうしたのかな…麓まで往復したにしちゃ早すぎる」
スピードスターズの面々がハチロクに向かい中の様子を確認するがなにかあったのか中をみたイツキ達があああっ‼と叫んでは驚いていた。
「イツキー。中で一体何がおきてるんだ?」
「し、失神してる! 池谷先輩が安らかな顔をして気絶してる!」
「はぁ?」
「とりあえず中を見せてもらおうか」
光達がハチロクの中を覗かせてもらうとそこにいたのは…
イツキの言うとおり、池谷は安らかな顔をしては気絶していたのだった。
「な、なぁ拓海。いくつめのコーナーで池谷さんは気絶したんだ?」
健二が恐る恐る拓海に聞くと
「えっと、3つ目」
「「3つ目⁉」」
「てことは、序盤に入ってすぐさま気絶したってことになるな。……どんな走り方をしたらこうなるか恐ろしくて想像つかんぞ」
「えええええ!! 私は見た、断末魔の絶叫が秋名山にこだまする恐怖のダウンヒル、池谷先輩コーナー3つで失神事件」
「そこまで大袈裟に言わなくてもいいんじゃないかなぁ」
イツキの絶叫に対しツッコミを入れる真菜。池谷がああなるってことは恐らく限界ギリギリまで走ってると見て間違いないと光は確信する。
「拓海。すまんが今度は俺を横に乗せてもう一度全開走行を頼んでもいいか?直接お前の走りを見てみたいんだ」
「いいけどあんま期待しても意味ないと思うんだが…」
「待って。アタシも拓海君のハチロクに乗ってもいいかな」
「え?」
「だって、こんな面白そうな体験するなんて中々味わえないじゃない。だから拓海君、今度は光と一緒にアタシも乗せてくれる?」
「俺は別に構わんけど…」
「やったあ。じゃあ拓海君、さっきと同じ様に全開走行でよろしく♪」
「お、おう(なんだろう、まるで茂木を相手にしてるみたいな感じがするなこの子…)」
「じゃあ行くけど本当に大丈夫か」
「あぁ、よろしく頼む」
「アタシもOKよ」
今度は光がナビシートに座り、真菜は後ろのリアシートにて拓海の運転を体験することに。
「ふふっ、アタシ初めてなんだぁ拓海君みたいなイケメンの車に相乗りするの」
「い、イケメンって…。俺は別にそんな中津さんが言うほどイケメンだとは思ってないけど、光の方が俺なんかよりよっぽどいいんじゃないかな」
「そう?光は確かに顔はカッコいいしクールな感じがでて良いんだけど女の子に対しての扱いが酷すぎるんだよね」
「悪かったな…女心が読めなくてよぉ」
「そうなのか?初めて会った印象からしてそんな風には見えなかった気がしたんだけど」
「拓海、話してるとこ申し訳ないがもうそろそろ出てくれないか」
「後ろで待っている利樹も準備できてるみたいだから早く行きましょうよ」
「わ、わかった…じゃあ行くよ」
ブォォォン
ハチロクがスタートダッシュしてから数秒後。利樹が駆るインプもハチロクに続くかのようにスタートを切っては後追いをする。
(あのハチロクがどれだけの走りをするかこの目でしっかり見させてもらうぜ拓海)
走ってから数秒が立ち、1つ目のコーナーに入る。
「(来た。ここをどう抜けていくかこの目で見届けてやる)」
「(いよいよね。どんな走り方をするかわくわくする…え?)」
二人はどんな走りをするか見てみるや、拓海はオーバースピードを出してはコーナーに突入していく。
「(マジか⁉いきなりブレーキも踏まずにコーナーに突っ込む気か…!!」
「ちょ…拓海君!!ブレーキブレーキ!!」
真菜は拓海が驚異的なスピードを出してコーナーに突っ込むことに驚いているのに対し光は冷静に前を見ては拓海を観察する。
「いやぁ──ぶつかるぅぅぅ!!」
だが拓海はガードレールにぶつけるかと思いきや、親の仇のようなブレーキングで荷重の抜けたリアタイヤはブレイク。
その場で鮮やかに4輪ドリフトをしては第1コーナーを抜けていったのだ。
「(今一瞬しか見えなかったが拓海の奴、即座に4→3→2とシフトダウンさせやがった。足だけじゃなくギアチェンジも全く無駄がない…)」
「(嘘でしょう…⁉こんな惚けた顔した拓海君がこれだけ恐ろしい運転をするなんて信じられない…!!)」
「(4輪ドリフトをするのもそうだが、最小限のカウンターステアで抵抗を抑えしかも全開でアクセルを踏むなんざ上手いどころの話じゃない…)」
光が拓海の神業的なドラテクに興味を示している一方真菜はというと…
「(なんで、なんでこんなにもコントロールできるのよ⁉こんなの車の動きとは思えない。それと拓海君の運転について行けてる光も普通じゃないよ…)」
ガードレールとの距離は6センチ。
拓海にとっては余裕しゃくしゃくみたいだ。
キンコンキンコン
「ねぇ、今車からキンコンって音がするんだけどこれって…」
「あぁそれはな真菜。この車は100km以上のスピードを出してるからそれを警告するための音なんだ」
「あ、そういうこと……って、100km以上⁉」
通常運転では出すこともないスピードが出てることに驚く真菜。それを平然という光もおかしいのだが。
「速ぇ…あれじゃあ後ろからついていくので精一杯だぜ」
ハチロクが全開走行をしている一方インプレッサに乗って後追いをしている利樹はハチロクの走りについていくがやっとであり、ハチロクは物凄いスピードで走ってはまるで生き物みたいな動きをしているように見える。
「お、次のコーナーに入るぞ真菜」
「え、さっきのドリフトで充分なのにまだ行く気なの⁉」
ゴォォォォ
「待って拓海君!すぐ目の前にガードレールが──!!」
今日に至るまで体験したことのない角度からの猛烈なヨコGに驚く真菜。
4輪ドリフト状態のハチロクはアウト側のガードレール目指してまっしぐらに進んでいく。
「うわっ、ガードレールがすぐそこまで来てるぞ拓海。どうするつもりだ」
「嫌ぁあああもうダメぇぇぇ‼」
コツン
「へ?」
ここで拓海がちょっとサービス精神を発揮。
「マジかよ。拓海の野郎、リアバンパーとガードレールをフレンチキスしたぞ…!!。あんなの俺には恐ろしくてできないぜ」
その様子を後ろから見ていた利樹は拓海がガードレールにフレンチキスしたところを目撃しては驚く。
そして僅かな反動でリアタイヤのトラクションを回復させてはコーナーを再び立ち上がる拓海のハチロク。
キンコンキンコン
「(まただ、今度は短いストレートでキンコン鳴らしてるよ)」
「(あ、アタシ、もうダメかも……)」
拓海の驚異的なドラテクに目をやる光。そして真菜はあまりにもの狂気的な拓海の走りについていけなくなったのかその場で意識が薄れていっては先程の池谷同様気絶するのであった。
「やっぱりか。言わんこっちゃない」
「どうする?また頂上に引き返そうか?」
「いや、まだ拓海のドラテクを見たいから麓まで行ってくれ。そこに着いてから真菜を介抱すればいいしな」
「そうか。じゃあこのまま続けていくぞ」
「おう。頼むぞ拓海」
リアシートで気絶している真菜を他所に拓海はそのまま秋名の峠を下っていき5連続ヘアピンに近づくや光は言う。
「拓海、すまないけど次の5連続ヘアピンで前にやった溝落としをやってもらってもいいか?」
「わかった。でも…あんまし参考にならんと思うよ…」
「あぁ分かってる。少しばかし参考にしたいだけだ」
「じゃあ…行くぞ…」
拓海は一個目のヘアピンに入るやハチロクを端の溝に近づけるやタイヤを落とし始めた。
グシャ
ハチロクを溝落としするやそのまま駆け抜けていき次のコーナーへと進入する。
「あれが前に光が言ってた溝落としか…。確かにありゃあそう簡単に真似できねぇ凄技だ…」
利樹は拓海がやった溝落としを目の当たりにし、拓海のテクニックの凄さを実感した。
「これでいいか?」
「あぁ充分だ。ありがとな拓海。おかげで今度のバトル行けそう気がしてきたよ」
「バトル?何のことだそれ…?」
「そっか。お前にはまだ言ってなかったな。今度の土曜日に秋名で前に拓海が相手をしたあの黄色いFD、つまり高橋啓介を相手にバトルをすることになってるんだ」
「そうなんだ…」
拓海は頷いては聞いてるもののあんまし興味無さそうな顔をしていた。
「おいおいこれだけの走りができるのに他の奴の走りには興味がないのかお前は…」
「そう言われてもな。俺はただ…仕事でコイツ走らせてるだけだから特になんとも…」
「そうか。そこまで言うなら無理に言わんが、もし今度のバトルに興味があるならば見に来たらどうだ?」
「う〜ん。まぁ気が向いたら行ってみようかな…」
拓海は何気なく返すも来てくれるかと心配する光。
そして麓に着くやリアシートに座っている真菜を見てみると口から魂を吹き出しては気絶していたのだった。
「光。真菜はどんな状態だぁ?」
ハチロクを追ってきた利樹が車から降りては光に確認する。
「見ての通りこのざまだ。しばらくは起きなさそうだしどこか安静にできる場所を探さないと…」
「それならうちに寝かせてあげようか?親父には俺から言っておくし多分大丈夫だと思うけど」
拓海が真菜を自宅に連れて行っては寝かせてあげると言うや二人は互いに頷いては言う。
「サンキュー拓海。その親切な心遣いに感謝するよ」
「俺はもう少し秋名を走り込んでから拓海ん家に向かうから真菜のことよろしく頼む」
「うん。それじゃあ中津さんは俺が家でなんとかするよ」
そうして拓海に真菜をハチロクに乗せては秋名の峠を離れていき拓海の実家である藤原とうふ店へと走らせていった。
「さて、真菜に関しては拓海に任せたとしてだ…。利樹、お前から見て拓海の走りはどう見えたんだ?」
「どうもこうもねぇよ。非力なハチロクをあそこまで走らせちゃあお前があぁ言うのも頷けるぜ。確かにあれは普通のハチロクじゃねぇな」
「同乗した俺から見てもエンジンは手付けてないみたいだから精々サスペンション辺りを峠仕様に変えてるくらいだったな」
「足回りを変えただけであれだけの走りをしたってことか…」
「それにコーナーを下る際拓海は車を滑らせるようにドリフトしてたからな。ハチロクは一度減速すれば立て直すのにかなりの時間を要するから敢えて無駄なブレーキを踏まずに下っていったってことだ」
「ハチロクであそこまでの走りを可能にしたのもそういう理由があったってわけか…。そんな芸当は並の走り屋じゃ中々できねぇぞ」
「あぁ。拓海の腕の凄さを益々実感したよ…。恐らく今の俺達では拓海とやり合っても勝ち目はなさそうな気がしてきたよ…」
「だな。後ろから見た俺でさえついて行くのがやっとだったんだ。例え乗り慣れたランエボに乗ったとしてもありゃあ手こずるかもな…」
「でも、今回拓海のハチロクに相乗りしたおかげである収穫は得ることができたぞ俺は」
「何だと?一体何を得たんだ教えてくれよ光?」
「それに関しては今度のバトルまで秘密だ。当日上手くいくかわからんが見てのお楽しみってところかな」
「はぁ?今度のバトルで一体何をしでかすつもりなんだお前は…」
利樹は光に拓海の横に同乗しては何を得たか質問するが光からの曖昧な返答に疑問を浮かべるしかなかったのであった。
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