小説を書いていく際、車を型式で言うのか車種で言うのかどっちにしたらいいか迷ってしまい、色々とややこしいです。
某ファミレス
ここは数多くの走り屋が情報を交換したり一息着くために利用している走り屋御用達のファミレスである。
レーシングの高橋兄弟もこの店にてある人物と待ち合わせをしており。車を下の駐車場に停めて店に入るや二人はある人物と鉢合わせをする。
カランカラン
「いらっしゃいませ~。お二人様でしょうか?」
高橋兄弟の接客をしたのは何と光であり、啓介はウェイター姿の光を目の当たりにしては嫌な顔をする。
「……なんでお前がここにいるんだ?」
「なんでってこのお店でバイトしてるからに決まってるじゃないですか。それで繰り返しお聞きしますがお二人様でよろしいでしょうか?」
「兄貴悪いが店を変えるぞ」
「待て啓介。史浩とはここで待ち合わせをしてるから我慢しろ」
「なるほど待ち合わせをしていたのですね。それでしたらあちらのお席にてお仲間が待っておられますよ」
「こっちだ涼介!!」
光が手をかざした先には史浩がテーブルに座っており、高橋兄弟が来ていることに気付くや二人に呼びかける。そして高橋兄弟は揃って史浩が待っている席へと向い席に座る。
「ごゆっくりどうぞ」
光が二人からオーダーを取ってはその場を離れていき、三人は会話を始めるのだった。
「ナイトキッズの中里?そいつなら知ってるぞ。前S13に乗ってる頃から速いので有名だった奴さ…。今はR32に乗り換えてるらしいけどな…」
「ふん。信用できねーなR32に乗ってる奴のウデなんて…」
「また始まった。ハンパじゃねーからな啓介のR32嫌いも…」
R32という言葉を聞いた啓介は機嫌を損ねた。啓介は根っからの4WD車嫌いで、インプレッサに負けたことを未だに根に持つ程である。
「話を戻すけどな涼介…。中里に先を越されるのは不味い気がするけどなー。俺達が勝てなかったハチロクとインプレッサにナイトキッズが勝つようなことがあってみろ…。レッドサンズはナイトキッズよりもレベルが低いってことになりかねないぞ…。噂ってのはそんなもんだからなー中里の狙いもそのへんにあるんじゃねーのか?」
史浩は中里に先を越されては自分達の面子に関わるのではないかと懸念するも啓介は言う。
「心配することねぇと思うよ…。ユーレイパンダとスバルブルーに勝てるような奴がナイトキッズにいるわけねぇや秋名の下りを走る限りどんな奴が来てもダメだろ。あいつらに二度も負けてる俺だからわかる…。兄貴以外の奴には手に負えねぇな。それぐらいあの二台は桁違いに速くて上手い」
「(言ってくれるねぇ啓介さんは。今の話拓海が聞いてたら嘸かし喜ぶだろうなぁ)」
啓介は自身の実体験を元に改めてハチロクとインプレッサの凄さを語りそれを近くで聞いていた光は平然を装いながらも若干嬉しそうにしていた。
「そーなのか…。わかんねーな俺には…。インプレッサは兎も角、ハイパワーの車がなんでハチロクに勝てないのかな…」
「説明はできるぜ。時にはパワーが出すぎていてもダメな時があるってことさ…」
涼介は史浩に何故ハチロクがFD勝つことができたのか理由を説明し始める。
「ターボパワーって奴は直線では強力な味方だけどコーナーの立ち上がりでは車の挙動を乱す諸刃の剣なんだ。その点ハチロクなら一度姿勢を決めたら後はガンガン踏んでいけるからな…。ストレートの短いテクニカルなコースでは非力でも思い切って踏んでいける車の方が速いことがある」
「打倒R32の為に…強化したターボパワーが啓介の仇となったわけか…」
「確かに秋名の下りだと350馬力を全開にできる時間なんてトータルしてもほんの僅かだったよ。一瞬ドカンと開けたと思ったらもう次のブレーキングだしパーシャルも長くてイライラするんだ」
「その辺はリアタイヤだけでパワーを路面に伝えるFRの宿命だろ…」
「だとするとインプレッサの方はどうなんだ?FDと同じターボパワーが強い車の筈だが…」
「インプレッサは元々がラリーで走るのを想定して作られた車だからな。同じコースを周回するサーキットとは違ってあらゆる路面を走るから速さは勿論トータルバランスが重視される。だからFDみたいな300馬力以上は出なくても秋名のようなテクニカルコースを難なく走りきれるわけだ」
「そういうことか。確かにそれなら
史浩はあることに気付いては口に出す。
「インプレッサと同じ4WDのR32ならどうなる…⁉踏んでも安定してトラクションの掛るアテーサE-TSシステムならターボパワーをいくらでも使えるんじゃないのか…。中里のR32ならハチロクに勝つんじゃあ…⁉」
「それはどうかな…。大事な事を一つ見落としてるぜ」
「大事な事?」
「(……やっぱり涼介さんもR32が抱える欠陥に気付いていたか)」
近くで話を聞いていた光は涼介が言う大事な事についてあらかた知っており、そこから涼介達の会話を盗み聞きしようと思ったが流石に不味い為その場を離れては別の作業に移ることにした。
翌日
「目から鱗が落ちたってのはあの事だよなー正しく…。本当に良い経験をさせてもらったよー」
池谷は健二が運転する180に相乗りしては拓海のドリフトの凄さを健二に語るのだった。
「外から見るのと中に乗ってみるのとじゃ大違いさ…。本当のドリフトってどういうもんなのか生まれて初めて分かったよ」
「ホントに分かったのかー。気を失ってたのにかァー?」
「バカ。気を失う前にちゃんと色んなことを見てたんだよ」
「ホントかよ」
「ちょっと大袈裟かもしれねーけどあれで人生観が変わったぜ。S13戻ってきたら俺初心に帰ってドリフトの練習始めるつもりさ…。ドリフトはグリップ走行より遅いなんて言う奴もいるけどそれは違うと思った…。本物のドリフトは速い!!拓海と光がそれを証明している」
池谷は車が治ったら再び練習をしようと決意を固める。
「俺燃えてるぜ。拓海達の加入を切っ掛けにしてスピードスターズを本格的な走りのチームに生まれ変わらせたいよ!!」
「本当に入ってくれるかなー拓海は?光はどこにも属さずフリーでやりたいって言ってたから保留になってるし」
「俺は何が何でも二人には入ってもらうつもりだけどな…」
その頃拓海はイツキと利樹を合わせた三人で渋川市の温泉街を歩いては会話をしていた。
「なんか不思議な感じだよなー。お前のこと見る目が…前と違って来たよ」
「そりゃあ拓海のあんな姿を目にしたら印象が変わるのも当然だな。俺も初めて見た時は度肝を抜かれたんだしよぉ」
「なんだそれ?」
「まぁ食えよ温泉饅頭。できたてホヤホヤ」
「イツキ、俺にも一個くれ」
「あいよ」
「ハフハフ…あんこが熱いんだこれが…」
「美味えな群馬の温泉饅頭は、以前住んでた栃木で食べた饅頭にも負けないくらい美味えじゃんよ」
拓海と利樹が熱々の饅頭を食べてはそれぞれ感想を口にし、近くの階段に腰を下ろしてはイツキが話す。
「そうしてる時はいつもの拓海だけどなー。眠そうな顔して饅頭食ってるボケた男だよ」
「でもハチロクに乗ってステアリングを握ればまるで人が変わったかのような感じが出るんだなぁこれが」
「今や秋名の走り屋達の憧れのヒーローだぞお前ー」
「そうかなー。そういうもんかな照れるなイツキ」
「今は違うって言ってるだろーがただの饅頭食ってるボケ男だよ」
「だな。今の姿からじゃ物凄い走るをするなんて想像できねえよ」
「(そこまで言う必要はねーだろ…)」
二人から言われるや拓海は悲しげにしては饅頭を頬張る。
「俺もなー自分でちょっと複雑な感じだよ。この前の交流戦の時もそうだし、前に池谷先輩や光を乗せた時もそうなんだけどさ……。ただ俺はいつもの様に走ってるだけなのに…。何であんなに喜んでくれるか分かんねーよ」
「そうなのか?俺は周りから絶賛されるとめっちゃテンション上がるし居心地が良いと思うぞ」
「俺今まで人を喜ばすことなんてしたことないからなー。俺のすることで誰かが喜んでくれるのは嬉しいんだよなーすげー」
「そうかァ…。お前って案外サービス精神溢れた奴だったんだなー」
「意外だな。拓海がそこまでいい奴だなんて光も知ったら驚くだろうなぁ」
「(走ることがたのしくなってきたなー段々)」
「なぁ拓海…。そのサービス精神を見込んで一つ頼みがあるんだけどさー。俺がハチロク買ったらドリフトコーチしてくれなー」
「良いけど厳しいぜ俺のコーチは」
「だったら俺も付き合ってやろうか?ドラテクじゃ拓海には及ばねえが走りの基礎くらい仕込んどいてやるからよ」
「ありがとな利樹。ところで話変わるけど光は今日どうしたんだ?」
「あいつなら今はバイトの真っ最中だ。んで持って今晩秋名を走り込むって言ってたから今度会えるのはいつなのか俺にもさっぱりだぜ」
「うひゃあ…自分で金稼いでは走り込むなんて光も立派な走り屋じゃんか…くぅ〜俺も早くハチロク欲しいぜー」
秋名山 夜
秋名の峠を激しいエンジン音を響かせては駆け出している1台の車がおり、前を走っているであろう地元の走り屋が乗るインテグラの後ろに来ていた。
「R32⁉近頃ちょくちょく見かける奴だぜ…畜生煽ってきやがって」
「パスさせねーで頑張ってみろや」
「へ、そうだな。下りならパワーの差は小さくなるぜ。こちとら走り慣れてる地元だぜー!!」
激しいエンジン音を響かせては豪快に走る黒のR32は前を走っているインテグラを煽っては道を開けるよう急かすもインテグラに乗っている二人は以前ハチロクが秋名の下りでFDに勝ったことがある為自分達でもやろうと思えばできるのではないかと勘違いしてはバトルを仕掛ける。が、
「どけって言ってんだこのザコォ」
「だあああ〜〜〜っ!!大外から一気に行かれたァ!!」
R32のドライバー中里は大外から一気に抜かしてはインテグラの前を通り過ぎていった。
「ゾッとするぜケタ違いの加速!!」
「ケツから火ィ吹いてるぞォ!!」
「おい、後からもう一台来るぞ!!」
インテグラに乗ってる二人はR32の圧倒的な速さに驚くも、その後から別の車が来てはバックミラーを確認する。そこには青い車が猛スピードで走ってきては自分達に迫ってきたのだった。
「あれはインプレッサだ!!しかもハチロクに続いてFDに勝った新型のヤツじゃねえか‼」
「ど、どうする…今度はあいつに仕掛けてみるか?」
「いや…R32に簡単に抜かされたんだ。今更やったところでさっきの二の舞いになるだけだしやめとこうか」
「そうだな…。素直に道を譲るとしよっか…」
インテグラの二人はR32に抜かれたのが余程効いたのか後から迫ってくるインプレッサに道を譲る為端に寄せていき、インプレッサはインテグラに合図を送っては先程のR32に負けない速さで走り去っては通り過ぎる。
「「は、速えぇぇぇー」」
インテグラの二人はインプレッサの速さに見惚れては自分達との実力差を思い知るのだった。
「やっぱりなァ…パワーのない車で大排気量の車をカモるなんて」
「相手が余程の下手じゃないと現実には無理なんだよなー」
「(凄いマシンだぜ
R32を運転する中里はその性能に惚れ惚れするもあまりにも凄さ故相手になる奴がいなくなった事に複雑になっていた。
「(近頃流行りの目立つだけの遅いドリフト遊びは俺の趣味じゃねぇ。頭の中が真っ白になる様なギリギリのバトルでなきゃー俺はダメだ!!)」
「(出てこい秋名のハチロクそしてインプレッサ!!一目見て直感したぜお前ら相手なら相手にとって不足はない!!)」
中里はドリフトを否定してはいるも自分を熱くさせる相手になるであろうハチロクとインプレッサを待ち望んでいた。
「(ん?後から物凄いスピードで来てるがさっきの奴か…いや、違う…あの車は)」
中里は後ろから車が近づいているのに気付き、先程抜かした奴ではないか確認をする。だが後から来ているのは違う車種ではあったがそれは中里が勝負をしたいと思っていた車であることに気付く。
「(インプレッサ…!!まさか再び相見えることになるとはなァ…。面白え、今ここでバトルと行こうじゃねぇか!!)」
中里は後ろから迫ってくるインプレッサにバトルの合図を送っては返事を待つ。
「(やれやれ…こっちは秋名を走りに来ただけなのに急にバトルを挑まれちゃったよ。しかも相手は前に会った中里さんだし、仕方ない…少しだけ付き合ってやるとするか)」
バトルを申し込まれた光は前を走るR32に勝負を受ける合図を送り、それを見た中里は内に秘めし闘争心をむき出しにしては全開走行を始めていき。光もそれに続いてはギアを上げては前を行くR32を追い掛けるのだった。
「(下りであそこまでいかれては追い越すのは難しいかもしれんな。R32GT-Rはあまりにもの性能の高さ故プロの世界でもGT-Rだけのワンメイクレースになるくらいだから速いのも当然か)」
「(前に奴とやり合ったのは上りだったな。インプレッサの方は見たところ荷重移動を使っては秋名の難しいコーナーをあっさりと抜けていきやがる…。どうやらこいつとは本気でやれそうな気がしてくるぜ!!)」
秋名山 麓
バトルを終えた2台の車は入り口付近の駐車場に停めては対峙する。
「まさかお前がここまでやれるとは驚いたな。あの高橋啓介を負かすくらいだからこれくらいは当然か」
「それはこっちの台詞ですよ中里さん。車重の重いR32を荷重移動を使って乗りこなすあなたも中々じゃないですか」
「ふっ、そこまで言われると照れるぜ全く…。先程のバトルは多少のハンデがあった上正式なもんじゃねぇからな。勝ち負けはなしだ」
「そうですか。でも再戦する際は手加減はしませんからね。あそうだ中里さん、一つよろしいですか?」
「何だ?」
光は中里にある質問をする。
「つい最近聞いた話だと中里さんは以前S13に乗っていましたよね。それが何故今はR32に乗り換えたのですか?」
「!! それは…」
光からの質問に中里は口を紡ぐも光の目線に追いやられては観念したのか口を出す。
「……いいだろう教えてやるよ。あれは去年の夏、地元の妙義で下りでは誰にも負けなかった俺が32乗りの走り屋に挑まれた時のことだ…」
そこから中里はR32に乗り換えた理由を話す。光が言うように中里は前にS13に乗っていたが過去に白のR32使いの走り屋にバトルを申し込まれたのが始まりだった。
そのバトルでは中里の方がドラテクは上だったがコーナーで突き放してもストレートで散々抜かれては苦戦を強いられ、相手を追い抜いてやろうと無茶をしたのが仇となったか車をガードレールにぶつけてはスピンしてしまい大敗をしてしまったからだと中里は言うのだった。
「そういう理由だから俺はこいつに乗り換えたんだ。どんなに腕が良かろうが馬力の劣る車でパワーの強い車に勝つなんざ不可能ってことにな」
「それは違うんじゃないですか中里さん」
「なんだと」
「確かに今の話を聞いた限りじゃあ車の性能差を思い知りR32に変えたのも納得は行きますよ。だからといって負けたぐらいで簡単に車を変えてしまうんじゃあそれは車がどうというよりあなたの走り屋としての実力がその程度のもんだったっていうんじゃないんですか?」
「き、貴様ぁ…!!」
中里は光に痛いとこを突かれたのか胸倉を掴む。
「お前に何がわかる!!限界まで力を振り絞って走ったが性能差を覆すことができず追いつけなかったあの時の屈辱を…!!何も知らない奴が偉そうに言うんじゃねぇ!!」
中里は過去にR32相手に抜かれたのが余程悔しかったのか過去を振り返っては忌々しそうな顔を露わにしては光を睨みつける。だが光は表情を変えぬまま話を続ける。
「だったら秋名のハチロクに挑んでみてはどうですか?拓海の走りを一度見たあなたならわかる筈ですよ。圧倒的な性能差を覆す程の走りの凄さをね…」
「くっ…いいだろう、先にハチロクを倒した後お前とインプレッサに挑戦を叩き込んでやる!!俺があのハチロクに絶対に負けねぇとこをな!!」
「俺は逃げも隠れもしません。秋名のハチロクがいる場所を教えますのでそこに挑戦を申し込んどいて下さい。んで持ってハチロクに勝てたのならあなたとの再戦引き受けますよ」
光は中里に拓海が働いてるスタンドの住所が書いてあるメモを渡し、中里はそれを受け取るや車に戻っては光に言う。
「今に見てろよ。俺が…ナイトキッズの中里が群馬では誰にも負けねぇ最速の走り屋だってことを見せつけてやるからな!!」
光に言い渡した中里は再び車に乗り込んでは秋名山を後にし走り去って行くのだった。
「(ホント走り屋は高橋啓介といい中里といい熱苦しい奴しかいないな…)」
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