頭文字S 未完結   作:ペンギン太郎

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 R32戦いよいよ決着です。
 拓海のバトルがメインになるあまりオリ主の目立つところがありませんね。
 このバトル以降原作通りに進めるかオリ主目線で独自の展開をしていくか難しいとこであります。


ACT.19 AE86 VS R32 後編

 『おい聞いたか。今三台は5連族ヘアピンを走ってるみたいだとよ』

 

 『前に高橋啓介もそこでハチロクに抜かれたんだっけな。あれは何がどうなんだか俺にもさっぱりだぜ…』

 

 

 「……いよいよだな」

 

 「え?」

 

 「何がいよいよなんだよ?」

 

 

 ギャラリーの話から拓海達が5連族ヘアピンに来ているのを聞いた光は口を開いては呟く。

 

 

 「拓海は5連族ヘアピンでR32を抜きに行くつもりだ。中里さんのR32はタイヤが保たないだろうからイン側を守ってるに違いない。そこを拓海は何か仕掛けて来るだろうよ」

 

 

 

 

 

 勝負は後半戦へと入り。両者共に集中力は限界に近づいてはいるものの物怖じせず突き進んでは走り続けていき5連族ヘアピンへと突入する。

 

 

 秋名山5連ヘアピン

 

 

 『来たぞー物凄いスキール音だ』

 

 『すぐそこまで来ている!!』

 

 『来たー!!』

 

 

 5連ヘアピン前で待機していたギャラリーが目にしたのはR32に食いついているハチロクの姿であり、ハチロクがブレーキングドリフトをするのを目の当たりにしては驚く。

 

 

 「(この5連族ヘアピンで高橋啓介が抜かれるのを俺は見ていたからな!!あのハチロクは路肩の側溝を使って怪しげなコーナリングをするんだ…。内側に飛び込ませなきゃいいんだろーが。インは開けないぜ!!)」

 

 

 中里は拓海がイン側から攻めてくるだろうと予測し、入り込ませないようにイン側を走っては閉めていく。だがハチロクは外側に車体を寄せるや入り込もうとする。

 

 

 「なにいいっ⁉外からだとォー⁉」

 

 

 外側から攻めるハチロクはリアタイヤを白線の外側に入れてはR32を攻め込み強引に入り込もうとするもR32に立ち塞ぐ。

 

 

 『危ねーっ』

 

 『やべー逃げろ。突っ込んでくるーっ』

 

 

 近くで見ていたギャラリーも間一髪避けてはハチロクとの衝突を免れた。

 

 

 「なめてんじゃねーぞっ!!外から行かすかよォ!!」

 

 

 R32は立ち上がりからイン側を走っては入り込ませないにし、ハチロクは外側から行っては次のヘアピンへと突き進む。

 

 

 「ムカつくぜ!!外側にウロチョロ出られちゃ目障りで堪んねーや!!」

 

 

 中里はラインを維持してはイン側を閉めるもR32の挙動に変化が生じたのか後から見ていた涼介はリアシートに座っている啓介に言う。

 

 

 「目を離すなよ啓介!!ハチロクが抜きに行くぞ!!」

 

 「(抜きに行くったって…あんだけインを閉められてちゃ…どうやって⁉)」

 

 

 

 

 

 「(屈辱だぜ。大勢ギャラリーが出てる前でいいように外から突かれちゃあな。無理にインに付こうとするから不自然なラインになって突っ込みが甘くなるんだ…。車一台がギリギリ入れない程度に寄せるだけでいい筈だぜ!!それならもっと進入スピードを上げられるぜ!!)」

 

 

 最早中里は集中的が切れかかっており、ハチロクにイン側に入り込ませまいと必死にイン側をキープしようとするもハチロクが仕掛ける。

 

 

 「(ハチロクが外側にラインをふったァ!!インには来ねぇな!!)」

 

 

 ハチロクがイン側に来ないと思ったか中里はR32を外側に寄せる。その時だ。

 

 

 ヒュン

 

 

 「(さっきまでいたところにハチロクがいない。どこへ行った⁉まさか⁉)」

 

 

 なんとハチロクはイン側を開けさせようと外側に寄っては中里を油断させ、R32がアンダーを出した瞬間に車をイン側にスライドさせては押さえつけたのだ。

 

 

 「(しまったァア肝心なところでアンダーを出しちまった)」

 

 

 中里はハチロクが仕掛けたトラップに引っ掛かるも体制を立て直してはハチロクの横に並び立つ。

 

 

 「(外へ行くと見せかけておいてブレーキングしながらラインを変えやがったァ⁉ハチロクとはあんなことができる車なのかァ⁉鮮やかなもんだぜ。だけどこれで勝ったと思うなよ!!このまま並んで立ち上がれば2速全開の加速で俺は前に出れるんだ!!)」

 

 

 中里はストレートでハチロクを追い抜かそうとするもその瞬間…

 

 

 「!!」

 

 

 タイヤが限界に達したのか、R32は急にスライドしてはガードレールに右のリアをぶつけてはスピンしてしまうのだった。

 

 

 「ぶつかる!!」

 

 「……」

 

 

 涼介はFCをR32の手前でステアリング操作しては上手く避けきりハチロクの後を追っていく。

 FCとの衝突を回避できたのに安堵したのか中里はふぅ~とデカい溜め息をしてはその場で落ち着き勝負を振り返る。

 

 

 「(負けた…。俺とR32がバトルで負けた…?…いや、違う…)」

 

 

 『負けたぐらいで簡単に車を変えてしまうんじゃあそれは車がどうというよりあなたの走り屋としての実力がその程度のもんだったっていうんじゃないんですか?』

 

 

 「(そうだ…あいつの言う通り負けたのは()だ。R32(こいつ)がハチロクに負けたわけじゃねぇ…)」

 

 

 中里は光に言われた言葉を思い出してはハチロクに負けたのは車ではなく自分の腕が未熟だったことに漸く気付いた。

 

 

 『拓海の走りを一度見たあなたなら分かる筈ですよ。圧倒的な性能差を覆す程の走りの凄さをね…』

 

 

 「(あんな凄い走り屋がいやがるとはな…。ショックはショックだけど不思議とさわやかな気分だぜ。全力を出し切って負けたんだからな…。腕を磨いてもう一度チャレンジするさ)」

 

 

 車から降りてはR32のリアを見てみると見事に凹みがありこう呟く。

 

 

 「痛ってーな。また板金7万円かな…」

 

 

 

 

 

 

 「オイオイ嘘だろー」

 

 「ホントだって抜かれてスピンするR32を目の前で見てたんだから!!」

 

 「拓海が勝ったァ──ッ」

 

 「やったぁっ!!これでレッドサンズに続いて2連勝よ!!」

 

 「お、おい。勝ったのが嬉しいのは分かるが急に抱きつくなって」

 

 「まさか本当にGT-Rに勝つとは…。流石を通り越して凄すぎるとしか言いようがねぇぜ…」

 

 

 スタート地点である秋名の頂上でも拓海がR32に勝ったという話で盛り上がっており。光達も拓海が勝ったという報告を聞いては喜びを見せ、各々が感想を述べる。

 

 

 「そういえば光はどうして拓海君が勝つかもしれないって最初からわかってたの?」

 

 「大した理由はないよ。バトルの勝敗を決めるのは車の性能もそうだが、一番大事なのはそれを扱うドライバーの技術だからな。中里さんは一度心が折れては車を乗り換えてからまだ時間が経ってないのに対し拓海は免許を取る前からずっとハチロクに乗り続けては走ってきたからな。その時点でもう差はついてたんだよ」

 

 「中里はR32の性能に惚れてはどっかに慢心してた部分もあったし、相手の車がハチロクだってのに油断してた部分もあっただろうから見事に足元を救われちまったな…」

 

 「ねぇ二人共…」

 

 「ん?まだ何かあるのか」

 

 「ううん。アタシじゃなくてイツキ君や池谷さん達の様子が何か変なんだけど…」

 

 「「?」」

 

 真菜がまるで変なモノを見るかのような感じで指を指してる方を見てみるとそこにいたのは

 

 「「「へっ…へへ…へへへ」」」

 

 イツキを始めるとするスピードスターズのメンバーは拓海が勝ったことが余程嬉しかったのか。呆然と立っては不気味に笑っていたのであった。

 

 「あ〜あ。あの三人は喜びの余り完全にイカれてやがる」

 

 「あの様子じゃ元に戻るのに時間が掛かるだろうしとりあえずその場にしておくか」

 

 「うん、そうだね」

 

 

 

 

 

 光達が頂上にて拓海が勝ったことに喜んでいたその頃、中津は祐一が待機していた場所に戻っていた。

 

 「まさかお前と文太の言う通り、拓海が勝っちまうとは流石だな…」

 

 「あははっ。僕も昔プロの世界であいつのR32(・・・・・・)の整備をしたこともあったからね。その時の経験があったからこそ勝負をする時点で勝敗はもう分かりきってたんだ」

 

 

 

 

 

 

 秋名山 麓

 

 「中々良いモノ見られて楽しかったろ啓介」

 

 「凄かったよ…ハチロクの移動攻撃は。俺が前にインプレッサにやられたのと同じアウトと見せかけてフルブレーキングしながらラインをクロスしやがったからな」

 

 

 啓介は真近で見た拓海の凄さを改めて思い知るのだった。

 

 

 「ずっと思ってたことだけどハチロクのブレーキはいいよな兄貴…。下りのブレーキングでぐいぐいGT-Rを追い詰めるもんな…。物凄く性能のいいABSだよ」

 

 「何言ってんだボケてんなよ啓介。ハチロクにABSが付いてるわけねーだろ」

 

 「え?だって…」

 

 「あれは人間(・・)ABSだ」

 

 「……?」

 

 「初めからABSが付いてる今の車しか知らない走り屋には…ロック寸前のシビアなペダルコントロールは絶対身につかないだろうな。機械制御のABSは所詮…。研ぎ澄まされた感性を身に付けたドライバーの右足には勝てないさ。俺も久々にワクワクしたよ。つくづくあのハチロクは仕留めがいのあるおいしい標的だぜ」

 

 

 涼介はますますハチロクに狙いを定めてはこの手で仕留めると決意を露わにした。

 

 

 「さて帰るか…。帰って論文の続きやんねーとな…。かなり大幅な書き直しだぜ」

 

 「なぁ兄貴、帰るのはいいが俺のFDは…」

 

 「おっと、そうだったな。心配ない、バトルが行われる前にFDのスペアキーを奴に渡しては持ってきてもらうよう頼んであるからな」

 

 「奴?」

 

 

 

 

 

 「利樹、急な頼みで悪いが俺のインプレッサを麓まで持っていってくれないか?」

 

 「別に構わねぇがお前はどうするんだ?」

 

 「涼介さんからFD(こいつ)を麓に持っていくよう頼まれてな。この機会を利用してはどんなチューニングを施してあるか確かめてやろうかなと」

 

 光はやけに嬉しそうな顔をしては涼介から預かったスペアキーを片手に見せびらかす。

 

 「高橋啓介のFDをお前が走らせるだと⁉てめぇなんて羨ましいことしやがるんだ!!」

 

 「いいなぁ光。アタシもその車に乗ってみたかったのに…」

 

 

 

 

 

 「なんだと⁉俺のFDをあいつに麓まで持ってこさせようっていうのか⁉」

 

 「それくらい別にいいだろ。お前に先程のバトルを見せてあげる為の貸しとしては悪くないからな」

 

 「ふざけるなよ!!俺のFDをあいつが乗るなんざ俺が許すわけねぇだろうが!!」

 

 

 啓介は光が自分の(FD)に乗ってきて来るのに反発するも、涼介は全く意に介さず聞き流しては光が降りてくるのを待つのだった。

 

 

 

 

 

 藤原とうふ店

 

 「……」

 

 

 拓海は自宅に帰ってきては自分が先程まで乗っていたハチロクを見つめていた。

 

 

 「何やってんだ?ボーっと突っ立って」

 

 「うん、別に…」

 

 

 文太から声を掛けられるも拓海は気にせず文太に顔を向ける。

 

 

 「あのさ…親父。この車…」

 

 

 文太はタバコに火をつけては拓海からの返事を待つ。

 

 

 「なんだよ」

 

 「いや、いいよ別に…。なんでもねーよ。俺寝るわ…。明日またはえーから」

 

 

 拓海は言葉が浮かばなかったか話を区切っては自分の部屋へと戻り。文太は店の前でタバコを吸っては一人で佇むのだった。




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