頭文字S 未完結   作:ペンギン太郎

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 今回は利樹が車に乗りますが、まだ利樹の乗るランエボはどれにしたらいいか決まってませんので別の車で走ります。
 利樹は三菱車が好きですので今回登場するのも三菱では有名な車です。


ACT.22 EG6

 高崎市 中津モータース 

 

 「というわけでイツキをバカにした奴らを拓海がハチゴーで抜かしたのです」

 

 

 その日の学校生活を終えた光は真菜の家で夕食をご馳走してもらった後リビングにて昨日の出来事を中津親子に話していた。

 

 

 「そうか。イツキ君の為にハチゴーで勝つとはやってくれるねえ拓海君は」

 

 「それだけじゃないのよパパ。拓海君がその人達を抜いた後に光もアタシの丸目ちゃんで走り屋達をスパッと抜かしちゃったの。本当一瞬の出来事とはいえあれはとても印象的だったわ」

 

 「そりゃあGDAはSTI仕様のGDBに劣るとはいえそれなりに速いんだから光君にとっては造作もなかっただろうしね。でもハチゴーで勝ったという話は流石に信じられないかな」

 

 「むぅ〜アタシと光が嘘ついてるっていうのお兄ちゃん?」

 

 

 真菜はムッと顔を膨らませては兄である昴を睨みつける。

 

 

 「いや、真菜達が嘘を言っていないのはわかってるよ。僕としては拓海君って子が余程腕が立つとはいえ馬力の劣る車で勝つって話自体信じられないだけさ」

 

 「確かにノーマルのハチゴーと文太が長年鍛え上げたハチロクじゃかなりの差があるからね。でもそれで勝つことができたってことはだ、拓海君は僕らが考えるよりも遥かに高い適応性があるかもしれないってことになるね」

 

 「それって拓海君はどんな車でも乗りこなすことができるってこと?」

 

 「いや、おそらく拓海は今までハチロクしか乗ってきていないからFR主体の車に限ってならちょっと走らせればすぐにその車のポテンシャルを限界まで引き出せることができるってことだろうな」

 

 「そういうこと。以前文太が言ってたんだがハチロクは誤魔化しが効かないから車を操作する為の基本がなっていないと乗りこなせないってね」

 

 「そっか…だから拓海君はイツキ君のハチゴーであれだけの走りができたんだね。今の話利樹が聞いたら驚くだろうなぁ」

 

 「それはそうと利樹君はどうしたの?今日に限っては来てないみたいだけど」

 

 「あいつならイツキ達と一緒に秋名に行ってますよ、池谷さんの車が戻ってきたから一緒に走って来ると言ってましたが俺としては利樹の指導がスピードスターズのメンバーに悪影響を与えなきゃいいんですがね…」

 

 

 

 

 

 秋名山 頂上

 

 「今です池谷先輩」

 

 「こうか(ギッ)」

 

 

 ギョワアーア

 

 

 秋名山の頂上では池谷がナビシートに座っている利樹のアドバイスを受けながらサイドターンの練習をしており。利樹の指示に合わせてはサイドを引いては綺麗にターンする。

 

 

 「やるじゃないすか。この調子ならドリフトもできるようになるかもしれないすね」

 

 「サイドでケツを出すコツが分かってきたぞー。ステアとのタイミングがキモなんだよなー」

 

 「ドリフトのきっかけ作りでサイドを引く練習ってわけかー」

 

 「でも池谷先輩。俺昨日拓海の横に乗ったけどあいつサイドブレーキなんて一度も引かなかったすよ」

 

 「拓海がやったのはフットブレーキだけで荷重移動を起こすハイテクニックだからな。お前がそのレベルまで行くにはかなり練習しないと身に付かねえぞ」

 

 「俺や健二が今までドリフトのつもりでやってたやり方はグリップで入ってからアクセル踏んで出口寄りでタイヤ滑らせて喜んでたけどそういうのはパワースライドっていってドリフトとは違う初歩的な技なんだよ」

 

 「本当のドリフトっつうのは拓海みたいに流しながらコーナー入って出口ではスライドを抑えては立ち上がるもんなんですよ。俺が前に見た拓海のドリフトは物凄く速いし格好良かったですからね」

 

 「なるほどー。利樹はともかく、池谷お前随分勉強してんなー」

 

 「S13直ってくるまで暇だったからな…。色々本読んだり利樹からアドバイスを受けては研究したのさ」

 

 「俺もやってみようかなサイドスピン」

 

 「なんかワクワクしますねー俺もやってみよ」

 

 「イツキ、やるのは構わねえが程々にしておけよな」

 

 「ちぇ、そんなに俺の腕が信用できねえのかよ…」

 

 「拓海のトレノに対抗してレビンに拘るあまり間違ってハチゴーを買ってしまう奴をどう信じろっつうんだよ」

 

 「うぐっ!!ごもっともであります」

 

 

 利樹からの正論に何も言い返せずその場で押し黙るイツキ。

 

 

 「俺はコツを掴んだから次のステップへ行くよ。今度は直線じゃなくて低速コーナーのスピンに挑戦してくる」

 

 「先輩。一応ここは公道ですから他の車には気を付けて下さいよ。俺も一回ここでやらかしては親父にこってり絞られましたからね」

 

 「ぷぷっ…俗に言う経験者は語るってやつか」

 

 「(ブチッ)イツキー!!お前はそこで車の基本操作から覚えろ!!少しでもミスがあれば徹底的に指導するからな!!」

 

 「ヒイィィィ!!それは簡便してくれよぉ。ただでさえお前の指導は拓海より厳しいんだからさぁ…」

 

 「じゃかましい!!健二先輩、向こうから対向車が来ないか見といて貰えますか?」

 

 「お、おう…。池谷、ここは俺が見ておくから先に行っておけ」

 

 「わかった。それじゃあ行ってくるよ」

 

 「早速だがお前には俺が乗ってきたミラージュに乗って特訓してもらうぞ」

 

 「ええーその車はFFだろ。やだよ、俺はFR以外の車には乗りたくないのにー」

 

 「わがまま言うな!!お前にはまだFRは早いからFFで基本操作を物にしてからにしろ!!」

 

 

 調子に乗った挙げ句注意を施した利樹をからかったイツキは逆鱗に触れたのか、利樹を思いっきし怒らせてはスパルタ特訓を受ける羽目になるのだった。

 

 

 

 

 

 「つ、疲れたあーもうヘトヘトで手足が動かねぇ…」

 

 

 特訓を受けては漸く車の基本操作をモノにしたイツキだが、利樹の指導がよほど効いたか地べたに倒れては大の字になる。

 

 

 「ったくこの程度でへばりやがって。これじゃあ拓海に追いつくのはいつになることだか」

 

 「そういや前から気になってたんだけどさァ、利樹はどんな指導を受けてはあんな上手くなったんだ?池谷とイツキに教えるくらいだから相当走り込んでるのはわかるんだが…」

 

 「以前栃木に住んでた時ににカートをやってましてね。それでもってカートの指導をしてくれた小柏さんって人が中学教師もやってるからか教えるのが上手でしてその人の指導があったからこそ今があるのですよ」

 

 「なるほどな。カートをやってたのなら運転が上手なのは当たり前だし、本気でドラテクを磨きたいならそれぐらいやらないと駄目ってことか」

 

 「俺…明日はもう体バキバキで動かないかも…」

 

 「そういや池谷の奴何やってるんだ?麓に着くにしてはえらい時間掛かってるみたいだが」

 

 「何かあったっと見ても可怪しくないですねこれは…。健二先輩、俺が池谷さんを見てきますからイツキを任してもいいですか?」

 

 「あぁ。俺らも後で行くから先行っててくれ」

 

 「んじゃ、行ってきます」

 

 

 利樹はその場を健二に任せては乗ってきた車であるミラージュに乗っては秋名を下っていく。

 

 

 

 

 

 「池谷先輩。どこで道草食ってるんすかねぇ…ん?」

 

 

 利樹は池谷の後を追っていくや、前の方で池谷の乗るS13が赤いボディの車とやり合ってるのを目撃する。

 

 

 「あれはEG6じゃねえか。見たところ池谷先輩とバトルしてるみたいだが…なっ⁉」

 

 

 後ろからS13とEG6の走りを観察する利樹だがそれはバトルというものには些か遠く、EG6は前を走っているS13を後からバンパーにぶつけては道を譲るように揺っていたのだ。

 

 

 「あのEG6!!いくら池谷先輩の走りが遅いからって後からぶつけるなんざ何考えてやがるんだ!!」

 

 

 池谷の乗るS13はターンイン寸前でバンパーを突かれるやその場でスピンをしてしまい。利樹は車から降りてはスピンして立ち止まったS13に近づいては池谷の安否を確認する。

 

 

 「大丈夫すか池谷先輩⁉」

 

 「あぁ問題ない軽くスピンしただけだからな。それよりもあのEG6…」

 

 「えぇ。わざとぶつけてきたんでしょうね」

 

 

 二人がいうEG6のドライバーは利樹達を見てはニヤッと笑っており、まるでバトルを仕掛けてこいとでも言うように待っていた。

 

 

 「あの野郎…俺を誘ってるつもりか知らねえが逃さねえーぞォ!!」

 

 「待って下さい池谷先輩!!相手はわざと車をぶつけて来るような奴ですよ。まともにやり合っていい相手じゃ…」

 

 「お前の言うことは最もだ。だがなあそこまでされて置きながら黙ってるわけにはいかねえんだ!!」

 

 「池谷先輩無茶な真似は止して…って行っちまった。ひとまず俺も池谷先輩を追わねえと」

 

 

 池谷は利樹の静止を振り切ってはその場でEG6にバトルを仕掛けては秋名の峠を下り始め利樹も車に乗り込んでは先に行った二台を追っていくことに。

 

 

 「EG6はシビックの型式でB16Aを搭載しVTECというホンダ独自のメカニズムを施してはかなりの速さを誇る車だったな。俺が今乗ってるミラージュは勿論レビトレとも熾烈な争いを繰り広げてはワンメイクレースが行われる程だ」

 

 

 一人ブツブツと呟きながら走っていると前を行く池谷のS13が先程のEG6を追いかけている姿を目にするがS13はEG6について来れてないのか先を行くEG6の後を追うのに精一杯だ。途中EG6はブレーキランプをパッパッと点滅させながらコーナリングしては突き進んでいく。

 

 

 「さっきのバンパー突きは気に食わねえが実力は申し分ないな。それにあの点滅の仕方からして左足ブレーキを使っては走ってるとみて間違いねえぞ」

 

 

 

 

 

 「とてもついて行けない!!物凄いテクだ…何者だァあいつ⁉」

 

 

 池谷もEG6のドライバーが相当腕が立つことに気付くも走りについて来れず。EG6はS13よりも遙か先に行っては走り去ってしまうのだった。

 

 

 「(あんな勢いで下りのコーナーに突っ込めるのは拓海や光だけだと思っていたけど…。今のEG6…突っ込みの速さは二人以上かもしれねえ…)」

 

 

 

 

 

 翌日 某高校 教室

 

 「てことがあったんだよ。あのEG6、今度会った時は絶対にただじゃ済まさねえ…!!」

 

 「そうか、それはお前と池谷さんも災難だったな」

 

 「信じられない。人の車にわざとぶつけるなんて最低よ」

 

 

 昨夜の出来事を利樹から聞いた光はEG6に嫌悪感を示しては厄介な奴が現れたなと関心を示す一方真菜はEG6が池谷にわざとぶつけてきたと聞いては顔を膨らませては怒りを見せる。

 

 

 「いくら峠が走り屋の遊び場とはいえ峠のルールを守れないんじゃそいつは大した実力はないかもしれんな」

 

 「そうでもねえぞ。こう言っちゃ池谷さんに申し訳ないが、俺が見た限りそのEG6に乗ってた奴はかなり腕が立つと見て間違いねえぞ。何せ左足ブレーキを使うぐらいだからな」

 

 「左足ブレーキ?普通ブレーキって右足で踏むもんじゃないの?」

 

 「まぁ通常なら右足でアクセルとブレーキを踏むのが常識なんだがカートでは左足ブレーキが当たり前になってるんだよ」

 

 「左足ブレーキってのは実際のレースでも使われる技術で、FRでは使うことはあまりないけど限界領域での姿勢制御をするのに左足ブレーキをするドライバーもいるんだ。FFはアクセル空けたらアンダーを出すから右足はアクセル踏んだままラインをはらませないよう左足でブレーキ踏んではリアの荷重を抜く高度な技なんだ」

 

 「へぇ〜。今度走る際アタシもやってみようかしら」

 

 「止めておけ。左足ブレーキは普段乗ってる際には危険だから真似しないほうがいいぞ。実際レースでやる意外役に立たないしな」

 

 「あ、そうそう池谷さんで思い出したんだが。今度秋名を走りに行く際光も一緒に来ねえか?先輩がお前に自分の車乗って欲しいって頼んでたぞ」

 

 「俺が池谷さんのS13に乗れってか?別にいいけどどうしてなんだ?」

 

 「なんでも今度はお前のドラテクを真近で見ては参考にしたいって言ってな。お前なら俺よりかはFRには乗り慣れてるし構わねえだろ?」

 

 「そうだな。前に一度啓介さんのFDに乗って秋名を走ったこともあったしな。その後で啓介さんが物凄い顔をしては『二度と俺の車には乗せねえからな!!』って言われては借りてたスペアキーを分捕られたんだが」

 

 「いいじゃない、池谷さんの車ってデートカーで有名なシルビアでしょ。アタシもその車に乗っては彼氏とデートとかしてみたいなぁ」

 

 「まぁ、シルビアは確かにデートカーとしては有名だけど如何せん乗ってる人があの池谷さんじゃあな…」

 

 「だな。池谷先輩は汗臭いしモテそうな面じゃないからちょっとな…」

 

 

 

 

 

 「ぶえっくし!!」

 

 「どうしました池谷先輩。夏なのにデカいくしゃみなんかして?」

 

 「いや、今誰かが俺のことを言ってた気がしてな」

 

 「はぁ…」

 

 池谷浩一郎 21歳独身。果たしてこの男に春が訪れるのはいつになるやら。

 

 

 

 

 

 

 渋川市 某スタンド

 

 「光〜。もう池谷さん達は秋名の頂上に着いたって利樹から連絡があったわ。アタシ達も早く行っては合流しないと」

 

 「落ち着け真菜。今ハイオクを入れ終わったとこだからもう少し待っててくれ」

 

 

 ピピピピッ!

 

 

 「ん?知らない番号からだな。真菜、俺はちょっと電話するから車の中で待っといてくれないか?」

 

 「いいわよ。でもできるだけ早く済ましてよね」

 

 「あぁ。すぐに終わる」

 

 

 光が心当たりのない番号から通知が着たのに疑問を浮かべるも、とりあえず相手が誰からなのか分からない為出ることに。

 

 

 「もしもし。どちら様でしょうか?」

 

 『俺だ。ナイトキッズの中里毅だ』

 

 「あぁ中里さんですか。この間はどうも」

 

 

 なんと電話の相手はナイトキッズの中里からであり、中里は光の携帯に電話をかけてきては話をする。

 

 

 「ところで俺の番号はどこで知ったのですか?」

 

 『秋名のハチロクがバイトしてるスタンドに寄ってはお前と一緒に頭を下げたイツキって奴から聞いたんだよ。今度はお前から秋名のハチロクに伝えて欲しいことがあってな』

 

 「なるほどイツキから聞いたのですか。で、拓海に伝えたいこととは一体?」

 

 『今晩秋名に庄司慎吾って男が向かってる筈だからそいつには気を付けろと秋名のハチロクに伝えといてくれないか。』

 

 「庄司慎吾?」

 

 『慎吾はうちのチームNo.2で下りなら俺より速く走れるんだが、如何せん勝つ為ならば危険な手段を平気でやる男でチーム内では『デンジャラス慎吾』と呼ばれる程の奴なんだ』

 

 「その人が今晩拓海に挑戦を挑もうとしてるって言うのですね?」

 

 『あぁ…だが気を付けろ、慎吾はハチロクに挑むのに何か恐ろしい手を使ってくるかもしれねぇぞ。あいつのそういったやり方が俺は好きになれないからな』

 

 「そうですか。もしその人と出くわしたら全力で拓海を止めますのでご安心を」

 

 『すまねえな。本来ならリーダーである俺が止めるべきなんだが前回の敗北が余程効いたかナイトキッズの中じゃ俺の発言は皆無に等しいんだ』

 

 「仕方ありませんよ。あなただって全力を尽くしては負けたんですからそんな責めなくてもいいと俺は思いますよ」

 

 『フッ、そう言ってくれるとはありがたいぜ。今R32は板金に出してるからしばらくは走れないが、戻ってきたら即刻お前にバトルを仕掛けるからな』

 

 「いいですよ。その時は秋名かあなたの地元で決着をつけましようか」

 

 『あぁ。お前には絶対に負けねえから覚悟しとくんだな』

 

 

 そう言って電話を切った光は携帯を締まっては車に乗り込む。

 

 

 「待たせたな真菜。それじゃ俺達も秋名山に行くとするか」

 

 

 車にエンジンを掛けるやボクサーサウンドを響かせては目的地である秋名山を目指す光。果たして秋名の峠でどうなるやら。




 搭乗車種:三菱 ミラージュ・サイボーグZR (E-CJ4A)

 ボディカラー:ピレネーブラック

 最高出力:175馬力
 エンジン:4G92
 駆動方式:FF

 利樹がカート時代からの知り合いから借りてきた車でランエボよりかはパワーが劣るが利樹のドラテクによりそれなりの速さを誇る。
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