ルフィの娘の過去改変記   作:微炭酸は弾けない

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第6話 光

そろそろマリンフォードへ到着する頃なので、一張羅に着替え、装備を整えていると、サボさんが不思議そうに私の頭部を指差した。

 

「なんだそのイカつい仮面は」

 

「いや、指名手配とかされたくないので顔は隠そうかと。私って美少女過ぎて目立つので」

 

「自意識過剰……とは言い切れないけど自分で言うか?」

 

「事実ですからね」

 

ママのペットであるサロメの被っている頭蓋骨をモチーフにしたのでデザインがイカつくなってしまったけど、その性能は凄まじく、パシフィスタに組み込まれているAIを使用した様々な機能が組み込まれている。例に漏れずこれもワポメタルを使っているので、普段はポーチに入れておいたり、髪飾りとして髪に着けておいたり出来るのだ。

まあ、元々顔を隠す目的で作ったわけではないことから、鼻と口は呼吸がしにくくなるのが嫌なので覆っていないため、私の美少女さは隠しきれていないという弱点はあるのだけど、素性がバレなければオッケーだよね!

 

「サボさん、良いお知らせと悪いお知らせがありますけど」

 

「一応、良い方から頼む」

 

「マリンフォードまで後5分程度です。準備をお願いします」

 

ママのビブルカードを使ってマリンフォードまで向かっていたのだけど、遂に視界に捉えた。ただまあ、なんというか爆炎があちらこちらで見えるのと、海がどデカい波ごと凍りついてて芸術作品みたいになっており……。

 

「悪い方は――もう戦争、始まってますね♡」

 

「……だろうな、ここからでも分かるさ、無数の覇気がぶつかり合ってる」

 

これお風呂入ってたらマジで間に合わなかったかもしれない♡

正直今もお風呂に入りた過ぎてちょっとムズムズしてるけど我慢できた私えらい。

さて、どうやって戦場に乗り込むかなんだけど、折角上空から乗り込むので少しでもエースおじさんのいる処刑台に近いところへ行きたい。なるべくこのまま上空を進み、海軍に補足されたりしたらオクトちゃんを仕舞って、ダイブすることにしよう。というわけで。

 

「このまま戦場に突っ込んでヤバくなったら、超上空からダイブしますから頑張って着地して下さい♡」

 

「お前、嫌なこと言う時、可愛い顔作るの止めろよっ!?すげーこと言ってるからな、今!!!」

 

「えっ、でもこれやると何でも許されるんですよ。それにほら、笑顔振り撒いただけで、バルティゴの人達からもこんなに贈り物をもらっちゃいました」

 

「何やってんだ、あいつら!?」

 

色々な宝飾品をくれたのでポーチに入れてある。帰ったらロビンさんとか国の皆にあげるんだぁ。ママはこういうの身に付けないから、何か別にお土産用意しておかないと拗ねるかも。

 

「あー、サボさん。飛び切り嫌なニュースが光の速さで(・・・・・)お届けされましたけど聞きます?」

 

「聞きたくないからいい――ここは俺が食い止めよう」

 

派手に目立つ黄色ストライプの黄金スーツ。トレードマークのティアドロップ型サングラスの下の感情の読めない視線でこちらを見つめる男。

 

「おやおや、何者かと思ったら随分大物が乗ってるじゃないの〜」

 

「光栄だね、海軍大将黄猿」

 

飛び切り嫌なニュース速報。悲報、海軍大将黄猿に補足される。それも捕捉から一瞬でこの超上空まで飛んできた。

彼は自然系『ピカピカの実』の能力者で体を自在に光へ変化させ、光速による移動、レーザーによる攻撃が強力だ。パパ達が現役の時、手も足も出なかったという。

マリンフォードからだと、まだ豆粒程にしか私達の姿は見えていなかったと思うけど、これだけの戦場にいながらそれを補足してくるなんて能力以前に軍人としての能力が高過ぎる。黄猿自身が私達を見つけたにしろ、部下から報告を受けたにしろ、即行動して偵察に来る判断力は彼の光の機動力を含め、厄介極まりない。

 

「オクトちゃんを壊されたらまずいのでマリンフォード上空まで守って下さい!上まで行ったら仕舞うので!」

 

「無茶言ってくれるけど、やるしかないか」

 

「サボさんの着地はお任せを!私に着地手段があるので、お姫様抱っこで丁重に運びますよ!」

 

「…………絶対コアラ達に言うなよっ!」

 

最初に過去へ来た時は焦り過ぎてて、繊細なコントロールが上手くいかなそうだったので物理的にクッションで着地したけど、あの時の失敗を踏まえ、上空からの安全な着地方法をシュミレーション済みだ。サボさん共々、無傷で着地してみせる。

私は本来何事もスマートにこなすから!

 

「行かせないよぉ〜」

 

「それはこっちの台詞だ」

 

黄猿は光に変化しながらオクトちゃんの周囲を移動して、空中に留まりながらレーザーで攻撃してきていて、遠距離攻撃の手段がないサボさんは、それをオクトちゃんの周りを器用に動き回り何とか防いでくれているが、完全に防戦一方だ。私が参戦できれば良いんだけどオクトちゃんを時計にするために少々準備(・・)がある。少しの間、サボさんに抑えていてもらうしかない。

 

「流石の覇気、怖いねぇ〜」

 

「そりゃどうもっ!」

 

黄猿はこの上空という環境下でも機動力を確保できる自分の有利を理解しているのか、常に距離を取ってレーザーによる攻撃のみだ。流石に大将だけあって、一対多数の戦闘に慣れているな。私への警戒も怠っている様子がない。

 

八咫鏡(やたのかがみ)

 

「やばっ!」

 

経験値の差というやつなのか、サボさんの一瞬の隙を突いて、光の道を作った黄猿が文字通り一瞬でオクトちゃんの背後へ移動する。オクトちゃんの正面に構えていたサボさんでは対応できそうにないが――大丈夫、私の準備が整った。

 

八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)

 

「貴方の能力は散々研究したんですよ!」

 

四方八方から飛んでくる光の玉は、私が両手を突き出すと、全て見当違いな方向に飛んでいく。

 

黄猿は強いは強いけど、正直、三大将で一番やりやすい相手だ。

フランキーとの研究でピカピカの実とその能力者である黄猿については死ぬほど資料を見ており、技の発動モーションから弱点、対策までバッチリ。アマゾン・リリーでは私のサンドバッグとしてパシフィスタ使ってたからレーザー攻撃は遊び道具みたいなものだった。対処法は熟知している。

 

「ん〜光を逸らしてるねぇ〜。どういう原理なんだい〜」

 

「見逃してくれたらゆっくり講義してあげますよ」

 

「それは無理ってもんだね〜」

 

この現象はナミさんから教わった知識の応用で、やっていることは単純だ。空気の温度差をコントロールすることで、光を屈折させ光の動きを阻害したのである。

 

空気の密度は不変じゃない。

暖かい空気は膨張し、冷たい空気は圧縮するけど、その時に重さは変わらない。つまり、冷たい空気の方が密度が大きくなるのだ。光は性質上、密度の大きい空気へと曲がるため、空気の温度を操作すれば光に変化している黄猿の高速移動や光の攻撃を逸らすことが可能なのだ。

まあ私にはナミさん程のセンスはないので、仮面のカメラからAIが分析した熱分布を見ながらやっているわけなんですけど。ナミさん、肌感だけで一度単位で気温を測れるからね。そんなのと比べちゃいけない。

 

「スマン!抜かれた!」

 

「いえ、この上空では不利すぎます!今すぐダイブするのでこちらへ!」

 

オクトちゃんの天井からサボさんが謝罪してくるけど、空中での移動手段がないサボさんがここまで抑えてくれたのが奇跡。そのおかげで準備が間に合った。

 

「サボさんが時間を稼いでくれてる間にオクトちゃんを収納する準備が整いました」

 

「やはり小さくするのに準備が必要だったのか。俺が戦っている間、何やら忙しそうにしてたもんな」

 

「ええ、食料は小さくできませんからね、急いで食べましたよ」

 

「飯かよ!!!ウソだろ、じゃあ戦えよ!あのレーザー逸らせるんだろ!」

 

「バカなんですか!ここで小さくしたら折角の食料が空にばら撒かれてしまうところだったんですよ!貴方は食への感謝が無いんですか!」

 

「緊急事態だったろうがっ!」

 

私が一生懸命食べてたのに、なんで怒られなきゃいけないのか!むしろ褒めて欲しい!この爆食いしてもスタイルの変わらない無敵のボディを!

 

「君たち余裕だねぇ〜」

 

「ええ、もう準備が整いましたので」

 

オクトちゃんが急激に縮み私の腕に時計として納まると、足場を失ったことで投げ出されたサボさん――何かこの期に及んでまだ嫌なのかちょっと抵抗してきた――をお姫様抱っこで抱えてダイブする。

 

さあ、戦場へ突撃だ!!!





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