カードファイト!! ヴァンガード StarSong 作:バビロン@VG
薄暗闇の中、空気がさらに重く張りつめていく。
時計の針の音が響いた。
「わたくしのターン!!」
大きく言って、カードを引くヒナコ。
その手の中のカードを愛おしそうに眺める。
恍惚とした表情を浮かべて――
「なんて素敵な夜なのでしょう!! 楽しい、とても楽しいですわ!!」
ヒナコの口から、熱っぽい言葉が漏れ出た。
狂気じみた表情。どこか遠くへと向けられた視線。
カードを構えて――
「さぁ!! もっともっともっともっと!! どちらかの命が尽きるその時まで!! 踊り続けましょう!!」
ヒナコが大きく、天を仰いだ。
梔子色の瞳が、ひと際強く輝きを増す。
腕を振り下ろして――
「ペルソナライドッ!!」
ヒナコの場、大蛇のカードが重なり合った。
幻魔忍妖 メガロノヅチ
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - ゴースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[ソウルを1枚以上、望む枚数バインドする]ことで、『【永】【(V)】:このユニットは「忍」を含むグレード1以上のあなたの表のバインドゾーンすべてのカード名を得る。』
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1), リアガードを2枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から、このユニットと同名のカードを2枚まで探し、(R)にコールし、そのターン中、それらのパワー+5000。山札をシャッフルする。
【永】【(V)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットと同名の「忍」を持つあなたのリアガードすべては後列からでもアタックできる。
― 此れなるは衆生と夢想を餌と食み、現騒がす大怪蛇。
「メガロノヅチのスキル!! ソウルのアンプレセデン、シャクガン、デュアルウィールダーをバインド!!」
ソウルのカードを抜き取るヒナコ。
一気に3枚のカードがバインドゾーンに置かれる。
忍竜 アンプレセデン
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットがカードの能力で(R)に登場した時、「タマユラ」か「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、1枚引く。
【永】【(R)】:このターンにあなたのカードが(R)からソウルに2枚以上置かれているなら、このユニットのパワー+10000。
― 主君が望むとあらば、地獄の鬼にも傾いてみせよう!
忍竜 シャクガン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックしたバトル中、このユニットのパワー+5000。
― 我が忍び、静寂に在らず。
忍竜 デュアルウィールダー
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 他のリアガードを1枚バインドする]ことで、相手の表のバインドゾーンから1枚選び、山札の下に置く。置かなかったら、あなたのバインドゾーンから、あなたのヴァンガードのグレード以下の「忍」を含むユニットカードを1枚選び、手札に加えてよい。
― 貴様に恨みはないが……刀達の錆となってもらおう。
「これにより、バインドゾーンにあるユニット全ての名前を、メガロノヅチは得ます!!」
手を前に出しながら宣告するヒナコ。
ミアは手札を片手に、無言のまま佇んでいる。
カードを動かしながら――
「メガロノヅチのスキル!! 場の猩々童子2体をソウルに送り、山札からアンプレセデンとシャクガンをスペリオルコール!! それぞれパワー+5000!!」
ヒナコが妖しく、微笑んだ。
幻魔忍妖 メガロノヅチ
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - ゴースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[ソウルを1枚以上、望む枚数バインドする]ことで、『【永】【(V)】:このユニットは「忍」を含むグレード1以上のあなたの表のバインドゾーンすべてのカード名を得る。』
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1), リアガードを2枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から、このユニットと同名のカードを2枚まで探し、(R)にコールし、そのターン中、それらのパワー+5000。山札をシャッフルする。
【永】【(V)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットと同名の「忍」を持つあなたのリアガードすべては後列からでもアタックできる。
― 此れなるは衆生と夢想を餌と食み、現騒がす大怪蛇。
ヒナコの場から消える鬼の姿。
巨大な剣を構えた傾奇竜と、人型の武装竜が現れる。
忍竜 アンプレセデン
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットがカードの能力で(R)に登場した時、「タマユラ」か「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、1枚引く。
【永】【(R)】:このターンにあなたのカードが(R)からソウルに2枚以上置かれているなら、このユニットのパワー+10000。
― 主君が望むとあらば、地獄の鬼にも傾いてみせよう!
忍竜 シャクガン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックしたバトル中、このユニットのパワー+5000。
― 我が忍び、静寂に在らず。
「アンプレセデンのスキルで1枚ドロー!!」
カードを引くヒナコ。
手札の中の1枚を指ではさむ。
ウフフと、笑い声をこぼして――
「《魂魄封ぜし禁忌の形代》を使用!!」
藁人形が描かれた1枚が、場に置かれた。
魂魄封ぜし禁忌の形代
ノーマルオーダー 〈3〉
【レガリスピース】(レガリスピースはデッキに合計1枚だけ入れられ、ファイト中に合計1回だけ使える)
あなたの、山札かドロップからそれぞれ別名の、グレード3か4のユニットカードを合計2枚まで探して公開し、公開されたグレード3すべてを(R)にコールし、公開されたグレード4すべてを手札に加える。山札から探したら、山札をシャッフルする。(1枚だけ探すこともできる)
― どんな魂でも縫い付けてあげるよ。この形代にね。
「サラゲイト……」
ぼそりと呟くミア。
紫色の瞳が警戒するように細まる。
ヒナコがデッキを掴んだ。
「その効果で、デッキからアンプレセデンとデュアルウィールダーをスペリオルコール!!」
カードを選ぶヒナコ。
さらに2枚のカードが盤面に置かれた。
忍竜 アンプレセデン
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】:このユニットがカードの能力で(R)に登場した時、「タマユラ」か「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、1枚引く。
【永】【(R)】:このターンにあなたのカードが(R)からソウルに2枚以上置かれているなら、このユニットのパワー+10000。
― 主君が望むとあらば、地獄の鬼にも傾いてみせよう!
忍竜 デュアルウィールダー
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 他のリアガードを1枚バインドする]ことで、相手の表のバインドゾーンから1枚選び、山札の下に置く。置かなかったら、あなたのバインドゾーンから、あなたのヴァンガードのグレード以下の「忍」を含むユニットカードを1枚選び、手札に加えてよい。
― 貴様に恨みはないが……刀達の錆となってもらおう。
「アンプレセデンのスキルで1枚ドロー!!」
楽しそうに宣言するヒナコ。
カードを引くと、さらに1枚を選ぶ。
「シャクガンをコール!!」
空いていた前列に現れる1枚。
先程と同じ、人型の武装竜が描かれたカード。
忍竜 シャクガン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックしたバトル中、このユニットのパワー+5000。
― 我が忍び、静寂に在らず。
ヒナコの場が全て埋まった。
「さらに、わたくしのメガロノヅチと同じ名前を持つユニットは、相手のヴァンガードがグレード3以上ならば後列からアタックできます!!」
幻魔忍妖 メガロノヅチ
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - ゴースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[ソウルを1枚以上、望む枚数バインドする]ことで、『【永】【(V)】:このユニットは「忍」を含むグレード1以上のあなたの表のバインドゾーンすべてのカード名を得る。』
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1), リアガードを2枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から、このユニットと同名のカードを2枚まで探し、(R)にコールし、そのターン中、それらのパワー+5000。山札をシャッフルする。
【永】【(V)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットと同名の「忍」を持つあなたのリアガードすべては後列からでもアタックできる。
― 此れなるは衆生と夢想を餌と食み、現騒がす大怪蛇。
両手を広げているヒナコ。
暗い店内に、不気味な笑い声が響き渡る。
梔子色の瞳を向けて――
「あなた方の魂ごと、噛み砕いてさしあげます!!」
ヒナコの指が、カードの上に置かれた。
「メガロノヅチでヴァンガードにアタック!!」
大蛇のカードが横向きになる。
壮絶なまでの威圧感。大蛇がとぐろを巻いた。
猫の少女を見下ろし、冷たい目を向ける。
幻魔忍妖 メガロノヅチ パワー23000
顔をしかめている猫の少女。
その頬を冷や汗が流れていく。
「死を誘う舞踏!! 迷い逃げ込む先は茨道!!」
手を差し出しているヒナコ。
梔子色の瞳を、自分の場へと向けた。
「さぁ、遠慮はいりませんわ、メガロノヅチ!! ぱくんと一飲み、食べちゃってください!!」
はやし立てるような声。
一瞬、大蛇がうっとうしそうに目を細めた。
ヒュッと、空気を裂くような音がして――
「完全ガード!!」
1枚のカードが、勢いよく場に現れた。
シャボンスプラッシュ リビェナ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー6000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。
― 邪魔しちゃ、だーめ♡
「まぁ!!」
嬉しそうな声を出すヒナコ。
ミアが手札の1枚を選んで捨てる。
祈るように両手を握りしめて――
「素晴らしい!! まだまだ、わたくしとワルツを踊って下さるのですね!!」
ヒナコが、楽しそうな笑みを見せた。
ミアとメガロノヅチが、揃って渋い表情を浮かべる。
ヒナコが手を伸ばした。
「ツインドライブ!!」
白い指がデッキの上に置かれる。
カードが表になった。
「ファーストチェック、フロントトリガー!! 前列のパワー+10000!!」
焔の巫女 パラマ
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - ヒューマン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。
― リノ!苦しくっても泣き喚いたりするんじゃないよ!
前列に並んだ人型の武装竜達の力が高まる。
さらに1枚、カードが表になって――
「セカンドチェック、フロントトリガー!! 再び前列のパワー+10000です!!」
ヒナコが、得意そうに微笑んだ。
忍竜 ジャエンゴク
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 燃え殻になっちまぇ!
「ダブルフロントトリガー……」
考えるように呟くミア。
大蛇の一撃を、猫の少女がひらりとかわす。
2人の視線が空中でぶつかった。
「おのれ、ちょこざいな奴め!!」
「ろろ、体力には自信あるのですよ!!」
言い争いをしながら、辺りを駆けまわっている2人。
指が伸びて――
「アンプレセデンでアタック!」
ヒナコが場のカードを横向きにした。
ヴァンガードの後ろ、後列からの攻撃が迫る。
忍竜 アンプレセデン パワー23000
「ガード!」
素早く、ミアがカードを選んだ。
自分仕様 エルシュカ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― お仕着せじゃ、物足りない。
「デュアルウィールダーでアタック!」
ヒナコの攻撃が続く。
忍竜 デュアルウィールダー パワー13000
「インターセプト!」
ミアの前列のカードが援護に入った。
淀みない進行 マリルゥ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
リリカルモナステリオ - マーメイド
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたの裏のオーダーゾーンが2枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
【自】:このターンにあなたがペルソナライドしているなら、このコストは『【ソウルブラスト】(1)』でも払える。このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から曲カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
― それでは~!次の曲へ参りましょう♪
攻撃が防がれる。
ヒナコがダメージのカードを裏向きにした。
「デュアルウィールダーのスキル! 先程攻撃したアンプレセデンをバインドし、バインドゾーンからイザサオウを手札に!」
忍竜 デュアルウィールダー
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 他のリアガードを1枚バインドする]ことで、相手の表のバインドゾーンから1枚選び、山札の下に置く。置かなかったら、あなたのバインドゾーンから、あなたのヴァンガードのグレード以下の「忍」を含むユニットカードを1枚選び、手札に加えてよい。
― 貴様に恨みはないが……刀達の錆となってもらおう。
カードをバインドゾーンに置くヒナコ。
その中の一枚を、手札に加える。
忍妖 イザサオウ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - ワービースト
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札の上から5枚見て、「忍」を含むノーマルユニットを1枚まで選び、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
【自】:あなたのターンにこのユニットが(R)からソウルに置かれた時、相手の表のバインドゾーンから1枚選び、山札の下に置き、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
― この後、消ゆること勿れ!
これでヒナコの手札は、合計12枚。
「血に飢えた月の嘶きを聞かせてあげましょう! アンプレセデンでアタック!」
もう1枚、後列の傾奇竜のカードを動かすヒナコ。
スキルによって強化された攻撃がミアを襲う。
忍竜 アンプレセデン パワー28000
「ガード! インターセプト!」
ミアがカードを場に出した。
珠玉の一曲 エドウィージュ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - マーメイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 心弾む歌声は波紋となって。
生真面目会長 エクノア
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
リリカルモナステリオ - ヒューマン パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、このターンにあなたのヴァンガードが曲を歌っているなら、そのターン中、このユニットのパワー+5000し、さらに【コスト】[【カウンターブラスト】(1),手札から1枚捨てる]ことで、2枚引く。
― あの子、今日も歌ってる。本当に歌が好きなのね。
攻撃を防ぎ続けているミア。
だが着実に、その手の中のカードが減っていく。
梔子色の瞳が輝いて――
「シャクガンでアタック!!」
ヒナコの宣言と共に、カードの動く音が響いた。
忍竜 シャクガン パワー45000
ペルソナライドに加えて、自身の能力と
2枚のフロントトリガーで強化されたパワー。
強烈な一撃が、ミア達に迫りくる。
「ガード!!」
残った手札の中、3枚のカードをミアが投げ出した。
珠玉の一曲 エドウィージュ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - マーメイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 心弾む歌声は波紋となって。
ピースフルガーデン アニカ
トリガーユニット 【治】+10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに合計4枚まで入れられる)
― ここは、優しさで満ちた彼女の庭園。
生真面目会長 エクノア
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
リリカルモナステリオ - ヒューマン パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、このターンにあなたのヴァンガードが曲を歌っているなら、そのターン中、このユニットのパワー+5000し、さらに【コスト】[【カウンターブラスト】(1),手札から1枚捨てる]ことで、2枚引く。
― あの子、今日も歌ってる。本当に歌が好きなのね。
ギリギリの数値で守り切るミア。
猫の少女の顔に、疲れの色が見え始める。
大蛇の口から威嚇するような細い息が漏れて――
「シャクガンでアタック!!」
ヒナコの甲高い声が、暗闇の中に反響した。
忍竜 シャクガン パワー50000
最後の攻撃にして、最も高い数値での攻撃。
大蛇が身体をくねらせて、身構えるように首を縮こめる。
梔子色の瞳が輝いて――
「これで、引導を渡してやる!!」
大蛇の口から、低い音が漏れた。
危険を察知したかのように、猫の少女の毛が逆立つ。
「にゃ……!?」
少女の口から声が漏れた刹那。
大蛇の尻尾が、鞭のように少女に向かって襲い掛かった。
鈍い粉砕音が響き渡り、床が砕けて土煙があがる。
「あぁ、なんという悲劇でしょう! ですが、これもまた物語の終焉! 終わりの1つ!」
嘆くような口調。
ヒナコが胸の前で手を組む。
「メガロノヅチも、この最期には涙を流しています」
遠くを見つめながら、ヒナコがそう付け加えた。
土煙の方をじっと見つめている大蛇。
フッと、息を吐いて――
「いいえ、まだよ!」
ミアが、不敵な笑みを浮かべた。
カードを手で持って――
「まだ、私達のステージは終わらない!!」
ミアが、鋭くそう言い放った。
持っていたカードを場に投げ出す。
「ガード!!」
自分仕様 エルシュカ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― お仕着せじゃ、物足りない。
澄み渡る雪夜 ベレトア
トリガーユニット 【引】+10000
(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - デーモン パワー4000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。
― こんなに良い夜なんだもの。眠るには惜しいわ。
ピースフルガーデン アニカ
トリガーユニット 【治】+10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに合計4枚まで入れられる)
― ここは、優しさで満ちた彼女の庭園。
置かれた3枚のカード。合計パワー53000。
怒涛の6連続攻撃をミアが防ぎ切った。
土煙が晴れて、猫の少女が再び姿を見せる。
「にゃー……」
乱れた髪に、ボロボロになっている制服。
不機嫌そうに、ロロネロルはメガロノヅチを睨んでいる。
「黒猫さん! 無事だったのですね!」
ヒナコが、心の底から嬉しそうにそう言った。
感動したように、手を身体の方に抱き寄せるヒナコ。
「なんという僥倖でしょう! 運命はまだ、その扉を叩く手を止めていなかったのですね!」
大きな笑い声が響く。
無言で微笑んでいるミア。
ヒナコが腕を前に出した。
「わたくしはこれでターンエンドです! さぁ、舞踏会を続けようではありませんか!」
品のある口調での宣言。
余裕そうな雰囲気を、ヒナコが漂わせている。
息を吐いて――
「言っておくけど、私達は踊り子じゃなくて歌手なのよ!!」
ミアが、高らかにそう宣言した。
その瞳に宿る渦巻く光が、さらに強く輝く。
指先がカードを掴んで――
「私のターン!!」
華麗な動きで、ミアがカードを引いた。
その手にあるカードは2枚。
1枚を指で持って――
「ペルソナライド!!」
ミアの場で、カードが重なった。
みんなに響け ロロネロル
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌う。(曲の能力を発動させ、その能力を終えたら裏にする)
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、あなたの裏のオーダーゾーンが2枚以上なら、オーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌い、そのバトル中、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。
― 心を込めて!ろろの全力で歌うのですよ!
ロロネロルの身体が神秘的な光に包まれる。
目を細める大蛇。向かい合っている2人。
「マリルゥをコール! スキルでソウルブラストし、山札から《潮騒とわいらいと》を手札に加えてセットオーダー!」
ミアの場にカードが置かれる。
淀みない進行 マリルゥ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
リリカルモナステリオ - マーメイド
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:あなたのターン中、あなたの裏のオーダーゾーンが2枚以上なら、このユニットのパワー+10000。
【自】:このターンにあなたがペルソナライドしているなら、このコストは『【ソウルブラスト】(1)』でも払える。このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から曲カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
― それでは~!次の曲へ参りましょう♪
さらに山札からカードを取り出すミア。
夕暮れ時の浜辺の光景が描かれた1枚が現れる。
潮騒とわいらいと
セットオーダー/曲 〈2〉 リリカルモナステリオ
(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)
【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。
― 君に手を振ってバイバイ 明日もまた会えるかな?
「《潮騒とわいらいと》のスキルでロロのパワー+5000! さらにロロのスキルで《爛漫はぴねす》を歌い、1枚ドロー! さらにパワー+5000!」
爛漫はぴねす
セットオーダー/曲 〈1〉 リリカルモナステリオ
(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)
【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、1枚引き、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
― ひらりくるり 手のひらの中で 新しい予感
ダメージのカードを裏返すミア。
流れるようにカードを引くと、そのまま構える。
「ヴァルシュブランをコール!」
空いていた前列に、
白くふわふわした衣装を身に纏った少女が現れた。
籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。
【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、『【永】【(V)】:あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。』を与える。
― 皆の願いがこもった卵、あなたもおひとついかがですか?
「スキルでこのターン中、前列のパワー+5000!」
もう1枚、ダメージのカードを裏返すミア。
前列のパワーがさらに上昇する。
「美しき調べ。音が重なり、奏でられるは秘密の言葉……」
盤面に視線を向けているヒナコ。
興奮したように、その身を乗り出している。
すっと、残った最後の1枚を構えて――
「そして! ティーチェをコール!」
ミアの声と共に、最後のカードが盤面に置かれた。
ファンシー・スペル ティーチェ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - エルフ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】【後列の(R)】:このユニットと同じ縦列のあなたの他のリアガードが、あなたのカードの効果で【スタンド】した時、「ロロネロル」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、このユニットを【スタンド】させる。
― 仮装には、少女を少し積極的にさせる力がある。
「まぁ! ここにきて新しい演者の登場だなんて、なんと素敵なサプライズでしょう!」
弾んだ声を出すヒナコ。
どこまでも楽しそうに、笑みを浮かべる。
神秘的な光を宿した目を向けて――
「ヴァルシュブランでアタック!!」
2枚のカードを、ミアが動かした。
籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン パワー33000
「ガード、さらにインターセプト!!」
ぱさりと、カードが置かれる。
焔の巫女 パラマ
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - ヒューマン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。
― リノ!苦しくっても泣き喚いたりするんじゃないよ!
忍竜 シャクガン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックしたバトル中、このユニットのパワー+5000。
― 我が忍び、静寂に在らず。
「マリルゥでアタック! 裏になっている曲カードが2枚なので、さらにパワー+10000!」
続けざまにカードを動かすミア。
スキルによって、さらにパワーが上昇する。
淀みない進行 マリルゥ パワー43000
「完全ガード!!」
勢いよくカードを場に出すヒナコ。
盾の忍術を扱う竜のカードが姿を見せた。
護衛忍竜 ハヤシカゼ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー7000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、【コスト】[手札を1枚捨てる]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。
― 隙があったのではない。「見せてやっていた」のだ。
手札を捨てるヒナコ。
にっと、その口元に笑みが広がる。
カードの上に指を乗せて――
「ロロネロルで、ヴァンガードにアタック!!」
ミアの言葉が、響き渡った。
神秘的な響きを含んだ声。煌めく笑顔。
「さらにスキルで《六花ふらくたる》を歌い、リアガード2枚をスタンド! パワー+20000! 守護者でガードできない!」
みんなに響け ロロネロル
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
リリカルモナステリオ - ワービースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌う。(曲の能力を発動させ、その能力を終えたら裏にする)
【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、あなたの裏のオーダーゾーンが2枚以上なら、オーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌い、そのバトル中、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。
― 心を込めて!ろろの全力で歌うのですよ!
六花ふらくたる
セットオーダー/曲 〈3〉 リリカルモナステリオ
(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)
【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのオーダーゾーンの裏のカードを1枚選び、表にしてよい。
【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、あなたのリアガードを、あなたの裏のオーダーゾーンと同じ枚数選び、【スタンド】させる。あなたのヴァンガードを1枚選び、この効果で【スタンド】させたユニット1枚につき、そのターン中、パワー+10000。
― 妖精達のチークダンス もう少しだけ眺めていたいの
ロロネロルの瞳に宿る光が強まった。
その口から、美しい調べの歌が唄われていく。
ミアがさらに手を伸ばした。
「そしてティーチェのスキルで、自身をスタンド!」
ファンシー・スペル ティーチェ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - エルフ
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】【後列の(R)】:このユニットと同じ縦列のあなたの他のリアガードが、あなたのカードの効果で【スタンド】した時、「ロロネロル」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、このユニットを【スタンド】させる。
― 仮装には、少女を少し積極的にさせる力がある。
後列の1枚。
仮装した長い髪の少女のカードが立ち上がった。
大蛇の姿を、猫の少女が見上げる。
みんなに響け ロロネロル パワー69000
「アハハハハッ!!」
けたたましく笑い声をあげるヒナコ。
その手の中のカードを掴む。
「まだです!! まだまだ!! もっと!! ワルツは続いていくのですから!!」
狂気じみた表情。
梔子色の瞳が妖しく輝きを放つ。
笑顔を浮かべて――
「ガード、そしてインターセプトです!!」
ヒナコが、大量のカードを場に投げ出した。
忍竜 ジャエンゴク
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 燃え殻になっちまぇ!
忍竜 ジャエンゴク
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
― 燃え殻になっちまぇ!
焔の巫女 パラマ
トリガーユニット 【前】+10000
(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - ヒューマン
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。
― リノ!苦しくっても泣き喚いたりするんじゃないよ!
ヴルカーン・ゴレム
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - ゴーレム
パワー8000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、【コスト】[ドロップからあなたのユニットいずれかと同名のノーマルユニットを1枚山札の下に置く]ことで、そのターン中、このユニットのパワー+5000。
― 滾る溶岩と熔け、激発の時を待て。
忍竜 シキンタン
トリガーユニット 【治】+10000
(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー5000 / シールド15000 / ☆1
(【治】はデッキに4枚まで入れられる。)
― 里の秘薬は取り除く。傷も、痛みも、恐れすらも。
忍妖 イザサオウ
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - ワービースト
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【自】:このユニットが(R)に登場した時、「猩々童子」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札の上から5枚見て、「忍」を含むノーマルユニットを1枚まで選び、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。
【自】:あなたのターンにこのユニットが(R)からソウルに置かれた時、相手の表のバインドゾーンから1枚選び、山札の下に置き、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。
― この後、消ゆること勿れ!
忍竜 シャクガン
ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー10000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックしたバトル中、このユニットのパワー+5000。
― 我が忍び、静寂に在らず。
7枚ものカードを使った防御。
それによる合計パワーは93000。
トリガーが2枚出ても突破はできないが――
「悪いけど、ワルツの時間は終わりよ!!」
ミアが、力強く断言した。
光が渦巻く瞳を向けるミア。
デッキに向かって手を伸ばしながら――
「聞こえたのよ。あなたの分身、踊り疲れたってね!!」
悪戯っぽく、ミアがウィンクした。
カードをめくる。
「ファーストチェック、クリティカルトリガー! 効果は全てヴァルシュブランに!」
珠玉の一曲 エドウィージュ
トリガーユニット 【☆】+10000
(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - マーメイド
パワー4000 / シールド15000 / ☆1
【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。
― 心弾む歌声は波紋となって。
人魚のカードを見せつけるミア。
ヒナコが微笑みながら、目を細める。
不敵な笑みを讃えながら――
「セカンドチェック、ドロートリガー! 1枚引いて、パワーはマリルゥに!」
最後の1枚が、ミアの手の中で表になった。
澄み渡る雪夜 ベレトア
トリガーユニット 【引】+10000
(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)
リリカルモナステリオ - デーモン パワー4000 / シールド5000 / ☆1
【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。
― こんなに良い夜なんだもの。眠るには惜しいわ。
「まぁ!!」
声をあげるヒナコ。
笑顔のまま、ミアの場へと視線を向ける。
猫の少女が身構えて――
「ヴァルシュブランでアタック!!」
ミアが勢いよく、カードを動かした。
籠めた願いは何色に ヴァルシュブラン パワー43000
「完全ガード!!」
カードを場に出すヒナコ。
さらに、手札を捨てる。
護衛忍竜 ハヤシカゼ
ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)
ドラゴンエンパイア - アビスドラゴン
パワー7000 / シールド0 / ☆1
【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)
【自】:このユニットが(G)に置かれた時、【コスト】[手札を1枚捨てる]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。
― 隙があったのではない。「見せてやっていた」のだ。
その手に残ったカードは1枚。
ミアの指がカードの上に乗って――
「マリルゥでアタック!!」
金髪の人魚のカードが、輝く笑みを魅せた。
淀みない進行 マリルゥ パワー45000
神秘的な光の宿った瞳。
ロロネロルが歌を口ずさみながら、視線を向ける。
大蛇が牙を剥き、襲い掛かった。
殺意に満ちた一撃。素早く迫る体躯。
猫の少女が身構えて――
とんと、大蛇の身体を足蹴りにして宙を舞った。
「!?」
目を見開く大蛇――メガロノヅチ。
ほんの一瞬だが、その動きが停止する。
神秘的な光が渦巻いて――
「にゃあッ!!」
ロロネロルの飛び蹴りが、大蛇の顎に炸裂した。
鈍い衝撃音と共に、少女の足がめり込む。
「ぐっ……!!」
苦しそうな声。
大蛇の巨躯が崩れて、影となり消えていく。
影の中より、狐耳の少女の姿が現れて――
「……まぁ、こんなところか」
短く、ため息をついた。
痛そうに顎をさすっている狐耳の少女。
ヒナコが微笑んで――
「ノーガードです!!」
どこまでも楽しそうに、そう言い放った。
ネイルを付けた指。流れるようにカードを掴む。
カードが表になって――
「ダメージチェック、ノートリガー……!!」
最後のカードが、ダメージゾーンに置かれた。
幻魔忍妖 メガロノヅチ
ノーマルユニット 〈3〉
(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)
ドラゴンエンパイア - ゴースト
パワー13000 / シールドなし / ☆1
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[ソウルを1枚以上、望む枚数バインドする]ことで、『【永】【(V)】:このユニットは「忍」を含むグレード1以上のあなたの表のバインドゾーンすべてのカード名を得る。』
【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1), リアガードを2枚ソウルに置く]ことで、あなたの山札から、このユニットと同名のカードを2枚まで探し、(R)にコールし、そのターン中、それらのパワー+5000。山札をシャッフルする。
【永】【(V)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットと同名の「忍」を持つあなたのリアガードすべては後列からでもアタックできる。
― 此れなるは衆生と夢想を餌と食み、現騒がす大怪蛇。
ヒナコ ダメージ5→6
しんと、その場が静まり返った。
薄暗闇の空間。渦巻く熱気が冷めていく。
艶やかな笑みを浮かべて――
「本当に……素敵ですわ……!!」
感極まったような表情を、ヒナコが浮かべた。
満足そうな吐息の音。その瞳から光が消えていく。
力尽きたように、ヒナコがその場に倒れた。
「……なんとか、勝てたね」
盤面を見ながら呟くミア。
やがて、キーンという耳鳴りのような音が響いて――
「……っ!!」
ミアが、苦しそうに顔をしかめた。
頭を抑えているミア。立っていられず、膝をつく。
冷や汗を流すミアの脳内で――
「言っただろう!! お前の力は、禁忌のものだと。もう二度と、使ってはならぬと!!」
鋭い声が、響いて消えた。
乱れる視界。浮かび上がる白衣を着た老人の姿。
顔をあげて――
「博士……!」
ミアが唸るようにして、言葉を漏らした。
紫色の瞳に宿っていた神秘的な光が消えていく。
薄い暗闇の中で――
「……ふん、ようやく向こうとの繋がりが途切れたか」
忌々しそうに、メガロノヅチがそう呟いた。
リリカルモナステリオの領地、和風の道場内。
ロロネロルが、不思議そうな目を向けた。
「向こう? 繋がり?」
「なんじゃ、お主もそうであろう?」
訝しむようにメガロノヅチが訊ねる。
ロロネロルが首をかしげた。
「えっ、どういう事なのです?」
「…………」
黙り込むメガロノヅチ。
思案するように、口元に手を当てる。
やがて、諦めたように息を吐いて――
「まぁ、気にすることはない。いずれにせよ、これでバフォルメデスとの契約も終わりじゃ。ここに留まる理由もないの」
メガロノヅチが、手をひらひらとさせた。
頭の上にたくさんの「?」が浮かんでいるロロネロル。
ぱんと、メガロノヅチが手を叩く。
「コダマ! 準備はできておるか!」
「はい、メガロノヅチ様」
暗闇の中、幽霊の少年がどこからか現れた。
メガロノヅチが満足そうに頷く。
「よし。では、ドラゴンエンパイアに帰るとするか!」
「そうですね。帰りましょう、我らの故郷へ」
穏やかに響く幽霊の少年の言葉。
メガロノヅチがロロネロルの方に向き直った。
柔らかな笑みが、その顔に浮かぶ。
「なかなか楽しかったぞ。これからも達者でな」
優しげな口調。困惑するロロネロルに向かって、
メガロノヅチが手を振る。
ほんの少しだけ、名残惜しそうに辺りを眺めて――
「……さらばじゃ、リリカルモナステリオ」
メガロノヅチが、ぽつりと呟いた。
幽霊の少年もまた、うやうやしく頭を下げる。
2人の足元、黒い影が蠢いて――
「あっ、ちょっと……!」
手を伸ばすロロネロルの前で、
2人の姿が影に飲み込まれて消え去った。
しんと、辺りが静寂に包まれる。
「……訳が分からないのです」
残されたロロネロルが、そう言って肩を落とした。
暗い夜の色が、辺りに広がっていた。
遠くの道で行き交う車の音。
煌びやかな表通りから外れた、静かな住宅街。
綺羅星ミアが、夜道を一人で歩いている。
「…………」
疲れ切った表情。苦しそうな息遣い。
どこかおぼつかない足取りで歩いているミア。
顔をあげて――
「ようやく、着いた……」
マンションのエントランス前。
ミアが、ほっとしたように表情を緩めた。
「早く、帰って、それで……」
ぶつぶつと独り言を言っているミア。
その背後から――
「あなた、大丈夫ですか……?」
唐突に、心配するような声がした。
振り返るミア。紫色の瞳がわずかに揺れる。
困惑した表情で――
「いったい、何が……?」
黒髪の眼鏡の女性――三芳野ヨウコがそう訊ねた。
一瞬、驚いたような表情になるミア。
ふっと、息を吐いて微笑む。
「偶然……って訳じゃないよね、記者さん?」
確かめるような口調。
どこか鋭い声色で訊ねるミア。
ヨウコが腕を組んだ。
「えぇ、あなたに聞きたい事があって来ました」
「そうなんだ。本当、答えてあげたいところなんだけど、今はちょっと無理かな。私、すごく疲れちゃってて……」
愛想のいい笑みを浮かべるミア。
ヨウコがため息をつく。
「それは見て分かります。なので、長くは時間をとりません。ですが、あなたに見てもらいたいものがあります」
「だからさ、私、疲れてるんだって。もう行かないと、本当にここで倒れちゃうかも――」
「あなたの過去の事ですよ。"紫導ミア"さん」
ぴたりと、ミアが固まった。
作り物の笑顔が崩れ、本物の驚愕がその顔に浮かぶ。
「……え?」
「この動画。ここに映っているのは、あなたですね?」
スマホを差し出すヨウコ。
ミアの視線が画面へと向けられる。
一本の動画が再生された。
『それでは文化祭もいよいよクライマックス! 最後の催し物となります!』
荒い画質に乱れた音声。体育館のような背景。
ぶれる画面に、高校の文化祭らしき映像が流れいく。
『トリを飾るのはもちろんこの子! 我が高校きっての人気アイドルにして歌姫! いずれは歌手デビューも夢じゃない!』
学生の声によるアナウンス。
まばらな数の学生達が、どよめいていく。
ステージ上、制服を着た少女が現れて――
『――紫導ミアちゃんです!』
実況の声と共に、盛り上がるような歓声があがった。
巻き上がる拍手と、はやし立てるような声。
紫がかった長い髪の少女が、笑顔を浮かべる。
『はーい、みんなー。どうもありがとー!』
愛想よく手を振っている少女――ミア。
マイクを片手に、ポーズを決める。
『文化祭はこれで終わり! だけど、今日という日を、私は絶対に忘れない! だってここにいるのは皆、最高の友達だから!』
観客に向かって呼びかけるミア。
大きく歓声が上がっていく。
紫色の瞳を向けて――
『そんな皆のために、私も最高の曲を歌います! だから最後まで、どうか聞いていってください!』
ミアが、輝くような笑顔を浮かべた。
煌めく姿。会場の空気が盛り上がっていく。
すっと、その手を伸ばして――
『世界で一番愛してる、あなたのために』
ミアの声が、会場内に響き渡った。
再び起こる大きな拍手。張りつめていく空気。
スピーカーから音楽が流れていき――
『"星の彼方へ"!!』
曲のタイトルコールと共に、ミアがマイクを構えた。
軽快なリズム。体育館中の視線を浴びながら――
ミアの口から、綺麗な歌声が発せられた。
「…………」
スマホの画面を食い入るように見つめているミア。
おもむろに、口を開く。
「これ、どこで……?」
震える声で訊ねるミア。
ヨウコが視線を伏せがちに答える。
「情報提供者を明かすわけにはいきません。ですが、ここに映っているのはあなたですね? そして――」
言葉が途切れるヨウコ。
鋭い視線を、ミアへと向ける。
スマホを指差しながら――
「ここに録音されている歌。下手という訳ではありませんが、特別に上手いという訳でもありません。良くも悪くも"普通の"歌唱力です」
ヨウコが、指摘するようにそう告げた。
スマホからはミアが歌う声が流れている。
「少なくとも、今のあなたの圧倒的な歌唱力とは似ても似つかないのは事実です。ですから、私が聞きたい事は以前と変わりません」
淡々とした口調のヨウコ。
ミアを見据えて――
「あなた、いったい何者で、どこから来たんですか?」
静かに、ヨウコが訊ねた。
画面上の動画から目を離さないでいるミア。
大きな拍手と歓声の音が響く。
『みんなー、ありがとねー!』
歓声に応えているミア。
輝く笑顔を浮かべ、両手を振っている。
動画が終了した。
「…………」
黙り込んでいるミア。
今見た物が信じられないといった様子。
2人の間から音が消える。
「……これ」
沈黙の後、口を開くミア。
顔をあげて――
「いえ、なんでもないわ」
いつになく冷たい声で、ミアが答えた。
感情の消えた顔。青白い肌。
ヨウコが迫る。
「あなた……!!」
何か言いたげな声。
だがミアはそれ以上何も言わず、背を向ける。
ミアが足早に、その場から立ち去った。
「……綺羅星ミア」
ミアの背中を見つめているヨウコ。
ただ一人、その場で立ち尽くす。
夜空には、煌めく星の海が浮かんでいた。
「……ただいま」
ガチャリという音と共に、扉が開く。
暗い表情。とぼとぼと廊下を歩いていくミア。
リビングの扉を開けて――
「おー、おかえりー」
カナタが、気の抜けた声を出した。
ソファに寝転がっているカナタ。ひらひらと手を振る。
顔をあげて――
「……ミア? 何かあったの?」
カナタが、心配するように問いかけた。
疲れ切った様子。沈んだ顔のミア。
ぎゅっと、手を握って――
「ううん、なんでもない! ちょっと疲れただけ!」
ミアが、いつものような笑顔を浮かべた。
輝く笑み。ブイとピースサインを作るミア。
カナタが訝しげな目を向ける。
「そうなの……? それならいいけどさ……」
あまり納得していない様子のカナタ。
ミアが手を振った。
「大丈夫だって! 私、体力にはけっこう自信あるんだから! 本当、平気平気!」
明るい声を出しているミア。
カナタがますます、心配するように目を細めた。
ミアが息を吐く。
「ただ、今日はちょっと疲れちゃったから。先に眠るね。おやすみ、お姉ちゃん!」
「そ、そっか。じゃあ……おやすみ?」
自信のない声で言うカナタ。
ミアが嬉しそうに微笑んだ。
リビングの扉が閉まる。
「…………」
薄暗い廊下に立っているミア。
苦しそうな息遣い。血の気の引いた顔。
暗闇の中に目を向けて――
「……大丈夫、大丈夫だよ。お姉ちゃん」
ミアが、自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
第三楽章 暁に紛れし不可視の大蛇 FIN