カードファイト!! ヴァンガード StarSong   作:バビロン@VG

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最終楽章 深淵に鎮座する闇の君主②

 

地平線の果てに、美しい夕焼けが沈みかけていた。

 

優雅に天を駆ける、巨大な桃色の鯨。

その背に広がる学園都市──リリカルモナステリオ。

 

数多の学生達が集う学生寮、その一室にて──

 

「……よし!」

 

猫の少女──ロロネロルが声をあげた。

紫色の瞳を向け、辺りを見回すロロネロル。

 

綺麗に片付けられた部屋が、目の前には広がっている。

 

家具以外、何も残っていない殺風景な景色。

どこか寂しげな雰囲気が、辺りには漂っている。

 

「うん、準備完了なのです!」

 

腰の所に手をあてながら、満足そうに頷くロロネロル。

膨れ上がったリュックサックを背負って──

 

「それじゃ、出発するのです!」

 

不自然なまでに明るく、ロロネロルがそう宣言した。

歌を口ずさむロロネロル。美しい歌声が響く。

 

ごそごそと、ロロネロルが一通の便箋を取り出す。

 

簡素な白い便箋。

表には綺麗な黒い文字で、こう書かれていた。

 

"退学願"

 

「…………」

 

じっと、手の中の便箋を眺めているロロネロル。

夕焼けに照らされ、その表情に影が差す。

 

ぺたんと、ロロネロルの猫耳が垂れ下がった。

 

「……仕方のない事なのです」

 

まるで自分に言い聞かせるように、

小声で呟くロロネロル。

 

しばしの間、部屋の中が静まり返る。

 

「……そろそろ、行かないと」

 

決意を固め、顔をあげるロロネロル。

短く息を吐き、便箋を玄関から見える位置に置く。

 

ドアノブを掴んで──

 

「さよならなのです、リリカルモナステリオ」

 

ロロネロルが、悲しみを堪えながらそう言った。

名残惜しむような表情。伏し目がちなロロネロル。

 

ゆっくりと、部屋の扉を開いて──

 

「何がさよならなの、ロロ?」

 

不意に、不機嫌そうな声がその場に響いた。

驚くロロネロル。部屋の前に立ちはだかる、一つの影。

 

白と黒の翼が、風に吹かれてさわさわと揺れた。

 

「あ、アレスティエル……!?」

 

目を丸くしているロロネロル。

天使の少女──アレスティエルが腕を組んだ。

 

「こんばんは、ロロ」

 

どこか冷たさを感じる声。

不審げに、アレスティエルがロロネロルを見つめる。

 

「もう夜になるのに、どこに行く気なの?」

 

「えっ、えっと、それはですね……!」

 

あわあわと、慌てた様子のロロネロル。

アレスティエルの視線が部屋の中へと向く。

 

玄関に置かれた便箋を、アレスティエルが見つけた。

 

「……なにこれ?」

 

低い声で呟くアレスティエル。

ロロネロルが「あっ!」と声をあげた。

 

「あ、あの! これはですね──!」

 

言い訳するように言うロロネロル。

アレスティエルが手を伸ばすと、便箋が浮かび上がる。

 

魔力の閃光が走り、便箋が燃えて灰になった。

 

「あーっ!!」

 

大声をあげるロロネロル。

慌てて、灰になった便箋の元へと駆け寄る。

 

しゃがみこむロロネロルを見下ろして──

 

「ロロ、なにしてるの?」

 

静かに、アレスティエルがそう訊ねた。

怒ったような目。不機嫌そうな表情のアレスティエル。

 

2人の間、わずかな沈黙が流れる。

 

「……ろろ、ここを出て行くのです」

 

座り込んだまま、ロロネロルが口を開いた。

アレスティエルが目を細める。

 

「理由は?」

 

「理由? そんなの、決まってるのです!!」

 

弾かれたように、ロロネロルが立ち上がった。

食って掛かるように、アレスティエルに向き直る。

 

「ろろは今、悪い奴らに狙われているのです!!」

 

大きな声が、その場に響き渡った。

 

「世界征服を企む悪の秘密結社がろろの周りにいて……ろろを狙って、争いが起きるのです!! だから、ろろの傍にいると皆が危ないのです!!」

 

「……それ、昨日の襲撃事件の事を言ってるの?」

 

黒い翼を揺らしながら訊ねるアレスティエル。

ロロネロルが頷いた。

 

「そうなのです!! あれだって、ろろがいたから起こった事なのです!! あれのせいで、クラリッサやウィリスタが怪我をして……!!」

 

うるうると、紫色の瞳が潤む。

泣きそうになり、ロロネロルがその場でうつむいた。

 

夕焼けの光が、2人の少女の姿を照らす。

 

しばしの沈黙の後──

 

「……私が聞いた話と、違うけど」

 

ゆっくりと、アレスティエルが口を開いた。

「え?」と顔を上げるロロネロル。

 

アレスティエルが、真っ直ぐにロロネロルを見つめた。

 

「皆、こう言ってたよ。『ロロが皆を守ってくれた』『勇敢に戦ってくれた』って。あの事件で怪我人があそこまで少なかったのは、全部ロロのおかげだって」

 

「そ、そんなことないのです!! ろろは──!!」

 

アレスティエルが手を伸ばし、言葉を制す。

 

「そんなこと、ある。だってこれ、ウィリスタから聞いた話だもん。ウィリスタ、ロロに本当に感謝してたよ」

 

強い眼差し。真剣な表情。

ロロネロルが目を見開き、黙り込んだ。

 

地平線の彼方より、夜の闇が忍び寄ってくる。

 

「……ろろ、もうどうしたらいいのか分からないのです」

 

幾ばくかの時が流れた後。

ぽつりと、ロロネロルがそう呟いた。

 

「何が何だか分からなくて……時々、自分じゃない誰かに導かれてるような、そんな感覚がして……! でもそれも、よく分からなくて……!」

 

振り絞るような声。

アレスティエルが黙って、ロロネロルの言葉に聞き入る。

 

ぽたぽたと、その目から涙がこぼれた。

 

「気が付いたら戦いの中にいて。それで、皆を助けなくちゃって必死で。だけど、ろろの周りの人は、どんどん傷ついて……!」

 

震えているロロネロル。

大粒の涙を浮かべながら、ロロネロルが顔をあげた。

 

「もう、ろろにはどうすることもできないのです!! だからせめて、誰にも迷惑をかけないようどこか遠くに、ろろは行かなければ──!!」

 

叫ぶような声。悲愴な表情のロロネロル。

瞬間、柔らかな感触が猫の少女を包み込んで──

 

「そんなことないよ」

 

優しい言葉と共に、

アレスティエルがロロネロルを抱き寄せた。

 

「えっ……」

 

言葉を漏らすロロネロル。

ぎゅっと、アレスティエルがロロネロルを抱きしめた。

 

「ロロ、辛かったんだね。でも、皆ロロがすごくがんばってる事は知ってるよ。だから一人で抱え込まないで。私達が、助けになるから」

 

言い聞かせるような口調。

穏やかに、アレスティエルが喋っていく。

 

にっこりと、柔らかな笑みを浮かべて──

 

「私達、友達だもん。でしょ?」

 

アレスティエルが、優しくそう訊ねた。

目を見開くロロネロル。衝撃を受けた顔。

 

やがて、その表情が崩れていって──

 

「うっ、うあああぁぁぁ……!!」

 

ロロネロルが、その場で大きく泣き始めた。

優しく、頭を撫でているアレスティエル。

 

2人きりの空間。時間がゆっくりと流れていく。

 

夜の帳を見上げながら──

 

「少し、落ち着いた?」

 

アレスティエルが、静かにそう訊ねた。

ロロネロルが顔をあげる。

 

「はい。ありがとなのです、アレスティエル……」

 

少しだけ元気を取り戻したロロネロル。

弱々しいながらも、笑顔が浮かぶ。

 

アレスティエルが立ち上がった。

 

「良かった。それじゃあ、問題を解決しようか」

 

「にゃ? 問題?」

 

首をかしげるロロネロル。

アレスティエルが「うん」と答える。

 

「さっきのロロが言ってた話、悪の秘密結社。実際、昨日みたいに被害も出てる以上、もうロロだけの問題じゃないよ。皆で考えないと」

 

「それは、そうなのですが……」

 

言い淀むロロネロル。

自信なさげに、視線が地面の方に向く。

 

「結局、あのバイオロイドはどこかへ消えてしまって……手がかりになるようなものもないのです。何かしようにも、手段が……」

 

「別に、そんなに難しく考える必要ない」

 

あっさりと言い切るアレスティエル。

ロロネロルが「へ?」と不思議そうな声を出す。

 

その目を細めながら──

 

「次に怪しい奴が出てきたら、皆でそいつをボコボコにする。それで情報を聞き出したら、簀巻きにでもして海に放り投げればいいんだよ」

 

アレスティエルが、とてもいい笑顔でそう断言した。

衝撃を受けるロロネロル。引きつる笑顔。

 

白と黒の翼が、さわさわと揺れた。

 

「案外、過激なのです、アレスティエル……」

 

聞こえないよう呟くロロネロル。

アレスティエルがにっこりと微笑んだ。

 

ふわりと、アレスティエルが浮かび上がる。

 

「そういう訳だから、私、しばらくロロの傍に付いてるよ。大丈夫、見つからないように天から見てるから。ロロは気にしないで」

 

「気にしないでって……そういう訳には」

 

もにょもにょと言うロロネロル。

どこか困惑したような表情。もじもじと指を動かす。

 

アレスティエルがフッと息を吐いた。

 

「平気だよ。きっとすぐに慣れ──」

 

そう言いかけた瞬間。

どくんと、辺りの空気が鈍く胎動して──

 

空を覆い尽くすように、漆黒の闇が吹き上がった。

 

「にゃっ!?」

 

「ん?」

 

声をあげるロロネロルとアレスティエル。

夕焼けが闇に飲み込まれ、夜の帳が深く沈み込む。

 

一瞬にして、辺りが漆黒の闇に包まれた。

 

「ま、まさか……!?」

 

怯えた様子のロロネロル。

アレスティエルが警戒するように、辺りを見回した。

 

「気を付けて、何か変な感じが──」

 

言いかけた瞬間。

闇が足元から勢いよく吹き出て、少女達を飲み込んだ。

 

「アレス──!!」

 

途切れる言葉。

ロロネロルが伸ばした手が、漆黒に消えていく。

 

闇が、リリカルモナステリオ全域を覆い尽くした。

 

「……閉じ込められちゃった」

 

漆黒の中、呟くアレスティエル。

目の前の闇を興味深そうに眺める。

 

孤独な空間の中で、アレスティエルが宙に浮いた。

 

「ふーん、なるほどね」

 

静かな口調。口元に指を当てるアレスティエル。

闇が不気味に蠢く空間の中で──

 

「話が早くて、助かるかも」

 

アレスティエルがのんびりと、そう言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──つまり、この世界は誤った秩序に満ちている。それゆえ、我々は自らの活動を"世界を滅ぼす"という表現を使い、布教しているのです」

 

穏やかな言葉が、その場に響いて消えていった。

真っ白な壁。洗練された雰囲気の部屋。

 

黒い髪の長身の青年が、にこりと微笑む。

 

「なるほど、興味深いですね」

 

ペンを片手に、メモを取る黒髪の女性。

眼鏡の奥、鋭い目を青年へと向ける。

 

「つまり、終末の使徒とはある種のポストモダン的な思想をもって、この世界の在り方に一石を投じている存在。そういう事でしょうか?」

 

「素晴らしい。理解が早い方で助かります」

 

どこまでも穏やかな声。

心地の良い響きが、青年の口から放たれる。

 

女性が短く息を吐いた。

 

「この程度、普通の理解力があれば当然のことです」

 

冷たく答える女性。

青年がますます楽しそうに、目を細めた。

 

「ですが」

 

視線を伏せながら、女性がさらに言葉を続ける。

 

「終末の使徒の理念については理解できました。しかし、"世界を滅ぼす"というのは、いささか過激すぎる表現にも思えます。それについては、どのようにお考えでしょうか?」

 

鋭い質問をぶつける女性。

答えを待つかのように、青年に視線を向ける。

 

青年の口元に、微笑みが浮かんだ。

 

「ふふっ、そう思いますか?」

 

どこか含みのある声。

くすくすと、青年が笑いをこぼす。

 

「そう思えるのであれば、きっとあなたは恵まれた人生を歩んでいるのでしょうね。おっと、失敬。少々失礼な物言いになってしまった」

 

「お構いなく。どういう意味でしょうか?」

 

冷静に訊ねる女性。

青年が先程までと変わらぬ、柔らかな笑みを浮かべた。

 

「そのままの意味ですよ」

 

流れるように答える青年。

おもむろに、その指を伸ばす。

 

紅蓮色の瞳の中、妖しげな光が揺れて──

 

「この星では、"こんな世界は滅んでしまえばいい"と考える人が、そう少なくはないということです」

 

青年が、楽しそうにその目を細めた。

穏やかな声とは裏腹の、どこか嘲るような響き。

 

ぞっと、女性がかすかな寒気を感じる。

 

「……そう、ですか」

 

なんとか平常心を取り戻し、答える女性。

さらさらと、メモ帳に文字を記していく。

 

息を吐いて──

 

「貴重なお時間いただき、ありがとうございました。またぜひ、取材させて頂ければと思います」

 

「えぇ、あなたならいつでも歓迎ですよ。えぇと──」

 

視線を落とす青年。

机の上に置かれた名刺を見ながら──

 

「──三芳野ヨウコさん」

 

青年が、そう言って微笑んだ。

立ち上がる眼鏡の女性──ヨウコ。

 

鞄を片手に、深々と頭をさげる。

 

「今後とも、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ。よろしくお願いしますね」

 

穏やかに微笑んでいる青年。

目を糸のように細めながら、手を広げる。

 

心の中で──

 

(……どこか、違和感があるのよね)

 

ヨウコが、静かに考えをまとめていた。

目の前の好青年に対する不自然さ。漠然とした不安。

 

得体の知れなさを、ヨウコは感じ取っている。

 

夜の闇を背景にして──

 

「ところで記者さん。この後、予定はありますか?」

 

幾分か砕けた口調で、青年がそう訊ねた。

ヨウコが青年を見つめ返す。

 

「いえ。まだなにか、インタビューしたい事が?」

 

「あぁ、そうではなくて。良ければ、私達の理想について、取材を抜きにゆっくりと話せればと思いましてね」

 

気取ったように話す青年。

さりげなく、ヨウコの方へと近寄る。

 

青年が微笑み、手を差し伸べた。

 

「この辺りで美味しい料理を出すお店を知っているんです。ぜひ、あなたにもあの味を知っていただきたい。そうすればさらに親密な関係が築けるのではないかと」

 

「…………」

 

ほんのわずかに、目を細めるヨウコ。

超人的な精神力を使い、無表情を保つ。

 

先程とは違った寒気を感じながら──

 

(なに、このナンパ男……)

 

ヨウコが心の中でそう呟いた。

呆れているヨウコ。答えを待っている青年。

 

無表情のまま、ヨウコが口を開く。

 

「申し訳ないんですが、私には家で帰りを待っている妹と弟がいまして──」

 

視線をそらしながら、断りを入れた瞬間。

部屋に備え付けられた電話が、突如として鳴り出した。

 

「おっと、これは失礼……」

 

露骨に顔をしかめる青年。

どこか不機嫌そうに、受話器を掴む。

 

「取材中だ。なんの用だ?」

 

鋭い声で訊ねる青年。

受話器からの声に耳を傾ける。

 

その目が一瞬、大きく見開かれて──

 

「なんだと?」

 

驚いたように、青年が訊ね返した。

思案するような表情。紅蓮色の瞳が揺らぐ。

 

やがて、かすかな笑みがその口元に浮かび──

 

「愚かな奴だ」

 

嘲るように、青年がそう呟いた。

先程とは全く違う口調。邪悪な気配。

 

クックックと、青年が笑い声を漏らす。

 

「いいだろう。上がってもらえ」

 

最後にそう言い、青年が受話器を置いた。

カチャンという音。辺りが静まり返る。

 

にっこりと、青年が微笑んだ。

 

「どうやら、お客さんが来ているようです」

 

「お客? こんな時間に?」

 

「えぇ。最近、この辺りには迷い猫がよく出るんですよ」

 

からかうように話す青年。

ヨウコが困惑したような目を向ける。

 

すっと、両手を広げて──

 

「良ければ、このまま見て行って下さい。先程の話しの続きは、その猫の相手をした後にしましょう」

 

青年が、どこまでも朗らかな様子でそう言った。

神秘的な声色。穏やかな雰囲気を醸し出している青年。

 

その紅蓮色の瞳に、妖しげな光が宿って──

 

「ね、だから言ったでしょ?」

 

ビルの1階。広々としたエントランス。

白い装束の人々に囲まれながら──

 

「あなた達のボスと私、友達なのよ」

 

綺羅星ミアが、にっこりと輝くような笑みを見せた。

悪戯っ子のような表情。煌めく笑み。

 

睨むような視線が、ミアへと降り注いでいる。

 

「さーて」

 

視線を気にした様子もなく、呟くミア。

どこからともなく、デッキケースを取り出す。

 

その紫色の瞳に、一瞬だけ光が宿って──

 

「最後の仕事よ、ロロ」

 

消え入るような声で、ミアが呟いた。

光に満ちた空間。穢れなき真っ白な壁。

 

天を突くような高層ビル、その最上階にて──

 

「ようこそ、お待ちしていました」

 

青年が両手を広げ、ミアを迎え入れた。

洗練された近代的デザイン。広々とした部屋。

 

ガラス張りの窓の向こうには、夜の闇が広がっている。

 

「綺羅星ミア……!?」

 

驚いた声を出すヨウコ。

ミアもまた、意外そうな表情を浮かべた。

 

「あれ? 記者さん?」

 

目を丸くしているミア。

一瞬、鋭い視線がヨウコの方へと向けられる。

 

疑念が渦巻く中に──

 

「この方がここにいるのは、偶然ですよ」

 

青年の穏やかな声が、響いて消えた。

視線を戻すミア。油断ない雰囲気。

 

にっこりと、青年が笑みを浮かべた。

 

「たまたま、私達の活動について取材を受けている所でしてね。先程の反応ですと、2人はお知り合いで?」

 

「さぁ、どうかしらね?」

 

はぐらかすように、ミアが答える。

迷いない足取り。青年の方へと近づくミア。

 

ミアと青年が、向かい合った。

 

「…………」

 

「…………」

 

紫色の瞳と紅蓮色の瞳。

2つの視線が空中で交差する。

 

緊迫した空気が流れる中で──

 

「さて、まずは自己紹介といきましょうか」

 

落ち着いた口振りで、青年がそう言った。

気取った雰囲気。すっと、青年が胸に手を当てる。

 

「私の名前は九頭龍(くずりゅう)キョウマ。終末の使徒の総帥にして、世界に滅びをもたらす者……」

 

柔らかな微笑みを浮かべている青年──キョウマ。

ミアもまた、にっこりとした笑みを見せる。

 

「私は綺羅星ミア。煌めく星の天才歌姫」

 

自信に満ちた声で話すミア。

2人が和やかに笑い合い、互いに見つめ合った。

 

空気が張りつめていく。

 

「まさか、このような夜更けにおいで下さるとは。事前に知らせて頂ければ、歓迎の準備もできましたのに」

 

貼りついたような笑みを浮かべているキョウマ。

すっと、その目を細める。

 

「そういえば、この前の趣向はお気に召してもらえましたか? 美しく散る花の旋律、迷える魂の舞台。私としては、中々の自信作だったのですがね」

 

嘲るような響き。

にやにやと笑っているキョウマ。

 

笑顔のまま、ミアが両手を広げた。

 

「そうですね~。音楽そのものは悪くなかったんだけど、どうにも演出がイマイチで」

 

肩をすくめるミア。

紫色の瞳を向けて──

 

「きっと、プロモーターが無能だったんでしょうね」

 

さらりと、ミアがそう言い切った。

ぴくりと反応するキョウマ。その笑顔に瑕が入る。

 

空気が重苦しく、濁っていく。

 

「……それで、今日はどういった用件で?」

 

おもむろに訊ねるキョウマ。

ミアが息を吐いた。

 

「別に。強いて言うなら、鬼ごっこに飽きたの」

 

穏やかな口調。

ふっと、ミアが微笑む。

 

「まぁ、会いに来たのは鬼じゃなくて悪魔だけど。それにしても、想像してた姿と違うわね~。てっきり、もっと悪そうな奴だと思ってたのに、こんな優男だなんて」

 

じろじろとキョウマを眺めているミア。

キョウマがフッと、バカにしたように一笑する。

 

「器の容姿に意味があると? 所詮、脆く壊れやすい入れ物ですよ、人間は。こんな命には何の価値もない」

 

侮蔑するような言葉。

自らを蔑むように、キョウマが言い捨てる。

 

2人の会話を聞くヨウコが、戸惑いを深めた。

 

「……いったい、何を?」

 

言外の意味を図りかねているヨウコ。

違和感が強まり、疑念が波のように押し寄せてくる。

 

冷たい空気を切り裂くように、軽快な音楽が流れた。

 

「あら、失礼」

 

スマホを取り出すミア。

けたたましく鳴っている音楽。冷たい視線。

 

画面をタッチすると、音楽がぷつんと途切れた。

 

「出なくていいんですか?」

 

「えぇ。どうせ、上司の説教を聞かされるだけだから」

 

手をひらひらとさせるミア。

スマホを仕舞うと、キョウマに向き合う。

 

にっこりと、笑みを浮かべて──

 

「これ以上話しても無駄でしょ。あんたには今すぐ、向こう側に帰ってもらうから」

 

ミアが、静かにそう告げた。

迸る緊張感。息の詰まるような空間。

 

キョウマが面白そうに、その目を細めた。

 

「それができると? まったく、本当に愚かな人間だ」

 

やれやれといった様子のキョウマ。

ミアが微笑む。

 

「御託はいいのよ。やるの? それとも逃げる?」

 

挑発的な言葉を投げかけるミア。

キョウマが一瞬、不愉快そうに顔をしかめた。

 

空気が重く、沈み込んでいって──

 

「……いいだろう」

 

静かな声。

すっと、キョウマが手を伸ばした。

 

「なら、今この場でお前を闇に返してやる」

 

指を鳴らすキョウマ。パチンという音が響く。

部屋の電気が消え、辺りが漆黒の闇に包まれた。

 

「きゃっ」

 

小さく悲鳴をあげるヨウコ。

ミアは無言で、その場に佇んでいる。

 

炎が燃えあがり、蝋燭の光が辺りを鈍く照らした。

 

周囲を取り囲むように現れた蝋燭達。

魔術的な儀式のような様相。妖しげな雰囲気。

 

暗闇の中、ファイトテーブルがぼんやりと浮かびあがる。

 

「すごいじゃない。あなた、こっちでマジシャンやってればいいんじゃない?」

 

軽口をたたくミア。

キョウマが鼻で笑い、デッキケースを取り出した。

 

コツン、コツンという靴音が響く。

 

「運命とは」

 

厳かな口調。

テーブルの前、カードを並べていくキョウマ。

 

「全てを支配する意志によって定められ、与えられるもの。それは決して変えられず、抗えず、知る事さえもできない。数多の命はただ、その流れに従うのみ……」

 

語り掛けるような口調。

神秘的な響きを含んだ声が、辺りに響く。

 

「だが」

 

両手を広げるキョウマ。

紅蓮色の瞳が、ミアへと向けられる。

 

「選ばれし者だけが、運命を支配できる! それはさながら、大いなる意志が導くかのように! 戦禍を、同盟を、邂逅さえも! 全てが我らの手の中にある! そう──」

 

視線を切るキョウマ。

暗闇の中、その指が1枚のカードを掴む。

 

その瞳に、妖しげな光が瞬いて──

 

「この、ヴァンガードによって!!」

 

叫ぶような声が、深い闇の中へと堕ちていった。

背後から立ち昇る邪悪な気配。歪む空気。

 

悪魔の姿が、蝋燭の炎によって淡く照らされていた。

 

 

冥焔の魔王 バフォルメデス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ダークステイツ - デーモン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】【(V)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[グレード3のリアガードを2枚ソウルに置く]ことで、1枚引き、あなたのソウルのグレード3のカード3枚につき、そのバトル中、このユニットのパワー+10000。

【永】【(V)】:あなたのソウルのグレード3の枚数により、このユニットは以下すべてを得る。

・3枚以上-グレード3以上のあなたのユニットすべてのシールド+5000し、『ブースト』を与える。

・6枚以上-このユニットがアタックしたバトルでは、相手は手札から(G)にコールする際、3枚以上同時にコールしない限りコールできない。

― 喜べ。汝に冥府の劫火と燃える栄誉をくれてやろう。

 

 

「随分と大げさな考え方ね」

 

冷たい声を出すミア。

キョウマが肩をすくめる。

 

「お前らに理解してもらう必要はない。いや、そもそも理解できるものではない」

 

馬鹿にしきった声。

紅蓮色の瞳に、蝋燭の炎が映る。

 

「永く創世の時より至る、永劫の沈黙。全てを内包する虚無の世界。それがもたらす平穏と安寧こそが、私のもたらす新世界……」

 

闇の中に目を向けるキョウマ。

陶酔しきった表情。昏い光の宿った目。

 

キョウマが両手を広げ、天を仰ぐ。

 

「この世界とあちらの世界、その全てに沈黙を与え、滅びを導く! 私こそがそれを統べる者! 全てを支配する、運命の先導者! その化身!」

 

漆黒の中に響く声。

ざわめくように、蝋燭の炎が揺れる。

 

ミアがその目を細めた。

 

「ふーん……」

 

呆れたような声。

ミアがデッキケースを取り出す。

 

「正直、何言ってるのかさっぱり分からないわ。変な宗教作って神様気取ってると、そうなっちゃう訳?」

 

手を広げて訊ねるミア。

キョウマがにやりと笑った。

 

「言っただろう。愚かな人間如きに理解できるとは思っていないと。お前はただ、運命に身を委ねていればいい」

 

その口から発せられる穏やかな声色。

すっと、キョウマが闇の中にカードを置く。

 

紅蓮色に輝く瞳を向けて──

 

「喜べ。お前に冥府の劫火と燃える栄誉をくれてやろう」

 

漆黒に、悪魔が嘲笑するような貌が浮かび上がった。

ぞっとするような気配。身じろぎするヨウコ。

 

ミアが、目の前に裏向きの1枚を置いた。

 

「それ、口説き文句? 趣味悪いね」

 

まるで動じていないミア。

余裕そうに話しながら、キョウマを睨み返す。

 

カードを間に、2人が向かい合った。

 

「ちょ、ちょっと待って下さい! あなた達、さっきから何を言って!? 綺羅星ミア、あなたはいったい……!?」

 

困惑しきっているヨウコ。

ミアの顔を、不安そうに見つめる。

 

ひらひらと、ミアが手を振った。

 

「あー、私達の会話はあんまり気にしないで。多分、言っても分からない事だから~」

 

「そ、そういうことじゃ……!!」

 

食い下がるように言うヨウコ。

ミアが「アハハ」と乾いた笑い声をあげた。

 

「いやー、本当は教えてあげてもいいんだけど、あいにくあんまり時間がなくて。このファイトが終わったら、ちゃんと教えてあげるよ~」

 

悪戯っぽく言うミア。

ほんの一瞬、その視線が下を向いて──

 

「まぁ、無理だろうけどね……」

 

ぼそりと、ミアがそう呟いた。

闇の中に消えていく言葉。絶句しているヨウコ。

 

蝋燭の光に照らされながら──

 

「……いくよ、ロロ」

 

ミアが、カードへと指を伸ばした。

キョウマもまた、その手を伸ばして構える。

 

闇に渦巻く静寂。睨み合う2人。

 

「──世界に、滅びと沈黙を」

 

厳かな声で、そう告げるキョウマ。

紫色の瞳と紅蓮色の瞳。2つの色が交差して──

 

「スタンドアップ・ヴァンガード!!」

 

どこまでも続く深い闇の中に、その声が響き渡った。

 

「《クロックハンズ・ドラコキッド》!!」

 

 

クロックハンズ・ドラコキッド

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

ダークステイツ - ギアドラゴン 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― さぁ、一緒に時間を進めに行こう!

 

 

「《歌を届けるために ロロネロル》!!」

 

 

歌を届けるために ロロネロル

ノーマルユニット 〈0〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー6000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたが後攻なら、1枚引く。

― ろろは……もっと、も~っと頑張るのです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時計の針が、規則的な音を奏でていった。

 

広々としたマンションの一室。窓から見える夜の空。

静かな空間に、時を刻む音がやけに大きく響いていく。

 

部屋の中、ソファーの上から──

 

「……んぅ」

 

寝ぼけたような声が、部屋の中に響いた。

もぞもぞと動く影。ゆっくりと、その場で起き上がる。

 

少女──紫導カナタが、頭に手をあてた。

 

「……あれ? 私」

 

ぼんやりとした声。

思考がまとまらない様子のカナタ。

 

きょろきょろと、部屋の中を見渡す。

 

「……そっか、昨日、病院から帰ってきたんだった」

 

呟くカナタ。

昨日の夜の出来事が、頭の中に蘇る。

 

そして──

 

「──ミアッ!!」

 

頭の中の回路が繋がり、カナタが叫んだ。

記憶が波のように押し寄せて、消えていく。

 

救急車。病院。診察室。

 

あらゆる映像、音声が蘇っていく。

暗い診察室。CT画像を前にして──

 

『紫導ミアさん、あなたは──』

 

黒く塗りつぶされた医師の顔。

ノイズが走ったように、その声が途切れた。

 

目の前に、真っ暗な闇が広がる。

 

「──っ!!」

 

頭を抱え、その場でうずくまるカナタ。

心臓が早鐘のように脈打ち、息が乱れていく。

 

ポタポタと、カナタの目から涙が落ちた。

 

「わっ、私……!!」

 

途切れる言葉。

呼吸が荒く乱れて、発作のような音が漏れる。

 

冷たい温度を感じながら──

 

「どうしたら……!!」

 

カナタが、震えながらそう呟いた。

怯えたように、自分自身を抱きしめるカナタ。

 

心が深い絶望の中に落ちていき、そして──

 

「……ミア?」

 

ふと、カナタがこの場に広がる静寂に気付いた。

壁の時計を見る。指し示されているのは、夜の時刻。

 

しんと、部屋の中は静まり返っている。

 

「……ミア、いるの?」

 

ふらふらと、立ちあがるカナタ。

不安そうな表情。再び「ミア!」と呼びかける。

 

どこからも、返事は返ってこない。

 

「ミア……!?」

 

不気味までの沈黙。

カナタの顔から血の気が引き、息遣いが荒くなった。

 

「ねぇ、ちょっと、ミア!!」

 

悲鳴のような声をあげるカナタ。

リビングを飛び出すと、廊下を進んでいく。

 

「お願い、お願いよ……!!」

 

祈るような声。

涙をぬぐいながら、足早に進む。

 

廊下の先、奥ばった部屋の扉を開いて──

 

「ミアッ!!」

 

部屋の中に向かって、カナタが大きく叫んだ。

こじんまりとした空間、可愛らしく飾られた部屋。

 

白い壁紙を背にして──

 

「……お姉ちゃん?」

 

ベッドの上で、紫導ミアが不思議そうに返事をした。

パジャマを着た姿。起き上がっているミア。

 

その手には、数枚の紙が握られている。

 

「ミア……!!」

 

安堵の声を出すカナタ。

へなへなと、その場にへたり込む。

 

ミアが驚き、目を丸くした。

 

「ちょ、ちょっと、どうしちゃったの!?」

 

慌てたように訊ねるミア。

カナタが長く、息を吐く。

 

「何でもないよ。私、不安になっちゃって……」

 

それ以上、何も言えなくなるカナタ。

心配そうな目で、ミアがカナタを見つめた。

 

しばし、2人の間から会話が消える。

 

「……それで、ミア」

 

落ち着きを取り戻したカナタ。

おずおずと、口を開く。

 

「あのさ、昨日の話しなんだけど……」

 

「あぁ、うん。そうだね……」

 

目を逸らすミア。

その表情が暗く、曇っていく。

 

「正直な気持ちを言うと、今の私は頭の中ぐちゃぐちゃ。本当、突然の事だし。信じられないって気持ちとか、不安とか、いろいろな物が混ざっちゃって……」

 

視線を伏せ気味に、そう話すミア。

伸ばした手を、おぼろげに見つめる。

 

「本当、何がなんだか分からなくて。これが運命っていうなら、酷い話だし。だけど、一晩考えて思ったんだ。こういう時、いつもならどうするかって」

 

ゆっくりと、手を握るミア。

顔をあげると、カナタの顔を見つめる。

 

ミアがにっこりと、微笑んだ。

 

「決まってるよね。私には、世界で一番頼れるお姉ちゃんがいるんだから! だから私、お姉ちゃんの言う通りにするよ!」

 

朗らかな口調。

努めて明るく、ミアがそう答えた。

 

「ミア……!!」

 

言葉を詰まらせているカナタ。

涙ぐんだ目。息を呑んで、口元を隠す。

 

ミアが悪戯っぽく笑った。

 

「もー、お姉ちゃん、泣きすぎだよ~」

 

軽い口調で言っているミア。

ふふんと、面白そうに指を伸ばす。

 

「それにさ、私もお姉ちゃんの職場見たかったし! 天才科学者様の職場なんてそうは見られないもん。どんな所なのか、楽しみだなー!」

 

「もう、からかわないでよ……!」

 

なんとかして答えるカナタ。

涙を拭いながら、なんとかして笑みを浮かべる。

 

2人が楽しそうに、笑いあった。

 

「……それじゃあ、私は荷造りを始めるわ」

 

立ち上がるカナタ。

長く息を吐くと、優しく微笑む。

 

「準備ができ次第、出発するから。ミアも準備しておいてね。向こうにも連絡しておくから」

 

「うん、わかった」

 

頷くミア。

その紫色の瞳が、真っ直ぐカナタの方へと向けられる。

 

その手に握られた数枚の紙を、カナタが見つめた。

 

「ねぇ。ところで、その紙はなんなの?」

 

視線を落としているカナタ。

ミアが持っていた紙の束を持ち上げた。

 

「これ? ちょうどさっきまで、新しい曲を作ってたの」

 

「曲? 歌を作ってたってこと?」

 

「そう。私ってほら、アイドルやってるから。音楽だけじゃなくて、歌詞も自分で考えてるんだ~」

 

得意そうに答えるミア。

カナタが理解できない様子で「へぇ」とだけ言う。

 

楽譜を片手に、ミアが笑みを浮かべた。

 

「昨日から色々な歌詞とかメロディが頭の中に浮かんでて。自分で言うのもなんだけど、今までで一番良い曲になると思うの! きっと私の最高傑作になると思う!」

 

「そうなんだ。良かったじゃない」

 

無邪気に喜んでいるミアの姿を、

慈しむように見つめているカナタ。

 

ブイと、ミアがピースサインを作る。

 

「今はまだ未完成だけど、曲ができたら真っ先にお姉ちゃんに聞かせてあげるから! 楽しみにしておいてね!」

 

「はいはい、分かったわよ。新しい曲ね」

 

頷いているカナタ。

紫色の瞳が、楽譜の方へと向く。

 

「で、何て曲なの?」

 

何気なく、カナタがそう訊ねた。

ミアの顔に、煌めく笑みが浮かぶ。

 

「曲名はね──」

 

楽譜へと視線を向けるミア。

綺麗な紫色の瞳が、星の光のように瞬く。

 

どこまでも穏やかに、ミアが微笑んだ。

 

「"Falling Star"」

 

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