カードファイト!! ヴァンガード StarSong   作:バビロン@VG

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最終楽章 世界を救う二人の歌姫③

 

――地球から遠く離れた惑星クレイの地。

 

誰もいない荒れ果てた地。未踏の荒野。

朽ち果てた木々が並び、大地には死の気配が漂う。

 

冷たい風が吹き荒んで――

 

銀色の鱗を持つ細身の竜が、その身を捩らせた。

 

「…………」

 

まるで眠っているかのように、

静かにその場にたゆたっている竜。

 

ふと、何かの気配を感じ取ったように目を開ける。

 

「…………」

 

眼下に広がる大地を見つめる竜。

地面から黒い影が水のように溢れ、そして――

 

制服を着た猫の少女が、音もなく現れた。

 

「…………」

 

竜を見上げる少女。黒い髪の毛に、紫色の瞳。

足元の影が跡形もなく消え去っていく。

 

2つの視線がぶつかり合って――

 

「見つけたのです!!」

 

猫の少女――ロロネロルが、声をあげた。

すっと、その場で身構えるロロネロル。

 

その紫色の瞳に、神秘的な光が宿る。

 

「…………」

 

何かを察したように、竜がその目を細める。

翼を広げ、威嚇するように身体を広げていく竜。

 

その口を開いて――

 

美しい咆哮が轟き、大地を揺らした。

放たれる神秘的な波動。衝撃が巻き起こる。

 

猫の少女と竜が、互いに睨み合って――

 

紫色の瞳の中、光が渦巻いて輝いた。

 

「私のターン!」

 

宣言と共に、ミアがカードを引いた。

手札を一瞥するミア。1枚を選び捨てる。

 

カードを構えて――

 

「《ときめきを探して ロロネロル》にライド!」

 

ミアの場に、猫の少女が描かれたカードが置かれた。

 

 

ときめきを探して ロロネロル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたの、山札か手札からグレード1の曲カードを1枚まで探し、公開してオーダーゾーンに置き、山札から探したら、山札をシャッフルする。手札から置いたら、1枚引く。

― お散歩してると、びびーって歌詞が浮かんでくるの!

 

 

「ターンエンドよ!」

 

手札を持ちながら言うミア。

油断なく、向かいに立つ少年の姿を見据える。

 

悠然と手を伸ばして――

 

「僕のターン」

 

マコトが、静かにカードを引いた。

落ち着いた振る舞い。流れるようにカードを捨てる。

 

古の紋章が描かれたスリーブのカードを構える。

 

「ライド。《魅刻のシェヴン》」

 

マコトの場に、美しい女神のカードが降臨した。

滅びゆく世界に降り立つ、美しき神の一柱。

 

マコトがデッキに手を伸ばす。

 

「スキルで1枚ドロー。さらに登場時スキルにより、山札から《ギンヌンガの淵》を1枚探し、オーダーゾーンに置く」

 

 

魅刻のシェヴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札か手札から「ギンヌンガの淵」を1枚まで探し、公開してオーダーゾーンに置き、山札から探したら、山札をシャッフルする。手札から置いたら、1枚引く。

― 導きましょう。破滅がもたらす、永遠の平穏を。

 

 

カードを広げるマコト。

その中の1枚がオーダーゾーンに置かれる。

 

指を伸ばして――

 

「ギンヌンガのスキル。シェヴンのクリティカル-1」

 

マコトが、カードを横向きに動かした。

 

 

ギンヌンガの淵

セットオーダー 〈1〉

ブラントゲート

【起】【オーダーゾーン】:【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、クリティカル-1。

― 白銀の大地を覆い尽くす、終焉の兆候。

 

 

青白い光が女神に憑りつく。

それを平然と眺めているミア。

 

マコトが手札のカードを表にした。

 

「《黄昏のオレステイア》をコール」

 

ヴァンガードの裏、白い梟のカードが現れる。

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

縦に並び立つ2枚のカード。

マコトの指がカードを動かした。

 

「オレステイアのブースト、シェヴンでアタック。さらにスキルにより、君のデッキの上2枚をドロップへ」

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

ソウルのカードを抜き取るマコト。

ミアの山札が僅かに削られる。

 

女神が慈悲深い微笑みを浮かべ、手をかざした。

 

 

魅刻のシェヴン パワー21000 ☆0

 

 

「ノーガード!」

 

迷うことなく答えるミア。

マコトがカードをめくる。

 

「ドライブチェック、ノートリガー」

 

 

討究の鎌刃 ハビタブルゾォン

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からセットオーダーを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。そのターン中、あなたのオーダーを合計2回までプレイでき、次にプレイするセットオーダーのコストを払わずプレイできる。

― 見えるか?あれが俺達の求めた新天地だ。

 

 

カードを見せつけるミコト。

女神の身体がうっすらと輝き、波動が放たれる。

 

戦場には、何の変化も訪れない。

 

「ターンエンド」

 

視線を伏せながら静かに言うマコト。

神秘的な雰囲気が、鋭く辺りを漂っていく。

 

不気味なまでの静穏さが流れて――

 

「私のターン!」

 

カードを引くミア。

手札のカードを捨てる。

 

「《花咲く歌声 ロロネロル》にライド!」

 

ミアの場で、猫の少女のカードが重なった。

 

 

花咲く歌声 ロロネロル

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(V)】:あなたのターン中、あなたのオーダーゾーンに表の曲があるなら、このユニットのパワー+5000。

【自】:このユニットがライドされた時、あなたの、山札か手札からグレード2の曲カードを1枚まで探し、公開してオーダーゾーンに置き、山札から探したら、山札をシャッフルする。手札から置いたら、1枚引く。

― すくすく~♪元気に~♪育つんーだぞ~♪

 

 

「スキルで山札から爛漫はぴねすをセットオーダー!」

 

 

ときめきを探して ロロネロル

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットがライドされた時、あなたの、山札か手札からグレード1の曲カードを1枚まで探し、公開してオーダーゾーンに置き、山札から探したら、山札をシャッフルする。手札から置いたら、1枚引く。

― お散歩してると、びびーって歌詞が浮かんでくるの!

 

 

山札を掴むミア。

美しい桜の光景が描かれた1枚を選び、場に置く。

 

 

爛漫はぴねす

セットオーダー/曲 〈1〉 リリカルモナステリオ

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)

【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、1枚引き、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

― ひらりくるり 手のひらの中で 新しい予感

 

 

その指をカードの上に置いて――

 

「ロロネロルでヴァンガードにアタック!」

 

ミアが、勢いよくカードを動かした。

ロロネロルが大地を蹴り、竜へと飛び掛かる。

 

 

花咲く歌声 ロロネロル パワー10000

 

 

「ノーガード」

 

目をつぶりながら答えるマコト。

興味の一欠片も感じられない口調。傲慢な気配。

 

紫色の瞳の中、光が輝きを見せて――

 

「ドライブチェック、クリティカルトリガー!」

 

ミアの手の中で、カードが表になった。

 

 

自分仕様 エルシュカ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― お仕着せじゃ、物足りない。

 

 

神秘的な光に包まれるロロネロル。

勢いよく、拳を振りかぶって――

 

「にゃあああッ!!」

 

竜の身体に、その拳を叩き込んだ。

ぐらりと、ほんの僅かに竜の姿が揺れる。

 

手を伸ばして――

 

「ダメージチェック、ノートリガー」

 

マコトが、静かにカードを盤面に置いた。

 

 

薄暮のメーデイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】: このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

【起】【(R)】:【コスト】[このユニットを【レスト】させる]ことで、あなたと相手は【ソウルチャージ】(1)。

― 全ての命に等しく降り注ぐ、無慈悲な施し。

 

 

暁のアンティゴネ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが(R)に登場した時か(G)から退却した時、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+25000。

― 唯そこに在る、限りない絶望。

 

 

マコト ダメージ0→2

 

 

「ターンエンドよ!」

 

手札を構えながら言うミア。

ほんの一瞬だけ、その呼吸が乱れる。

 

空気が重く、張りつめて――

 

「紛い物にしてはやるんだね」

 

冷たく響く声。

マコトがカードを引き、1枚を捨てた。

 

カードを指で持ちながら――

 

「だけど、僕の力には及ばない」

 

マコトの銀色の瞳が、一瞬だけ光を放つ。

突き刺すような殺気が、その身体から溢れた。

 

腕を動かして――

 

「ライド。《魅牢のスルーズ》」

 

マコトの場で、女神の姿が重なった。

 

 

魅牢のスルーズ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたと相手は2枚引き、手札から2枚選び、捨てる。その後、あなたと相手は【ソウルチャージ】(2)。

― 美しき静寂。それこそが、争いのない世界。

 

 

戦場に降り立つ女神。破滅を告げる使徒。

悠然と、女神がその腕を前へと出して――

 

「スキルにより、互いにデッキから2枚引き、手札から2枚を捨てる。さらにその後、ソウルチャージ2」

 

マコトの声が、その場に響き渡った。

 

 

魅牢のスルーズ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたと相手は2枚引き、手札から2枚選び、捨てる。その後、あなたと相手は【ソウルチャージ】(2)。

― 美しき静寂。それこそが、争いのない世界。

 

 

互いにカードを引くミアとマコト。

山札からカードがソウルに消えていく。

 

そのまま、ソウルからカードを抜き取って――

 

「手札から捨てられたハビタブルゾォンのスキルで、1枚ドロー」

 

マコトが、さらにカードを引いた。

 

 

討究の鎌刃 ハビタブルゾォン

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からセットオーダーを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。そのターン中、あなたのオーダーを合計2回までプレイでき、次にプレイするセットオーダーのコストを払わずプレイできる。

― 見えるか?あれが俺達の求めた新天地だ。

 

 

その手のカードは6枚。

細い指が、その中のカードを掴んで――

 

「《白閃の大鎌 バルダリード》、《暁のアンティゴネ》をコール」

 

マコトの場に、さらなるカードが置かれた。

 

 

白閃の大鎌 バルダリード

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル中、あなたのヴァンガードがグレード3以上で、あなたのオーダーゾーンにセットオーダーが2枚以上なら、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、あなたのオーダーゾーンにセットオーダーがあるなら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード2以上のユニットか、セットオーダーを1枚まで選び、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

― 汝が真白き刃で、境界を開展せよ。

 

 

暁のアンティゴネ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが(R)に登場した時か(G)から退却した時、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+25000。

― 唯そこに在る、限りない絶望。

 

 

油断ない視線を向けているミア。

マコトがミアを指差す。

 

「アンティゴネの登場時スキル。君のデッキから2枚、ドロップゾーンへ」

 

淡々とした宣言。

巨大な角を持つ鹿が、天に向かって雄叫びをあげた。

 

 

暁のアンティゴネ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが(R)に登場した時か(G)から退却した時、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+25000。

― 唯そこに在る、限りない絶望。

 

 

弾かれるように、ミアのデッキからカードが落ちる。

 

 

ミア デッキ31→29

 

 

「くっ……!」

 

顔をしかめるミア。

ほんのかすかに、冷や汗が浮かぶ。

 

マコトがさらに、カードを指で持って――

 

「《極夜のヘレネー》をコール」

 

空いていた前列に、さらなる1枚が置かれた。

 

 

極夜のヘレネー パワー10000

 

 

「ッ! 知らないカード……!!」

 

動揺したような声を漏らすミア。

そこに描かれているのは、剣を持つ黒衣の女性。

 

バフォルメデス戦では、使われていなかったカード。

 

「ギンヌンガのスキルで、スルーズのクリティカル-1」

 

カードを横向きにするマコト。

青白い光が、女神に憑りついた。

 

 

ギンヌンガの淵

セットオーダー 〈1〉

ブラントゲート

【起】【オーダーゾーン】:【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、クリティカル-1。

― 白銀の大地を覆い尽くす、終焉の兆候。

 

 

白い指を置いて――

 

「ギーゼの使徒の力、思い知れ」

 

マコトの言葉が、空気を切り裂くように響いた。

身構えるロロネロル。竜が翼を広げる。

 

青白い波動が放たれて――

 

「スルーズでアタック。ブーストしたオレステイアのスキルで、山札のカードを2枚ドロップへ」

 

マコトが、盤面のカードを動かし宣言した。

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

ミア デッキ29→27

 

 

再び削られるミアの山札。

じりじりと、敗北の足音が近づいてくる。

 

手札を構えながら――

 

「ノーガードよ!!」

 

大きく、ミアが宣言した。

鋭く睨んでいるミア。緊張した表情。

 

マコトがカードをめくる。

 

「ドライブチェック、ドロートリガー。1枚ドロー」

 

 

アメリオレート・コネクター

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - ワーカロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 換装完了。導電率、ググット高メテオキマシタ。

 

 

表になる1枚。

ミアが「くっ……!」と声を漏らす。

 

カードを引きながら――

 

「パワーはヘレネーへ」

 

静かに、マコトがそう宣言した。

竜の身体から放たれた青白い波動が、少女の姿を貫く。

 

だが、それ以上は何も起こらない。

 

「クリティカルゼロだから、ダメージはなし……」

 

確認するように呟くミア。

ダメージゾーンには、1枚もカードが置かれていない。

 

手を伸ばして――

 

「バルダリードのブースト、ヘレネーでヴァンガードにアタック」

 

マコトが、さらなる攻撃を宣言した。

加護を受け、黒衣の女剣士がゆっくりと剣を構える。

 

 

極夜のヘレネー パワー28000

 

 

クリティカルの下がっていない攻撃。

通常ならば、この攻撃でダメージが貰えるはず。

 

だが――

 

「そんな訳ないよね……」

 

苦しそうに、ミアがそう呟いた。

今まで徹底的に、マコトはダメージを与えないでいる。

 

その均衡を崩す真似を、この局面でするはずがない。

 

「……ノーガード!」

 

逡巡の後、宣言するミア。

相手の狙いが分からない以上、手札を温存する他ない。

 

剣が一閃し、猫の少女を斬りつけて――

 

「ヘレネーのスキル」

 

マコトが、視線を伏せながらその口を開いた。

 

「ダメージを与える代わりに、相手の山札の上から3枚をドロップゾーンへ置く」

 

 

極夜のヘレネー

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットのアタックが相手のヴァンガードにヒットした時、ダメージを与える代わりに、相手の山札を上から3枚ドロップゾーンに置く。

― その剣が断ち切るのは、運命の航路。魂の道。

 

 

身じろぐミア。

デッキからさらに、カードがドロップへ置かれた。

 

 

ミア デッキ27→24

 

 

「さらにバルダリードのスキル。ブーストしたバトル終了時、ソウルに移動。山札から5枚見て――」

 

デッキの上から5枚を見るマコト。

その中の1枚を、ミアの方へと向けて――

 

「――《魅惑竜 ファナ・ラ・フィア》を手札に加える」

 

冷たい声で、そう言い放った。

 

 

魅惑竜 ファナ・ラ・フィア

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】このユニットは相手のヴァンガードにアタックできない。

【永】【(V)】:このユニットがアタックする際、相手の山札を選び、バトルする。(相手の山札はパワー0のノーマルユニットとして扱い、相手のヴァンガードの名前とグレードと種族を得る)

【自】【(V)】:このユニットのアタックが相手の山札にヒットした時、相手の山札を上から7枚ドロップゾーンに置く。このターンにあなたがペルソナライドしているなら、この効果はヒットしていなくても発動する。

― 世界を無に還す、魅惑の彗星群。

 

 

カードを手札に加えるマコト。

その目を閉じ、息を吐く。

 

「ターンエンド」

 

つまらなさそうな口調。

着実に、ミアを追い詰めていくマコト。

 

神秘的な気配が辺りを渦巻いて――

 

「これで分かったでしょ」

 

マコトが口を開いた。

 

「君達ごとき、僕の敵じゃないのさ」

 

見下した視線。

氷のように冷たい言葉が辺りに響く。

 

遠い星の彼方、誰もいない荒野の中で――

 

青白い波動が放たれ、ロロネロルの身体を貫いた。

 

「にゃああああ!!」

 

悲鳴をあげるロロネロル。

吹き飛ばされ、その身体が地面に転がる。

 

膝をつき、その場で立ち上がりながら――

 

「ぐぅぅっ……!!」

 

ロロネロルの苦しそうな声が孤独に響いた。

顔をあげるロロネロル。激しい息遣い。

 

天に浮かぶ竜が、戦慄の咆哮を轟かせる。

 

「あぅ……!!」

 

圧倒され、怯えた声を漏らすロロネロル。

紫色の瞳の中、光が不安定に揺らいだ。

 

「こ、このままじゃ……!!」

 

冷や汗を流すロロネロル。

肩で息をしながら、じりじりと後退していく。

 

大きく、竜がその口を開いて――

 

「他愛もない」

 

マコトの低い声が、その場に響いた。

その銀色の瞳が、神秘的な光を放って輝く。

 

竜の口元に白い光が収束して――

 

「消えろ、名前も知らない野良猫」

 

大気が震えるのと同時に、巨大な閃光が放たれた。

白く染まりゆく世界。ロロネロルが目を見開く。

 

光が勢いよく迫り、そして――

 

ロロネロルの姿が、閃光に飲み込まれて消えた。

 

「…………」

 

無言のままでいるミア。

マコトが退屈そうな表情で盤面を見つめる。

 

重苦しい沈黙が世界を包み、そして――

 

「……なに?」

 

マコトの口から、驚いたような声が漏れた。

ほんのかすかに目を丸くしているマコト。

 

世界がその色を取り戻して――

 

「ロロッ!!」

 

荒野の中に、その声が高らかに響いた。

ロロネロルの前、空中に展開された魔法の障壁。

 

魔術の印を結びながら――

 

「大丈夫、ロロッ!?」

 

「怪我はないかしら?」

 

リリカルモナステリオの歌姫――

ウィリスタとクラリッサがそう訊ねた。

 

「う、ウィリスタ!? クラリッサ!?」

 

驚きの声をあげるロロネロル。

翼のはためく音。冷たい風が吹いて――

 

「なにあの竜。あんなの初めて見た。かっこいい」

 

「言ってる場合ですか! 油断しないで下さい!」

 

アレスティエルが空から降り立ち、

フェルティローザのたしなめる声がその場に響いた。

 

5人の歌姫が、その場に集う。

 

「アレスティエル、フェルティローザまで……!? みんな、どうして……!?」

 

おろおろとしているロロネロル。

フェルティローザがふんと顔をそらす。

 

「別に、あなたを助けに来たわけじゃありませんわ! 私はただ、お茶会を邪魔した無粋な輩に灸をすえにきただけです!」

 

「呉服屋の人が教えてくれたのよ。あなたが一人が戦おうとしてるって」

 

フェルティローザに代わり答えるウィリスタ。

アレスティエルが無表情のまま頷く。

 

「約束したでしょ。私達、助けになるって」

 

ブイとピースサインを作るアレスティエル。

そのまま、竜の方へと視線を向ける。

 

「それに、世界を救うだなんて凄い事、ろろ一人だけでやるなんてズルいもん」

 

「み、みんな……!!」

 

言葉を詰まらせるロロネロル。

涙が溢れ、じわりとその目が潤む。

 

鞘に手をかけて――

 

「お喋りはそこまでです。きますよ」

 

クラリッサが、真剣な表情でそう言った。

天に浮かぶ細身の竜を見上げているクラリッサ。

 

歌姫達がそれぞれ、身構えた。

 

クレイでの光景が遠ざかって――

 

「なんだ、この導きは……!?」

 

錆びついたファイトテーブルの前。

マコトが困惑したような表情で呟いた。

 

「いやぁ~、正直ダメ元だったんだけど」

 

口元に笑みを浮かべているミア。

ポケットに手を入れて――

 

「運命を導くのも、悪くないわね」

 

ぱさりと、ミアのデッキの横に4枚のカードが置かれた。

 

 

聖卵祭実行委員長 クラリッサ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ドラゴロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「Earnescorrectリーダー クラリッサ」(ファイト中、指定カードと同名としても扱う)

【起】【(V)】【ターン1回】:このターンにあなたがペルソナライドしているなら、このコストは『【ソウルブラスト】(1)』でも払える。【コスト】[手札から「クラリッサ」を含むグレード3を1枚捨てる]ことで、あなたの、山札かドロップから「目指せ!最強のアイドル!」を1枚まで探し、公開して手札に加え、山札から探したら、山札をシャッフルする。

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットのアタックがヒットした時、2枚引き、そのターン中、「Earnescorrect」を含むあなたのリアガードすべてのパワー+5000。

― 此度は聖卵祭!私達の手で、必ず成功へと導こう!

 

 

祝福の聖天使 アレスティエル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - エンジェル 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「双翼の大天使 アレスティエル」(ファイト中、指定カードと同名としても扱う)

【自】【(V)】:あなたのメインフェイズ開始時、あなたのバインドゾーンから1枚選び、手札に加え、山札を上から1枚バインドする。

黒翼-【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[手札から1枚捨てる]ことで、あなたの山札から黒翼能力を持つカードを1枚まで探し、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

白翼-【自】【(V)】:このユニットがアタックしたバトル終了時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),手札から1枚捨てる]ことで、あなたの、山札か手札から元々のカード名が「双翼の大天使 アレスティエル」のカードを1枚まで探し、【スタンド】でライドし、そのターン中、ドライブ-1。山札から探したら、山札をシャッフルする。

― 黒白の双翼は、新たな生命の誕生を言祝ぐ。

 

 

輝き満ちる光彩 ウィリスタ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「煌めく光彩 ウィリスタ」(ファイト中、指定カードと同名としても扱う)

【自】:このユニットが(V)に登場した時、【コスト】[手札から1枚捨てる]ことで、あなたの、ソウルかドロップから宝石カードを1枚選び、手札に加える。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[宝石カードを【ソウルブラスト】(1)]することで、このコストで【ソウルブラスト】されたカードのカード名により以下すべてを行う。

・「果てしなき蒼」‐あなたの山札を上から5枚見て、ユニットカードを2枚まで選び、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

・「揺るぎなき緋」‐そのターン中、このユニットのパワー+15000。

― 今日も、私が一番輝いてみせるんだから!

 

 

天満月の輪舞曲 フェルティローザ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ヴァンパイア 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「宵闇月の輪舞曲 フェルティローザ」(ファイト中、指定カードと同名としても扱う)

【永】【(V)】:あなたのターン中、あなたのソウルに「フェルティローザ」を含むグレード3があるなら、あなたの前列の〈ゴースト〉すべてのパワー+10000。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、そのターン中、このユニットは『【自】【(V)】【ターン1回】:あなたのドライブチェックで〈ゴースト〉のノーマルユニットか「フェルティローザ」を含むグレード3が出た時、そのカードをユニットのいない(R)にコールしてよい。コールしたら、そのバトル中、このユニットのドライブ+1。』を2つ得る。

― まぁるく浮かぶ、あの月の様に綺麗でしょう?

ふふっ、私じゃなくて……こっちよ、こっち。

 

 

「貴様……!!」

 

怒りに満ちた気配。

マコトが忌々しそうに、カード達を睨む。

 

フッと、微笑んで――

 

「私のターン!!」

 

大きく、ミアがそう宣言した。

カードを引くミア。素早く1枚を落とす。

 

ライドデッキの1枚を掴みながら――

 

「行くわよ、ロロ!!」

 

高らかに、ミアがそう呼びかけた。

カードを振りかざし、そして――

 

「《みんなで歌おう ロロネロル》にライド!!」

 

猫の少女の姿が重なり、光が煌めいた。

 

 

みんなで歌おう ロロネロル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「みんなに響け ロロネロル」(ファイト中、指定カードと同名として扱う)

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(V)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚まで選び、歌う。相手のヴァンガードがグレード3以上なら、さらに【コスト】[「ロロネロル」を含むグレード3を【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのドライブ+1し、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。

― 今日はパレード!みんなで楽しく歌うのですよ~♪

 

 

神秘的な雰囲気に包まれるロロネロル。

細身の竜を前に、集中したように息を吐く。

 

ミアの瞳の中、渦巻く神秘的な光がひと際強く輝いた。

 

「ロロのスキル! 山札から《潮騒とわいらいと》を選択して、セットオーダー!」

 

カードを見せつけるミア。

穏やかな浜辺の景色が描かれた1枚が場に置かれる。

 

 

潮騒とわいらいと

セットオーダー/曲 〈2〉 リリカルモナステリオ

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)

【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

― 君に手を振ってバイバイ 明日もまた会えるかな?

 

 

「スキルでロロのパワー+5000! さらにロロの登場時スキルで、山札から《巡り星の綺想曲 イングリット》をコール!」

 

迷いない選択。

山札から、高貴な雰囲気の幽霊の少女が現れる。

 

 

巡り星の綺想曲 イングリット

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、【カウンターチャージ】(1)し、このユニットと同じ縦列の、あなたの他のリアガードを1枚選び、【スタンド】させる。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。そのバトル終了時、このユニットをあなたの山札の下に置く。(必ず行う)

― お姉様の気紛れに、即興で合わせられてこそ一人前。

 

 

「ライドコストで捨てられたラファティをレスト状態でコール!」

 

 

シアターレッスン ラファティ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、このカードを【レスト】で(R)にコールしてよい。

― 表彰台に立つチケット、それは人知れず行う努力。

 

 

ドロップからカードを置くミア。

手札のカードを指で掴んで――

 

「ロスヴィータとユイカをコール!」

 

さらなる2枚が、ミアの盤面へと置かれた。

 

 

触れ合う手と手の夢想曲 ロスヴィータ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、「フェルティローザ」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、このユニットと同じ縦列のリアガードをすべて【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000してよい。そうしたら、そのバトル終了時、このユニットを山札の下に置く。

― 絡み合う指先の熱が、永遠に醒めない夢想へ招く。

 

 

クーリング・ハート ユイカ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットと同じ縦列にあなたの他のユニットが登場した時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがリアガードをブーストしたバトル終了時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのブーストされたリアガードを1枚選び、手札に戻す。

― 片づけは私がやっておくわ。早く帰って休みなさい。

 

 

一気に埋まる場。

マコトがイラついた表情を見せる。

 

「どいつもこいつも……力の差も分からぬ、愚かな連中ばかり……!!」

 

吐き捨てるような口調。

白い殺気がその身体から溢れる。

 

美しい竜の咆哮が、戦場を引き裂いて――

 

「――ロロでヴァンガードにアタック!!」

 

ミアがカードを横向きに動かし、宣言した。

瞳の中、紫色の光が躍る。

 

「スキルで《潮騒とわいらいと》を歌い、私の前列のパワー+5000!!」

 

 

みんなで歌おう ロロネロル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「みんなに響け ロロネロル」(ファイト中、指定カードと同名として扱う)

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(V)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚まで選び、歌う。相手のヴァンガードがグレード3以上なら、さらに【コスト】[「ロロネロル」を含むグレード3を【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのドライブ+1し、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。

― 今日はパレード!みんなで楽しく歌うのですよ~♪

 

 

潮騒とわいらいと

セットオーダー/曲 〈2〉 リリカルモナステリオ

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)

【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、そのターン中、あなたの前列のユニットすべてのパワー+5000。

― 君に手を振ってバイバイ 明日もまた会えるかな?

 

 

美しい歌声が響き渡る戦場。

ロロネロルが大地を蹴り、飛び上がる。

 

猫の少女が、竜の眼前へと迫って――

 

「ガード! さらにアンティゴネでインターセプト!」

 

マコトが荒々しく、カードを場に投げ出した。

 

 

白閃の大鎌 バルダリード

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル中、あなたのヴァンガードがグレード3以上で、あなたのオーダーゾーンにセットオーダーが2枚以上なら、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、あなたのオーダーゾーンにセットオーダーがあるなら、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード2以上のユニットか、セットオーダーを1枚まで選び、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

― 汝が真白き刃で、境界を開展せよ。

 

 

暁のアンティゴネ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが(R)に登場した時か(G)から退却した時、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+25000。

― 唯そこに在る、限りない絶望。

 

 

銀色の瞳がミアを見据える。

 

「スキルでシールド+25000! さらに、山札の上から2枚をドロップゾーンへ!」

 

ミアのデッキを指差すマコト。

山札の上、カードが弾かれるようにドロップへ落ちる。

 

 

ミア デッキ21→19

 

 

青白い波動が放たれ、ロロネロルが吹き飛ばされる。

「くっ!」と顔をしかめるロロネロル。

 

落ちゆくロロネロルを、アレスティエルが受け止めた。

 

「まだ、ここから」

 

冷静に呟くアレスティエル。

ロロネロルを抱きかかえながら、空中を旋回する。

 

「ツインドライブ!!」

 

ミアが鋭く言い、山札に手をかけた。

 

「ファーストチェック、クリティカルトリガー!! 効果は全てロスヴィータへ!!」

 

 

珠玉の一曲 エドウィージュ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - マーメイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― 心弾む歌声は波紋となって。

 

 

「セカンドチェック、フロントトリガー!! 前列のパワー+10000!!」

 

 

スノウスキップ パルヴィ

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― はらはらくるり、雪の中。お気に入りの傘さして。

 

 

表になる2枚。

ミアの瞳の中、神秘的な光が鋭い音を奏でる。

 

竜の眼前に、幽霊の淑女が音もなく現れて――

 

「イングリットでヴァンガードにアタック!!」

 

フェルティローザの手の中で、魔力が弾けて迸った。

 

 

巡り星の綺想曲 イングリット パワー33000

 

 

「ノーガード!」

 

忌々しそうに答えるマコト。

青い魔力が一閃し、竜の身体を貫く。

 

 

宵のアルケスティス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - ノーブル

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(R)】:このユニットがアタックする際、相手の、縦列1つのユニットすべてとバトルする。

【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、相手の山札を上から1枚ドロップゾーンに置く。

― 跪け。己が滅びを受け入れよ。

 

 

マコト ダメージ2→3

 

 

「さらにイングリットのスキル! バトル終了後、自身を山札の下へ!」

 

 

巡り星の綺想曲 イングリット

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、【カウンターチャージ】(1)し、このユニットと同じ縦列の、あなたの他のリアガードを1枚選び、【スタンド】させる。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。そのバトル終了時、このユニットをあなたの山札の下に置く。(必ず行う)

― お姉様の気紛れに、即興で合わせられてこそ一人前。

 

 

カードを裏向きにして山札の下へ送るミア。

マコトが顔をしかめる。

 

 

ミア デッキ17→18

 

 

指をのせて――

 

「ロスヴィータでアタック!!」

 

高らかに、ミアがそう宣言した。

ウィリスタが魔術の印を結んでいく。

 

空中にいくつもの魔法陣が浮かびあがった。

 

 

触れ合う手と手の夢想曲ロスヴィータ パワー48000

 

 

「……ノーガード!」

 

怒ったように言い放つマコト。

魔法陣が輝きを放ち、そして――

 

「クラリッサ!!」

 

ウィリスタの掛け声と共に、

魔法陣を足場に、クラリッサが竜に飛び掛かった。

 

目にも止まらぬ斬撃が、竜の翼を切り裂く。

 

「ぐっ!!」

 

苦痛の声を漏らすマコト。

カードを掴んで――

 

「ダメージチェック、ドロートリガー! 1枚ドロー!」

 

横向きに置かれた内の1枚を、マコトが見せつけた。

 

 

極夜のヘレネー

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットのアタックが相手のヴァンガードにヒットした時、ダメージを与える代わりに、相手の山札を上から3枚ドロップゾーンに置く。

― その剣が断ち切るのは、運命の航路。魂の道。

 

 

アメリオレート・コネクター

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - ワーカロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 換装完了。導電率、ググット高メテオキマシタ。

 

 

マコト ダメージ3→5

 

 

カードを引くマコト。

そのダメージは5。敗北まであと1ダメージ。

 

ミアがカードに手を伸ばす。

 

「ロスヴィータのスキル! アタック終了時、山札の下へ!」

 

 

触れ合う手と手の夢想曲 ロスヴィータ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、「フェルティローザ」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、このユニットと同じ縦列のリアガードをすべて【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000してよい。そうしたら、そのバトル終了時、このユニットを山札の下に置く。

― 絡み合う指先の熱が、永遠に醒めない夢想へ招く。

 

 

カードを動かすミア。

再び、カードが山札の下へと戻る。

 

 

ミア デッキ18→19

 

 

手札を持ちながら――

 

「ターンエンドよ!!」

 

ミアが、不敵に微笑みながらそう言った。

相手を追い詰め、僅かだが山札を回復させたミア。

 

神秘的な光が、その瞳の中に宿り続けている。

 

「有象無象の連中ごときが、この僕に傷を……!!」

 

激怒しているマコト。

デッキに手を伸ばすと、カードを引いて捨てる。

 

古の紋章が描かれたスリーブのカードを構えて――

 

「竜の逆鱗に触れた事、後悔させてやる!!」

 

マコトの声が響き、空気が震えあがった。

神秘的な気配。白い殺気が渦巻き、辺りを飲み込む。

 

カードを振りかざして――

 

「ライド!! 《魅惑竜 ファナ・ラ・フィア》!!」

 

勢いよく、盤面に細身の竜が描かれたカードが置かれた。

美しい輝きを放つ1枚。強烈な威圧感。

 

妖艶なる咆哮が、戦場を色鮮やかに染め上げていく。

 

 

魅惑竜 ファナ・ラ・フィア

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】このユニットは相手のヴァンガードにアタックできない。

【永】【(V)】:このユニットがアタックする際、相手の山札を選び、バトルする。(相手の山札はパワー0のノーマルユニットとして扱い、相手のヴァンガードの名前とグレードと種族を得る)

【自】【(V)】:このユニットのアタックが相手の山札にヒットした時、相手の山札を上から7枚ドロップゾーンに置く。このターンにあなたがペルソナライドしているなら、この効果はヒットしていなくても発動する。

― 世界を無に還す、魅惑の彗星群。

 

 

銀色の瞳に、渦巻く神秘的な光が宿る。

 

「ハビタブルゾォンのスキルで1枚ドロー!」

 

 

討究の鎌刃 ハビタブルゾォン

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのライドフェイズにこのカードが手札から捨てられた時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1), このカードを山札の下に置く]ことで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札からセットオーダーを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。そのターン中、あなたのオーダーを合計2回までプレイでき、次にプレイするセットオーダーのコストを払わずプレイできる。

― 見えるか?あれが俺達の求めた新天地だ。

 

 

ライドコストで捨てた1枚を戻すマコト。

山札からカードを引く。

 

手札のカードを構えて――

 

「アルケスティス! オレステイア! メーデイアをコール!」

 

マコトが、一気に3枚のカードを場へと投げ出した。

 

 

宵のアルケスティス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - ノーブル

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(R)】:このユニットがアタックする際、相手の、縦列1つのユニットすべてとバトルする。

【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、相手の山札を上から1枚ドロップゾーンに置く。

― 跪け。己が滅びを受け入れよ。

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

薄暮のメーデイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】: このユニットが(R)に登場した時、あなたの他のユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+5000。

【起】【(R)】:【コスト】[このユニットを【レスト】させる]ことで、あなたと相手は【ソウルチャージ】(1)。

― 全ての命に等しく降り注ぐ、無慈悲な施し。

 

 

全ての盤面を埋めてくるマコト。

すっと、その指を伸ばす。

 

「メーデイアのスキルでファナ・ラ・フィアにパワー+5000! さらにレストさせることで、互いにソウルチャージ!」

 

カードを横向きにするマコト。

互いの山札の上から1枚がソウルに置かれる。

 

 

ミア デッキ19→18

 

 

「ギンヌンガのスキル! アルケスティスのクリティカル-1!」

 

 

ギンヌンガの淵

セットオーダー 〈1〉

ブラントゲート

【起】【オーダーゾーン】:【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、クリティカル-1。

― 白銀の大地を覆い尽くす、終焉の兆候。

 

 

ためらいなく宣言するマコト。

吼え猛る獅子の身体に、青白い光が宿る。

 

神秘的な光が、瞳の中で渦巻いて――

 

「世界よ、沈黙せよ!!」

 

マコトの声が、高らかに響き渡った。

惑星クレイの大地。細身の竜が美しい咆哮をあげる。

 

竜が大きく、翼を広げて――

 

「ファナ・ラ・フィアでアタック!!」

 

マコトが、勢いよくカードを動かした。

銀色の光が瞬く。

 

「スキルにより、攻撃対象を相手の山札に変更する!!」

 

 

魅惑竜 ファナ・ラ・フィア

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】このユニットは相手のヴァンガードにアタックできない。

【永】【(V)】:このユニットがアタックする際、相手の山札を選び、バトルする。(相手の山札はパワー0のノーマルユニットとして扱い、相手のヴァンガードの名前とグレードと種族を得る)

【自】【(V)】:このユニットのアタックが相手の山札にヒットした時、相手の山札を上から7枚ドロップゾーンに置く。このターンにあなたがペルソナライドしているなら、この効果はヒットしていなくても発動する。

― 世界を無に還す、魅惑の彗星群。

 

 

放たれる神秘的な波動。

青白い光が山札に憑りつき、ロロネロルの動きが鈍る。

 

 

みんなで歌おう ロロネロル パワー0

 

 

「さらにオレステイアのスキル! ソウルブラストし、パワー+5000! 相手の山札の上から2枚をドロップへ!」

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

カードを抜き取るマコト。

ミアの山札がさらに削られていく。

 

 

ミア デッキ18→16

 

 

「ぐぬぬ……!!」

 

苦しそうな表情のロロネロル。

じたばたと、もがくようにその場で動く。

 

竜の瞳が輝き、無数の細い閃光が放たれた。

 

弓なりに放たれる、矢のような閃光群。

それらがロロネロルに勢いよく迫っていく。

 

そして――

 

「完全ガード!!」

 

魔力が躍動し、巨大な魔法陣が空中に浮かび上がった。

 

 

シャボンスプラッシュ リビェナ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 邪魔しちゃ、だーめ♡

 

 

「ッ!!」

 

顔をしかめるマコト。

閃光群が魔法陣に衝突し、激しい衝撃が巻き起こる。

 

ひらりと、ロロネロルの前に降り立って――

 

「今度は、あたしがロロを守るんだから!!」

 

魔術の印を操りながら、ウィリスタが声を張りあげた。

集中した表情。魔力がきらきらと煌めいていく。

 

「ウィリスタ!!」

 

叫ぶように言うロロネロル。

ウィリスタがフッと、笑みを浮かべる。

 

竜が両翼を広げ、さらなる咆哮をあげた。

 

「ツインドライブ!!」

 

手を伸ばすマコト。

素早くカードをめくっていく。

 

「ファーストチェック、フロントトリガー!! 前列のパワー+10000!!」

 

 

柩機の竜 エンバイロ

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバードラゴン 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 因果を歪めろ。好きにはさせるな。

 

 

カードを表にするマコト。

間髪いれず、その手を伸ばす。

 

瞳の中、神秘的な光が低い音を奏でて――

 

「セカンドチェック、ドロートリガー!! パワーはヘレネーへ!!」

 

さらに1枚のカードが、鈍い輝きを放って表になった。

 

 

アメリオレート・コネクター

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - ワーカロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 換装完了。導電率、ググット高メテオキマシタ。

 

 

カードを引くマコト。

閃光の雨がやみ、魔法陣が力を失って消えていく。

 

肩で息をしながら――

 

「……後はお願いね! ロロ!」

 

ぐっと、ウィリスタが親指を突き出した。

そのまま、疲れ切ったように倒れるウィリスタ。

 

ゆっくりと立ち上がって――

 

「ありがとなのです、ウィリスタ」

 

ロロネロルが、天に浮かぶ竜を睨みつけた。

紫色の瞳と銀色の瞳。視線が空中でぶつかる。

 

手を伸ばして――

 

「アルケスティスでヴァンガードにアタック!!」

 

マコトが、勢いよくカードを動かした。

 

 

宵のアルケスティス パワー23000 ☆0

 

 

「ノーガード!」

 

迷いなく答えるミア。

クリティカルゼロの攻撃が通り、猫の少女を襲う。

 

ミアを指差しながら――

 

「アルケスティスの攻撃がヒットしたので、お前の山札から1枚をドロップへ!」

 

マコトが、はっきりとした声でそう告げた。

 

 

宵のアルケスティス

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - ノーブル

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(R)】:このユニットがアタックする際、相手の、縦列1つのユニットすべてとバトルする。

【自】【(R)】:このユニットのアタックがヒットした時、相手の山札を上から1枚ドロップゾーンに置く。

― 跪け。己が滅びを受け入れよ。

 

 

ミア デッキ16→15

 

 

消えていく運命。

ミアは無言のまま、それを見つめている。

 

白い殺気が渦巻いて――

 

「ヘレネーでヴァンガードにアタック!!」

 

容赦なく、マコトが続けて宣言を行った。

剣を構える女神。白い梟がばさばさと飛び立つ。

 

「ブーストしたオレステイアのスキルで、パワー+5000!! さらに山札の上2枚をドロップへ!!」

 

 

黄昏のオレステイア

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

― 陽が沈み、運命が終わりを告げる。

 

 

再び発動する効果。

ミアの山札がさらに消え、黄昏に消えていく。

 

 

ミア デッキ15→13

 

 

手札を持ちながら――

 

「ノーガード!!」

 

ミアの宣言が、その場に響き渡った。

女神の剣撃が一閃し、空間を切断する。

 

「ヘレネーのスキルで、ダメージを与える代わりに相手の山札の上から3枚をドロップへ!!」

 

 

極夜のヘレネー

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットのアタックが相手のヴァンガードにヒットした時、ダメージを与える代わりに、相手の山札を上から3枚ドロップゾーンに置く。

― その剣が断ち切るのは、運命の航路。魂の道。

 

 

輝きを放つ1枚。

神秘的な波動が竜から放たれ、少女の身体を貫いた。

 

 

ミア デッキ13→10

 

 

ミアを睨んでいるマコト。

手札を構えながら、前を向く。

 

「ターンエンドだ!」

 

威厳ある口調。

マコトが見下したような目を向ける。

 

「これで、お前に残された山札はごく僅かのみ。次の僕のターンで、お前の運命は終わる!」

 

指摘するような声。

その瞳の中で、神秘的な光が妖しく輝きを見せた。

 

緊迫した空気が流れ、戦場から音が消える。

 

「…………」

 

自らの手札を眺めているミア。

その瞳の中の光が、さらに輝きを強めていく。

 

「……ミア」

 

小さく呟くミア。

ぎゅっと、その手を強く握りしめる。

 

命が零れ落ちていく音を感じながら――

 

「――私のターンッ!!」

 

勢いよく、高らかに。

ミアがデッキへと手を伸ばし、カードを引いた。

 

ミアとロロネロル、神秘的な光が共鳴して――

 

2つの世界の運命が、交差した。

 

「ペルソナライドーッ!!」

 

山札から引いた1枚を、ミアがそのまま叩きつける。

 

 

みんなで歌おう ロロネロル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「みんなに響け ロロネロル」(ファイト中、指定カードと同名として扱う)

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(V)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚まで選び、歌う。相手のヴァンガードがグレード3以上なら、さらに【コスト】[「ロロネロル」を含むグレード3を【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのドライブ+1し、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。

― 今日はパレード!みんなで楽しく歌うのですよ~♪

 

 

神秘的な輝きに包まれているロロネロル。

その瞳の中、光が躍動する。

 

「スキルで山札からイングリッドをコール!!」

 

残り少ない山札の上から、ミアがカードを場に出す。

 

 

巡り星の綺想曲 イングリット

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、【カウンターチャージ】(1)し、このユニットと同じ縦列の、あなたの他のリアガードを1枚選び、【スタンド】させる。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。そのバトル終了時、このユニットをあなたの山札の下に置く。(必ず行う)

― お姉様の気紛れに、即興で合わせられてこそ一人前。

 

 

「《六花ふらくたる》をセットオーダー!! さらにリエネをコール!!」

 

温存していた手札から、

ミアが次々とカードを選んでいく。

 

 

六花ふらくたる

セットオーダー/曲 〈3〉 リリカルモナステリオ

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)

【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのオーダーゾーンの裏のカードを1枚選び、表にしてよい。

【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、あなたのリアガードを、あなたの裏のオーダーゾーンと同じ枚数選び、【スタンド】させる。あなたのヴァンガードを1枚選び、この効果で【スタンド】させたユニット1枚につき、そのターン中、パワー+10000。

― 妖精達のチークダンス もう少しだけ眺めていたいの

 

 

果敢な後輩 リエネ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - エルフ 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがグレード3以上をブーストした時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのパワー+10000。

― 今日だけは、先輩にだって遠慮しないんだから。

 

 

埋まりつつある盤面。

空いているのは、もう一つの前列のみ。

 

手札に残った1枚を、大きく掲げて――

 

「そして!!」

 

高らかに叫ぶミア。

ゆっくりと、その指が掴むカードが表になる。

 

自信に満ちた笑みを浮かべて――

 

「《みんなに響け ロロネロル》をコール!!」

 

制服を着た猫の少女が描かれたカードが、場に現れた。

 

 

みんなに響け ロロネロル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌う。(曲の能力を発動させ、その能力を終えたら裏にする)

【自】【(V)】:このユニットがアタックした時、あなたの裏のオーダーゾーンが2枚以上なら、オーダーゾーンから表の曲を1枚選び、歌い、そのバトル中、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。

― 心を込めて!ろろの全力で歌うのですよ!

 

 

「……なに?」

 

困惑したように呟くマコト。

盤面の上、並び立つ猫の少女のカードを見つめる。

 

白い指を置いて――

 

「いくわよ、ロロ!!」

 

ミアが、カードに向かって呼びかけた。

頷くロロネロル。神秘的な光を纏い、身構える。

 

カードを動かして――

 

「イングリッドでアタック!!」

 

ミアの宣言が響き、冷たい風が吹き抜けた。

 

 

巡り星の綺想曲 イングリット パワー36000

 

 

「いい加減、堕ちなさいッ!!」

 

腕を伸ばしているフェルティローザ。

凍える魔力が宙を舞い、竜へと迫っていく。

 

竜が銀色の瞳を細め、そして――

 

「アンティゴネでガード!!」

 

マコトが、カードを場に叩きつけた。

 

「スキルでシールド+25000!! さらに山札の2枚をドロップへ!!」

 

 

暁のアンティゴネ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - ノーブル

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが(R)に登場した時か(G)から退却した時、相手の山札を上から2枚ドロップゾーンに置く。

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+25000。

― 唯そこに在る、限りない絶望。

 

 

ミア デッキ7→5

 

 

翼をはためかせる細身の竜。

放たれた波動が天を震わせ、青い魔力をかき消した。

 

「くっ!!」

 

悔しそうな表情のフェルティローザ。

魔力を使い果たし、その姿が薄く揺らぐ。

 

その横を、疾風のように一つの影が駆け抜けて――

 

「ロロネロルでヴァンガードにアタック!!」

 

クラリッサが、大地を蹴って飛び上がった。

 

 

みんなに響け ロロネロル パワー36000

 

 

「はぁッ!!」

 

柄に手をかけているクラリッサ。

竜の眼前まで迫ると、おもむろに目をつぶる。

 

美しい咆哮が轟いて――

 

「ガードだ!!」

 

マコトが、さらにカードを場に出した。

 

 

アメリオレート・コネクター

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - ワーカロイド 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 換装完了。導電率、ググット高メテオキマシタ。

 

 

柩機の竜 エンバイロ

トリガーユニット 【前】+10000

(フロントトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバードラゴン 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 因果を歪めろ。好きにはさせるな。

 

 

居合い抜きによる一閃。達人の業を放つクラリッサ。

しかし、それを受け止めた白銀の鱗は硬く――

 

鈍い音と共に、クラリッサの刀が根本からへし折れた。

 

「っ、不覚……!!」

 

折れてしまった刀を見つめているクラリッサ。

無念そうに、地上へと落ちていく。

 

神秘的な光を宿しながら――

 

「ロロネロルでヴァンガードにアタック!!」

 

ミアが、必死になりながらそう宣言した。

苦しそうな表情。わずかに息を切らしているミア。

 

紫色の瞳が輝く。

 

「スキルで《六花ふらくたる》を歌い、ロロをスタンド!! さらにスキルでソウルブラストして、ドライブ+1!! この攻撃は守護者でガードできない!!」

 

 

六花ふらくたる

セットオーダー/曲 〈3〉 リリカルモナステリオ

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く)

【自】:このカードがオーダーゾーンに置かれた時、あなたのオーダーゾーンの裏のカードを1枚選び、表にしてよい。

【自】【オーダーゾーン】:この曲が歌われた時、あなたのリアガードを、あなたの裏のオーダーゾーンと同じ枚数選び、【スタンド】させる。あなたのヴァンガードを1枚選び、この効果で【スタンド】させたユニット1枚につき、そのターン中、パワー+10000。

― 妖精達のチークダンス もう少しだけ眺めていたいの

 

 

みんなで歌おう ロロネロル

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

リリカルモナステリオ - ワービースト 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

ドレスアップ-「みんなに響け ロロネロル」(ファイト中、指定カードと同名として扱う)

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールし、山札をシャッフルする。

【自】【(V)】:このユニットがヴァンガードにアタックした時、あなたのオーダーゾーンから表の曲を1枚まで選び、歌う。相手のヴァンガードがグレード3以上なら、さらに【コスト】[「ロロネロル」を含むグレード3を【ソウルブラスト】(1)]することで、そのバトル中、このユニットのドライブ+1し、相手は手札から守護者を(G)にコールできない。

― 今日はパレード!みんなで楽しく歌うのですよ~♪

 

 

辺りを包み込む煌めく光。

美しい歌が、大地を謳い流れていく。

 

 

みんなで歌おう ロロネロル パワー41000

 

 

竜を見上げているロロネロル。

歌をかき消すように、竜が荒々しい咆哮をあげた。

 

禍々しい光が、竜の口元に集まって――

 

「《四精織り成す清浄の盾》を使用!!」

 

マコトが、手札のカードを場に投げ出した。

 

 

四精織り成す清浄の盾

ブリッツオーダー 〈1〉

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【永】:「四精織り成す清浄の盾」はデッキに1枚だけ入れられる。

相手のヴァンガードが『トリプルドライブ』を持つなら、この能力はコストを払わずにプレイできる。

あなたのヴァンガードがグレード3以下なら、【コスト】[手札から1枚捨てる]ことでプレイできる!

あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。このカードを除外する。

― 明日を切望する聲に、精霊は輝く盾を以って応えた。

 

 

制限をすり抜ける完全ガード。

竜の身体に、厳かな精霊の加護が宿る。

 

銀色の瞳を向けて――

 

「言っただろう!! 僕と君とじゃ、格が違うんだよ!!」

 

マコトが、高らかにそう言い放った。

鋭い目を向けているミア。手を伸ばす。

 

細身の竜が翼を広げ、口元の光が収束していく。

 

「――トリプルドライブッ!!」

 

勢いよく宣言するミア。

その指がカードをめくっていく。

 

「ファーストチェック、ノートリガー!! セカンドチェック、ノートリガー!!」

 

 

触れ合う手と手の夢想曲 ロスヴィータ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

リリカルモナステリオ - ゴースト 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが手札以外から(R)に登場した時、「フェルティローザ」を含むあなたのヴァンガードがいるなら、このユニットと同じ縦列のリアガードをすべて【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、そのバトル中、このユニットのパワー+5000してよい。そうしたら、そのバトル終了時、このユニットを山札の下に置く。

― 絡み合う指先の熱が、永遠に醒めない夢想へ招く。

 

 

クーリング・ハート ユイカ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

リリカルモナステリオ - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットと同じ縦列にあなたの他のユニットが登場した時、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【自】【(R)】:このユニットがリアガードをブーストしたバトル終了時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、そのブーストされたリアガードを1枚選び、手札に戻す。

― 片づけは私がやっておくわ。早く帰って休みなさい。

 

 

表になる2枚。トリガーではないカード。

残るドライブチェックは、1回。

 

美しい咆哮と共に、竜の口から閃光が放たれた。

 

巨大な光がロロネロルへと迫りゆく。

世界が白く染まり、大地が砕けて宙へと舞い上がった。

 

すっと、ミアがデッキの上に指を置く。

 

「――サード、チェック!!」

 

振り絞るような叫び。

冷や汗を流し、息を切らしているミア。

 

紫色の瞳の中、光が不安定に揺れる。

 

「無駄なことを!!」

 

不愉快そうな口調。

マコトの瞳の中、銀色の光がさらに強まる。

 

「例え命を削ったところで、お前のような人間ごときには、運命を操る事など、できはしないッ!!」

 

「運命はッ!!」

 

声を張り上げるミア。

マコトが驚いたように目を見張る。

 

鋭い視線を向けながら――

 

「私は……私はッ!! 運命を操ろうだなんて思った事、一度もないッ!! 私にとって、運命はッ!! 運命は……ッ!!」

 

息も絶え絶えに話すミア。

辺りの景色が遠ざかり、様々な光景が脳裏を流れていく。

 

穏やかな白い色が目の前に広がって――

 

『また、明日ね』

 

微笑み、手を振る少女の姿。

一番大切な記憶。かけがえのなかった存在。

 

思い出を胸に抱いて――

 

「――運命は、この手で掴み取るものよッ!!」

 

ミアの瞳の中で、光がひと際強く輝きを見せた。

凄まじいまでの煌めき。身じろぐマコト。

 

その指がカードを掴み、そして――

 

「サードチェック、オーバートリガーッ!!」

 

真紅の光が渦巻き、灼熱の嵐が荒れ狂った。

 

 

焼尽の精霊王 ヴァルナート

トリガーユニット 【超】

(オーバートリガー) 〈0〉 (ブースト)

エレメンタル パワー5000 / シールド50000 / ☆1

(【超】トリガーはデッキに1枚だけ入れられる。トリガーで出たら、そのカードを除外し、1枚引き、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー1憶!ドライブチェックで出たら、さらに追加効果が発動!)

追加効果-【スタンド】しているあなたのリアガードを1枚選び、そのターン中、『【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、このユニットを【スタンド】させる。』を与える。選ばなかったら、1枚引き、あなたの手札からユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールする。

― 革新の祖たる奇跡の炎よ。無量の力を授けたまえ。

 

 

「なにッ!?」

 

驚愕の声。

マコトが目を大きく見開く。

 

白い閃光がロロネロルの姿を飲み込み、そして――

 

「パワーと効果は全て、ロロネロルへッ!!」

 

ミアの宣言と共に、

朱い光が一閃して白い光が粉々に砕け散った。

 

精霊の加護の下、ロロネロルが勢いよく飛び出す。

 

 

みんなに響け ロロネロル パワー100023000

 

 

「ロロネロルでヴァンガードにアタックッ!!」

 

カードを動かすミア。

ロロネロルが拳を振りかぶった。

 

竜がその身を引いて――

 

「完全ガードッ!!」

 

マコトが、カードを盤面へと出した。

 

 

ヴァイオレート・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 本能で、異質なる物を拒絶する。

 

 

咆哮が空気を震わせ、ロロネロルが吹き飛ばされる。

空中を落ちていくロロネロル。すっと、右手を伸ばす。

 

白と黒の羽が、宙を舞って――

 

「ヴァルナートのスキルで、ロロをスタンドッ!!」

 

アレスティエルが、ロロネロルの手を掴んだ。

 

 

焼尽の精霊王 ヴァルナート

トリガーユニット 【超】

(オーバートリガー) 〈0〉 (ブースト)

エレメンタル パワー5000 / シールド50000 / ☆1

(【超】トリガーはデッキに1枚だけ入れられる。トリガーで出たら、そのカードを除外し、1枚引き、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー1憶!ドライブチェックで出たら、さらに追加効果が発動!)

追加効果-【スタンド】しているあなたのリアガードを1枚選び、そのターン中、『【自】【(R)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、このユニットを【スタンド】させる。』を与える。選ばなかったら、1枚引き、あなたの手札からユニットカードを1枚まで選び、(R)にコールする。

― 革新の祖たる奇跡の炎よ。無量の力を授けたまえ。

 

 

「ぐっ、くっ……!!」

 

冷や汗を流し、よろめいているマコト。

手札に残った最後の1枚を見つめる。

 

 

魅惑竜 ファナ・ラ・フィア

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】このユニットは相手のヴァンガードにアタックできない。

【永】【(V)】:このユニットがアタックする際、相手の山札を選び、バトルする。(相手の山札はパワー0のノーマルユニットとして扱い、相手のヴァンガードの名前とグレードと種族を得る)

【自】【(V)】:このユニットのアタックが相手の山札にヒットした時、相手の山札を上から7枚ドロップゾーンに置く。このターンにあなたがペルソナライドしているなら、この効果はヒットしていなくても発動する。

― 世界を無に還す、魅惑の彗星群。

 

 

「馬鹿な……!! ギーゼの使徒たる、この僕が……!! 人間相手に……運命の、奔流を……!!」

 

うわごとのように呟いているマコト。

ミアが息を吸い込み、吐く。

 

指を伸ばして――

 

「――ロロネロルで、ヴァンガードにアタック!!」

 

最後の宣言が、2人の間に響き渡った。

天高く、竜の頭上へと飛び上がるアレスティエル。

 

ロロネロルが、空中に投げ出される。

 

威嚇するように咆哮をあげる細身の竜。

銀色の瞳の中、神秘的な光が怯えたように揺らぐ。

 

赤い光をその身に纏いながら――

 

「にゃああああああーッ!!」

 

ロロネロルが拳を振りかぶり、竜へと迫った。

その紫色の瞳の中で、赤い光が弾ける。

 

一瞬、世界の全てが音を失って――

 

ロロネロルの拳が、竜の身体に勢いよく叩きこまれた。

 

「があああああぁぁぁぁぁッ!!」

 

地球と惑星クレイ。

2つの世界で、苦痛の叫び声があがる。

 

砕け散る鱗。竜の身体が朽ちた大地に堕ち、そして――

 

最後の1枚が、ダメージゾーンへと置かれた。

 

 

魅惑竜 ファナ・ラ・フィア

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート - スペースドラゴン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】このユニットは相手のヴァンガードにアタックできない。

【永】【(V)】:このユニットがアタックする際、相手の山札を選び、バトルする。(相手の山札はパワー0のノーマルユニットとして扱い、相手のヴァンガードの名前とグレードと種族を得る)

【自】【(V)】:このユニットのアタックが相手の山札にヒットした時、相手の山札を上から7枚ドロップゾーンに置く。このターンにあなたがペルソナライドしているなら、この効果はヒットしていなくても発動する。

― 世界を無に還す、魅惑の彗星群。

 

 

マコト ダメージ5→6

 

 

ふっと、意識を失うマコト。

身体から力が抜け、そのまま倒れ込む。

 

その右手に浮かぶ、紋章型の痣が消えていった。

 

「はぁ……!! はぁ……!!」

 

荒く息をしているミア。

苦しそうな表情を浮かべ、胸を抑える。

 

「これで、任務完了……」

 

だらだらと冷や汗を流しながら、呟くミア。

大きく息を吐くと、前を向こうとする。

 

瞳の中、渦巻く神秘的な光が瞬いて――

 

「あっ……」

 

小さな声を残し、ミアもまた、その場に倒れ込んだ。

落ちていくカード達。冷たく広がる地面。

 

全身の力が抜け、心臓の鼓動だけが響いていく。

 

暗くなっていく視界。世界が閉じられていく。

死の気配が、音もなく辺りを彷徨うのを感じて――

 

カナタが、ゆっくりと微笑んだ。

 

「これでようやく……ミアの所に行ける……」

 

心の底から安堵した声。

穏やかな笑みが、その口元に浮かぶ。

 

様々な記憶の光景が頭の中をよぎり、そして――

 

カナタが、静かにその目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗な歌声が、辺りに響いていた。

 

透き通るような声と、楽しそうに歌う声。

2つの声が混じり、美しいハーモニーを奏でていく。

 

どこか懐かしさを感じさせる、暖かい歌。

 

白い空間の中、カナタが目を覚ます。

 

「……ここ、は?」

 

倒れ込んでいたカナタ。

よろよろと、その場で起き上がる。

 

どこまでも続く白い空間。流れている歌。

 

歌声が途切れて──

 

「イエーイ!」

 

2人の少女が、楽しそうに声をあげた。

ハイタッチを交わしている2人。煌めく笑顔。

 

猫の少女と長い髪の少女が、笑い合う。

 

「……ミア?」

 

少女の方を見つめながら、呆然と呟くカナタ。

カナタの姿に気付いた少女が、手を振る。

 

「にゃ!? お前は!?」

 

カナタを見て驚く猫の少女──ロロネロル。

威嚇するように、その毛が逆立つ。

 

「話しは全部聞かせてもらったのです!! お前のせいで、ろろのニャンダフルスクールライフが、めちゃくちゃに……!?」

 

言葉が途切れていくロロネロル。

驚いたように、目を見開く。

 

カナタの目から大粒の涙が落ちた。

 

「ミア……!!」

 

口元を押さえているカナタ。

ゆっくりと、2人の方へと歩いていく。

 

「ミア、ごめんね……!! 私、私……!!」

 

手を伸ばすカナタ。

様々な想いが溢れ、言葉が詰まる。

 

ミアが歩み寄り、そして──

 

「お姉ちゃん」

 

優しい声と共に、カナタをそっと抱きしめた。

うつむくカナタ。暖かな感触が伝わっていく。

 

微笑みを浮かべて──

 

「世界で一番、愛してる」

 

ミアが、ささやくようにそう言った。

カナタが嗚咽を漏らし、ミアにすがり泣く。

 

愛おしそうに、ミアがその姿を見つめた。

 

穏やかに流れゆく時間。

白い空間が、ほんのかすかに震える。

 

「……それじゃ、後はお願いね。ロロ」

 

「分かったのです! ろろに任せるのです!」

 

ふんすと、胸を張っているロロネロル。

ミアが嬉しそうに微笑んだ。

 

ゆっくりと、ミアが深く息を吐き、そして──

 

どんと、ミアがカナタを突き飛ばした。

 

「ミア!?」

 

驚愕の表情を浮かべるカナタ。

ロロネロルが、カナタの身体を受け止める。

 

辺りが大きく揺れ出し、白い地面に亀裂が走った。

 

「ミア!! 待って!! 私も一緒に!!」

 

必死になって、手を伸ばすカナタ。

ロロネロルが「にゃー!!」とカナタを抑え込む。

 

その手をあげて──

 

「お姉ちゃーん!!」

 

白い空間にはっきりと響く声。

にっこりと、ミアが大きく笑みを浮かべた。

 

「ミアがいなくても、ちゃんと毎日お風呂には入る事! 食事は1日3食、お菓子だけはダメ! あと、寝る前にスマホは見ないで、仕事も無理したらダメだからねー!」

 

元気よく話す声。

目を見開くカナタ。その動きが止まる。

 

煌めく笑みを浮かべて──

 

「また、明日ね!」

 

ミアが、そう言って手を振った。

いつか聞いた言葉。カナタが大きく息を呑む。

 

涙が零れ、そして──

 

「……また、明日」

 

カナタもまた、震える声でそう応えた。

2人が見つめ合い、笑い合う。

 

白い空間が遠ざかり、そして──

 

「──綺羅星ミアッ!! 起きなさいッ!!」

 

ミアの顔の前で、叫ぶような声が響いた。

廃墟ビルの隙間に開けた空間、ファイトテーブルの前。

 

三芳野ヨウコの声が、その場に反響する。

 

「お願いです……!! あなたには聞きたい事が、たくさんあるんです……!! だから、だからどうか……!!」

 

振り絞るように話すヨウコ。

ぽたぽたと、ミアの頬に涙が落ちる。

 

「…………」

 

目を閉じているミア。

廃墟の広場に、すすり泣く声が響いていく。

 

すっと、その手をあげて──

 

「ちょっと……」

 

その口から漏れる声。

ハッとなって、ヨウコが顔をあげる。

 

紫色の瞳を向けて──

 

「あんた、泣きすぎよ……」

 

ミアが、呆れたように微笑んだ。

 




VANGUARD
StarSong
 FIN

~Thank you for your reading~
 
 
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